"大都市の上空に奇妙な影"
"伝説のドラゴンの群れが襲来か?"
気まぐれに家の中を片付けていた際に、ふとガラクタの山の中で見つけた週刊情報誌。
赤と白の派手な表紙に踊っていたそんな奇抜な煽り文句に、俺はしばし掃除の手を止めてその随分と傷んだ冊子を拾い上げていた。
何度も何度も読み返した跡のあるそれは、今から5ヶ月程前に偶然駅の本屋で見つけたものだ。
普段こうした週刊誌はおろか新聞さえほとんど読まない俺がこんな信憑性に乏しい雑誌をわざわざ購入したのは、他でもないその記事の内容が俺の興味を大いに引いたからだった。

後で知り合いから聞いた話ではテレビや新聞でもそこそこ大きく報じられていたそうなのだが、何でも半年近く前のある日の夜、この街の上空に不気味な影が幾つも目撃されたのだという。
それはまるで蝙蝠の羽のようなシルエットを持った生物のようでありながら、幾つか残っている目撃情報や粗い写真から判断する限り、大きい物では実に10メートル近い巨大さを誇っていたそうだ。
深夜の上に当時の空には黒雲が立ち込めていたというからはっきりした証拠があるわけではないのだが、実際にその影を目撃した人々は皆一様に"ドラゴンが来た"と思ったらしい。
尤もその後は追加の目撃情報も無く特に何か事件が起こったわけでもなかった為、1週間も経つ頃には誰もがそんな出来事があったこと自体を忘れ掛けていたというのがこの件の顛末なのだが・・・

「ドラゴンか・・・そう言えば、結局あれは何だったのかなぁ・・・」
今も古い神話や伝説の中で語り継がれる、巨大なドラゴン。
だがまだこの地上が球体ではなく平面だと思われていたような遥か昔ならともかく、文明の進んだ現代社会ではドラゴンなどという生物が実在しないことなど誰でも知っている。
だからこの話題が世間を賑わせた当時も、ドラゴンが大挙してやって来たなどということを本気で信じた人は実際のところほとんどいなかったに違いない。
それでも俺がこの週刊誌を購入した理由は、俺自身が今もドラゴンの存在を信じている・・・
或いはドラゴンが存在して欲しいと願っている人間だったからというのが本音だろう。
様々なゲームの中で、様々な漫画の中で、様々な神話の中で、そして様々な映画の中で、人間の想像力の産物である多種多様なドラゴンを目にしている内に、俺は彼らに途轍もない魅力を感じるようになっていたのだ。
もし本当にドラゴンという生き物が現実に、そしてこの街に存在するというのなら、是非お目に掛かってみたい・・・
そんなある種の夢と言っても差し支えないような願望が、今も俺の心の中に燻り続けていたのだった。

ここは東京都新宿区・・・
眠らない街、混沌の都市・・・無数の高層ビルが立ち並び様々な呼び名を持つこの日本でも有数の大都会は、かつてドラゴン達がいたとされる過去の世界とはある意味で最も懸け離れた場所の1つだと言ってもいいだろう。
だが半年前にドラゴンの群れだと思われる無数の影が目撃されたのは、正にこの街の上空だったのだ。
まあ・・・もし本当にドラゴンがいたのだとしたら今頃は大騒ぎしていたことだろうし、あれから何事もない以上結局俺も含めて世間の人々は一時の不可思議な現象に単に踊らされていただけなのかも知れない。
「おっと、もうこんな時間か」
本当であれば正午までに終えるはずだった部屋の片付けを中途半端に残したまま、俺は何時の間にか12時40分を指していた腕時計に目をやってハッと我に返っていた。
今日は土曜日で大学は休みなのだが、13時から買い物の為に友人と新宿駅で待ち合わせの予定だったのだ。
「まずいな・・・このままじゃちょっと遅れちまうよ」
あいつ、俺が遅れると割と本気で怒るからな・・・
だがそんなことを考えながらも何とか出掛ける準備を整えると、俺は急いで家を飛び出したのだった。

家から新宿駅までは約2キロ・・・少し急いで歩けば、まあ10分以内の遅刻で済むだろう。
休日の真昼間とあって街の中は無数の人や車で溢れていたものの、俺は擦れ違う人々の間を縫うようにして広い歩道を足早に歩き続けていた。
ドン!
だが時間を確認しようと腕時計に視線を落としたその瞬間、突然大きな衝撃とともに右肩が誰かにぶつかってしまう。
「あ、すいません!」
思わず咄嗟にそう謝りながら背後を振り返ると、暑さの厳しい7月だというのに何故か頭から真っ黒なフードを被ったやや小柄な女性らしき人物の後姿が目に入る。
だがぶつかったことに気付いていないのかそれとも急いでいるのか、彼女はこちらを振り返ることもなくそのまま人混みの中へと消えて行ってしまったのだった。

仕方無い・・・取り敢えず、俺も友人を待たせているのだから先を急ぐことにしよう。
そう思って時間のロスを確かめるように再び腕時計に目をやると、俺は自分の足元に何やら奇妙なカードのようなものが落ちていることに気が付いていた。
「ん・・・?」
さっき腕時計を見た時には気が付かなかったから、もしかしてあの女の人が落としていったのだろうか?
もしクレジットカードか何かだったら、誰かに悪用される前に警察にでも届けておいた方がいいだろう。
だがそんなことを考えながら落ちていた黒いカードをそっと拾い上げて裏返してみると、そこには黒地に濃いピンク色という妖しいデザインで大きく"DH"と書かれていた。
恐らくはその文字の下に小さく書かれている、"Dragoness Heaven"という店名の頭文字なのだろう。
カードの裏側には取扱いに関する幾つかの注意事項と名前を記入する欄、それに磁気のライン等が入っていて、隅の方には東京都新宿区歌舞伎町から始まる店の住所が小さな白字で印刷されていた。

「何だろう・・・?風俗店か何かの会員カードかな・・・?」
しかしその割に、このカードには名前が記入されていない。
こういうカードは大抵が発行時に持ち主の名前を記入させることがほとんどのはずだが、これでは警察に届けたところで持ち主の元にはまず戻らないに違いない。
磁気ラインが入っているということは何らかのデータが入っているのだろうから、後で直接この店の方に届けてあげることにしよう。
俺はそう思い立ってその怪しげなカードを素早く財布の中に入れると、駅で俺の到着を待ち草臥れているであろう友人のことを思い出して再び歩き出したのだった。

その日の夕方・・・俺はようやく両手一杯に持っていた買い物袋を本来の持ち主である友人の手に返すと、荷物持ちから解放された両腕を休めるように伸ばしながら改札を通った彼女に別れの手を振っていた。
「ふう・・・疲れたなぁ・・・」
あんなにたくさん服を買ったって1度に着れるのは精々2、3着だろうに、女の子の買い物は正直俺には少し理解し難い。
まあ費用は彼女が自分で出しているのだから、荷物持ちとして付き合うのは俺にとってもいい暇潰しになるのだが。
「おっと、そう言えばこれ・・・お店に返しに行かないとな」
夕焼けに染まった空を見上げながら帰路に就こうとしたその時、俺はふと財布の中に入れていたあの黒いカードのことを思い出して足を止めていた。

このカードからだけではここが何の店なのかまでは良く分からないものの、無数の風俗店が密集しているこの住所と営業時間が19:00〜翌9:00となっていることから察するに、その方面の業種なのであろうことは大体想像が付く。
もちろん俺自身はそういう趣味を持っているわけではないのだが、"雌竜天国"というこの珍しい店名がドラゴンの好きな俺にとって到底看過できない程の凄まじい魅力を放っていたことだけは事実だろう。
今の時間は18時・・・49分か。
ここから歩いて行けば、丁度店が開く頃には辿り着けるだろう。
そしてカードの裏に書かれた住所をもう1度確認すると、俺は家とは逆方向にあるその店へと足を向けたのだった。

「ここ・・・かな・・・?」
カードに書かれていた住所にあったもの・・・
それは俺が想像していたような絢爛な装飾の施された風俗店ではなく、極々普通のビジネスビルのような建物だった。
最近新しくできた建物らしく、5階建てとこの辺りでは比較的低いビルでありながら、真新しい塗装がビルの周囲で煌めいている眩いネオンを映してキラキラと輝いている。
照明の落ちた各階の部屋の窓には全て黒いカーテンが引かれていて中に人がいる気配は全く感じられなかったものの、取り敢えず他にそれらしい建物が無いだけに俺は一応ビルの周りを一通り調べてみた。
やがてビルの側面に回ってみると、エントランスを通らずに直接奥のエレベーターホールへと行くことができる小さな通路が目に入ってくる。

「ん・・・ここだけは明かりが点いてるな・・・」
だが自動ドアだと思われた扉に近寄ってみても、全く開く様子が無い。
扉の横に何やらカードリーダーらしきものがあるのを見ると、どうやら電子ロックされているようだ。
「もしかしてこのカード・・・会員証じゃなくて入館証なのかな?」
俺はそんな思い付きに財布からあの黒いカードを取り出すと、緊張に震える手付きでそっとリーダーに設けられた溝にカードを滑らせていた。
ピッ
その瞬間、小さな電子音が鳴って自動ドアがゆっくりと開いていく。
そしてまるで吸い込まれるかのように扉の中へ足を踏み入れると、俺は薄暗い通路を恐る恐る進んでいったのだった。

やがて少しばかり狭い通路を抜けると、ほんのりと淡い照明に照らされたエレベーターホールが姿を現していた。
「あれ・・・?ここって・・・他に入口は無いのか?」
俺はてっきりビル正面のエントランスからもここへ辿り着けるようになっていると思い込んでいたのだが、よくよく見てみるとさっき俺が入ってきた電子ロックの扉がこのホールと外を行き来できる唯一の出入口らしい。
つまりこのエレベーターは、ビル内のテナントとは独立した店舗の入口だということになる。
その証拠に、エレベーターの上に表示されている階層は5階建てのビルにもかかわらず1階と地下1階の2フロア分しか見当たらなかったのだった。

地下か・・・何だかちょっと不気味だけど、流石にここまで来て引き返すという選択は有り得ないだろう。
そして胸の内にある種の覚悟を固めると、俺は緊張に震える指先でそっとエレベーターのボタンを押していた。
ポーン・・・
次の瞬間、頭の中に響くような電子音とともに無機質な扉がゆっくりと左右に開いていく。
奥の壁にはドラゴンの翼を模った金色の小さなプレートが取り付けられていて、その表面に"ようこそDragoness Heavenへ"という文字が浮き彫りにされていた。
やっぱり、何の変哲も無い極普通の風俗店なのだろうか・・・?
だがそう思いながら中に乗り込んで操作盤に取り付けられた"B1"のボタンを押すと、俺は心なしかエレベーターの下降する時間が妙に長いことに気が付いていた。

「おかしいな・・・1階分下がるだけなのに、気のせいじゃなければ10秒近くも掛かってるぞ・・・?」
もしこのエレベーターの下降速度が他に比べて極端に遅いというのでもなければ、きっと高い天井を確保する為にフロアをずっと深い場所に作っているのだろう。
そしてようやく止まったエレベーターが再びポーンという音とともに扉を開けると、俺は目の前に広がっていた光景に思わずゴクリと息を呑んでいた。
まるで山中の深い洞窟の中をイメージさせるかのような歪な岩肌に囲まれた広い通路の天井に、点々と等間隔に淡い光を放つソフトライトが据え付けられている。
更には奥の方にある受付らしきカウンターに、昼間俺がぶつかったあの黒いフードの女性が佇んでいた。

「あらいらっしゃい・・・あなた、ご新規さんね。何方の紹介かしら?」
「あ、いや・・・俺はその・・・昼間あなたが落としたこのカードを届けに来ただけで・・・」
俺は眼前に現れたのが普通の人間の女性だったことに些か安堵と失望の入り混じった表情を浮かべてしまったものの、何とか財布から例の黒いカードを取り出してその場を取り繕うことにだけは成功したらしかった。
「ああ・・・あの時私がぶつかったのはあなただったのね。わざわざ届けてくれるなんて、お礼を言わせて貰うわ」
「い、いえ・・・それよりも、ここは何のお店なんですか?」
「ここはもちろん、あなたが想像している通りの風俗店よ。ただし、お相手は全て本物の雌のドラゴンなの」
え・・・?今、本物の雌のドラゴンって・・・言ったのか?
だが余りの驚きに声を詰まらせてしまった俺の様子を見て、彼女が面白がっているように妖しげな笑みを浮かべる。
「信じられない?それとも、もしかして興味があったりするのかしら」
「ほ、ほ、本当にその・・・雌のドラゴンが・・・?」
「ええ、正真正銘の本物よ。興味があるのなら案内するわ。こちらへどうぞ」

