タグ検索で♀竜×♀人間4件見つかりました。

桃色の毒花

何処までも何処までも永遠に続くかに思える、僅かな弧を描く水平線。 私は静かな水面を湛えた大洋を進む大きな船の舳先に立ったまま、到着までまだ優に10日は掛かるであろう遠い異国の地へと思いを馳せていた。 だが晴れ渡った空を見上げていた私の耳に、不意に随分慌てていると見える荒々しい足音が届いてくる。 「ああ、クローナ殿!ここにいらっしゃったのですか?随分探したのですよ」 「どうかしたの?」 やがて私の前に姿を見せた2人の男達が、そんな私の質問に焦燥を募らせた声を上げていた。 「船員の1人が、急に意識を失ってバッ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%ed%bf%a7%a4%c... - 2013年06月03日更新

秤上に揺れる哀と愛

開け放たれた城のテラスを駆け抜ける、爽やかな朝の風。 私はもう随分前からの日課となったテラスでの深呼吸を終えると、深い森に囲まれた南の方角へと目を向けた。 今頃はあの方が、父から課せられたある難題に応えるためにあの森へと足を踏み入れている頃に違いない。 無事に帰ってきてくれればそれでよいのだが、どうにも妙な胸騒ぎがするのは気のせいだろうか。 城下町で偶然出会った彼が王女である私に結婚を申し込んだあの日、父は彼の資質を試すためにこう言った。 「南の森に棲むという巨大な黒竜を討ち果たしてくるのだ。そうすれば、…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c7%e9%be%e5%a4%c... - 2008年08月12日更新

細き指先には抗えず

ズッ・・・グチュ・・・ 「うっ・・・く・・・ふぅ・・・」 「フフフ・・・いいねぇ・・・随分と慣れてきたようじゃないか・・・」 淡い月明かりさえも差し込んで来ない暗い洞窟の奥底で、雌雄の竜が熱い一時に身を委ねていた。 寝床の上に横たわる真っ赤な鱗を纏った巨大な雌竜の上で、それよりも一回り小さな雄の黒竜が結合部より絶え間なく注ぎ込まれてくる無上の快楽に耐えようと忙しなく身を捩っている。 やがて甘過ぎる愛撫の坩堝に耐え切れなくなったのか雄竜が逃れようとして腰を引くと、すかさず屈強な雌竜の尾がそんな薄情な雄を引き…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%d9%a4%ad%bb%d... - 2008年11月11日更新

過去への忘れ物

ある晴れた日の昼下がり、私はぼんやりと考え事をしながら住み処から程近い森の中を歩いていた。 最近は狩りの仕方もようやく覚え始め、時折見掛ける小動物に反射的に飛び掛かっていっては運良く仕留められた獲物に顔を綻ばせる毎日を送っている。 だが、今日ばかりはそんな平和な日常と少しばかり様子が違っていた。 幾つかの大きな木の向こうにチラチラと見える、隠し切れていない大きな体・・・ 濃紺や黒といった暗い体色から察するに、恐らくは雄の竜に違いない。 そして一体何事かと思って無防備にも更に歩を進めた次の瞬間、不意にその全…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b2%e1%b5%ee%a4%d... - 2010年03月21日更新

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