タグ検索で♂竜×♂竜11件見つかりました。

子は三界の首枷

太古の昔・・・まだ世に人間という種が誕生して間も無い頃、広大な大陸の中部に広がる森の中で大きな2匹の雄竜達が互いにその縄張りを争っていた。 これはそんな彼らの間に起こった、世にも奇妙な物語の一節である。 「おのれあ奴め・・・今度遭ったら目に物見せてくれるぞ・・・」 深い森の中に佇む薄暗い住み処の洞窟から明るい光の差し込む外に足を踏み出すと、ワシは心中に渦巻く静かな怒りを憎き同胞へと叩き付けていた。 安定した気候と豊富な食料に恵まれたこの土地に身を移してからの数十年間、ワシはここからずっと西の方に棲んでい…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bb%d2%a4%cf%bb%b... - 2013年01月10日更新

住処

「なに、宴の席を設けたい?」 あるところに、平原と山岳が広がった場所があった。 暮らしやすい平原には、数の大きなドラゴンの群れが、 暮らしにくい山岳には数の小さなドラゴンの群れが暮らしていた。 ここは、平原に住むドラゴンの群れの集会場。 今日は山岳に住むドラゴンの群れから、2匹の雄竜がやってきて、 なにやら話があるというので、群れの長と副リーダーの『アルト』が応対しているところだった。 長はもうかなりの歳で、主な狩りなどの戦闘は若いアルトが中心に行っていた。 山岳の竜A「ええ、少し遠いのですが、ご足…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bd%bb%bd%e8... - 2014年06月01日更新

Love is not enough

どこまでも続く木漏れ日の中を、彼は一心不乱に駆け抜ける。 大きな音を上げて地面を蹴る度に、落ち葉や苔が宙に舞う。 かわしきれず身体を樹木や岩に掠り、藍色の鱗に傷がつく。 彼は振り返りもせず走り続ける。 奴らが追ってきているのは間違いない。 今は奴らを振り切ることだけを考えるべき。 空に逃げることはできない。 彼の背に生えた一対の巨大な翼は、奴らの闇討ちにより無残にも引き裂かれてしまった。 仮に飛行することができたとしても、奴らは彼より二回りほど小柄で、なおかつ集団である。 その身軽さと数に弄ばれて、あっさ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/Love%20is%20not%2... - 2010年06月12日更新

チョコレートブラウン

立ち止まる我らの横を、数え切れぬほどの人間が通り過ぎていく。 例えるならそう、打ち壊された蟻塚と言ったところか。 「久しぶりに来たが、ここは相変わらずものすごい活気だな」 王都名物である休日朝市の往来の真ん中で、相方がぽつりと漏らした。 眉間には普段より多く皴が刻まれている。 かれこれ数十年付き添ってきて分かったことだが、我が相棒であるこの老年の竜騎士は喧騒というものを大層鬱陶しく感じるようだ。 元来人を好くことが出来ない、と何時だか此奴が話していた記憶がある。 そのような者が我のような物好きな竜と共に遊…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%c1%a5%e7%a5%b... - 2010年06月12日更新

竜と僕と竜の僕

我が名はアーサー・ガン・ランス。今においては何事もなく私の親友とともに暮らしている。私の親友というのは… 「おい、アーサー。今日はこんなに天気なんだ。退屈凌ぎに少し外で己の身を磨き合おうぞ。」 この少しばかりせっかちな奴のことだ。 「あ、ああ…。」 「どうしたんだ?」 「…え?あ…、す、少し考え事をしていただけさ。」 「考え事??」 「ああ。俺とお前が出会ってからちょうど2年目じゃないか。だから昔を少し思い出していたんだ。」 「ああ、そうだったな。では退屈凌ぎはいったん保留か…。」 濃い緑色のドラゴンが名…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ce%b5%a4%c8%cb%c... - 2009年12月21日更新

記憶の無い竜と全てを失った竜のエレジー(哀歌)