彼女はそう言って静かにカウンターから立ち上がると、奥にある扉の前で俺を誘うかのように片目をウィンクさせた。
それに釣られるように彼女の許までフラフラと歩いていくと、そのまま扉の先へと案内される。
「ここは、一種の宿泊施設なの。一泊の基本料金は3千円。その他に、最低1匹の雌竜を別料金で同伴する仕組みよ」
「同伴ってことはつまり・・・ドラゴンと一夜を共にするってこと・・・だよね?」
「大丈夫よ。彼女達には人間の言葉が通じるし、少なくとも身の危険は全く無いから」
扉の先には、更に広い通路と寝室と思しき部屋へと通じる扉がずっと奥まで無数に並んでいた。
「雌竜は部屋の大きさの都合上、Sサイズなら3匹まで同伴できるわ。ただし、Lサイズは1匹まで。料金も高いわね」
「どのくらい?」
「体高1メートル未満のSサイズが1匹3千円、2.5メートル未満のMサイズが1匹6千円、それ以上のLサイズは9千円よ」
成る程・・・宿泊代と併せて1万2千円もあれば、好みのサイズの雌竜を自由に組み合わせられるというわけか。
「本当ならその他に会員証の入会費が必要なんだけど・・・落とし物を届けてくれたからそれは免除してあげるわ」
「じゃ、じゃあ・・・試してみても・・・いいかな・・・?」
「それじゃあドラゴン達のメニューを持ってくるから、そこに座って少し待っててね」

そう言われて勧められた椅子に腰掛けたまましばらく待っていると、やがて彼女が乳白色のハードカバーが掛けられた1冊の本のようなものを持って戻ってきた。
「はい、これがメニューよ。今日はまだ誰も先約が入ってないから、好きなドラゴンを選ぶといいわ」
そんな彼女の言葉にドキドキしながらメニューを開いてみると、大勢の雌竜達の写真が名前、体高、性格、得意なプレイ、口調、人気度などといった細かいデータとともに実に50匹以上掲載されている。
「これ・・・どれを選んでもいいの?」
「もちろんよ」
だが本物の雌竜の姿さえ見たことの無い俺にいきなりこの大勢の雌竜達から好きなのを選べと言われても、大いに迷ってしまうのは火を見るよりも明らかだった。

それでもしばらく食い入るように雌竜達の写真が並んだメニューを眺めている内に、やがてローラと名付けられたMサイズの桃色の雌竜にふと目が止まる。
「じゃあ・・・その・・・これがいいかな」
「ローラね。あらあなた、おとなしそうな顔して意外と激しいのがお好みなのかしら?」
そう言いながらフフッと軽く笑った彼女の様子に、俺は何だか気恥ずかしい思いで微かに顔を赤らめていた。
「それじゃあ、そこの部屋で待ってて。他にお客さんはいないけど、声や音は外に漏れないから心配しないでいいわ」
やがて彼女に言われるがままに入口に5番と書かれた部屋の前に立つと、防音のしっかりしていそうな分厚い扉をゆっくりと引き開けてみる。
「うわっ・・・」
だが部屋の中の様子が目に入った途端に、俺は思わず小さな驚きの声を上げてしまっていた。

フカフカの赤い絨毯が敷かれた20畳程の部屋の壁際に、1辺が3メートルはありそうな巨大なベッドが置かれている。
内装はやはり洞窟の中をイメージした荒い岩肌のような壁紙に眩し過ぎないシックな感じのライトが並び、天井も実に5メートル以上の高さがあるお陰で部屋の広さと相俟って物凄い開放感がある。
他にもシャワールームやトイレ、洗面台や簡易クローゼットなど普通のホテルなら何処にでもある宿泊の為の設備やアメニティが完備されていて、とても一泊3千円で泊まれるとは思えない程の豪華な部屋がそこに佇んでいた。
更に部屋の奥の方は壁一面が自動ドアのように左右に開く構造になっているらしく、恐らくはお相手の雌竜・・・ローラもそこから姿を現すのだろう。
俺が見たメニューの上での彼女には、こんな説明書きが添えられていた。

名前:ローラ(67歳)
体高:2.38メートル(Mサイズ)
体色:淡い桃色
眼色:青
性格:受★★★★☆攻
得意なプレイ:長い尻尾による拘束、締め上げなど
口調:優しいお姉さん
人気度:29/148(指名回数/勤務日数)

優しいお姉さん口調なのに尻尾を駆使した激しい攻め・・・正直俺にはまだそれがどういうものなのか全く想像が付かなかったものの、少なくとも俺の好みにかなり近いということだけは確かだろう。
やがて期待に胸を膨らませながら大きなベッドの端に軽く腰を掛けると、俺はローラが現れるまでそわそわと落ち着き無く体を揺すっていた。
だがそれから2分程が経つと、ようやく部屋の奥の扉がゆっくりと左右に開いていく。
そしてその向こうから、見上げる程に大きい桃色の鱗を纏った雌のドラゴンがのそりと姿を現していた。
「いらっしゃい坊や・・・あたしを指名してくれてとても嬉しいわ・・・」
「あ・・・あ、あぅ・・・」
その妖艶とすら言える色っぽい視線に貫かれて、本物のドラゴンを目の当たりにした衝撃と胸が張り裂けんばかりに膨らんだ期待感が喉まで出掛かった俺の感嘆の声を奪っていく。
「ウフフ・・・その様子だとあなた、ドラゴンを見るのは初めてみたいね」
雌竜達の載ったメニューでも謳われていた7、8メートルはあろうかという長い長い尻尾が、そんな彼女の声に合わせて背後で妖しげに揺れ動いていた。

「ほ、本当に・・・本物・・・?」
「ええ、もちろんよ。見ても信じられないのなら・・・こういうのはどうかしら?」
彼女はそう言うと、おもむろに長い尻尾の先をベッドに座っていた俺の方へと伸ばしてきた。
そしてあっという間にその太い筋肉の鞭に巻き上げられると、そのままじんわりと全身を締め上げられてしまう。
ギ・・・ギリ・・・ミシ・・・
「は・・・あ・・・ぅ・・・」
まるで巨大な手で体を握り締められているかのようなその凄まじい圧迫感に、呼吸もままならない程の息苦しさを伴った本能的な恐怖が込み上げてくる。
だがどう足掻いても彼女の尻尾のとぐろからは逃れられないことを思い知らされると、俺は降参を示すように体中の力を抜いて彼女に許しを乞うていた。
「く・・・ぅ・・・し、信じる・・・信じるから・・・もう許してぇ・・・」
「あらあら、もう音を上げちゃうなんて・・・可愛い坊やだわ・・・」
しかしそう言いながらも体に巻き付けた尻尾を解いて優しく抱き締めてくれた彼女の温かい腕の感触に、俺はフーッという安堵の息を吐きながら黙って身を委ねることにしたのだった。

鋼のように硬いにもかかわらず、ツルツルとした光沢を帯びる程に美しく磨かれた桃色の鱗。
ふっくらとした白い皮膜に覆われ、まるで水でも詰まっているかのようにプヨプヨと揺れている大きなお腹。
手足の指先から生えた長い爪は人間を傷付けないようにか丸みを帯びるよう念入りに手入れされていて、彼女達が本当に人間の男をもてなす為に存在しているドラゴンなのだということを否応無く理解させられてしまう。
だが巨竜の腕に抱かれたまま大きなベッドに寝そべっている内にようやく興奮していた気分が幾許かの落ち着きを取り戻すと、俺はいよいよずっと気になっていたことを彼女に訊ねていた。
「あ、あの・・・それでさ・・・俺、あなたとその・・・し、してもいいんだよね?」
「ウフフフ・・・そんなに緊張しなくても大丈夫よ。もちろん、好きなだけ付き合ってあげるわ」
決して叶うことは無いと知っていながら、それでもずっと夢に見ていた雌のドラゴンとのまぐわい。
それが今夜唐突に実現してしまい、俺はどういう反応を示していいか分からずフワフワと浮き足立っていたのだろう。

やがてそんな淀み無い返答にゴクリと期待の息を呑んだ俺の顔を満足げに眺めると、彼女がいよいよ俺の着ていた服をゆっくりと脱がせ始めていた。
「じっとしていなさい・・・今からあなたはあたしの獲物・・・心行くまで、しゃぶり尽くしてあげるわ・・・」
「あ・・・あぁ・・・」
着ていたシャツが、ズボンが、パンツが、靴下が・・・彼女の器用な指先でそっと摘み上げられていく。
興奮に汗ばむ肌に触れた滑らかな爪や鱗の感触が妙にこそばゆく、俺は服を脱がされながらもそのくすぐったさに思わず身を捩っていた。
やがて全身の纏を綺麗に剥ぎ取られると、暴れる獲物を押さえ付けるべく彼女の太い尻尾が手足に絡み付いてくる。
そしてずっしりと重みのある尻尾でベッドの上に大の字に縫い付けられると、俺は妖しい笑みを浮かべながら迫ってくる彼女の大きな顔をドキドキしながら見つめていた。

コリ・・・コリコリッ
「はっ・・・あっ・・・!」
だが次は一体何をされるのかという思いに胸を高鳴らせながら身を任せていると、不意に先の丸い2本の爪が俺の乳首を軽く捻り上げてくる。
更にはその敏感な蕾を磨り潰すかのように左右に転がされると、俺は余りの心地良さに背筋を仰け反らせていた。
そのせいで無防備な性感帯が更に彼女の前に押し出され、反対側の乳首も敢え無く彼女の爪先に掛かってしまう。
クリッ・・・コリリッ・・・
「う・・・あ・・・はああっ・・・!」
両手足を封じられたまま巨大な雌竜に両乳首を嬲られているという倒錯的な光景に、俺は股間の雄が見る見る内に大きくそそり立っていく感触を感じていた。

「どうかしら・・・圧倒的な力で捻じ伏せられて為すがままに弄ばれるのも、意外と悪くない気分でしょう?」
「あ・・・ぅ・・・」
やがて執拗に与えられる快感に俺の息が荒くなってきたことを確かめると、彼女がゆっくりとその身を引いていく。
「それじゃあ、本番の前に・・・少し慣らしてあげるわ。あなた、初めてのようだしね」
そしてローラの視線がギンギンに張り詰めた俺の怒張に注がれていることに気が付いた次の瞬間、彼女がおもむろに俺のペニスをその口に含んでいた。
パクッ
「ふあっ!?」
突然肉棒がムワッとした熱い空気に包まれたかと思うと、ザラザラの舌がゆっくりとペニスの裏側を擦り上げていく。

ジョリジョリジョリジョリ・・・
「あ・・・あああぁぁ〜〜〜!」
先程までの乳首責めなどとは次元の違うその凄まじい竜のフェラチオの快感に、俺はまるで高圧電流でも流されたかのように両手足をビクンビクンと激しく暴れさせ・・・ようとした。
だが全ての関節を押さえ付けるようにみっちりと巻き付けられたローラの太い尾が、巨竜の手の内から逃れようとする獲物の必死の抵抗を事も無げに捻じ伏せてしまう。
そして結局微動だにできなかった俺の無力感を嘲笑うかのように、彼女の長い舌が今度は俺の肉棒を根元から先端に向かってゆっくりと巻き上げていった。
力尽きた獲物に大蛇が絡み付くかのように、じわりじわりと紅いとぐろの中へと埋もれていく憐れな雄が止めを刺される瞬間を成す術も無くただただじっと待ち続けている。
ギュッ・・・ギュゥッ・・・
「ああっ・・・ま、待って・・・それ以上締めたら・・・で、出るぅ・・・」
しかしそんな俺の降伏宣言にも、彼女はただ優しげにその青い眼を細めただけだった。

グギュッ・・・チュウウゥ・・・
「うあ〜〜〜〜〜!」
そしてしばらく舌のとぐろの中で絶望的な気分を味わわされていたペニスが、いよいよきつく締め上げられながら激しく吸い立てられる。
その強烈な圧迫感と精巣から直接精を啜り上げられるかのような容赦の無い吸引に、俺は動かぬ手足を揺すりながら初めて味わう凄まじい射精の快楽に甲高い悲鳴を上げていた。
ドブッ・・・・ズズズッ・・・ズズ・・・
「あが・・・が・・・ぁ・・・」
自分で慰めるのとは訳が違う、正しく強制的に搾り取られるかのような未曾有の快感。
だがどんなに気持ち良くても身動き1つできないだけに、俺はようやく射精が収まった後も不安な表情を浮かべながら荒い息を吐いていた。

