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RaionalWiki:Dominionism


以下、RationalWikiのDominionismの訳(2015/02/22時点)。


Dominionism

We must base our laws on faith, not reason.
我々は法律の基礎を理性ではなく、信仰に置かなければならない。
—Mark Rushdoony, son of R.J. Rushdoony[1]


ドミニオニズム:Domionism(キリスト教再建主義:Christian Reconstrucionismと神による統治:theonomyと同義に使われることがある)は、米国政府を神権統治に作りかえようとする政治及び宗教哲学である[2]。(大半のドミニオニストたちはこの名称の使用を避けようとする。いずれにせよ、これらのゴールを直接的あるいは間接的に目指すキリスト教運動に対して使われる。)

ドミニオニストたちは、「国内法は、(十戒のような倫理法とは区別されるものとして)旧約聖書によって定められ」、死刑の適用の大幅拡大を伴う「神権政治のラインに沿って改革された米国司法制度によって適用されるべき」だと考えている。また、ドミニオニストたちは、奴隷制度に対する聖書的差し止め命令に従うべきだと考えている。[3][4]

このイデオロギーは、Gary North[5]やDavid Bartonのような著作家たちによって広められている。

語源

ドミニオニズム:Domionismという単語はKing James Versionの聖書の創世記1章26節から来ている。
And God said, Let us make man in our image, after our likeness: and let them have dominion over the fish of the sea, and over the fowl of the air, and over the cattle, and over all the earth, and over every creeping thing that creepeth upon the earth.
神は言われた。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」
"dominion"が使われているKing James Versionの他の箇所では、"dominion"は「神による世界あるいは人間の支配」あるいは詩編72章(「正しき王の統治」)のように「王国に対する王の支配」を意味している。この創世記の記述だけが、人間に適用されている。

不幸なことに、原文の誤訳が世界史を悪い方向に向かわせたかもしれない。原語をより正確に訳するなら「stewardship(管理・世話)」となる。スコットランド王であり、英国王として戴冠した後に、権力基盤を固めようとしたジェームズ1世が、神より与えられた支配権を再施行するために、それに合う聖書訳を作ろうとしたのが、誤訳が生じた一つの理由と考えられる。

ドミニオニズムの種類

ドミニオニズムは、数多くの神権政治の傾向を持つ保守的キリスト教運動に対する包括的呼称となった。原義では、ドミニオニズムはキリスト教再建主義とは同義ではなかった。最も弱い形態のドミニオニズムは「soft dominionism(ソフトドミニオニズム)」あるいは「christian nationalism(キリスト教ナショナリズム)」と呼ばれ、聖書的習律(たとえばゲイ結婚の禁止)を法に加えるべきだというものだが、神権政治的イデオロギー全般を推進する物ではない。「Hard dominionism(ハードドミニオニズム)」は表立って、神権政治イデオロギーを指向する。「Theonomy(神による統治)」は政教分離を守るが、国教及び司法制度は聖書習律の規定によって確認されなければならないという立場をとる。Theonomyは法的カルビニスト神学に影響され、権力を地方レベルに分権すべきだと主張する。[6][7] 「Christian Reconstructionism(キリスト教再建主義)」は最もよく知られた、現代に蘇ったTheonomyであり、主として、 R.J. Rushdoonyと彼のChalcedon Foundationによって立ち上げられた。キリスト教再建主義は、おおよそハイパーカルビニストであり、neo Confederate(南部連合)イデオロギーと一体化している。[8] キリスト教再建主義の直後に、さらに有名になった分派として、「Kingdom Now theology(神国神学)」あるいは短縮形「Kingdom theology」がある。神国神学はペンテコステ・カリスマ的伝統を重視する。[9][10][11]

陰謀論?

