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バルドルマシン(BaldrMachine)とは、バルドシリーズに登場する技術。


名称

バルドルは、北欧神話の光の神。主神オーディンの子であり、ロキの奸計によって弟のヘズに殺され、その死によって世界は光を失い、神々の黄昏を迎える。その後、バルドルはヘズと共に蘇り、人々を安寧と永劫の未来へと導くとされる。

バルドルシステムとバルドルマシン

作中において、「バルドルシステム」と「バルドルマシン」の名称の使い分けに明確な基準は見られない。
「バルドルシステム」または「バルドルマシン」の名称が使用される対象は、無機AI、ネットワークシステム、社会管理システムの三要素に分けられる。
現実シリーズでは、ネットワークシステムと社会管理システムが登場し、いずれも「バルドルシステム」の名称が使用され、「バルドルマシン」の名称は一切使用されない。
『SKY』では、無機AIが登場し、ネットワークシステムが話題に上るが、いずれも「バルドルシステム」の名称が使用され、「バルドルマシン」の名称は前者にのみ使用される。
『ZERO』でも、無機AIが登場し、ネットワークシステムが話題に上るが、いずれも「バルドルマシン」の名称が使用され、「バルドルシステム」の名称はほとんど使用されない。
『HEART』では、無機AIが登場し、「バルドルマシン」の名称が使用され、「バルドルシステム」の名称はほとんど使用されない。
『BRINGER』では、無機AIが登場し、ネットワークシステムと社会管理システムが話題に上るが、いずれも「バルドルマシン」の名称が使用され、「バルドルシステム」の名称は一切使用されない。
本項では、無機AIに「バルドルマシン」、ネットワークシステムと社会管理システムに「バルドルシステム」の名称を使用する。

概要

ジャハナム・インダストリーが統合軍と共同で開発した無機AIの究極系。略称はバルドル。
名称の初出こそ『SKY』だが、設定上は『FORCE』を除くシリーズ全作品に存在する。

詳細

S級AI。「魂の無い超絶知性」「秩序の神」と形容される。
無限のライブラリと出力デバイスを併せ持った究極の人工無能。その謳い文句に偽りはなく、シリーズを通してバルドルマシンを凌駕する性能の無機AIは登場しない。
無機AIであるため、感覚質こそ持たないが、事実上無限のストレージ容量と極めて高度な処理能力を有する。有機AIネットワークとの処理能力の比較は、『SKY』では判然としなかった*1*2*3が、『ZERO』では匹敵*4、『HEART』では凌駕する*5とされる。
自律成長型推論ネットワーク、あるいは機械共産主義的ネットワークと呼ばれる、限りなく合理的な、ネットワーク型の推論・討議コンピューターモジュール*6を持つ。また、自己修復機能を備え、一度セッティングしてしまえば半永久的に稼働し続ける。『SKY』では、実際に人類滅亡から数万年後も稼働し続けていた。
物理的実体は「黒曜石を削り出したような漆黒の円柱」と形容される。助数詞は「台」または「基」。その大きさから、製作には「製造」だけでなく「建造」「建設」といった表現も用いられる。根幹部だけなら分離して移送することも可能。世界五箇所に建造され、バルドルシステムの基幹ブロックを構成した。

バルドルレプリカ

他社によってライセンス生産が行われたバルドルマシンのレプリカ。性能はオリジナルと同一。
ジャハナム・インダストリーがライセンスを販売し、世界各地で最低でも39基以上の建造が開始された。現実シリーズではおそらく全基が完成するが、仮想シリーズでは最高でも5基以下しか完成しない。
なお、廃棄されたものの一部はSASに運び込まれ、36基のバルドルレプリカが組み立てられている。
名称の初出は『HEART』だが、『ACE』においてバルドルシステムの基幹ブロック以外は全てレプリカとされた。

BALDR J

正式名称「バルドルマシンType J」。バルドルJとも。
Old Jが開発した最新型のバルドルマシン。性能は旧来のバルドルマシンと同一だが、実体が現実ではなく仮想に存在する。
トコヨグサ式採集機関を動力供給源とし、損失処理能力を採集して稼働、BALDR J自体が処理能力を発生させる。これにより、有機AIに頼らず、現実での破壊工作によって機能が阻害されることもなく、安定した処理能力を供給することができる。ただし、トコヨグサが複製不可能であるため、一基しか存在しない。