「どうかしら?こんなの初めてでしょう?」
しばらくしてたっぷりと吸い上げたはずの精をゴクリと一口で飲み込んだローラが、凄艶な笑みを浮かべながらそう訊ねてくる。
「あ、ああ・・・す、凄いよ・・・」
「気に入ってくれて良かったわ。でも、本番はこれからよ」
そうだ・・・今の物凄いフェラチオも、彼女にとってはただの前戯でしかない。
やがて期待と興奮に無言のまま頷いた俺の様子を見て、彼女が手足に巻き付けていた長い尻尾をそっと解いていた。
そしてその尾を、今度は俺の胴体にみっちりと隙間無く巻き付けていく。
お陰で両手足は一応自由になったものの、やはり彼女の腹下からはどうやっても逃れることはできないらしい。
「余りに苦しかったら言ってね。尤も、声を上げる気力があればの話だけど・・・」
「えっ・・・?」
だが何処か不穏ささえ感じるそんな彼女の言葉に思わずそう訊き返した次の瞬間、その巨体で俺の上に覆い被さってきた彼女が自らの下腹部に花咲く凶暴そうな竜膣を大きく左右に開いていった。

「ほぉら・・・これからあなたは、ここに食べられるのよ・・・巨竜の餌食になる獲物の気分はどうかしら・・・?」
「う・・・あぁ・・・」
クチュッという小さいながらも耳に残る粘着質な水音とともに、桃色の粘液が糸を引く膣口がヒクヒクと淫らな脈動を繰り返している。
み、身動きも取れないのにあんなところに入れられたら、俺は一体どうなってしまうのだろうか・・・
そんな破滅的な想像に、凄まじい不安と恐怖を感じているのにもかかわらずそれ以上の期待と興奮が獲物である俺の肉棒をますます固く真っ直ぐに屹立させてしまっていた。
そして俺の中にある種の覚悟と諦観が固まった頃合を見て、いよいよ彼女がその大きな腰をゆっくりと下ろし始める。
チュプ・・・
「く・・・あっ・・・」
やがてペニスの先端が熱い愛液で濡れそぼった肉洞の入口に触れると、ゾワゾワと総毛立つような未知の快感がゆっくりと襲い掛かってきた。

「ウフフフフ・・・丸呑みにしてあげるわ・・・」
ズ・・・ズ・・・ズズ・・・
何処か嗜虐的な微笑を浮かべたまま、彼女がじわじわと焦らすように少しずつ俺のモノをその体内に収めていく。
「はあっ・・・ぐ・・・ふああっ・・・!」
その度に分厚い肉襞と柔突起に敏感な局部が擦れ、俺は今度こそ自由になった両手足を必死に暴れさせていた。
ズ・・・グブ・・・
やがて数十秒もの時間を掛けてペニスが完全に彼女の膣に呑み込まれると、肉棒全体がじんわりと締め上げられる。
「さてと・・・この感触に、あなたは何時まで耐えられるかしらね・・・?」
「うあぁっ・・・す、凄いぃ・・・」
まだ彼女は身動ぎ1つしていないというのに、入れているだけでゆっくりと蠕動する柔肉の海が生け贄に捧げられた憐れな雄を無慈悲に弄び始めていた。

「じゃあ、動くわよ・・・」
グ・・・グジュ・・・ジュルルル・・・
「ふあああぁ・・・!」
そんな彼女の言葉に制止の声を上げる間も無く、俺はゆっくりと前後に揺すられ始めた彼女の卓越した腰遣いにあっさりと情けない嬌声を上げさせられていた。
ただでさえ熱い愛液に濡れる分厚い肉襞がみっしりとペニスを締め上げているというのに、それに加えて前後にも振り回されては堪ったものではない。
しかし逃れようにも体に巻き付いた巨竜の尾を引き剥がす力などあるはずもなく、俺にできることは仮初めの自由を許された両手足を暴れさせながら悶えることだけ・・・

「あらぁ・・・初めてなだけあって可愛い反応をするじゃないの・・・それじゃあ、ちょっと搾ってあげるわ」
彼女はそう言うと、相変わらずゆっくりとしたストロークで前後に腰を振り続けたまま俺の肉棒をその魔性の肉襞を駆使して根元から先端に向かうようにほんの数回扱き上げていた。
ゴシュ・・・ゴシュゴシュッ・・・
「あ、あ〜〜〜〜〜〜〜!」
次から次へと流し込まれる凄まじい快楽の奔流に弄ばれていたところへそんな止めの刺激が叩き込まれ、一瞬たりとも堰き止めることの出来なかった大量の白濁が雄の先から迸っていく。
更には射精の快感に喘ぐ俺の顔を間近で覗き込んでいたローラの顔に少しばかり悪戯っぽい笑みが浮かぶと、なおも精を噴き上げていたペニスが再びきつく搾り上げられていた。

「あ・・・が・・・」
1番快楽に敏感な射精の瞬間に何度となく無慈悲な圧搾を味わわされて、雄汁を根こそぎ搾り取られる感触にロクに声を上げることもできないままカッと目を見開いて全身をピクピクと痙攣させてしまう。
「あらあら、少しやり過ぎちゃったかしら・・・?」
「は・・・ぁ・・・も、もう・・・降参・・・」
「そうね・・・もう少し落ち着いたら、シャワーを浴びてくるといいわ」

それから数分後、俺はようやく体中を駆け回っていた快楽の余韻から解放されると彼女の言う通り部屋に備え付けられていたバスルームで熱いシャワーを浴びていた。
大きな風呂場なのでSサイズのドラゴンとなら風呂で背中を流してもらったりといったこともできるらしいのだが、それはまあまた機会のお楽しみとして取っておくことにしよう。
そして激しい行為で掻いた汗を綺麗に洗い流して部屋に戻ると、丁度ローラが巨大なベッドの上でゆったりととぐろを巻いていたところだった。

「どうだったかしら?」
「あ、ああ・・・凄く良かったよ。癖になりそうだった」
「ウフフッ、それは良かったわ。それじゃあ、こちらにいらっしゃい・・・」
俺はそう言って艶めかしく手招きする彼女に吸い込まれるようにしてベッドの上に攀じ登ると、再びその長大な尻尾を全身に巻き付けられていた。
しかし今度は体の自由を奪うようなきつい巻き方ではなく、どちらかというと優しく抱き締めるかのように軽く絡ませただけのようだ。

「疲れたでしょう?こうするとすぐに眠りに就けるわよ」
そしてまるで幼い子供にでも言い聞かせるかのような甘い口調でそう囁くと、彼女が尻尾に包んだ俺の体を宛ら揺り篭のようにそっと揺らし始める。
「ああ・・・これ、気持ち良い・・・」
溜まりに溜まった疲労と風呂上りの心地良い体の火照りが相俟って、ほんの数秒彼女の尻尾で揺すられただけで急激に睡魔が襲い掛かってくる。
「朝になったら起こしてあげるわ。お休みなさい、坊や・・・」
やがてそんなローラの優しい声を聞きながら、俺はあっという間に深い夢の世界へと落ちていったのだった。

翌朝、俺は9時を告げるチャイムが鳴ると同時にローラに優しく揺り起こされていた。
やがて周囲を見渡して夢見心地だった頭をはっきりさせると、俺の隣にゆったりとその巨体を横たえていた彼女の方へと視線を向ける。
「もう、朝になったのか?」
「ええそうよ・・・随分とぐっすり眠っていたみたいだけど、満足して貰えたかしら?」
「そ、そりゃもちろん。絶対にまた来るよ」
俺はそんな彼女の問いに望み通りの答えを返すと、床に脱ぎ捨ててあった服を身に付けていた。
そしてローラに見送られながら部屋を後にすると、そのまま扉を潜って受付にまで戻ってくる。
そこでは、あの黒いフードを被った人間の女性が俺を待ってくれていた。

「お疲れ様でした。ドラゴンとの一夜は気に入って貰えたかしら?」
「ああ・・・まるで夢みたいだったよ。また来てもいいかな?」
「ええ、もちろんよ。でもこの店の会員になるに当たっては、幾つか守って欲しいルールがあるの」
そう言えば昨日は済し崩し的にここに泊まることになったから説明みたいなものは何も聞いていなかったけど、確かによくよく考えてみれば特殊な店だけに守らなければならないルールがあっても不思議ではない。
「どんなこと?」
「この店は通常、5回以上店を利用している会員からの紹介でしか新しいお客さんを取っていないの」
「まあ、店の内容が内容だしね・・・」
雌竜と一夜を共に過ごしたい・・・そんな願望や性癖を持つ人だけを会員にする為には、確かにそのくらいのことをしなければならないのだろう。
「だからあなたは今回特別に会員として認めさせて頂くんだけど、まだ誰かを紹介して貰うことはできないの」
「今のところは特に誰かを紹介できるような当ては無いけど・・・紹介するとどうなるの?」
「1人の紹介に付き1泊、宿泊代が無料になるわ」

成る程・・・ということは、同じ予算でワンサイズ上の雌竜を指名することもできるようになるということか。
そう考えると、中々にお得なシステムだと言っていいのかも知れない。
「それと、会員証の他人への譲渡は駄目よ。会員証に署名してある本人にしか、使用は認めていないわ」
それはまあ、常識の範囲内だろう。
「最後にもう1つ。新しい顧客に紹介する以外の目的で、この店のことをみだりに他人には話さないで欲しいの」
「分かったよ。確かに、必要の無い人にまで雌竜達の存在が広まると色々と厄介だろうしね」
「分かって貰えて嬉しいわ。それじゃあ、料金は9千円よ」
俺は財布の中から1万円札を出して彼女に渡すと、ふと胸に浮かんだ疑問を口にしていた。

「そう言えば、どうして料金は後払いなんだい?金額が決まってるんだから先払いでもいいような気がするけど」
「もし精算時にお金が足りなかったらどうするのかっていうこと?」
「う、うん」
だがそんな俺の質問に、お釣りの千円札を返しながら彼女が不気味な笑みを浮かべる。
「雌竜達の同伴料金は、つまるところ彼女達の食費なの。お金が足りなかったらその時は・・・判るでしょう?」
「つまりその・・・体で払って貰うっていう・・・こと?」
まさかとは思いながらも何故かすんなりと脳裏に浮かんだ想像に、俺は少しばかり背筋が寒くなったような気がした。
「ええそうよ。でも世の中にはそういう趣味嗜好のお客さんもいるから、まあ選択肢の1つみたいなものね」
ああ、成る程・・・確かに、最終的にドラゴンに食べられてしまうのならお金を払う必要は無いもんな・・・
「そ、そっか・・・とにかく、また近い内に利用させて貰うよ」
「ええ、何時でも待ってるわ。今日はどうもありがとう」

そんな彼女の声を背に受けながら、俺は入店の為のカードキーにもなっている会員証に自分の名前を署名してから帰りのエレベーターへと乗り込んでいた。
そして1階に着くと、まるで何処か遠い異世界から現世へと戻って来たかのような気分で外へと出てみる。
来た時には全く人の気配がしなかったビルのエントランス側には出勤してきたと見える大勢の人々の姿が見え、都会の真っ只中に建つビジネスビルに相応しい活気がそこかしこに渦を巻いていた。
「昼の間は、このビルも普通に何処かの会社のオフィスが入っているのか・・・」
そう考えると、何とも不思議な立地にある店だ。
しかし夢にまでみた雌竜とともに過ごすことのできる文字通りの天国を見つけられたという思いに、俺は意気揚々と晴れた空の下を家路へと就いたのだった。

今日は日曜日・・・昨日は友人の買い物に付き合うという用事があったけれど、流石に今日は特にこれといって予定が入っているわけでもない。
だが何処かに寄り道をしようにも、一般の店が開店する10時までにはまだ少し時間があった。
それに昨夜あんな不思議な体験をしてしまった後では、何をしても大した暇潰しにはならないことだろう。
今夜もまた、あの店へ行ってみようか・・・
そして思わずそんなことを脳裏に思い浮かべた次の瞬間、俺は気を取り直すようにブンブンと頭を振っていた。
ついさっき退店してきたばかりだというのに、ふと気が付けばもう今夜のことに想像を巡らせてしまっている。

まあ、長年の夢だった雌竜と出会えたばかりか夢のような一夜を過ごせる場所まで見つけてしまったのだから、そのことばかりを考えてしまうのはある意味仕方の無いことではあるのだが・・・
一応お金の方はバイトで稼いだ貯金があるから今のところ生活にも比較的余裕があるし、しばらくは色々な雌竜を見る為に足繁く通ってみるのもいいかも知れない。
よし・・・それじゃあ昼の間は家で寝て、今夜は朝まで雌竜達との触れ合いを愉しむことにしよう。
俺はそう心に決めて真っ直ぐ家に帰り着くと、軽くシャワーを浴びてから昼寝の準備を始めたのだった。

