パァーン!
清々しく晴れ渡った青空の下、山々の間に大きな銃声が響き渡る。
「当たったか?」
「見てくるよ」
俺とともに猪狩りに参加していた彼はそう言って茂みの中に姿を消すと、中型の猪を重そうに引きずりながら草の間から顔を出していた。
「バッチリだ」
これで今日の収穫は3頭目になる。
荷物になるだろうと思って弾は初めから散弾銃の中に装填されていた7発しか持ってきてはいなかったが、たった4発で3頭仕留めたのだから上出来というものだろう。
近頃麓の町で猪が暴れて困っているという話を聞いて渋々出張ってきたものの、この程度の仕事で金がもらえるのなら悪くない。

「ピィ!ピピィ!」
だが相方と一緒になって笑っていたその時、少し離れたところで何かの叫び声が聞こえた。
ふとそちらへ視線を向けると、2頭の動物が茂みの奥を砂埃を上げながら疾走している。
前を走っている動物は青黒っぽくてよくわからなかったが、それを追いかけていた茶色い影は紛れもなく猪のそれだった。それも、そこそこに大きい。
パァーン!
俺は咄嗟に銃を構えると、茂みの間から姿を現した猪の横っ腹に散弾を命中させた。
「グッ!」
だが呻くような声とともに一瞬猪の体が傾いだものの、どうやらとどめにはならなかったらしい。
やがて手傷を負った獣が、顔に怒りを滲ませたままゆっくりとこちらの方に向きを変える。
そして2度3度地面を蹴り鳴らすと、猪が雄叫びを上げながら猛然と俺の方に向かって突進してきた。
「お、おい、早く撃てよ!」
焦った相方が大声を上げたものの、落ちついて猪の眉間を狙いながら慎重に引き金を絞る。
パーン!
次の瞬間赤い飛沫とともに猪の額が弾け、肉塊と化した獣が声もなく地面の上に崩れ落ちていた。
「ふう・・・」
「あ、危なかったな・・・でも、これで4頭目だ」
「ああ。今日はもう帰ろう」

その俺の提案に頷くと、彼は地面に倒れ伏した猪に縄を結び付け始めた。
こうして重い猪を引きずりながら運び、宿泊先である山小屋まで帰るのだ。
「ああ、こいつはちゃんと持っていくから、お前は先に帰ってなよ。鍋の支度でもしておいてくれ」
「ん、ああ、わかった。ゆっくりきなよ」
ピンと親指を立てた相方をそこに残すと、俺はお言葉に甘えて先に帰ることにした。
「さすがにさっきのはちょっと焦ったな・・・」
地面を踏み鳴らしながら迫ってくる猪の迫力を思い出し、ブルッと身を震わせる。
あんなのをまともに食らったら、大怪我くらいじゃすまないだろう。
簡単な仕事だと高を括っていた俺だったが、さすがに1度身の危険を感じると少々過敏になってしまう。
だが一応辺りに注意しながら山小屋への帰路を急いでいたその時、突然背後からガサガサという草木の揺れる音が近づいてきた。
「わぁっ!」
パァーン!
その奇襲に驚き、思わず振り向きざまにその何者かに向かって銃を発砲してしまう。
「ウグッ!」
激しい銃声とともにさっきの猪が発したようなこもった呻き声が聞こえ、俺は茂みの奥でゆらゆらと体を揺らす獣の様子を窺っていた。

「・・・え?」
だがそこから見えたのは、群青色の鱗に身を包んだ大きなドラゴンの姿だった。
金色に輝く蜥蜴のような鋭い眼が、銃を構えた俺の姿を捉える。
「貴様・・・」
茂みの中から出てきたドラゴンの肩口に、散弾がめり込んだ痛々しい傷がついていた。
ポタポタと、削り取れた鱗の間から真っ赤な血が滴り落ちている。
その傷を一瞥するやいなや、ドラゴンがギラリと殺気を孕んだ視線で俺の魂を射抜いた。
そしていつでも飛びかかれるように大きな体をたわませながら、ゆっくりと俺の方に向かって近づいてくる。
「う・・・うぅ・・・うわああ!」
カチン
俺は恐怖に駆られてドラゴンに向かって銃の引き金を引いたものの、非情な弾切れの音が辺りへと響き渡った。
「あ、ああ・・・」
カチン、カチン・・・
何度引き金を絞っても、空しい金属音が断続的に鳴り響くばかり・・・

