デザエモンkids!/Select100/その他

仕様

デザエモンプラス固有の仕様について.

発砲限界位置

画面の 1/4 程度より下にいる敵は一切の発砲をしない. (下画像, 水色ライン程度)
吐くのが弾だろうが雑魚だろうが, どんなに超速で連発する設定にしていようとも全ての雑魚キャラに適用される大原則である.

特定エリアに居座る敵がこの画面下 1/4 のラインを割っているかどうかは飛びこむタイミングの重要な判断材料となる.
敵がこのラインを跨いでいるかを常に意識し, 肉薄しても安全かどうかを見極めながらプレイすると
追い詰められた状況でも多少は生存率が上がるだろう.
スクロール速度の遅い地帯では特に重要となる知識である.

自機狙い弾封じ

自機方向に弾を吐く敵はある程度まで接近すると発砲を封じる事ができる.
敵のサイズは問わないが, 流石にボスには効果が無い.
また発砲しなくなるのは敵弾のうち自機を狙ってくるもののみ (1 ～ 5 WAY弾と自機狙い分裂弾) で,
自機を狙わない特定方向への発砲や雑魚を吐き出す攻撃は封じられない.
敵弾ならボムで消せば済む話なのでそれほど役立つ場面は多くない.

自機追尾 1 の欠陥ルーチン

プラスの仕様としては割と有名な SFC 版からの劣化点.
常に自機に向かって一直線に進む移動パターンであり, 自機依存で変則的な動きができるため使い道が豊富なのだが,
SFC 版では正常だった雑魚キャラの自機追尾性能がアホになっており, 対策さえ知っていれば簡単に引き離して撒く事ができる.

① 自機から見て反時計回りに接近している敵を自機左下に誘導すると,
　何故かわざわざ逆方向(自機から離れる方向, つまり時計回り)に旋回する.

② 更に自機から見て時計回りに接近している敵を自機左上に誘導すると,
　こちらも何故かわざわざ逆方向(自機から離れる方向, つまり反時計回り)に旋回する.

①と②を延々繰り返すと, 自機に接近してくるはずの敵が逆に遠ざかっていってしまう.
極端な話, タイミングを合わせて上下に往復しているだけで簡単に画面左端へスクロールアウトさせる事が可能.
この現象は自機より左にいる敵にのみ起こる. 右から迫る敵には起こらない.

これを使うと普通では画面外に追いやる事の出来ない低速な追尾キャラも相手にする事なくやり過ごせてしまう.
さりげなくグランプリの "影狼" 製作者のコメントでも言及されていた.

Z 軸の異なる相手への攻撃

通常 Z 軸がズレている敵とはお互い攻撃は一切当たらず接触もしない(設定次第でごく一部例外あり. 別項として後述)相互不干渉の関係である.
しかしこちらからは Z 軸のズレている相手に一方的に攻撃を当てる手段が存在し,
例外的にMISSILE 専用のボムであるレーザーボムだけは何故か Z 軸のズレている相手にもダメージが入る.
これから軸を合わせてこようとしているような相手に安全に先手を叩き込めたり, 背景演出として配置されているような敵キャラを倒せてしまう事もある.

腹撃ち探索の例外(透過壁)

全ての敵は拡縮中の衝突判定の有無を設定でき, 衝突しない設定にすれば等倍以外の状態では自機と重なっても接触した扱いにならない.
衝突判定をしない設定にして縦横両方向の拡大で大きく見せれば, 自機より手前(上空)にいるように演出ができる訳である.
しかしこれは縦横両方向を等しく拡縮する敵に限った話であり,
横長または縦長の拡縮処理を行っている敵は, 等倍でない状態でも常に自機と衝突する.
何故か等倍以外での衝突判定をしない設定にしていても衝突した扱いになるのである.
しかも等倍ではないので Z 軸はズレている扱いなのか, ショットは素通りする.
ショットが通るか通らないかで自機が通過できるかを判断する手法(腹撃ち探索)が一切通用しないため, この場合プレイヤーにとって衝突回避の判断材料は視覚だけになる.
グラフィックをまともに表示しない詐欺判定が加われば究極の初見殺しの完成である.

雑魚キャラの拡縮処理が実装された事で, SFC 時代に通用していた腹撃ち探索の大原則が崩れた事になる.
プラスではショットが通る場所を安全に通過できる保証は無いのだ.
このギミックを多用している作品が少ないのは唯一の救いか.

※ 本体の衝突判定が全く発生しなくなる戦車属性は, 拡縮中の衝突判定よりも優先される. 戦車属性持ちの敵にはこれらの現象は適用されない.