その日の夕方頃・・・
ピピピピピピピピピ・・・
「う・・・ん・・・」
俺は18時40分にセットしていた携帯電話のアラーム音で目を覚ますと、まだ眠気の残る目を擦りながらのそのそとベッドから這い出して外出用の服に着替えていた。
そして十分な現金と"Dragoness Heaven"の会員証を持ったことを確かめると、軽い足取りで夕焼けの気配を滲ませる新宿の街へと飛び出していく。
何だか風俗店へ行くのだけが唯一の楽しみという駄目な人間になってしまったかのような気分だが、そんな負い目もドラゴンの持つ凄まじい魅力の前では虚しく霞んでしまう。

やがて午後7時を僅かに過ぎたところで例のビジネスビルの前へ辿り着くと、俺は逸る気持ちを抑えてエレベーターホールへと続く自動ドアにカードキーである会員証を滑らせていた。
更には待機してあったエレベーターに飛び乗って"B1"のボタンと"閉"ボタンを連打すると、期待と興奮に高鳴っていく自身の胸に手を当てながら地下に到着するのをじっと待ち続ける。
ポーン・・・
そしてしばらくして待ちに待った電子音が周囲に鳴り響くと、昨日と同じく黒いフードを被った女性が待つ雌竜天国の受付カウンターが開いたエレベーターの扉の向こうにその姿を現していた。

「いらっしゃい・・・あら、また来てくれたのね。今日も1番乗りだなんて、余程気に入ってくれたのかしら?」
「う、うん。今日は何だかもう、ここに来ることしか考えられなくてさ・・・」
「嬉しいわ・・・早速メニューを持ってくるわね」
彼女はそんな俺の様子に少しばかり笑みを浮かべると、昨日と同じように乳白色のハードカバーに包まれた雌竜達のメニューを取り出して俺の目の前に広げてくれた。
「あれ・・・何だか昨日と少し違うね?」
「実はこれ、毎日手作業で更新しているのよ。日によって出勤してるドラゴンも違うし、人気度も変わるしね」
彼女にそう言われて昨日俺が指名したローラの写真を探してみると、成る程確かに昨日は29/148(指名回数/勤務日数)になっていた人気度が30/149という数値に変わっている。
他にも数匹のドラゴンの指名回数が増えていることから察するに、昨日は俺の他にも何人かの来客があったということなのだろう。

「そっか・・・結構大変なんだね」
「これも全ては店を利用してくれるお客さんの為よ。それで、好みのドラゴンは見つかったかしら?」
「うーん・・・それじゃあ、昨日はいなかったこのドラゴンがいいかな」
そう言いながら、俺は一際明るい黄色の体色が目を引く雌竜の写真を指差していた。

名前:レモン(22歳)
体高:4足時0.92メートル(Sサイズ)、直立時1.66メートル
体色:明るい黄色
眼色:黒
性格:受★★★★★攻
得意なプレイ:フェラチオ、アナル責めなど
口調:高飛車
人気度:11/89(指名回数/勤務日数)

「レモンね。昨日のローラといい、どちらかというと責められる方が好きなのね」
「ま、まあね・・・」
「いいわ。それじゃあ、3番の部屋に入って待ってて。すぐに呼んでくるから」
俺はそう言われて入口に3番と書かれた部屋の中に入ると、昨日と同じように大きなベッドに腰掛けたまま奥の壁が開いてレモンが登場するのを今か今かと待ち続けていた。

それから数分後・・・ようやく部屋の奥の壁が左右に開いたかと思うと、その向こうから明るい黄色に輝く皮膚を纏った小柄な雌竜がゆっくりと姿を現していた。
ドラゴンにしては珍しい丸顔の額の部分には大きな花弁のような紋様が浮き出していて、頬からはまるで植物の葉を彷彿とさせるような緑色の長い髭が生えている。
更には後頭部から伸びた体の割に大きな淡い紅色の角が雄々しく天を衝き、何処かあどけなさの残るその可愛い顔に奇妙な迫力を付け足していた。
背中には鉤爪の付いた鈍い銀色に光る大きな翼がパタパタとはためき、角の根元から張り出した耳膜の青色が体色の黄色と反発して見る者に随分とカラフルな印象を与えている。



「あなたね、レモンを指名してくれたのは」
だがレモンのそんな不思議な容姿に見とれていると、不意に彼女がそう言いながらガバッと立ち上がる。
とは言っても立ち上がったところで彼女の身長は精々が俺と同じか少し低いくらいで、俺はそんな彼女の仕草に驚くというよりは寧ろ少しばかり親近感を覚えていた。

「う、うん・・・」
「最初に言っておくけど、レモンを指名したからには死ぬ程気持ち良くしてあげるから覚悟しなさい」
「例えばその・・・どうやって?」
そしてつい好奇心からレモンにそう訊ねてみると、彼女がこれ見よがしにジュルリと舌を舐めずっていた。
「ウフフッ・・・そうねぇ・・・どうしてあげようかしら・・・」
それと同時にまるで獲物を見るかのように鋭く細められたレモンの視線に射抜かれて、思わずザワッという寒気が背筋を駆け上がっていく。
「お望みなら何処で搾ってあげてもいいのよ。レモンに掛かれば、どんなに我慢強い人間でも1分ともたないんだから」
「そ、そうなの・・・?」
だが一体どんなことをされるのだろうかという想像を巡らしていると、突然レモンがベッドに腰掛けていた俺に向かって勢い良く飛び掛ってきた。

ガバッ!
「わあっ!」
柔らかいツルツルプニプニした皮膚のお陰でほとんど痛みや衝撃は感じなかったものの、一瞬の内にベッドの上に押し倒されて両腕をギュッと踏み付けられてしまう。
「ほらぁ・・・捕まえたわよぉ・・・」
そして体の大きさの割に長い黄色と緑に塗り分けられた綺麗な尻尾をグルンと俺に巻き付けて身動きも封じると、彼女がおもむろに俺の穿いていたズボンをパンツごとズルリと引き摺り下ろしていた。
その数瞬後、期待と興奮に膨らんだ全くの無防備なペニスが彼女の眼前にポロリとその身を晒してしまう。
「あら、もう大きくしちゃってるなんて・・・早く搾られたくて仕方が無いっていうところかしら?」
「あうぅ・・・」
正直、俺は彼女の言葉を否定できなかった。
体の大きさは精々俺と同じくらいだというのに、先程飛び掛ってきた時やベッドに組み敷かれた時、それに長い尻尾で巻かれた時に、俺は彼女にその見た目の可愛さに似合わぬ凄まじい膂力があることを感じ取っていた。

「ほらほら、レモンに捕まったらもう暴れたって無駄よ。早速あなたのモノ、味見してあげるわ」
やがてそう言いながら、レモンがその小さな口内にペニスの先端を軽く含む。
「あむ・・・」
「ふあっ・・・!」
更には細く尖った舌先がペニスの先端をチュルリと舐め上げてきて、俺は思わずビクンと体を震わせていた。
レロッ・・・レロレロ・・・クチュ・・・チュパチュパッ・・・
「あ・・・ああっ・・・あ〜〜〜〜・・・!」
ただでさえ敏感な先端を舌で弄ばれているというのに、時折彼女がキュッキュッとペニスを勢い良く吸い上げていく。
だが余りの快感に暴れようにも体に巻き付けられたレモンの尻尾がそれを捻じ伏せるようにギュッと力強く締まり、ついさっきまで自由だったはずの両足も何時の間にか彼女の両手で掴まれて左右に大きく開脚させられていた。
「ウフッ・・・そろそろ限界みたいね・・・ほぉら、熱い雄汁・・・たっぷりと吐き出しなさい」
やがてそんな声が聞こえたかと思った次の瞬間、突然レモンの口が大きく左右に裂けていく。
そしてまるでハロウィンのカボチャのように不気味なレモンの大口が眼前に現れると、それがバクンという音とともに俺のペニスを根元まで咥え込んでいた。

ジュルッ・・・ジョリリ・・・ゴキュゴキュゴキュッ・・・!
「なっ・・・あっ・・・うわああああぁっ!」
大量の熱い唾液を纏った彼女の舌がペニスに幾重にも巻き付けられ、ギュウギュウときつく握り締められていく。
その上顔の半分程はあろうかという大きな口でペニスばかりか睾丸までが口内に捕らえられると、ザラついたレモンの舌がジュワッと大量の唾液を溢れさせながら舌先で睾丸を舐め上げていた。
「ひああっ・・・」
先程までのこそばゆい刺激とは段違いのその強烈なフェラチオに、助けを求める手足がなおもバタバタと暴れ回る。
だがそんな獲物の死に物狂いの抵抗さえ涼しい顔のまま力尽くで制圧すると、既に我慢も限界に達していた肉棒を彼女が思い切り吸い上げていた。

キュウウウゥゥゥ・・・
「ああああぁぁ〜〜!」
ドクッ・・・ドクッ・・・ジュル・・・ジュルルルル・・・
昨日のローラのフェラチオとは明らかにレベルの違う、気が遠くなるような激しい放出感。
魂まで吸い上げられてしまうのではないかと思える程の無慈悲な吸引に、俺は最早声にならぬ叫び声を上げて身悶えていた。
ジュ・・・ジュルルル・・・チュパッ!
「は・・・ぁ・・・」
ドサッ・・・
そしてたっぷり1分程も掛けて精を根こそぎ啜り取られると、ようやくペニスが解放された感触に全身の力がすっかりと抜け落ちてしまう。

「どう?レモンの責め、凄いでしょ?」
たった1回の射精で完全に力尽きた俺を見下ろしながら、彼女がトマトのヘタのようなその鼻を得意気にツンと上げる。
だが俺から肯定の返事が無かったことに少しばかり気分を害したのか、彼女は途端にプクッとむくれるといきなり俺の両足を自身の脚でベッドに押さえ付けていた。
「ふぅん・・・返事が無いってことは、この程度じゃまだまだ全然物足りないっていうことなのかしらね?」
「え・・・?あ、いや・・・そんなことは・・・」
その不穏な気配に気付いて俺は咄嗟に弁明の言葉を並べたものの、どうやら彼女は既に虫の息に近い俺を更に激しく犯すつもりらしい。
「今更言い訳したって駄目よ。今度は、レモンの下のお口で搾り取ってあげるわ。それこそ、1滴残らずね・・・」
「そ、そんなぁ・・・」
やがて恐怖に戦く俺の両腕をしっかりとベッドへ押さえ付けると、彼女が俺に巻き付けていた尻尾を解いていく。
そしてその長い尻尾をまるで蛇の鎌首のように不気味に持ち上げると、槍のように細く尖った先端が真っ直ぐに俺の尻穴に狙いを付けてピタリと静止していた。

「ほぉら、覚悟しなさい・・・」
やがてそう言いながら、レモンが俺の肉棒目掛けてゆっくりとその腰を下ろしてくる。
何時あの尻尾で尻穴を貫かれるかも分からないまま、俺は依然として元気にそそり立っている憎らしいペニスが成す術も無くレモンの秘所へと埋もれていく様をじっくりと見せ付けられていた。
ズブズブズブ・・・
「く・・・う・・・」
「ウフフフフ・・・こんなの初めてでしょう?」
「う・・・?あ、あひぃっ・・・!」
だが唾液にぬめった亀頭全体がその獰猛な竜膣に呑み込まれた瞬間、ビクンという衝撃が俺の背筋を突き上げる。
レモンの中は・・・凄まじいまでの細かい肉襞にみっしりと覆い尽くされていた。
それらがまるでペニスを奥へと誘うように、グイングインと大きく蠕動している。
「ま、待って・・・こんな中に入れられたら・・・ふああぁ・・・!」
しかし逃れようにも大の字にベッドの上に組み敷かれた状態では腰を引くこともできず、俺は意地悪な笑みを浮かべながら焦らすようにペニスを咥え込んでくるレモンの腰遣いに早くも悶絶させられていた。

「あらあら、まだ泣き喚くのは早いわよ。これからもっともっと気持ち良くなるんだから」
如何にも愉しそうにそう呟きながら、レモンがなおも少しずつペニスを悪魔の膣の中へと押し込んでいく。
「それじゃあ、最後はあなたから入れて貰おうかしら」
「あ・・・ぁ・・・え・・・?」
最後は、俺に・・・?
だがそんなレモンの言葉の真意を探る暇も無く、それまで様子を窺っていた彼女の尻尾の先が突然俺の尻穴へドスッという鈍い音とともに勢い良く捻じ込まれていた。
「ひゃあっ!」
ズブッ!
そしてその強烈な刺激に思わず背筋を仰け反らせてしまうと、同時に腰が持ち上がってレモンの膣へと自身の肉棒を自ら深々と突き入れてしまう。

