タグ検索で♂龍×♂人間3件見つかりました。

龍の棲む湖

すでに辺りは薄暗くなってきていた。 山は日が暮れるのが早いというけれどまさかこんなに早いとは。 つい1時間ほど前まではまだ明るかったのに、もう5メートル先もよく見えない。 俺は真っ暗なという表現がしっくりくる森を手探りで足早に歩いた。 時々蜘蛛の巣やら小枝やらが体に当たって不快な気分になる。 だが、冷静になって考えてみれば今の俺は遭難してるんだな。はっきり言ってマズイが俺にはどうすることもできなかった。とにかく俺は元来た(と思われる)方向に向かって手探りで進んで行くしかなかったんだ。突然、バサッという音と…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ce%b6%a4%ce%c0%b... - 2008年08月12日更新

シグ1

朝っぱらからインターホンを鳴らしまくる無礼な訪問者に、俺は心底ご機嫌斜めだった。何たって朝の4時である。 普通なら1回鳴らすだけでもはばかられるような時間なのに、こいつは毎秒2回、正確無比なリズムできっちりと鳴らしやがる。 22回目のドアベルが鳴ったときに、堪忍袋の緒が切れた。 場合によっては本気でぶん殴るつもりで、玄関のドアを開けた。チェーンを外してしまったのは、不用心だったかもしれない。 「てめぇ、今何時だと思って………」 扉を開けた瞬間、玄関に飛び込んでくる青い物体。かわす暇もなく俺は突き飛ばされて…

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シグ2

「トードー? ねぇトードー」 暖かな冬の布団に全身を埋めて、今まさに寝入らんとする俺の頭を揺さぶる奴がいる。 「起きてる? トードー?」 揺さぶり方がだんだん大きくなってきた。これはこれで心地いいものだが、残念ながら頭を揺らしながら寝られるほど俺は呑気ではない。 夢の沼に沈みつつあった俺の意識はすんでの所で現実に引き戻された。 しかし、徹夜が明けてやっと寝床についた人間にこの仕打ちは少々酷ではないかと、俺はんんと一言、鼻で反論した。 「トードー、ちょっとマズいことになってるんだ。ちょっと着いてきてもらう…

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