声が、   聞こえる    我を   呼ぶのは   誰だ? 記憶の無い竜と全てを失った竜のエレジー(哀歌) 「・・・・・・ろ・・・・・・・・起きろ!」 「うっ・・・・・・?」 突然声が聞こえ、我は目覚めた、 そこにいたのは海の様に青い竜だった。 我は周囲を見渡し、どうやら今いる場所は洞窟の中だと解った。 そして我はその青い竜に話しかけた。 「お主は・・・・・・?」 「大丈夫か?いきなり上から落ちてきたから心配したぜ。」 我は重い身体を…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b5%ad%b2%b1%a4%c... - 2009年08月30日更新

剛と柔

鋭く切り立った断崖と険しい丘陵に囲まれた、誰1人として人間の踏み入ったことのない深い森。 その森の奥では、快適な住み処を求めて数多くのドラゴン達が身を寄せ合って暮らしていた。 翼を持つ者は外界から食料を調達し、暖かい体毛を身に纏った者は冬の寒い時期に仲間達から重宝され、限られた洞窟の中で親の異なるドラゴン達がまるで家族のように静かな夜を過ごしているのだ。 そんな中、森の端の小さな洞窟で長い間共に暮らしている2匹のドラゴン達がいた。 全身をまるで苔むしたかのような深緑の鱗で覆った初老のドラゴン、グレン。 そ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b9%e4%a4%c8%bd%c... - 2008年08月12日更新

正体不明のキノコ 番外編

あの小屋からしばらく飛んで、俺の家に着いたはいいものの、アイツはもうかなりの時間眠ったままだ。 やはり睡眠薬でも飲まされたのだろうか・・・・・そんな事を考えながら、俺はベッドの上に寝かせている白い竜のほうを見た。 少し驚かせてやろうと思って、まだ縛られていた時の縄を解いていないまま、とりあえず俺のベッドに寝かせたはいいんだが・・・・・ 「・・・・・いい加減起きろよ、待ってるこっちの身にもなれっての」 ・・・・今の本心がつい口をついて出てしまったようだ。なぜかこの体になってからは本心が行動に出やすくなって困…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%b5%c2%ce%c9%d... - 2008年08月13日更新

無題2

深い森の中、4〜5名ほどの竜が手に大きい刀を ぶら下げ歩いていた。 「おい、パディ。あとどのくらいだ?」 先頭を歩く目つきの鋭い竜が一番後ろの竜に話しかけた。 「え・・・っと、あと8マイルほどです」 パディと呼ばれた茶色い若い竜は地図を見ながら答える。 「チッ・・あと8マイルもこのクソジャングルを遠足 しなきゃなんねーのか」 先頭の竜がため息を出しながら毒づく。 「おい、ポイントマンのお前がヘマしたら全員くたばるんだ。 おしゃべりはいいからしっかり目を開いてろよ」 後ろから2番目にいたやや年のいった竜が注…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%cc%b5%c2%ea2... - 2008年08月11日更新

パディとバーニー

「バーニーさん!早く行きましょう!」 パディは緑のやわらかい草の上で寝転がりながら、赤い体毛を揺らしているバーニングに急かすように声をかけた。 かつては敵だったバーニングとあの悪夢の洞窟から2人でずいぶん遠くまで逃げてきたが、 まだパディは追っ手が不安でゆっくりする気にはなれなかったからだ。 しかしそんなパディとは対称的にバーニングは眠そうに顔を上げた。 「ん〜・・・ここまでこればたぶん大丈夫だって・・」 バーニングは焦るパディをなだめるように寝転がりながら長い尻尾をフラフラと振る。 「だめですよ!だい…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%d1%a5%c7%a5%a... - 2008年08月11日更新

無題2〜続編

昼間でも薄暗い森の中・・・ 一頭のドラゴンが必死に走っていた。 何も身に付けず、何も持たずという姿でひたすらに走っていた。 「ハッ・・・ハッ・・・」 かなり走って森の中でも少し開けた所に出ると、 ようやくドラゴンは立ち止まった。 「はぁっ・・・・」 今走っていたドラゴンの名前はパディ。 少年兵としてドラゴン間の戦に巻き込まれていたが 2週間ほど前に敵に捕まりオスでありながら敵からの陵辱を休むことなく受けていた。 しかし昨晩、敵の目を盗み監禁されていた場所から逃げてきたのだった。 「(ここまでくれば小…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%cc%b5%c2%ea2%a1%... - 2008年08月11日更新

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