この用語の批判者たちは、陰謀論[12]あるいはパラノイド[13]だと特徴づける。批判者はドミニオニズムを自称する運動は存在しない[14]と主張して、藁人形論法を使う。しかし、この用語の支持者は、パラノイドで陰謀論的なトーンで使われていることを知っており、ドミニオニズムを「世界支配を指向した、統一された一枚岩の運動」だと特徴づけることを批判している。
Conspiracy theorizing about the Christian Right's supposedly "secret" agenda involves highlighting the hate-mongering and bizarre ideas of a handful of Christian Right players while neglecting the broad popularity of dominion theology. There are a variety of ideological tendencies within the Christian Right. At the truly extreme end of the spectrum is a set of ideas proponents call reconstructionism, associated with only a small number of think tanks and book publishers. Many Christian Right activists have never even heard of reconstructionism, whose advocates call for the imposition of an Old Testament style theocracy, complete with capital punishment for offenses including adultery, homosexuality, and blasphemy.[15]

キリスト教右翼の秘密の課題についての陰謀論は、ドミニオン神学の幅広い人気を無視して、憎悪を煽る奇妙な考えの少数のキリスト右翼をハイライトしている。キリスト教右翼には多様なイデオロギー傾向がある。ドミニオニズムのエクストリーム先端には、再建主義の支持者の考え方があり、これには少数のシンクタンクと出版社が関与している。多くのキリスト教右翼活動家たちは、「旧約聖書スタイルの神権政治の実現や、不倫や同性愛や冒涜に対して死刑の適用」を求める「再建主義」など聞いたこともない。[15]

Chip Berletは誤用を知ったうえで、ドミニオニズムという用語の使用を擁護している。
Just because some critics of the Christian Right have stretched the term dominionism past its breaking point does not mean we should abandon the term."[16]

キリスト教右翼に対する批判者の中に、ドミニオニズムという用語を行き過ぎた意味に拡張したことがあったとしても、この用語を捨てるべきということには、ならない。

ドミニオニスト神学

ドミニオニズムはポストミレニアリズムとして知られる神学と関連付けられる。これはイエスの再臨の前の千年紀に、神の王国が次第に勢力を拡大するというものである。これは、ハードドミニオニズムが、千年後に神の王国をもたらすのに役立つのだという考えて、社会の全般的キリスト教化に向かって邁進しようとすることによる。

この点で、プレミレニアリストたちとは違う。彼らは「イエスの再臨が千年紀の始まりであり、ダーティワークはイエスが行う」と考えているので、社会よりも自分自身の転換にフォーカスする傾向がある

ドミニオニストたちは聖書の字義通りの解釈を信じている。したがって、彼らは神が「人間に地球の支配権を与えた」と考えている。

正統性

ドミニオニズムはキリスト教徒の広く受け入れられているとは考えられない。その主たる教義は当初から、キリスト教右翼に反対されてきた。

モーゼの律法の戒律はキリスト教神学者によって、伝統的に3つの分類されてきた。すなわち、道徳律(十戒など)と民事法(古代イスラエルの憲法)と儀式法(豚肉食の禁止など)である。

伝統的に、儀式法と民事法はイエスの再臨によって無効化されると考えられてきた。エルサレム会議で、使徒行伝15章にあるように、特定の道徳律のみが異邦のキリスト教徒に適用されると定められた。タルソのパウロは、キリスト教徒はモーゼの律法に従わなければならないという律法主義に徹底して反対してきた。彼は律法はユダヤ人をイエスに導くものであり、その目的が達成されれば、もはや効力を失うと言っていた。後に、この立場は、「儀式法は全く実践不可能であり、民事法は実践する必要がない」という立場とともに、強く打ち出されることになる。聖トマス・アキナスは言っていた;
For if a sovereign were to order these judicial precepts to be observed in his kingdom, he would not sin: unless perchance they were observed, or ordered to be observed, as though they derived their binding force through being institutions of the Old Law: for it would be a deadly sin to intend to observe them thus.[17]