「う・・・あ・・・し、しまったあぁぁ・・・」
「ウフフフ・・・良く出来たわね。それじゃ、ご褒美よ」
やがて俺が思惑通りに彼女を貫いてしまったことに気を良くすると、肉棒を嬲る肉襞の蠕動が更に速くなっていた。
グギュッグギュッグギュッ・・・
「うあ〜〜〜!」
「ほら、こっちも責めてあげるわ」
更には尻の中へと突き入れられた尻尾の先端がクニャリと曲がり、隠された性感帯である前立腺を力強く突き上げる。
グリッ・・・ゴキュ・・・ゴキュ・・・ジュブ・・・ゴシュッ・・・
「あが・・・あがが・・・」
一瞬の休みも無く肉棒を扱き上げられながら尻穴を蹂躙されるという無茶苦茶な快感に、俺は半ば白目を剥いてピクピクと全身を痙攣させていた。

「ほらぁ・・・そんな演技したって駄目駄目。本番はこれからなんだから」
ほ、本番はこれから・・・?
もう頭が真っ白になるくらい気持ち良くて、こんな状態で射精したら間違い無く気絶してしまうっていうのに・・・
だがこれ以上一体何をされるのかという不安を抱きながらもレモンに体を任せていると、どういうわけか不意に彼女が俺のペニスを搾り上げていた妖しい膣の動きをピタリと止めてしまう。
「う・・・な、何で・・・止めるの?」
「あら、続けて欲しいのかしら・・・?」
「あ・・・そ、それは・・・」
正直あんな責めをこれ以上続けられたらどうにかなりそうだっただけに、止めて貰えたのは素直に嬉しかった。
しかしその一方で、どうしようもない不完全燃焼感が凝りのように胸に残ってしまう。

「心配しなくても、ちゃんと止めは刺してあげるわ。もう少し遊んでからね」
そんなレモンの言葉が終わるか終わらないかの内に、尻穴に捻じ込まれていた彼女の尻尾が突然グリンと捻られていた。
「ひあっ!」
そして暴れそうになった両手足へ更に体重を掛けて抵抗を封じ込めると、尖った尻尾の先がゆったりと俺の前立腺へ狙いを定めるように直腸の中を這い回っていく。
「さぁて・・・あなたの弱点は何処かしらね・・・?」
グッ・・・
「ひっ・・・」

だが適当に当たりを付けたのであろうその急所への一撃に思わず我慢できなかった悲鳴が漏れてしまうと、途端にレモンの顔に極めて嗜虐的な笑みが広がっていった。
「ウフフ・・・あなたって正直者なのね・・・」
ツン・・・ツン・・・
「うっ・・・あっ・・・」
完全に俺の感じるポイントを見つけ出してしまったレモンが、そう言いながら尻尾の先で前立腺を軽く突き上げる。
「それじゃあ、天国を味わわせてあげるわ・・・たっぷりとね・・・」
そしてその恐ろしい呟きが耳に届いた次の瞬間、グッと前立腺に押し当てられたレモンの尻尾がまるでバイブか何かのように突然ブルブルと小刻みに震え始めたのだった。

ブウウウウウウウウウン・・・
「ふあっ・・・な、何これぇ・・・」
鈍い快感のツボを抉るように、激しく振動するレモンの尻尾がじっくりとうねっていく。
しかしそれと同時に彼女の膣に捕らえられたペニスには甘い肉壁の感触以外にはこれといって刺激が与えられず、俺はその酷い生殺しの責め苦に動かぬ体を力一杯捩っていた。
「不思議な感じでしょう?このまま我慢の限界を迎えると、果てた感触だけを味わえるのよ。何度でもね・・・」
「な、何度でも・・・?」
冗談じゃない。
さっき1回精を吸い取られただけでも相当に衰弱したというのに、あんなのを何度も味わわされたら死んでしまう。
「む、無理だよ・・・うっ・・・そんなの・・・うはっ・・・」
だがそう言っている間にも、まるで下半身が痺れるかのような甘い快感が徐々に徐々に膨れ上がってくる。
「大丈夫よ。直にあなたも病み付きになるわ」

何だか全然大丈夫な理由になっていないような気がしたものの、反論しようにも前立腺を突き上げる尻尾の振動が更にその激しさを増していく。
そして自分ではどうしようもない疼きが全身に波紋のように広がっていくと、俺は急に襲ってきた強烈な射精感に背筋を仰け反らせたまま身を任せてしまっていた。
「う、うあああ〜〜〜っ!・・・あ・・・?」
き、気持ち良い・・・!
さっき彼女のフェラチオでペニスを吸い上げられた時もこれ以上無い程の快感を味わったというのに、あの何倍もの凄まじい気持ち良さと多幸感が体中を押し包んでいく。
しかしそれと同時に、俺はビクンビクンと脈動を繰り返す自身の肉棒から精が出ていないことを感じ取っていた。
その奇妙な現象のお陰か、間違い無く射精の快感を感じているというのに本来のそれに伴うような疲労感や喪失感が全くといって良い程に感じられない。

「す、凄い・・・けど・・・何も出てないよ・・・?」
「ええそうよ。これなら何度でも搾られる快感を味わえるでしょう?心行くまで愉しむといいわ・・・」
そう言いながら、再び俺が1番感じる前立腺のツボにレモンの尻尾バイブが押し当てられた。
「ああっ・・・ま、またぁ・・・」
「ウフフフ・・・これだけじゃレモンも暇だから、こっちもしゃぶってあげる」
更に俺のシャツの中へ顔をズボッと突っ込むと、レモンが俺の乳首をパクッとその口に捕らえてしまう。
チロチロ・・・チロチロチロ・・・
「ひぁっ!そ、それは・・・や・・・めぇ・・・」
次の瞬間、興奮にピンと屹立していた小さな乳首が彼女の舌先で遠慮無く舐め転がされていた。
肝心のペニスにはさっきから全く刺激が与えられていないというのに、上下2つの敏感な性感帯を蹂躙されてまたしても射精感が込み上げてくる。

「ほらぁ・・・おとなしくレモンの舌で果てなさい・・・」
「ひゃあああぁ・・・」
空撃ちのような、それでいて普段の射精より何倍も気持ちの良いドライ・オーガズム・・・
男として最大の弱点を全て彼女の手の内に握られて、俺は口の端から涎を垂らしながら恍惚の表情を浮かべて悶え狂っていた。
「も、もう・・・駄目・・・早くイ、イかせて・・・」
「あら、さっきから何度も果ててるじゃないの。それとも、もっと責めて欲しいのかしら?」
そんな俺の命乞いにも似た懇願に、シャツから顔を出したレモンがまるで悪魔のように意地悪な笑みを浮かべる。

「ち、ちが・・・お願いだから・・・ああっ・・・!」
だがもちろん彼女も俺が何を望んでいるのかは十分に理解しているらしく、数秒の沈黙の後にようやく干されていた肉棒がギュッときつく締め上げられていた。
「ウフフフフ・・・いいわ、それじゃあお望み通り・・・これで止めよ」
グギュギュギュッ!
そしてそのまま、熱い愛液を溢れさせた肉襞が一斉に肉棒を扱き尽くす。
そのまるで瀕死の獲物を事も無げに捻り潰すかのような無慈悲な圧搾に、俺は今度こそ盛大に彼女の中へ白濁の噴水を噴き上げたのだった。

「はが・・・あがが・・・」
止め処無く屈服の証を吐き出す肉棒が、押し寄せる無数の肉襞に散々に嬲り尽くされていく。
その人には到底受け止め切れない快楽の嵐に視界が白く染まっていくと、俺は薄れ掛けた意識をフッと手放していた。
だがその瞬間、レモンが優しく扱き上げていた俺のペニスをギリッと思い切り締め上げる。
グシッ!
「ぎゃっ!」
その快感なのか痛みなのかも区別の付かない刺激に意識が覚醒し、俺はカッと目を見開いてヒクヒクとその身を震わせていた。
「ウフフ・・・気絶なんてさせないわよ・・・」
「あ・・・は・・・ぁ・・・」
そしてレモンの宣言通り正に最後の1滴までもが獰猛な彼女の竜膣に搾り尽くされてしまうと、ようやく快楽地獄から解放された愛液塗れの雄槍が力尽きたようにクニャリと倒れ伏してしまう。

「どう?レモンの責め、満足できたかしら?」
熟れた膣と口元から吸い取った精の残滓を見せ付けながら、彼女が勝ち誇ったような視線を俺に投げ掛けてくる。
「あ、ああ・・・完敗だ・・・もう降参だよ・・・」
俺はそう言うと、肺の中の空気を全て押し出すかのように長い安堵の息を吐いていた。
体の方はもう何処も拘束されてはいないというのに、指先にすら全く力が入らない。
文字通り、精も根も尽き果ててしまったという感じだ。
「それじゃあ、少し休んだらお風呂に入るわよ。あなたも疲れた体を休めるといいわ」
お風呂か・・・そう言えば、Sサイズのドラゴンとは一緒にお風呂に入ることもできるんだった。
「そ、そうだね。でもまさか・・・風呂の中でこの続き・・・なんてやらないよね?」
「大丈夫よ。レモンも本番の時は激しいけど、お客さんは大切にしないといけないからね」
「それを聞いて安心したよ」

それから15分後、俺は大きな浴槽に熱いお湯が溜まったことを確認してから彼女を風呂場に呼んでいた。
「レモン、お風呂が沸いたよ」
「今行くわ」
そして先に服を脱いで湯気の立ち上る風呂場でレモンを待っていると、やがて彼女がゆっくりと中に入ってくる。
「ほら、そっち向いて。背中を流してあげるから」
「え?あ、う、うん」
だが余りにも予想外のそんな彼女の言葉に思わず2つ返事で背を向けると、突然背中に何やらドロリとしたものが彼女の手で塗り付けられた。
「それ、何・・・?石鹸とかシャンプーじゃない・・・よね?」
「レモンの愛液よ。人間には強力な疲労回復効果があるの。そうでなきゃ、レモンの責めになんて耐えられないわよ」
そう言われてみれば、確かに今日の俺は普段よりも随分と我慢強かった気がする。
結局堪え切れなくて精を根こそぎ搾られてしまったことには変わりないのだが、彼女にあれだけの責めを受けて気絶までし掛けたのにまだピンピンしていられるのはこの不思議な愛液の効果によるところもあるのだろう。

ワシャッ・・・ワシャッ・・・
「ああっ・・・」
やがてそのとろみのある粘液を俺の背中全体に塗りたくると、彼女が先の丸くなった指先の爪を立てて俺の背中をゆっくりと擦り始めていた。
凄い・・・気持ち良い・・・!
微かに尖った爪が背中を掻き下ろす度に、えもいわれぬ心地良さと奇妙な爽快感が心身に染み渡っていく。
あれ程疲れ果てていたはずの体も見る見る内に生気を取り戻していくのが実感でき、俺はしばしの間レモンの垢擦りに自身の体をゆったりと委ねていた。
「ほら、お湯を掛けるわよ」
そして一通り背中を擦って貰った後で桶で汲まれた熱いお湯がザバッと頭から掛けられると、長時間の睡眠を取った後のような清々しさが体中に漲っているのがはっきりと感じられたのだった。

やがてレモンと一緒に風呂から上がると、俺はクローゼットに用意されていたモコモコのガウンに着替えてベッドで待つレモンの隣へとサッパリした体を横たえていた。
「あ〜・・・気持ち良かった」
「ウフフフ・・・もう元気一杯でしょう?」
「ああ・・・凄いね、あれ・・・」
だが素直にそう返事をしてレモンの方を振り向くと、彼女の顔に何だか油断の出来ない微笑が浮かんでいる。
「な、何?どうしたの?」
「あら、惚けたって駄目よ。まだ午後9時過ぎなんだから、長い夜はたっぷりと楽しまないとね・・・」
「え、ええ!?だ、だってさっきもうあんなに・・・」
そして思わずそう言い掛けたところで、俺は風呂に入る前までの疲労がすっかりと消えていることに気が付いていた。

し、しまった・・・強気で責めっ気たっぷりのはずの彼女が疲労回復だなんて言いながら風呂場で恭しく俺の背中を流したのは、最初から俺に第2ラウンドを断る口実を与えない為だったのか・・・
その証拠に、何時の間にか俺の体にレモンの尻尾がシュルシュルと絡み付いている。
「どうしたの?あなたもレモンの責めがとっても気に入ったんでしょう?断る理由は・・・無いわよねぇ・・・?」
「う、うわあああぁぁ・・・」
そして反射的にその場から逃げ出そうとしたところを尻尾でギュッときつく締め上げられると、俺は得意気にのしかかってくるレモンの邪悪な笑みを見つめながらただただ覚悟を決めるしかなかったのだった。