「フフフ・・・もう弾はないようだな・・・」
ドラゴンの放った言葉に、ひどく愉快そうな響きが混じっている。
俺は手にしていた散弾銃を脇へ捨てると、じりじりと後退さりながら擦れた声を絞り出した。
「ま、待ってくれ・・・撃つつもりはなかったんだ・・・ゆ、許して・・・」
その瞬間、ガッという音とともに地面から突き出ていた岩に躓いて転んでしまう。
そして仰向けに倒れた俺の上に、隙を窺っていたドラゴンが一足飛びに飛びかかってきていた。
「う、うわああああ!」
咄嗟にドラゴンを押し退けようと腕を突き出したのも空しく、その巨体の下にがっちりと組敷かれてしまう。
「捕まえたぞ・・・フフフフフ・・・覚悟するがいい。この傷の礼はたっぷりとさせてもらうからな・・・」
長い首を巡らせて肩の傷をペロリと一舐めしたかと思うと、ずっしりとしたドラゴンの凶悪な重量が俺の体に預けられ始めた。
「た、助けてくれぇ・・・」
いやいやをするように首を左右に振りながら懇願するが、ドラゴンが怯える俺の心を更に抉る。
「貴様には地獄の苦しみを味わわせてから食い殺してやろう・・・フフフ・・・」
「だ、誰かた・・・」
なおも悲鳴を上げようとする俺の口を、ドラゴンが片手で塞ぐ。そしてそのまま、俺は顔をグッと握り締められていた。
「む、む〜〜〜〜!」
メキメキという嫌な音とともに頭蓋が軋み、ドラゴンの指の腹が俺の頬に食い込んでいく。

やがてきつく目を閉じたまま骨を締めつける苦痛に耐えていると、ようやくドラゴンが俺の顔を離してくれた。
「貴様の柔な頭などいつでも握り潰せるのだ・・・これ以上下手に私を怒らせぬ方が身のためだぞ」
「うっ・・・う・・・」
「もっとも・・・どちらにせよ最後に行きつく先は同じなのだがな・・・フフフ・・・」
だめだ・・・とても敵わない・・・このままじゃ殺されてしまう・・・
頭の中を絶望が幾度となく駆け巡り、ドラゴンの口から覗いている牙から目が離せなくなる。
だがドラゴンは少しだけ体を浮かせると、指先から生えたその鋭い爪で俺の着ていた服を無造作に引き千切っていた。
ビリッビリビリビリッ
「な、何を・・・」
目に涙を浮かべながらそう聞いたものの、ドラゴンは危険な笑みを浮かべて俺の顔を覗き込んでいるばかり。
再び群青色の巨体がゆっくりと下りてくると、皮膚に触れたドラゴンの鱗がとても冷たく感じられた。

ヌチュッ・・・
「くあっ!」
突如下半身に走った予期せぬ刺激に、ドラゴンの体の下で思い切り仰け反らせてしまう。
その拍子に、熱く蕩けた秘所へと咥え込まれていた俺のペニスがさらに奥深くへと飲み込まれた。
「うあ・・・あ・・・何をするつもりだあぁぁ・・・」
気持ちよすぎる!
ただドラゴンの膣にペニスを捕らえられただけだというのに、背筋をゾクゾクと耐え難い快感が襲ってくるのだ。
「フフフフ・・・言ったはずだ・・・地獄の苦しみを味わわせてやるとな・・・」
「ああああ〜!」
その瞬間、ズリュッという音とともにペニスが根元まで呑み込まれていた。
それを待っていたかのように、愛液をたっぷりと含んだ分厚い肉襞がペニスに歓迎の一撃を叩き込む。
グチュウッ
「ひあああっ!」
死の恐怖に縮みあがっていたペニスが一瞬にして膨張する。
そして、限界一杯まで張り詰めさせられたペニスの裏筋を、プルプルと震える柔突起が容赦なく舐め尽くした。
ブシャッ
「か・・・は・・・」
股間で爆発した快感に、両手足をバタバタと激しく暴れさせる。
ドスッ
「ぐっ・・・」
だがドラゴンはそんな抵抗を封じ込めるように俺の上に思い切りのしかかると、仰け反って露出していた首筋にチロチロと舌を這わせ始めた。
「どうだ・・・初めてであろう?快感が苦痛に感じられるのは・・・フフフ・・・」
ギュリッズリュズリュ・・・
「ひぃ・・・やめ、やめてくれぇ・・・」
射精直後の敏感なペニスを挟みながら、肉襞が前後に互い違いに擦り合わされる。
間を置かず再びこみ上げてきた射精感に、俺は背骨を抜き取られるような恐怖と陶酔感を味わわされていた。
「それ、もっと苦しむがいい」
ゴシュゴシュッゴシャッ
「あ〜〜!が・・・やめ・・・ぐああ〜〜〜!」
ビュビュビュ〜〜〜ッ
ペニスを根元から搾り上げるとどめの一撃に、なす術もなく2度目の射精を強要させられる。

