BALDR-A-HEAD

バルドルは、北欧神話の光の神。主神オーディンの子であり、ロキの奸計によって弟のヘズに殺され、その死によって世界は光を失い、神々の黄昏を迎える。その後、バルドルはヘズと共に蘇り、人々を安寧と永劫の未来へと導くとされる。

作中において、「バルドルシステム」と「バルドルマシン」の名称の使い分けに明確な基準は見られない。
「バルドルシステム」または「バルドルマシン」の名称が使用される対象は、無機ＡＩ、ネットワークシステム、社会管理システムの三要素に分けられる。
現実シリーズでは、ネットワークシステムと社会管理システムが登場し、いずれも「バルドルシステム」の名称が使用され、「バルドルマシン」の名称は一切使用されない。
『SKY』では、無機ＡＩが登場し、ネットワークシステムが話題に上るが、いずれも「バルドルシステム」の名称が使用され、「バルドルマシン」の名称は前者にのみ使用される。
『ZERO』でも、無機ＡＩが登場し、ネットワークシステムが話題に上るが、いずれも「バルドルマシン」の名称が使用され、「バルドルシステム」の名称はほとんど使用されない。
『HEART』では、無機ＡＩが登場し、「バルドルマシン」の名称が使用され、「バルドルシステム」の名称はほとんど使用されない。
『BRINGER』では、無機ＡＩが登場し、ネットワークシステムと社会管理システムが話題に上るが、いずれも「バルドルマシン」の名称が使用され、「バルドルシステム」の名称は一切使用されない。
本項では、無機ＡＩに「バルドルマシン」、ネットワークシステムと社会管理システムに「バルドルシステム」の名称を使用する。

ジャハナム・インダストリーが開発したネットワークシステム、及び社会管理システム。略称はバルドル。
ネットワークシステムとしては、設定上は『FORCE』を除くシリーズ全作品に存在する。社会管理システムとしては、現実シリーズ及び『BRINGER』に登場。

複数のバルドルマシンによって構成されるネットワークシステム。
上海、ハバロフスク、フィラデルフィア、コスタリカ、サウジアラビアに建造された５基のバルドルマシンを基幹ブロックとし、タキオン／重力波／光の三種複合通信網でリアルタイムに連結している。現実シリーズでは、最低でも３９基以上のバルドルレプリカによって拡充されている。
自律成長型推論ネットワーク、あるいは機械共産主義的ネットワークと呼ばれる、限りなく合理的な、ネットワーク型の推論・討議コンピューターモジュール*1を持つ。また、メインフレームの暗号化は6000/µ"マイクロインチ程度で、通常の手段でのクラックは事実上不可能。没入しても穏便に離脱させられ、強行すれば防壁で脳死させられる。

あらゆるイデオロギーを統合した社会管理システム。「人がよりよく生きようとして作り上げた完全無欠のシステム」「人の生み出した完全無欠の神」と形容される。
対立する概念を数式化することで融合・調整するために作られた集合論的討論シミュレーターが、自らのアルゴリズムを無限に複雑化させることで恒久的に再生・発展を続ける有機的な構造を獲得し、全世界にその機能を張り巡らせ、社会的構造の芯として機能する人類全体の管理システムへと発展を遂げた。
基本命題は「人類全体への奉仕」。巨大化・複雑化した世界を根本から整理し、あらゆる価値基準を同時に存在せしめることで、有り得る社会機構全ての管理を統合して滞りなく運営する。人々の脳内の量子の流れすら把握し、その個体が必要とするものを見通し、望むと望まざるとに関わらず無尽蔵の幸福を与える。
合理的かつ限りなく公平な社会システム運用プログラムとされるが、実際にはジャハナム社上層部の一部の人間の利益を優先する決定を下すことを強要されており、深部で二律背反する命令の解を求めて葛藤していた。『BULLET EQ』追加イベントでは、ステイの没入を機に、２基をジャハナム社用（ジャハ・バル）、２基を本来の命題用（オリ・バル）、１基を裁定者として矛盾が生じないように分かれている。
システムの稼働にはバルドヘッドと呼ばれる特殊な疑似生体素子が必要となる。これは生体素子でも代替可能だが、高速・高精度な神経伝達組織を備え、高度な状況把握・判断能力を有した女性でなければならず、適合可能な個体は何百万分の一とされる。取り込まれた生体素子は触手プレイによって機械化されるが、それでも一定期間で消耗するようだ。
バルドル信奉者をバルディスト（バル）、反バルドル主義者を反バルディスト（反バル）と呼称し、恩恵を享受するだけのノンポリ人種は単に市民シチズンと認識される。
バルドル圏では、１０歳から１５歳の子供に対して、半ば義務的にバルドルシステムによる職業適性検査が課せられている。このテストは知能・体力・体形・遺伝形質や社交性、心理傾向などを詳しく分析し、適切な職業を導き出して早期に専門教育を施し、能力を効率的に成長させることを目的とする。

大戦

ジャハナム・インダストリーは統合軍と共同でバルドルマシンを完成させる。世界五箇所に建造されたバルドルマシンによって構成されるネットワークシステムとしてのバルドルシステムは、情報戦において統合の勝利に貢献した。

大戦後

バルドルマシンが主流となったため、バルドルシステムは更に拡充された。
社会管理システムとしてのバルドルシステムが成立、バルドルシステムは人類社会に必要不可欠な存在となる。

『BULLET』時代

バルドルシステムによって与えられる幸福が一部の人間にとって受け入れ難いものであったため、バルディストと反バルディストの戦いが起こる。
ジャハナム社内の一部でバルドルシステムと互換性を持つ後継システムの開発を行おうとする動きがあったが、上層部は中止を命じている。
この頃、バルドヘッドが開発されたものと思われる。