カーン・・・カーン・・・カーン・・・
「はっ!」
翌朝、俺は朝の9時を告げる鐘の音のようなチャイムを聞いてベッドから飛び起きていた。
明け方近くまで散々に俺をその艶かしい肢体で弄んでいた彼女は幾重にも折り畳んだ自分の長い尻尾を抱き抱えるようにして眠っていて、時折ムニャムニャと可愛らしげに鼻を鳴らしている。
結局あの後レモンには、朝の4時頃まで2時間置きに精を搾り尽くされて気絶させられるという地獄を味わわされた。
お陰で折角風呂に入って回復した体力もとうに尽き果ててしまい、睡眠時間が短いこともあって早くも疲労で足がフラついてしまっている。
しかしそんな悲惨といっても差し支えの無い責め苦を味わわされたにもかかわらず、俺はレモンと過ごした長い長い夜に大変満足していた。
そして相変わらずお客そっちのけで独り惰眠を貪っているレモンを横目に自分の服へ着替えると、そのまま部屋を後にして受付のカウンターへと足を向ける。

「お疲れ様でした。レモンとの一夜は大変だったでしょう?」
「あ、ああ・・・まあね・・・でも凄く気に入ったから、その内また指名させてもらうよ」
「ありがとう。それを聞くとレモンも喜ぶわ。それじゃあ、今回の料金は6千円よ」
6千円か・・・あれだけの体験がたった6千円ぽっちで味わえるだなんて、正にこの店は俺にとって天国だな。
やがてそんなことを考えながらカウンターの女性に料金を支払うと、俺は昨日と同じように彼女の視線を浴びながら帰りのエレベーターへと乗り込んだ。
「はぁ・・・今日は月曜日か・・・今日も来れるかな・・・?」
やはり店を出てあっという間に現実へと引き戻されると、どうしても次は何時ここへ来ようかという考えが頭の中に過ぎってしまう。
だが昨日と違って今日は午後から大学の授業があるから、今はとにかく家に帰ってシャワーを浴びるのが先決だ。
今夜のことを考えるのは、大学から帰ってきてからにするとしよう。
そして今にも雨の降り出しそうな曇り空の下を家まで走って帰ると、俺は半ば無理矢理に意識を切り替えて大学へ行く準備を始めたのだった。

その日の夜・・・
「ふう・・・やっと終わったか・・・」
大学からの帰り道、俺はようやく最後の乗り換え電車である山手線に乗り込むと、何だかグッタリと疲れた体を空いていた椅子に預けて項垂れていた。
今の時間は19時半・・・新宿駅に着くのは15分後だから、真っ直ぐあの店に向かえば20時頃には辿り着けるだろう。
今日はそうだな・・・少し奮発してLサイズのドラゴンを選んでみようか・・・
やがて財布の中身を確かめながらそんな思い付きに俄かに期待感が膨れ上がってくると、俺は徐々に新宿駅に向かって近付いていく車内モニターの路線図を見上げながら早くも胸を高鳴らせていたのだった。

それから十数分後・・・俺はようやく新宿駅に到着した電車から飛び出すと、昼過ぎから降り出した雨に濡れるホームを走って改札へと急いだ。
一旦家に荷物を置きに帰りたいところではあるのだが、どうせ傘無しでは出歩けない程の雨が降っているのだからこのまま例の店に向かった方が手間が少なくていいだろう。
それに俺は、早く新たな雌竜に出会ってみたくて仕方が無かったのだ。
そして極力雨に濡れないように頭の上に鞄を掲げたまま大勢の客引きが目に付く歌舞伎町の通りを走り抜けると、またしてもあのビジネスビルが視界の中に飛び込んでくる。
自分で言うのも何だが、俺はもう完全にあの店の虜になってしまっていた。
店舗の入口に当たる自動ドアの前で会員証を取り出しながらふと腕時計に目をやると、20時10分を指している。
何時もよりは少し遅めの入店だが、昨日のレモンとの一夜を考えれば別に損をするわけでもないだろう。

やがて長いエレベーターで地下1階に下りると、俺はカウンターに佇んでいた黒いフードの女性に笑顔を向けていた。
「やあ」
「あらいらっしゃい。こんな雨の中でも来てくれるなんて嬉しいわ」
「その様子だと、また俺が1番乗りなのかな?」
それを聞いて、彼女がフフッと微かな笑みを浮かべる。
「そうね。普段ならもう何人かいても良い頃合なんだけど、今日もあなたが最初のお客さんよ」
「そっか・・・それじゃ、メニューを頼むよ」
何処と無く妖しい店の雰囲気にももうすっかり慣れてしまい、俺はまるで飲み物でも注文するかのようにそう彼女に告げていた。
「ええ、ちょっと待ってて」

そして彼女がカウンターの奥から取り出してきた雌竜達のメニューを受け取ると、今日は誰にしようかと考えながらパラパラとページを捲っていく。
だがその途中で、俺は何匹かのドラゴンの写真の横に赤い文字で"特別料金"と書き添えられていることに気が付いた。
「あれ?このドラゴン達って、Lサイズだよね?特別料金って書いてあるけど・・・」
「ああそれは・・・Lサイズのドラゴンは大き過ぎて普通にはまぐわえないから、どうしても人気が出にくいのよ」
確かに、Mサイズのローラですらベッドの上で交わるのは割と窮屈だっただけに、巨大過ぎるドラゴンはこういう店では却って夜のお供には選ばれにくいのかも知れない。

「だから割安料金に・・・っていうこと?」
「ええ。マニアックなお客さんしか指名してくれないから、お試しの意味も込めて毎週月曜日は3千円にしているのよ」
成る程・・・そう言われてみれば、特別料金の対象になっているのはどれも100日以上出勤していて尚且つ指名回数が1桁しかないLサイズのドラゴン達ばかりのようだ。
そんな彼らの得意なプレイも、確かにSサイズやMサイズのドラゴン達とは明らかにその方向性が異なっている。
「そうなんだ・・・丁度今日はLサイズのドラゴンを試してみたかったし、そういうことならこれにするよ」
俺はそう言うと、真っ黒な鱗を纏ったドラゴンの写真を指差していた。

名前:ボレアス(推定600歳)
体高:6.13メートル(Lサイズ)
体色:漆黒
眼色:金
性格:受★★★★★攻
得意なプレイ:丸呑み、アンバースなど
口調:古老
人気度:6/151(指名回数/勤務日数)

「あら、本当にそれでいいの?ボレアスはかなり怖いわよ?」
「こ、怖いの・・・?でも、客に命の危険は無いんでしょ?」
「まあそれはそうだけど・・・指名したお客さんのほとんどは、翌朝泣きながら逃げるように部屋を出てくるわね」
ははっ・・・高いお金を払ってでもドラゴンと一夜を共に過ごしたいと思うようなドラゴン好きな連中でさえそれだけ怖がらせられるなんて、寧ろどんなドラゴンなのかと逆に興味が涌いてしまうというものだ。
「それを聞いてますます気に入ったよ」
「分かったわ、確かにあなたなら大丈夫そうだし・・・それじゃあ彼女を呼んでくるから、11番の部屋で待ってて」
俺はそう言われて沢山の部屋が並ぶ通路をずっと奥へ進むと、やがて見えてきた11番の部屋の前で立ち止まっていた。

「あれ・・・何だこの部屋?」
やがて扉を開けて中に入ると、俺は一目でこの部屋が他とは違う異質な空間であることに気が付いていた。
まず真っ先に目に付いたのはその部屋の大きさ・・・
昨日までの部屋とは比べ物にならない程に広く、一辺が20メートル近くある。
天井もそれに比するかのようにますます高くなっていて、少なくとも10メートルは優にありそうだ。
恐らくはLサイズの中でも特に大型のドラゴンに指名があった場合にだけ使われる、専用室なのだろう。
床も赤い絨毯ではなく岩のように黒く塗装された平坦なコンクリートで覆われていて、巨竜の棲む洞窟という不気味な環境を見事なまでに演出している。
ベッドやクローゼットや浴室なども一応は存在しているものの、広大な部屋の空間のほとんどはこれからここへ入ってくるドラゴンの為のスペースとして確保されているようだった。

「凄いな・・・」
体高6メートルと言えば、ほとんど2階建ての家の高さに近い。
4足で這った状態でそれなのだから、立ち上がったとしたらその倍以上にはなるだろう。
そんな余りにも巨大なドラゴンがこれからここにやってくるのだと思うと、流石に俺も緊張と不安で胸がドキドキしてしまう。
ズン・・・ズン・・・
だがその時、俺は少し離れたところからまるで足音のような定期的な音と震動が届いてくることに気付いていた。
その不穏な衝撃が、少しずつこの部屋に迫ってくるのが確かに感じられる。
そして奥の壁の向こうで一旦その足音が止むと、いよいよ巨大な扉が左右に開いていった。

「う・・・わ・・・」
やがて開いた壁の向こうから姿を現した漆黒の巨大な雌竜が、その金色に光る瞳でベッドに腰掛けていた俺をギラリと睨み据える。
「クククク・・・よりにもよってこの我を選んでくれるとは、貴様、余程の好き者か?それともただの命知らずか?」
広い部屋中に響き渡るかのような、ボレアスの野太い声・・・
先程から恐ろしい予感が絶え間無くこの胸に叩き付けられているというのに、俺はその声を聞いて思わずふと心に浮かんだ疑問を眼前の巨竜に投げ掛けていた。
「あ、あんた・・・本当に雌・・・なのか・・・?」
「何・・・?」
「い、いや、ほらその・・・何だか雄っぽいなって思って・・・」
そんな俺の問いに対して、剥き出しの殺意とも言うべき鋭い視線が返ってくる。

「ほう・・・貴様、我が雄に見えると抜かしたのか・・・?」
その一見穏やかな声色とは裏腹に、彼女の金眼は明らかな怒りの炎を湛えていた。
そしておもむろに黒鱗を纏った彼女の手が伸びてくると、逃げようとする間も無く巨掌に体を鷲掴みにされてしまう。
ガシッ
「うわっ・・・!」
更にはそのまま人間など数人を1度に丸呑みに出来そうな程に大きい口の前へと持ち上げられると、握り締められて身動きも出来ないままもがく俺にもう一方の手がゆっくりと迫ってくる。
やがて何をされるのかと怯えていた俺の眼前で危険な爪を2、3度カツカツと擦り合わせると、彼女がまるで焦らすかのようにその爪で俺の服をそっと摘み上げていた。
決して急がず、決して焦らず、彼女が申し訳程度に丸められた爪先で器用に俺の着ていた服を脱がせていく。
更には俺がすっかり産まれたままの姿を晒してしまうと、彼女が不意にその巨体を仰向けに床の上へと横たえていた。

「な、何をする気なんだ?」
「なぁに・・・我が正真正銘の雌であることを、貴様の身に教え込んでやろうと思ってな・・・」
そう言われてふと眼下に視線を向けてみると、彼女の股間・・・硬い甲殻に覆われた広大な腹の下の方で、真っ赤な淫唇を花開いた巨大な竜膣がまるで地底から湧き出すマグマのように熱い愛液を滾らせていた。
「わっ・・・!ま、待って・・・し、信じる・・・信じるから・・・」
そんな俺の必死の懇願を涼しく聞き流し、彼女が俺を呑み込もうと不気味な秘所を大きく左右に広げていく。
「クククク・・・そうはいかぬ・・・それ、心行くまで味わってくるがいい・・・我が雌穴をな・・・」
そしてそんな彼女の声が耳に届いた次の瞬間、凶悪な牙口を開けた膣の上で俺を掴んでいた手がパッと離されていた。

ズボボボボッ!
「うわあっ!」
その直後、両足が巨大な竜膣に嵌り込んだいやらしい水音が周囲に響き渡る。
グブ・・・グブ・・・グブブ・・・
「や、止めて・・・熱っ・・・わああぁ・・・!」
更には屈強な肉襞が俺の下半身をガッチリと咥え込むと、そのまま暗い膣の奥底へと引き摺り込むかのようにゆっくりと蠕動し始めていた。
火傷するのではないかと思えるような高温の愛液が体中に纏わり付き、その度に甘く痺れるような感触が手足に広がっていく。
「ククク・・・どうだ、我の中はなかなか心地良かろう?」
「あ・・・あぐ・・・うあ・・・ぁ・・・」
だ、駄目だ・・・煮え滾った愛液に浸される度に、体中の力が抜けていくような気がする。
俺を膣の中へと引き込もうとする妖しい肉襞の蠕動も時間が経つにつれてますます力強くなっていくようで、俺はほとんど麻痺してしまった体を成す術もなく巨大なボレアスの膣の中へと埋めていった。