バルドル・シリーズ

世界各地に存在する主要なバルドルマシンの一覧。

バルドルマシン

上海
ハバロフスク
フィラデルフィア
コスタリカ
サウジアラビア

バルドルレプリカ

清城市
所在地はミッドスパイア地下。
ルネサンス計画で使用されていたもので、ノインツェーンが独自のカスタマイズを施している。計画閉鎖後はミッドスパイアの管理コンピュータとして使用されている。
ノインツェーンやグレゴリー、ドミニオンによる集団自決事件の犠牲者たちの記憶データが保存されている。
シットウェ
所在地はラックエリア地下。
SAS州政府が保有していたもので、LoFと入れ替わりでシットウェに廃棄された。後に富裕層の技術者に発見され、ラックエリアの管理コンピュータとして違法使用されている。
海神市
所在地は司令塔内部。
洋上海洋都市の建造にあたり、非常用兼高密度処理用途として製造されたもの。核反応炉・汎用微小工学機械プラントと並ぶ「三種の神器」の一つであり、両者を制御する海神の中枢。杜撰な管理によって劣悪な状態にあったが、タチバナ・カンナがメンテナンスを行った。
他、SAS内に36基のバルドルレプリカが存在するが、所在地は不明。おそらくはモノステラ内部だと思われる。

BLADR J

仮想世界VERTEX
所在地はメインルーム内部。
Old J構造体最深部に設置されていたもので、並行世界間ネットワークから損失処理能力を採集し、有機AI撤退後も処理能力を維持していた。後にミカエリスを組み込み、仮想世界VERTEXの中枢となる。
「エリスの世界」の一千万人のヒトの感覚質が保管されている。

歴史

前々時代
無機AIの開発競争に参入したジャハナム・インダストリーは、後にその究極系であるバルドルマシンの開発に着手する。
大戦
ジャハナム社は統合軍と共同でバルドルマシンを完成させる。
世界五箇所に建造されたバルドルマシンによって構成されるネットワークシステムとしてのバルドルシステムは、情報戦において統合の勝利に貢献した。
数基のバルドルレプリカが建造され、その内の1基はルネサンス計画に使用された。
大戦後
無機AIと有機AIの間で次世代インフラ競争が発生。これに勝利するべく、世界各地でバルドルレプリカの建造が始められた。

現実シリーズ

次世代インフラ競争後
バルドルマシンが主流となったため、その全てが完成し、バルドルシステムを更に拡充した。
社会管理システムとしてのバルドルシステムが成立、バルドルマシンは人類社会に必要不可欠な存在となる。
混沌の時代
バルディストと反バルディストの戦いが反バルディストの勝利に終わり、バルドルシステムは停止、バルドルマシンも大半が破壊された。

仮想シリーズ

次世代インフラ競争後
有機AIが主流となったため、その多くが建造途中で廃棄された。
以後、反AI派や地球統合政府の機関によって、すでに完成していた少数のバルドルレプリカが用途を限定して使用されるのみとなる。
『SKY』時代
スカベンジャーがSASのバルドルレプリカをLoFの処理能力源として使用する。
スコールがシットウェのバルドルレプリカをマルタの処理能力源として使用する。
対AI対策班が清城市のバルドルレプリカを接続者システムの処理能力源として使用する。
『HEART』時代
天本が海神市のバルドルレプリカを輪廻機構の処理能力源として使用する。
『BRINGER』時代
オールド・ジャハナムがBALDR Jを仮想世界VERTEXの処理能力源として使用する。

並行世界

エルミの世界
ジャハナム社がマリアにバルドルマシンの提供を申し出る。
ひさめの世界
ドミニオンの拡大に伴う仮想依存者の増加によって、バルドルマシンの有用性が低下している。