大半のドミニオニストたちは、自分がプロテスタント改革者の信者でないとしても、ジョン・カルヴァンの信者のふりをしている。しかし、カルヴァンはトマス・アキナスよりも強い見方をしていた:
There are some who deny that any commonwealth is rightly framed which neglects the law of Moses, and is ruled by the common law of nations. How perilous and seditious these views are, let others see: for me it is enough to demonstrate that they are stupid and false.[18]

モーゼの律法を無視し、国家のコモン・ローによって統治されていうという、正しく形作られた国家を否定する者たちがいる。それが、いかに危険で扇動的な見方であるかを示すのは、他人にまかせよう。私はこれが愚かで誤っていることを示すだけで十分である。

しかし、ときおり見られるように、ドミニオニストたちは、モーゼの民事法を再制定することを支持する論をほとんど持っておらず、「それは聖書に書かれている」と言う。

フィクションの中のドミニオニズム

Margaret Atwoodの"The Handmaid's Tale"にある"Republic of Gilead"は、環境災害によって神幸祭千三能力を大きく減じた後の米国をドミニオニストが支配するシナリオの一つを提示している。誰もがこれを、2009年までの米国社会における、ウルトラフェミニストの過剰反応だと考えている。

もう一つのドミニオニズムの例はRobert A Heinleinの"If this goes on... "である。これでは、Nehemiah Scudderという名の福音主義説教師が、米国政府のExecutive Branchを支配下に置き、原理主義的法律を全米に適用している。

自由への脅威?

多くの人々は、神権政治における個人の自由の問題を論じている。しかし、ドミニオニストたちは自由の欠落などないと考えている。彼らにとって、聖書に従うことが自由だからだ。結果として、このようなドミニオニズム運動と戦うために、教師たちとCornell Universityの知識人とグループは"Theocracy Watch"を立ち上げた。[19]

米国政府との関連性

小規模だがドミオニストには影響力の多い団体"Youth With a Mission"は、ワシントンDCに、"The Fellowship"が入居する建物を所有している。[20] ドミニオニスト神学を主張するペンテコステとカリスマ教会で実践されているイデオロギーである"The Word of Faith"神学は、CIAとの関連が報告されている。[21] CIAは共産主義に対抗するために南米諸国に、このイデオロギーを広めている。

External links
Footnotes
  1. Casting Stones, SPLC
  2. In this case "Christian" usually means extreme fundamentalist Protestant
  3. Dominionism ReligiousTolerance.org. May 18, 2005.
  4. Enyart, Bob. God and the Death Penalty. TheologyOnline.com.
  5. Gary North, however, represents a distinct view from many other dominionists. He belives Christians are to supplant the government, not take it over. Call this "anarcho-theocracy" if you need a good descriptor.
  6. What Is Theonomy? Theonomy FAQ, Jay Rogers, The Forerunner
  7. Meet the Theonomists, Thomas P. Roche, SUNY Buffalo
  8. Christian Reconstructionism, Apologetics Index
  9. Kingdom Now Theology and the New Apostolic Reformation, Left Hemispheres
  10. An Examination of Kingdom Theology, Apologetics Index
  11. See Chip Berlet's article What Is Dominionism? at Theocracy Watch for a fuller treatment of the term "dominionism."
  12. Dominionist Domination, Stanley Kurtz, <i>National Review
  13. Be Not Afraid of Evangelicals, Lisa Miller, Washington Post
  14. Paranoia and the Progressive Press: A Response to WaPo's Religion Columnist, Peter Montgomery, Religion Dispatches
  15. Dominion Theology: The Truth About the Christian Right's Bid for Power Sara Diamond, Z Magazine
  16. The Christian Right, Dominionism, and Theocracy, Chip
  17. Summa Theologica FS Q104 A3 BP1
  18. Institutes IV:XX.14
  19. Theocracy Watch
  20. bruce-wilson/ensigns-c-street-house-ow_b_230015
  21. The-Sword-of-the-Spirit-and-the-Central-Intelligence-Agency-1988






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