グジュッ・・・グッチュ・・・ヌチュゥ・・・
「ひ、ひいぃ・・・助けて・・・」
やがて厚く盛り上がった淫肉の間から首だけを突き出した状態になると、体中を揉み潰すかのように荒れ狂っていた肉襞の躍動がようやく止まった。
まるでグチュグチュに蕩けた燃える大蛇に全身を締め上げられているかのような不気味な感触が、膣口に咥えられた俺の不安をじんわりと炙っていく。
だがボレアスはそんな俺の狼狽した様子をしばらく満足げに眺め回すと、不意にその屈強な膣壁で俺の体をきつく締め上げていた。
ギュウゥ・・・
「ああっ・・・!」
粘液に塗れた柔らかい肉の海にゆっくりと押し潰されていくのはそれ程酷い苦痛を伴うものではなかったものの、一切の抵抗を封じられてしまった被食者としての恐怖心が大きく大きく膨れ上がっていく。

「そろそろ出して欲しいか・・・?」
そして両目に涙を浮かべたまま喘いでいた俺の眼前にその巨顔を近付けると、不意に彼女がそんな声を上げていた。
ミシ・・・ギリギリギリ・・・
「ぐ・・・ぁ・・・」
しかし返事をしようとした矢先に突然締め付けがきつくなり、喉まで出掛かった声がそのまま掻き消えてしまう。
「どうした?出たくはないのか?」
やがて返事を返せずにいた俺に向かってそんな意地悪な声が投げ掛けられると、俺は必死に首を横に振っていた。
「クククク・・・そうか出たいか。だが・・・まだ駄目だな」
そ、そんな・・・
泣きながら許しを懇願したにもかかわらず冷たい返事を叩き返されてしまい、俺は絶望的な表情で彼女の勝ち誇った顔を見上げることしかできなかった。
その数瞬後、涙で霞んだ俺の視界の中にゆっくりと迫ってくる彼女の太くて大きな指が飛び込んでくる。

「それ、もっと奥の方も味わうがいい・・・」
そしてその指先が上を見上げていた俺の額を真っ直ぐに捉えると、俺はそのままズブッと膣の中へ全身を押し込まれてしまっていた。
「うわぶっ・・・ひっ・・・助け・・・かはっ・・・」
その瞬間視界が真っ暗な闇に包まれ、大量の熱い愛液が周囲から溢れ出して来る感触が俺のパニックを更に助長する。
グギュッ・・・ズギュッ・・・グシュッ・・・
「・・・っ・・・ぷはっ・・・が・・・!」
更には凶悪な竜膣の躍動が再開され、俺は宛ら全身が巨大な肉棒になったかのように彼女の中で思う存分に弄ばれた。
頭が、腕が、腹が、腿が、爪先が、群がる淫肉の群れに揉まれ、扱かれ、握り締められ、捏ね繰り回される。
次々と溢れ出して来るねっとりとした粘り気のある愛液の海に溺れ、俺はほとんど半狂乱になって泣き叫んでいた。

グジュ・・・ヌジュ・・・
「う・・・ぁ・・・」
それから、一体どれだけの時間が経っただろうか・・・
俺は真っ暗な彼女の膣の中で容赦無く嬲り回され、もうほとんど声も上げられない程にまで弱り切っていた。
辛うじて窒息しない程度に時折取り込まれる空気のお陰でまだ意識はあるものの、最早指先さえ動かせそうにない。
そして妖しく波打つ柔肉の荒波に完全に弛緩した体を委ねた数秒後、俺は足元からきつく搾り上げられるようにして久し振りな気がする外へと一気に押し出されていた。
グボッ・・・
「ぶはっ・・・あ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
脳を蕩かすような甘い愛液の香りに漬け込まれ、何だか頭がボーッとしてしまう。
きっと彼女がその気になれば愛液に酔わされて意識の朦朧とした獲物が力尽きるまで何時間でもこの恐ろしい肉穴で弄び、跡形も無く締め潰してしまうことだって造作も無いのだろう。

「ククク・・・我の雌穴、存分に堪能したようだな?」
そんな彼女の声に返事をする体力も尽き果ててしまい、俺は微かに動く首を何度も縦に振っていた。
それを見て、彼女が俺の両脇に2本の指を差し込んでそっと愛液に塗れた体を膣口から持ち上げる。
「我の雫に塗れては力も出なかろう・・・どれ、清めてやろうぞ」
彼女はそう言うと、何を思ったのかおもむろに俺をその巨大な口の中へポイッと放り込んでいた。
「えっ・・・うわぁっ!」
一瞬何が起こったのか分からず、突然感じた浮遊感に思わず小さな悲鳴を上げてしまう。
ドチャッ
やがて熱い唾液を纏った分厚い舌の上に墜落すると、俺は自分の置かれている危機的な状況に気が付いてほとんど力の入らない体を引き摺るように動かし始めていた。
だがそんな俺の抵抗も空しく、大きく開いていた彼女の口がバクンという湿った音を残して閉じられてしまう。
「う、うあ・・・あ・・・」
折角あの恐ろしい竜膣から出してもらったというのに再び真っ暗な闇の中に閉じ込められて、俺は悲鳴を上げるどころか細々とした絶望の嗚咽を漏らすことしか出来なかった。

やがてそんな俺の心境を知ってか知らずか、俺の乗っていた大きな舌が突然持ち上げられる。
ベシャッ
「ぎゃっ!」
そして成す術も無く硬い上顎と柔らかい舌の間に激しく挟み付けられると、俺はそのまま磨り潰されるかのように全身をグリグリと舌で扱き上げられていた。
「や、やめ・・・はぁ・・・」
じんわりと熱い唾液が全身に塗り付けられ、代わりに体の自由を奪っていたねっとりとした愛液が舐め取られていく。
それに従って何とか手足くらいは徐々に動くようになってきたものの、俺は波打つ舌に右へ左へ舐め転がされるばかりでまともに立ち上がることさえ許して貰えそうになかった。

そして全身に纏わり付いていた愛液がすっかり舐め清められると、ようやく荒らぶっていた彼女の舌が動きを止める。
「少しは楽になったか・・・?」
口の中にいるせいか、恐らくは小声で発せられたのであろうそんな彼女の声が轟音のように周囲に響く。
「あ、ああ・・・そろそろ出してくれよ」
「クク・・・出してくれだと?一旦口に入れた獲物を出してやる愚か者など、いると思うのか?」
「え・・・?」
一旦口に入れた獲物・・・獲物って言ったのか?
そう言えば最初に会ったローラにもあなたは獲物だって言われたし、レモンにもまるで獲物を見るかのような視線を向けられたのを覚えている。
俺はてっきりそれを彼女達なりの比喩だと思っていたのだが、いざ巨竜の口内に放り込まれてそんな言葉を聞かされてしまってはとてもそれがただの比喩や冗談には聞こえなかったのだ。

「え、獲物って・・・まさかその・・・食べたりはしない・・・よね・・・?」
「食って欲しいのか?」
「あっ・・・いや・・・そういう訳じゃ・・・わあっ!」
だが冷たい声で返ってきた彼女の恐ろしい返事を否定する暇も無く、足元の舌がいきなり大きく競り上げられる。
「うわわわ・・・」
ガシッ!
そして突如として出現したその急坂から転げるようにして喉の方へと落ちていくと、俺は必死の思いで舌の付け根に力一杯指を引っ掛けて暗い食道への転落を辛うじて免れたのだった。

「ひっ・・・ひいぃ・・・」
足元に広がる、真っ暗な闇に包まれた深い奈落の気配・・・
俺はザラついた舌の付け根に懸命に爪を立てて何とか落ちまいと体を支えていたものの、ボレアスがそんな俺の抵抗を嘲るように小さな笑い声を上げる。
「ククク・・・それ、早く登らねばこのまま呑み込んでしまうぞ」
更にはそう言いながらグニグニと舌を揺するように動かされると、俺は少しずつ体がずり落ちていくのをどうしても止めることができなかった。

ズ・・・ズル・・・
「わっ・・・うわぁっ・・・嫌だ・・・助けてぇ・・・!」
何とか足場になりそうな場所を探して宙に浮いた足をバタバタと暴れさせてみるものの、その指先に触れるのはぬめった粘液に覆われた滑らかな食道の肉壁の感触だけ・・・
「ああ・・・ああぁ・・・」
ただでさえ膣の中で揉みくちゃに嬲り回された疲労が残っているというのに両腕の力だけで長時間体を支えていることなど出来るはずもなく、俺はなおも巨竜の胃袋へ向かってゆっくりと滑り落ち始めていた。

「う・・・も、もう力が・・・うわああぁぁぁ・・・」
ズルッ
そしてついに疲れ果てた両腕から最後の力が抜けてしまうと、俺はそのままボレアスの食道へと落ちていった。
グシッ・・・グジュグジュッ・・・
「うわあああっ!」
その瞬間急激に狭まった食道の壁が前後から俺の体を挟み込み、力強くも無秩序な動きで滅茶苦茶に扱き上げてくる。
裸の体を余すところ無く生暖かい肉壁で揉み潰されて、凄まじい恐怖と言いようの無い快感が全身に広がっていく。
膣の中に押し込められた時は麻痺性の愛液に塗されたせいで体の感覚はかなり鈍っていたが、食道の中で敏感な裸体を弄ばれるのは思わず陶酔感に浸ってしまう程に気持ちが良かったのだ。

ドシャッ!
だがその数秒後、俺は唐突に少し広い空間に投げ出されて湿った地面の上に叩き付けられていた。
「うあっ・・・ぐ・・・うぅ・・・」
そしてその空洞がこのドラゴンの胃袋の中なのだということに想像が及ぶと、途端に恐ろしさが込み上げてくる。
そう・・・俺は、彼女に食われたのだ。
「どうだ、我の腹に収められた気分は?なかなかに絶望的であろう?クククク・・・」
「そ、そんな・・・た、助けて・・・ここから出してくれぇ・・・」
ドッ・・・ドン・・・ドスッ・・・
俺は唾液なのか何なのか分からない粘液に塗れた体を何とか起こすと、周囲の肉壁を両手で必死に叩いていた。
「おっと・・・余り暴れぬ方が身の為だぞ。下手に刺激すれば、抑えている胃液が溢れ出すやも知れぬからなぁ」
「ひっ・・・」
それを聞いて、俺は熱い物にでも触れたかのように硬い胃壁から手を離していた。
そしてゆっくりと地面の上に蹲ると、両膝を抱えるようにして体を縮込める。

俺・・・一体どうなるんだろうか・・・
ドラゴンの高い体温のせいか徐々に蒸し暑くなる巨竜の胃の中で、俺は深い絶望に打ちのめされていた。
幸い新鮮な酸素だけは口から取り入れられているらしく呼吸は苦しくないのだが、絶対に脱出不可能な腹の中で生かされていたところで時間とともに死の恐怖が膨らむだけで意味など無い。
あれからボレアスも何も言葉を発さなくなり、俺は胸の内にますます不安と恐怖を募らせていった。
「た、助けて・・・食われるなんて嫌だ・・・頼むから出してくれぇ・・・」
一筋の光さえ届かない完全な闇の中に閉じ込められるのは、宛ら生きたまま棺桶に入れられて地中深く埋められる恐ろしさに似ている。
それだけでも気が狂いそうな程に恐ろしいと言うのに、下手に抵抗して辺りを刺激すれば何時強力な胃液が溢れ出してくるかも分からないのだ。
そんな俺に唯一出来ることは、彼女にここから無事に出してもらえるように懇願することだけ。
だがそれにさえ冷たい沈黙を返されてしまい、俺は暗いドラゴンの腹の中でただシクシクと泣いていた。

「う・・・うっう・・・」
何時まで経っても何の進展も無い暗闇の中で過ごす時間が、やたらと長く感じられてしまう。
耳を澄ませばボレアスの心臓の音らしいドクンドクンという脈動や消化器官が働くゴロゴロという蠕動の音が聞こえ、大きな胃袋の中に囚われたままの俺の不安を際限無く煽り立てていった。
一体、彼女は何を考えているのだろうか・・・?
胃液を止めた上に酸素を送ってくれているということはすぐに俺をどうこうしようというつもりではないのだろうが、こんな恐ろしい巨竜の体内に閉じ込められていたのでは体より先に心の方が壊れてしまいそうだ。
「ボ、ボレアス・・・?ねえ、聞こえてる?」
そして相変わらず不気味な沈黙を保っていた彼女にそう呼び掛けてみると、意外なことに今度は返事が返って来る。
「何だ?」
「も、もういいだろ・・・?早くここから出してくれ・・・このままだと頭がおかしくなっちまうよ・・・」
「クク・・・我に食われた憐れな獲物の気分は、十分に味わったようだな?」