バランス

製作側の設定でも手の届かない, デザエモンという STG の根本的なバランスについて.

基本は MISSILE

何だかんだでプラスになっても武器性能は殆ど調整が利かない.
別ページでも触れているが, SFC 時代からとにかくミサイルの性能が高火力かつ広範囲で万能.
単発の威力の高さと一点集中型のボムを使ったボス戦での速攻が非常に強力でありながら, ホーミングミサイルのお陰で道中攻略も器用にこなせる.
唯一の欠点である初速の遅さから高速かつ手数で押してくる構成はバルカンに劣るが, オールマイティに活躍ができるためこの武器を主軸に攻略を進めるのが一番楽.
ミサイルの出現する作品は率先して回収に努めるのが良い.

製作者コメントを見れば分かる通り, ボムゲーゴリ押しスタイルを通用させまいとする魂胆で製作されている作品は少なくないのだが,
その苦労はこの武器一つで脆くも打ち砕かれる.
と言うかそういうコンセプトの作品に限ってミサイルが使えてしまう辺り, まだまだバランスの周知に関して黎明期だったのだろうかと惜しまれる所.

HOMING LASERは地雷

棒立ちでも敵を勝手に攻撃してくれるため楽チンな武器だが, 他の武器とは比較にならない程火力が低く, 複数の敵が現れると途端にその脆さが露呈する.
固有の線ボムも似た性質を持つため, 距離を詰められすぎると咄嗟の対応が間に合わない.
この武器でなければ抜けられないといったギミックはまず存在しない. この武器で凌げる場面は他の武器でも大抵何とかなるはずなので,
耐久の低い敵が大量に現れる場面で手を抜きたい時に使用する程度に留めるのが良い.
難易度が高く何度もプレイする事になるであろう "むし～る" 最終面の開幕等が好例.

難易度を上げやすい構成

破壊できず接触判定を持つ(耐久∞ 1 設定)雑魚キャラは倒せないばかりか, 貫通しないタイプのショットを吸って他の敵への攻撃を妨害する上にボムも一切無効のため総じて大きな脅威となる.
いくら装備を強化していようが関係無しにシールドが無い限り接触しただけで一発アウトのため, これらを隙間なく並べる地形配置は通行幅の狭さに比例して爆発的に装備を失うリスクが上がる訳である.
このタイプの敵を多数配置している作品はいずれも難易度が高くなる傾向にある.
縦長の高速で直進する敵をビームに見せかけて吐き出させる手段は定番中の定番だが, これを破壊不能にされると正直プレイヤー側は成す術がない.
大抵は視認した時点で回避不能であり, 無慈悲に装備と残機を毟り取られる事になる. 初見殺しの代表格と言えよう.

また敵弾の発砲パターンにも, 多用するとあっという間にバランスが崩壊しかねない恐ろしいものが含まれる.
敵本体からの発射後に進路を変える変則的なパターンが 3 種類ほど存在し, いずれも数を連射させるとたちまちボムゲーを助長する事となる.

直下型(下方 5WAY と思わせて, ある程度広がった時点で全弾真下に進路を変える)
分裂(下方 1WAY がある程度進むと下方 5WAY に分裂する)
自機狙い分裂(下方 1WAY がある程度進むと自機方向に向かう 5WAY に分裂する)

特に自機狙い分裂弾は不意を突かれる上にどんなに距離を取っていても常に危険が付きまとうため一際厄介.
流石に Select100 に選ばれた作品群という事で, これら禁断の変化球を常時多用するガキ臭いアンバランスなゲームは存在しないが, それゆえ忘れた頃にいきなり現れるとも言える.
見かけたら用心しよう.

難易度オプション

当 wiki は全て難易度 Normal を前提とするため聞き流す程度で.
全ての作品はタイトル画面で難易度を選択できる.

Hard にすると内部ランクが変動し, 徐々に敵弾の速度が上がっていく. ランクはゲームスタートからの通算で徐々に上昇していき, 大抵序盤を抜ける頃には最高ランクに達してしまう.
しかもリスタートする以外にランクを落とす手段は無く, たとえゲームオーバーになってもランクは上昇しっ放し. Hard とは即ち弾速が非常に速いモードであるという認識であながち間違っていない.

更にセレクトを押しながらで Difficult を選択可能. こちらは弾速は上昇しないが全ての雑魚キャラが 100% 大量の撃ち返しを発するようになる.
打ち返し量は敵のサイズによって決まっており, 一番小さいサイズ (16 * 16) は 1 発のみだが, 大型サイズ (64 * 64) はかなりの時間差でもって数十発もの敵弾が跳ね返ってくる.
ただし全て非常に正確に自機を狙ってくるため誘導はしやすく, 自機狙い弾なので前述の通り肉薄する事で発砲を封じる事もできる.
とにかく弾が大量に出るため作品によっては画面上の表示最大数に達してしまい, 新しく敵キャラが出現できず演出が欠けたりする事がある不安定なモードと言える.