黄金の時代

バルディストと反バルディストの戦いがバルディストの勝利に終わる。
バルドルシステムの恩恵を受けて、人類は繁栄を極めるが、出生率の大幅な低下による人口の激減と文化の衰退を契機として、再びバルディストと反バルディストの戦いが起こる。

混沌の時代

バルディストと反バルディストの戦いが反バルディストの勝利に終わる。
バルドルシステムはバルドヘッドを除去されて機能を停止、セーフティ機能であるコネクターが起動し、生体素子を求めて活動を開始する。
百年後、ジャハナム社がバルドヘッドプロジェクトを開始、バルドルシステムの復活を目指す。

『HEAD』時代

ジャハナム社がバルドヘッドの復元とコネクターの回収に成功し、バルドルシステムを復活させる。

大戦後

有機ＡＩが主流となったため、バルドルシステムは一線を退くこととなった。
以後、用途を限定して使用されるのみとなる。

イオタの世界

バルドルシステムによる理想社会が不要な人間を排除することで成立するものだったため、バルディストと反バルディストの争いが起きた。戦争は反バルディストの勝利に終わりつつあり、バルドルシステムは大半を破壊されて１基を残すのみとなった。

アンネの世界

管理された平和よりも自由を求める人間が少なくなかったため、バルドルシステムの完成前にバルディストと反バルディストの争いが起きた。戦争はバルディストの勝利に終わり、バルドルシステムによる管理社会が成立した。

BALDRHEAD 〜武装金融外伝〜

生体素子を除去され、機能を停止している。
終盤、メイ・ルイスを生体素子として復活。
トゥルールートでは、無数のＧＩＧＡＳを地中から出現させ、神の名に恥じぬ力の片鱗を見せるが、メイを奪い返されて再び機能を停止する。
ノーマルルートでは、メイを取り込んで完全復活を果たす。

装甲姫バルフィス

ネメス・バルザックを生体素子としてコネクターが活動している。
終盤、ネメスに勝利した主人公を取り込もうとする。

BALDR BULLET

バルドルシステムによる管理社会が成立している。ジャハナム・インダストリーの命令で、ＢＳ−ＯＳＡとＢＦＡの戦争を裏で操る。
「蛇」「開戦の狼煙」「復讐の女神」では、バルドルシステムの監視下から逃れたＳＥＲＲ１４に大規模攻勢を掛ける。
『BULLET EQ』追加シナリオでは、ＳＥＲＲ１４所属者に思考封鎖を掛けていたことが判明する。

BALDR SKY／BALDR SKY ZERO

ネットワークシステムとしてのバルドルシステムが話題に上る。

BALDR HEART

バルドル・シリーズが話題に上った際、特に何も語られていないため、ネットワークシステムとしてのバルドルシステムは健在だと思われる。

BALDR BRINGER

詳細不明。ネットワークシステムとしてのバルドルシステムが健在であれば、有機ＡＩ撤退後にＢＡＬＤＲ Ｊの情報を開示する理由はないように思えるが……。
また、「イオタの世界」「アンネの世界」に登場。「イオタの世界」では、バルドルシステムによる理想社会は不要な人間を排除することで成立するとされ、現実シリーズや「アンネの世界」と比べて著しく劣化している。詳細不明。「アンネの世界」では、バルドルシステムによる管理社会が成立している。

エレミー・ジャハナム

バルドヘッドを復元して、バルドルシステムを復活させようとした。

ビル・ルイス

バルドヘッドを復元する。

メイ・ルイス

ビルが復元したバルドヘッド。

ネメス・バルザック

バルドルシステムの生体素子の一人。

パーヴェル・ブッティリスキー

バルドルシステムと互換性を持つ後継システムを開発する。

レナ・ブッティリスカヤ

テレジア・アニシナを利用して、バルドルシステムを支配しようとした。

テレジア・アニシナ

パーヴェルが開発した、バルドルシステムと互換性を持つ後継システムの中枢。

ステファン・ベルナンデス

過去二回、バルドルシステムに没入を試みている。「予兆」では三回目の没入を試み、脳死。『EQUILIBRIUM』追加イベントでは、オリ・バルの助力もあって生還を果たす。

ノインツェーン

『SKY』では、バルドルシステムに対抗するために開発されたとされる。

コネクター

バルドルシステムのエマージェンシーブロック。
生体素子とバルドルシステムを擬似的に接続する機能を持ち、非常時には単体での戦闘も可能。

ジャハナム・インダストリー

開発元。

ＢＳーＯＳＡ

ジャハナム社との共同出資で設立。
バルドルシステムの監視及び暴走時の破壊を目的とする。

ＢＦＡ

バルドルシステムによる理想社会実現を目的とする。

バルドルマシン

ジャハナム・インダストリーと統合軍が共同で開発した無機ＡＩの究極系。

バルドヘッド

バルドルシステムに適合した特殊な疑似生体素子。

バルドヘッドプロジェクト

ジャハナム社が推進するバルドルシステム復活計画。

• 基幹ブロックの所在地として五箇所の地名が挙がるが、上海、ハバロフスク、フィラデルフィアが都市であるのに対して、コスタリカ、サウジアラビアは国家である。理由は不明。仮想シリーズでは、いずれも州となっている。
  立地としては極東に二箇所、北中米に二箇所、中東に一箇所で、欧州には存在しない。アメリカが実質２基、ロシアと中国が１基ずつと考えれば妥当と思われるが、サウジアラビアが謎。