「あ・・・はぁ・・・」
やがてぐったりと体を弛緩させて地面に横たわった俺の顔に、ドラゴンが顎を近づける。
そして耳元をペロペロと舐め回しながら、囁くように語りかけてきた。
「楽に死ねるとは思わぬことだ・・・私に傷を負わせた罪は重いぞ」
だがそう言ったドラゴンの傷口に目を向けて見ると、既にあれほど痛々しかった傷がほとんど完治しかけている。
傷の跡はほとんど目立たなくなり、どう見ても少し鱗が剥がれている程度にしか見えなかった。
「な、治りかけてるじゃないかぁ・・・」
思わずそう反論した俺の耳たぶを、ドラゴンが鋭い牙で少しだけ噛み締める。
「何か言ったか?」
そしてククッと顎が閉じられると、やわらかな耳に牙の先が食い込んだ。
「い、いや、なんでもない!うああっ!」
危うくプツリと音を立ててピアス穴が空きかけた瞬間、ドラゴンがゆっくりと耳から口を離す。
「うう・・・」
耳を食い千切られる恐怖から解放され、俺はポロポロと涙を流しながら呻いた。

クチャッ・・・グチュッ・・・
忘れかけていた快感を再び呼び起こすように、肉襞が蠕動を再開する。
「はぅ・・・ぅ・・・」
比較的穏やかな責めに思わず身をまかせてしまいそうになり、俺は慌てて首を振った。
気をしっかり持たなきゃ・・・このドラゴンは俺が絶望に壊れていくのを楽しんでいるんだ。
力じゃ絶対に敵わないけど・・・せめて気持ちだけは・・・
ゴシュッ
「ぐあっ!」
だが突然強烈な圧搾を味わわされると、俺は歯を食い縛っていたにもかかわらず嬌声を上げさせられてしまった。
「ここへきてやせ我慢か?フフフ・・・そんなことをして一体なんになるというのだ?」
「お、お前の思い通りになんかなりたくないだけだ!」
精一杯の虚勢を張ってそう叫ぶと、ドラゴンはニヤッと不気味な笑みを浮かべた。
「面白い・・・どこまでもつかな・・・?」
グシャッ・・・メチャッ・・・グチュル・・・
「う・・・ぐ・・・うぅ・・・」
明らかに俺を苦しめることだけを目的にした刺激が、断続的に与えられ続けた。
その度を越えた快感が襲ってくる度に、ビクンと体を跳ねさせてしまう。
必死で顔を歪めながら快感に耐える俺の様子を、ドラゴンが楽しげに見つめていた。
「そろそろ辛かろう?我慢などせずに悲鳴を上げたらどうだ?フフフ・・・」
「だ、誰が・・・」
だが反論しかけた俺の隙をついて、ドラゴンの膣が激しく暴れ狂う。
グチュグチュグチュグチュッメシャッグリッゴキュッグチッ
「うあああああああ〜〜〜〜〜〜〜!!」
一瞬にして限界を迎え、3度目の精がペニスの先から迸った。
「フフフフフ・・・いい声で鳴くではないか・・・」
「あ・・・あああ・・・」

やがて身も世もなく悶え狂った俺の様子に満足したのか、ドラゴンは起き上がると俺のペニスを膣から引き抜いていた。
グボッという音とともに、精と愛液の混ざった白い雫が流れ落ちる。
「う、うあああ・・・」
ようやく拘束を解かれて、俺はドラゴンの下からなんとか這い出すとよたよたと拙い足取りで逃走を試みた。
だがヒュッという風斬り音とともに尻尾で足元を払われ、そのまま前のめりに地面の上へと倒れ込んでしまう。
「た、助けて・・・」
そしてまるで虫けらのように地面を這いつくばってその場から離れようとする俺に、ドラゴンが背後からゆっくりとしなだれかかってきた。
「フフフフ・・・どうした・・・そんなに慌ててどこへ行こうというのだ・・・?」
重い体重でベシャッと地面の上へと押しつけられ、首の周りに長い舌を巻きつけられてしまう。
そして、俺はレロレロと首から頬にかけて無造作に舐め回された。
「ひ、ひぃぃぃぃ・・・・・・」
「そろそろ食い殺してやろうか?・・・ん?」
そう言って俺の頭を地面に押しつけたまま、ドラゴンがカシッ、カシッと牙を打ち鳴らす。
その恐ろしい音が聞こえる度、あまりの恐怖に心臓の鼓動が跳ね上がる。
そして、ついに小さく開かれたドラゴンの顎が俺の首を捉えていた。
首の両側に、いくつもの鋭い突起が突き立てられる感覚がある。
後少し顎を閉じられたら・・・そんな想像に身震いする俺の様子を、ドラゴンが愉快そうに眺めていた。
牙の間から生暖かいドラゴンの吐息が吹きつけられ、牙を伝った唾液が滴り落ちてくる。