登場作品

BALDRHAED 〜武装金融外伝〜/装甲姫バルフィス
バルドルシステムが稼働可能な状態であるため、最低でも一基は存在している。
BALDR BULLET
世界五箇所に存在し、バルドルシステムの基幹ブロックを構成する。
BALDR SKY
清城市のバルドルレプリカが登場。
接続者システムが稼働することで、ノインツェーンの人格が発生する。
BALDR SKY ZERO
シットウェのバルドルレプリカが登場。
LoFは表向き州政府保有のバルドルマシンとして扱われているため、その所在を知っていたエドとクロードは記憶封鎖を施された。
マレル編では、マルタがLoFに対抗するための処理能力源として使用される。
BALDR HEART
海神市のバルドルレプリカが登場。
海神の中枢であると同時に輪廻機構の処理能力源として使用されており、輪廻機構を停止させると都市機能が停止する。
凪編では、天本の正体である人格奪取ウィルスの起源として、清城市のバルドルレプリカが話題に上る。
BALDR BRINGER
BALDR Jが登場。
管理者を受容体として知性活動を行い、仮想世界VERTEXを維持する。また、受容体の深層意識を改変し、暗い喜びを追求するよう強制設定する。
「とあるジャハナムの記録2」では、清城市のバルドルレプリカが登場。オールド・ジャハナムの一部が接続、今後の世界情勢について詳細なシミュレーションを行った。
「とあるジャハナムの記録5」では、海神市のバルドルレプリカが登場。トコヨグサ式採集機関が収容されており、府海戦争で敗色濃厚となった海神インダストリーが無制限起動しようとしたため、Old Jの工作部隊によって破壊された。
「イオタの世界」では、コスタリカのバルドルマシンが登場。世界に残された最後のバルドルマシンであり、反バルディストの手に落ち、演算処理能力を阻害する装置で抑圧を受け続けていた。後にバルディストによって奪還されるが、メインシステムの50%が感染ワームに汚染されていた。
BALDR ACE
OPに海神市のバルドルレプリカが映っている(画像は『HEART』の流用)。
また、TIPSには「現在、最高の処理能力を持つS級AI。世界五箇所に存在し、そのレプリカが各地で建設されている。感覚質(クオリア)を持たないため「究極の人工無能」と呼ばれる事もある」と記載されているが、『ACE』が『FORCE』の前日談であることに矛盾する。『ACE』はバルドシリーズを網羅しようとしていた節があり、ストーリーが大戦後まで進む予定だったのかもしれない。

関連人物

レナ・ブッティリスカヤ
コスタリカのバルドルマシンを陥落させ、テレジア・アニシナを利用してバルドルシステムを支配しようとした。
ノインツェーン
バルドルマシンを「真の知性を持つ生命体」と讃え、最期は清城市のバルドルレプリカに直結して脳を焼き切った。
グレゴリー
多数の信者を清城市のバルドルレプリカに直結して集団自決させた。また、自身の死と同時に記憶データを転送する仕掛けを講じていた。
久利原直樹
清城市のバルドルレプリカに接続し、ノインツェーンの記憶に感染した。
ジルベール・ジルベルト
レイン・真編では、清城市のバルドルレプリカに接続し、ノインツェーンの記憶に感染する。
米内武
清城市のバルドルレプリカを管理していたが、暗殺される。
スカベンジャー
廃棄された大量のバルドルレプリカを使用し、LoFを開発した。また、SAS州政府保有のバルドルレプリカをシットウェに廃棄するようディオニシオ・ウルセライに依頼した。
マルタ
ルートによっては個の法則を排除、シットウェのバルドルレプリカと連結する。
天本
海神市のバルドルレプリカを使用し、輪廻機構を開発した。
タチバナ・カンナ
海神市のバルドルレプリカの管理者の一人。
エリス
BALDR Jに受容体として接続された。
ダスク
エリスから管理者権限を奪取、BALDR Jの受容体となった。
オールド・ジャハナム
BALDR Jを使用し、仮想世界VERTEXを開発した。
イオタ・BT
コスタリカのバルドルマシンに有線接続し、感染ワームの駆除処理を行った。死の直前には無線接続し、一時的に受容体となった。

関連機体

トランキライザー
バルドルマシンを利用した対AI抑圧兵器。
仮想シリーズにおけるコネクターとも言える機体だが、その本質は大きく異なる。

関連組織

ジャハナム・インダストリー
開発元。
統合政府軍
共同開発。
Old J
BALDR Jの開発元。
海神インダストリー
バルドルレプリカのライセンス生産を行う。
SERR14
コスタリカのバルドルマシンの監視及び破壊を任務とする。

関連技術

バルドルシステム
複数のバルドルマシンによって構成されるネットワークシステム、及びネットワーク上で運用される社会管理システム。
有機AI
競合技術。どちらが主流となるかによって、バルドシリーズの歴史は大きく二分される。
環境建築
仮想シリーズでは、しばしば管理コンピューターとして使用される。
接続者システム
人間とAIを一体化接続するシステム。
バルドルマシンを利用し、人間の意思を増幅・翻訳させてAIを制圧するとされる。
LoF
36基のバルドルマシンを使用した情報兵器。
輪廻機構
ESから情報を回収するサーチエンジン。
バルドルレプリカを利用し、阿迦奢から死者の記憶データをサルベージする。
仮想世界VERTEX
BALDR Jを使用した特殊な構造体。
BT
バルドルマシン用接続端末。

関連用語

ルネサンス計画
バルドルレプリカが使用されていた。
知性化競争
無機AIと有機AIの間で行われた、感覚質獲得競争。
この競争において、バルドルマシンは大きな期待を寄せられていた。

余談

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