彼女はさも可笑しそうにそう呟くと、ポンポンと自らの腹を軽く叩いていた。
「わっ!」
だがそれも胃の中にいる俺にとっては宛ら衝撃波のような轟音と震動に感じられ、思わず体勢を崩しながらも両手で耳を塞いでその場に蹲ってしまう。
「だが、まだ出してやるわけにはいかぬなぁ・・・」
「ど、どうして?」
「知れたこと・・・獲物を腹に入れたからには、次は消化してやらねばならぬだろう?ククク・・・」
しょ、消化・・・?
その簡単な言葉の意味を理解するのに、俺は数秒の時間を要していた。
それは巨大なドラゴンの腹の中にいた俺が、最も聞きたくなかった恐ろしい言葉。

「そんな・・・ま、待って・・・止めてくれ・・・」
思わず反射的にそんな拒絶の言葉が漏れたものの、俺は結局その場から一歩も動くことが出来なかった。
どんなに激しく抵抗してみたところで、自力ではどうしようもないことは既に嫌という程に思い知らされている。
だがただ黙って死を待つ覚悟や勇気など当然持ち合わせているはずもなく、俺はガタガタと震えながらギュッと目を瞑って悲鳴だけは漏らすまいと固く口を引き結んでいた。
ゴゴゴゴゴ・・・
次の瞬間、それまで比較的平坦だった胃の内部が突如として大きくうねり始める。
「わぁっ!」
そして急激に狭くなった胃がまるで俺を締め付けるように捩れ上がったかと思うと、俺はそのまま硬い胃壁に挟まれて容赦無く捏ね繰り回された。
「う、ぐ・・・ぐあっ・・・が・・・」
ゴリゴリという鈍い音が聞こえる程の力強さで全身が無秩序にきつく締め上げられ、同時に何かヌルヌルした奇妙な液体のような物が周囲から滲み出してくる。

「ひっ!?」
まさかこれ・・・胃液・・・?
やがてそんな想像が脳裏を掠めた瞬間、俺は身も世も無く大声で泣き叫んでいた。
「た、助けて・・・嫌・・・嫌だ・・・うわああああぁっ!」
「そう泣き喚かんでもよかろうに・・・全く気忙しい奴だ」
激しくのたうつ胃壁と生暖かい胃液に塗れてシェイクされながらも、何とかそんな彼女の声が耳に入ってくる。
やがて盛大なパニックに陥っていた頭に僅かばかりの落ち着きが戻ってくると、俺は強酸のはずの胃液に触れたというのに別段体の何処にも異常が無いことに気付いていた。
「あ・・・あれ・・・?何ともない・・・?」
「クククク・・・心配せずともそれはただの唾液・・・胃液などではない。ちと貴様をからかってやっただけよ」
そんな彼女の声とともに、周囲の胃壁がグニグニと蠢いて俺を長い食道の上まで一気に押し上げていく。
そしてようやく長い長い暗闇から彼女の口内へ吐き出されると、俺は性質の悪い悪戯に怒る気力も尽き果てて深い安堵の息を吐きながらグッタリと舌の上に体を横たえていた。

「はぁ・・・はぁ・・・」
本当に・・・食い殺されるのかと思った・・・
深い深い腹の底で味わった紛れも無い死の恐怖に、まだ心臓の鼓動が激しく暴れている。
とは言え依然として暗いボレアスの口の中に入れられているという状況には変わりが無く、俺は果たしてこのまま無事に外に出して貰えるのかという不安を覚えていた。
だがその数秒後、突然彼女の舌が何の前触れも無いままに大きく波打ち始める。
「わっ!」
すっかりと疲れ切った体ではそんな唐突な異変についていくことなど出来るはずも無く、再び急な坂となった舌の上を転がって唾液の溜まった硬い下顎の上にベシャッと投げ出されてしまう。

「うぅ・・・な、何を・・・?」
そして僅かに開いた牙の間から差し込んできた光に大きく持ち上げられた舌が照らし出されると、俺は彼女が何を考えているのかに何となく想像が付いてしまっていた。
「あ、ま、待って・・・ぎゃっ・・・」
ドチャッ!
やがて咄嗟に上げた制止の声も空しく、ゆっくりと振り下ろされた巨大な肉塊がねっとりとした温かい唾液の海の中で俺の体を押し潰す。
「クク・・・おとなしくするのだな。我の口内にいる限り、貴様をどうするかは我の気分次第なのだぞ?」
「うぶ・・・お、重い・・・」
危うく大量の唾液で溺れそうになりながら必死で圧し掛かってきた彼女の舌を押し返してみたものの、彼女がほんの少し舌に力を入れるだけでそんな抵抗があっさりと捻じ伏せられてしまう。

「分からぬ奴だな・・・そんなに我が舌に嬲られたいのか?」
彼女は少しばかり呆れた声でそう言うと、舌先で器用に俺の体をうつ伏せに引っ繰り返していた。
そして一旦ギュッと舌の裏で下顎に俺を押し付けると、いきなり背後から俺の股間を思い切り舐め上げてくる。
ズリュッ!ドシャッ!
「わあっ!」
その強烈な舐め上げでペニスや睾丸がザラついた肉塊に摩り下ろされながら持ち上げられ、俺は前方に半回転して再び仰向けに硬い下顎の上に叩き付けられた。

「う・・・ぁ・・・ぐぅ・・・」
一瞬にして股間に与えられた凄まじい快感と背中に感じた鈍い痛みに、手足がジンジンと痺れてしまう。
「どうだ?もう1度味わってみるか?」
「や、止め・・・」
やがてそんな拒絶の声を漏らした途端に、今度は固く凝った舌の裏側で股間を無造作に磨り潰されていた。
グリグリ・・・グリュリュ・・・
「はぁ・・・き、気持ち良い・・・あががが・・・」
更にはブルブルと震える舌先で執拗に肉棒を捏ね回されると、あっという間に射精感が込み上げてくる。

「それ、遠慮せずに果てるがいい」
「ああっ・・・こ、こんなの・・・」
極めて乱暴に、それでいて的確に快感を感じるツボを刺激してくる巨竜の舌責め。
全身を唾液塗れにされて舌で舐られるという極めて屈辱的な状況に、俺は意思の力だけで儚い抵抗を示していた。
「強情な奴め・・・何時までも耐えられると思っておるのか?」
だがそんな言葉とともに、股間を弄る舌の動きが更にそのいやらしさを増していく。
「うぅ・・・俺が果てたら・・・もうここから出してくれるのか?」
「貴様がそんな交渉を持ち出せる立場にいると思うのか?まだ抗うようなら、再び暗い腹の底に呑んでやるだけだ」
「そ、そんな・・・」
もうあんな恐ろしいところには戻りたくない・・・!
俺はそんな本能の叫びとも言うべき衝動に、思わず体の力を抜いて彼女に身を委ねていた。
その瞬間、ついに抑え切れなくなった白濁の奔流が肉棒の先から勢い良く噴き出してしまう。
ドブッ・・・ビュビュッ・・・
「はあ・・・あ・・・」
そして射精中のペニスをこれでもかとばかりに舌先で扱き上げられると、俺は長時間に及ぶ前戯で溜まりに溜まった精を根こそぎ搾られて悶え狂いながら意識を薄れさせていったのだった。

カーン・・・カーン・・・カーン・・・
「う・・・ぅ・・・?」
何処か遠い所から響いてくる気がする、朝を告げるチャイムの音。
俺はおぼろげながら何とか意識を取り戻してそっと目を開けると、依然として真っ暗な闇の中にいることに気付いて漠然とした不安に駆られていた。
体が何かもっちりとした肉塊に挟み付けられているようで、どんなに力を入れてみても腕1本動かせそうにない。
だがやがて何処からともなく唐突に眩い光が差し込んでくると、俺は自分がまだボレアスの口内にいたことに内心の驚きを隠すことが出来なかった。
そして明るい光の中に自身の状況を照らして見てみると、どうやら俺の首から下は折り畳まれた彼女の巨大な舌に包まれているらしい。
「ん・・・ぐ・・・」
そしてもう1度その舌布団の間から抜け出そうと体を捩ってみると、突然彼女が俺を外の床の上に吐き出していた。

ドサッ
「あう・・・」
巨大なドラゴンの口内から十数時間振りに解放され、今度こそ本当に助かったんだという安堵感が胸を満たしていく。
しかし散々に嬲られ弄ばれた体の疲労感は容易には抜けてくれそうもなく、俺はようやく自由にして貰ったと言うのにグッタリと地面に仰向けになったまま眼前のボレアスを見上げていた。
「随分とやつれたな・・・我に食われるのは、なかなかに稀有な体験だっただろう?」
「あ、ああ・・・満足したよ」
「クク・・・満足したのなら、部屋を出る前に我の唾液を洗い流していくがいい」
彼女はそう言って2本の指で俺を静かに摘み上げると、バスルームの前にそっと下ろしてくれた。
「あ、ありがとう」

そして言われるがままに全身に塗り付けられた彼女の唾液を綺麗に洗い流すと、不思議とさっきまでの倦怠感が嘘のように吹き飛んでいく。
恐らくは麻痺性の愛液と同じように、彼女の唾液にも獲物の抵抗を弱体化させる効能があったのだろう。
やがて濡れた体を拭きながら部屋に戻ると、彼女がおもむろにその大きな金眼を光らせながら迫ってきた。
「さあ、早く服を着るのだ。余りその美味そうな体を我の前に曝け出しておると、本当に食ってやりたくなるのでな」
「う・・・」
俺は冗談なのか本気なのか判らないそんな彼女の言葉に怯えながらも床に落ちていた服を素早く身に着けると、空腹にゴロゴロと雷鳴のような音を鳴らす巨竜の視線から逃げるように部屋を出たのだった。

「お疲れ様でした。料金は6千円よ・・・あら、少し涙目になってるけど大丈夫?」
「え?あ・・・う、うん・・・」
自分では平常心を保っていたつもりだったのだが、流石に彼女の腹の中で危うく消化されかけた経験から来る本能的な死の恐怖はどうしても隠すことができなかったらしい。
しかしそれでも腕で涙を拭って料金を支払うと、彼女がニッコリと俺に微笑んでいた。
「ありがとう。また来て頂戴ね」
「うん、そうするよ」
そしてようやく色々と昂ぶっていた気分が落ち着くと、カウンターに佇む彼女に手を振って帰途に就く。

1階に向かって上昇していくエレベーターの中で、俺は昨夜の体験を何度も何度も思い返していた。
熱く煮え立つマグマに満ちた火口のような彼女の竜膣で、体中をしゃぶり尽くされたこと。
一筋の光も差さぬ暗い牢獄のような腹の底で、この上も無い絶望感に打ちひしがれたこと。
うねる巨大な舌で飴玉のように舐め転がされて、意識を失うまで精を搾り尽くされたこと。
どれもこれもが紛れも無く恐ろしい体験だったというのに、無事に生還を果たした今となってはそれさえもが何だか良い思い出であるかのように感じられてしまう。
今度来た時は、一体どんな雌竜と巡り合うことが出来るのだろうか・・・
昨日の雨が嘘のように晴れ渡った外に出て日常の世界に戻ってきたことを確かめると、俺はそんな期待感とともに真っ直ぐ大学へと向かうことにした。

大きさも性癖も様々な雌のドラゴンと過激な一夜を過ごせる妖しい風俗店、雌竜天国。
日本一の風俗街である新宿歌舞伎町の片隅にひっそりと存在しているその奇妙な店は、とあるビジネスビルの地下深くで今夜も巨大なドラゴン達に自らを差し出す"獲物"の来店を待ち侘びている。
もし興味があるのなら、あなたも探してみては如何だろうか・・・

このページへのコメント

ボアレスのような竜に会ってみたい と思えてしまった

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Posted by 被食者側 2014年03月06日(木) 00:50:25 返信

Sサイズの体色はオレンジ色の翼あり
3匹でアナルを奥まで拡張されながら激しいフェラチオなどで犯されたいです。

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Posted by 通りすがりの竜 2013年08月25日(日) 23:02:06 返信

サイズLで
体色が新緑の有翼の仔にお腹の中で柔らかい肉壁で責められたいです

0
Posted by vore好き 2013年08月24日(土) 10:55:58 返信

サイズLで
体色が新緑の有翼の仔にお腹の中で柔らかい肉壁で責められたいです

0
Posted by vore好き 2013年08月24日(土) 10:53:52 返信

体色が赤黒い翼有りの尾孔竜で、
お姉さん口調だけど容赦なしでお願いします。
サイズはMで

0
Posted by 通りすがりの竜 2013年08月20日(火) 21:29:33 返信

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