製作者コメントでもしょっちゅう高難易度プレイについて言及されているが,
両者は難易度上方修正のベクトルが異なるため, 優劣を一概には定められない.
これらを比べる事は非常にナンセンスである.
Difficult は弾速が上がらないため, "やどかりの家" 等 Hard よりも Difficult の方がクリアが簡単な作品も存在する.

Easy については省略.

過去コンテスト作品について

やはり先駆者というものは偉大である.
美麗なグラフィックや複雑な演出, 癖のあるボス等, 多くの可能性を提示した.
過去作品がソフト内同梱で気軽に閲覧できた事, プラスが SFC 版の機能拡張版であった事, 過去作品のデータをロード可能であった事等から,
Select100 に名を連ねた全てのデザエモナーにとっての強固な礎となったのは間違いない.

当然影響を強く受けている作品も多く(と言ってしまうと製作者としては複雑かもしれないが…),
当 wiki の作品解説欄でも比較対象として度々名前が挙がるため, それぞれ簡単な紹介をしておく.
これらは全てデザエモンプラスに収録されている.

第 1 回コンテスト

タイトル	受賞	解説
SCARECROW	グランプリ	初代グランプリ. オーソドックスな作風だがグラフィック, サウンド等非常に高レベルで纏まっている, バランスの取れた作品. THANKSに一切の記載をしない潔さが印象的ではあった. 一人でもこれだけの作品が作れるのである.
THE HEART OF DARK	グラフィック & ミュージック	一線を画したドット絵と世界観が特徴の岩田友彦氏の初作. 同氏の作品はいずれも他の収録作品とは異なる特例的措置を受けているため, 一際異彩を放っていた. とにかくグラフィックの書き込みに圧倒される. この時代にアマチュアがこれだけのドットを打つというのだから恐ろしい. 初見殺しの要素が多く普通にプレイするにしても案外手こずる. 同氏の 3 作品の中では最も難しい. プレイ可能なゲームだが, 例外的にデータロードは出来ないようになっている.
祝・ゲーム 1 号	アイデア	拡縮処理の無かったこの時代から疑似的な Z 軸ずらしや自機後方からの追い抜き等, ハイレベルな演出が盛り込まれた傑作. ムービーの 1 号とプレイ可能な 3 号, 2 本掲載されている. 最低 2 本は応募したという事か…凄まじい意欲である. エンディングで 1 面丸々使う構成はこの作品 (1 号) が初出と思われる. 高難易度の高速ステージも存在し, クリアには骨が折れる.
マジカルキット	コミカル	ムービーのみの掲載だが, 本編後におまけ漫画が載っており, そちらの印象が非常に強い. Select100 ではほぼ全てのゲームに作者のコメントが付随しているわけだが, 当時で見ればたかが創作 STG にここまで…という衝撃は本当に大きかった.
けじめ	特別賞	恐らくデザエモンの作品としては最も知名度の高いものと思われる. ムービーのみの掲載. ロムカセットを複数分使った 7 面以上の構成になっているため当然といえば当然. STG で文章を読ませるという斬新な怪作. STG を作るための要素をここまで上手く物語の演出に利用できている点は驚嘆に値する. ビデオテープでの応募だったからこそ成し遂げられた所業であろう. メタ的なストーリー展開も当時としてはまだ珍しかった? プラスの説明書の挿絵にて応募ビデオテープ用と思われるジャケットラベルまで作られていた事が確認できる.