やがて音もなく、ドラゴンの顎が少しだけ閉じられた。
「ひぃ・・・」
まだ皮膚は切れなかったものの、首筋に牙が食い込む。
「う、うぅぅ・・・」
こいつは、恐怖に耐え切れなくなった俺が最期の悲鳴を上げるのを待っているのだ。
それをしてしまえば、ドラゴンは満足げに笑いながら俺の首を噛み砕くのだろう。
頭ではそうわかっているのに、死を恐れる本能が禁断の悲鳴を喉元まで競り上げてくる。
プツッ
また少し、ドラゴンの顎がその幅を狭めてきた。
張力を失った皮膚が裂け、牙の先端が首の筋肉に直に突き刺さる。
そしてその鋭い痛みに、俺の我慢もついに限界を迎えてしまう。
「う、うわあああああああああああああ!!」
全く見えてはいなかったものの、俺はその瞬間ドラゴンが勝ち誇った笑みを浮かべたのを感じていた。

いよいよとどめの一噛みが俺の人生に幕を引こうとしたその時、そばにあった大木の陰から青黒い小さな影が飛び出してきた。
それに驚いて首から口を離したドラゴンの頭を押し退けると、その影・・・小さな青黒い鱗を纏った仔竜が、まるで俺を庇うように俺の首の上へとドサッと覆い被さる。
「何をしている?何故お前が私の邪魔をするのだ?」
「ピィ!ピィ!」
「さっさとそこをどかぬか!いくらお前でもただではおかぬぞ!」
だが仔竜はドラゴンの、恐らくは母親の剣幕に怯えながらも、必死で何かを訴えかけていた。
「この者を助けろというのか・・・?」
食事を邪魔されて怒ったドラゴンが、仔竜の顔を間近でギッと睨みつける。
「ピ・・・ピィィ・・・」
やはり恐ろしいのか仔竜が恐怖にガクガクと震えているのが首越しに伝わってきたが、それでも仔竜は決して俺の上からどこうとはしなかった。
「・・・フン・・・好きがするがいい」
どことなく諦めの混じった野太い声が、静かに辺りの草木を揺らす。
母親のドラゴンはしばらく己の子供が取った奇妙な行動を思案していたものの、やがて俺の上からどくとドスドスという足音を立てながら茂みの中へと消えて行った。

「ピィィ・・・」
脅威が去ったのを確認し、仔竜がちょこんと俺の傍らに身を伏せる。
そして、ドラゴンの牙が食い込んだ俺の首の傷をペロペロと舐め始めた。
「お、お前・・・さっきでかい猪に追われてた奴だな・・・助けてくれたのか・・・」
「ピィ!」
甲高い声で、仔竜が返事を返した・・・ような気がした。
「ああ、ありがとう・・・ありがとう・・・」
ポロポロと、再び目から涙が零れ落ちてくる。
「ピィ?」
そんなグシャグシャに濡れた俺の顔を見ながら、仔竜が首を傾げていた。
だが次の瞬間誰かの気配を感じ取ったのか、仔竜が慌てた様子でトコトコと母親の入っていった茂みの中へと姿を消してしまう。

ガサ・・・ガサガサッ
ややあって、猪を引きずったあの相棒が草の間から顔を覗かせていた。
「お、おい、何してるんだ?それにその格好・・・」
「くそ・・・間の悪い時に現れやがって・・・今だけはお前を恨むぞ」
「何でだよ?何かに襲われたのか?」
状況が飲み込めないまま、彼がキョロキョロと辺りを見回す。
「いいや違うよ。助けられたんだ。何かにさ・・・」
「?・・・変な奴だな」
「いいから・・・早く帰ろう。もう腹が減ったよ・・・」
もう少し、この仕事を続けてみようか・・・
相方に助け起こされた俺は、真っ赤に灼けた夕焼け空を眺めながらふとそんなことに思いを巡らせていた。

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