第 2 回コンテスト

タイトル	受賞	解説
JUSTICE	アテナ賞	岩田友彦氏の 2 作目. グランプリ…とは違う模様. 相変わらずの超美麗グラフィックだが, 今作は STG としての難易度を大胆に切り捨てた構成. クリアは非常に簡単で極端な魅せゲーとなっている. タイトル曲が本当に泣ける. エンディングの最後の最後で流れる演出も憎い. プラス収録に当たって, 6 面が丸々エンディングのためか特例としてこの作品だけラスボスを倒してもスタッフロールがスキップされるのが印象的だった. THE HEART OF DARK と同様にこちらの作品もデータロードは出来ない. 難易度 Difficult にするとそこそこ化けるゲームでもあり, そのギャップが面白いかも.
UNDER THE SUN	グラフィック	タイトルがいい感じ. 「この世で」とか「ありとあらゆる」とかそういう意味みたいだ. グラフィックが評価された作品なのに当時の荒いムービー掲載のみというのは何とも残念な話. 尺が短くカットだらけだし… 各種ギターを使ったカッコいい曲が多い. やっぱりこの音色は様になる. 終盤まではオーソドックスなメカ物だが, ラスボスは一体何なのだろうか…ウエディングドレス? 速度やパワーアップを最大まで上げない, ラスボスまでミサイルを取らないといった魅せプレイが印象に残る.
ハード・マシーン	ミュージック	典型的なお固い感じの SF 物. フォントがとても綺麗. 製作者は音屋さんであり, 後述のリトルチェイサーを製作した祁答院氏と同じ「チームグリグリ」のメンバーの一人という事で, そちらの作曲にも携わっている模様. 最終面以外は戻り復活. ラストの盛り上がりは凄まじく, BGM とアイテム祭りが相まってハイな気分になれる. 後半は自機狙い弾が多角からそこそこ飛んでくるバランスで, スピードが出るまでやたらとかかるこの頃の仕様では結構しんどかった.
リトルチェイサー	コミカル	後に「チームグリグリ」としてホラーアドベンチャーの金字塔「コープスパーティー」シリーズ等を生み出す事となる祁答院慎氏の手掛けた作品. 可愛らしい魔女が自機のファンタジー系 STG. しかし受賞とは裏腹に実際コミカルなのは前半だけで, ステージが進む毎に魔窟へ堕ちていく展開は手に汗握る. 特定の BGM は評価が高く, kids! のサンプルにもそのまま引き継がれたものがあるようだ. 某岩男ハックロムでも使用されていた. そのためかこの時期の入賞作品の中ではやたら知名度が高い気がする.
春を探しに	特別賞	こちらは「開発室Pixel」として世界的に有名なゲーム「洞窟物語」等を生み出す事となる天谷大輔氏の手掛けた作品. ラスボスは本体はビームしか撃たないが軌道に合わせて雑魚を配置しており, ボスが多彩な攻撃を繰り出すよう見せかけている. その他にも自機にまとわりついてアイテムを吐き出すお助けキャラや, 戦車属性の敵を絶えず飛ばしてショットを封じてくるためボムしかまともに攻撃が通らないボス, エンディングで文字が浮き出る演出等, 手の込んだ構成が沢山盛り込まれており, 泣けるメロディーと合わさって見入ってしまう. 特に 4 ボスや 5 ボスの曲はもっと評価されるべき. これが特別賞止まりってどういう評価なんだか… ムービーのみの掲載である事が本当に残念. 個人的には一番お気に入りの作品. 5 ボスが下向いた猫だって事に当時は気付かなかった…
バトルライナーリターンズ	特別賞	リターンズという事らしいが過去作があるのかは不明. BGM は全てサンプル曲の音色を変更したもので, 自分で曲を一から作る必要は必ずしもないのだという事を教えてくれた作品. アイテム大漁で低難易度な上に配点が非常に高く, 簡単に残機がカンストまで貯まってしまう. 大味なゲームとはまさにこれの事であろう. 弾と見せかけた直進雑魚キャラのオンパレードなので, これらが迎撃不可能な硬さだったらかなりの難易度になっていただろう.
やどかりの家	特別賞	プラス収録作品の中で恐らく最もヘイトを集めたと思われる悪名高い本作, 何と全編通じてアイテムが一つも出現せず, 前方 2WAY バルカンと円ボムのみで全 6 面を攻略しなければならない. というのも SFC 版ではアイテムに関して調整できるのはグラフィックだけで, 出現アイテムの順番変更や制限等は一切不可能であったため, 特定のパワーアップを抑止したいとなるとこのような 0 か 1 かという極端な調整方法を取る他に無かったのである. 4 面以降のボスは単純に弾幕が厳しくかなりの地力が必要なため, ゲームオーバーを繰り返しながらでも 1 ミスが命取りとなりかねない. 第 2 回コンテストまでの中では間違いなく最高の難易度を誇る. ただし Select100 にはこれを遥かに凌駕する難易度の作品が存在するため, これをクリアできるだけの腕前は欲しい所.
うちぬけろ爆風太	特別賞	SF でもファンタジーでもない, 軟派な学園物の馴染みやすい STG. 爆風が描き文字になっているのが印象的. 文房具や数学記号といった学生にとって縁の深い敵キャラが出現するため, この作品に影響を受けて挫折した人は多そう. また 5 ボスの為だけに専用の敵弾グラフィックを用意するという思い切った設定になっている. 4 面以降の迷走ぶりは一体…

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ゲーム
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