変化前
![](https://image01.seesaawiki.jp/k/h/kemono_friends3_5ch/1i0nTjPlX7.png)
<動物コメント>
◎進化生態学者 松本 忠夫
現在の世界でのゾウの仲間には、おもにインド半島と東南アジアに生息しているアジアゾウと、アフリカ大陸に生息しているアフリカゾウとマルミミゾウがいます。1万年ぐらい前まではアジア大陸のシベリア、北米などに広くマンモスがいましたが、数千年前までに絶滅してしまいました。
インドゾウはアジアゾウの亜種で、他の亜種としてセイロンゾウと、スマトラゾウの2つが知られています。また、ボルネオゾウを別の亜種とする説もあります。自然界での彼らのおもな生息場所は森林です。その巨体が群れで歩むと、森林の中に縦横に通り道が形成されます。平地だけでなくある程度の斜面も登ることができます。しかし、ゾウの巨体は体重が大きいので、ひどくぬかるんだ所は苦手のようです。小規模の群れで生活する傾向が強く、幼い個体は群れ仲間に囲まれて天敵から良く保護されます。余談ですが、私はマレー半島のフレザーヒル、ボルネオサバ州のダナンヴァレー、ミャンマーの西部山岳における熱帯雨林の中で、象の巨大な糞(うんち)を見たことがあります。いずれも平地ではなく山の中であり、残念ながら象の姿は見ませんでしたが、こんなところにも野生象がいるのかとびっくりしました。インドゾウはアフリカゾウに比べれば小型ですが、何トンもの結構な体重があります。でも4本の太い肢ががっちりと巨体を支えていて、足場を確保できるなら、多少の斜面でも登ることができるのですね。そういえば、ケニアのアバーディア国立公園では、アフリカゾウですが群れが山の結構な斜面を登っているのを遠くから見たことがあります。(巨体ですから、滑ったらすってんころりん、大変ですね。)
食べ物は、広範な植物の葉や小枝や果実であり、その巨体を維持するために一日のかなりの時間を採食に費やし、成体は生の植物で200〜250kgも食べます。それらの食物は繊維質が多いため、あまり消化されなく、糞の中に出てきます。そして、一日に出す糞の量は50kgにもなると言います。面白いことに、タイやスリランカでは飼育されているアジアゾウの糞から髪を作り、また、糞を発酵させ出てくるメタンガスを燃料として使っているそうです。
自然界では、このゾウの糞を好んで食べる糞虫類(フンコロガシなど)がいます。フンコロガシの場合は大きな糞から塊を切り出し、それを6本足で上手に球状にして、転がして運びます。それでそのような糞虫をフンコロガシとの名が付けられています。糞球は地中の穴に収められ、その上に卵が産みつけられます。そして、その糞球が幼虫の餌となります。このようなフンコロガシの仲間のナンバンダイコクコガネ類は、ゾウの糞が大好きです。アジアゾウの糞を利用するオウサマナンバンダイコクコガネは、なんと体長が5.5cmもの大きなものです。大きなゾウの糞にふさわしい大きな虫ですね。
ゾウの鼻が長いのは、前足をかがめなくても、下方にある食べ物や水を取るのが便利なように進化したと言えましょう。また、上方にある食物を巧みにからめ取ることができます。ゾウの鼻は、ヒトで言えば鼻と上唇が伸びたようなもので、たくさんの筋肉が入っていて上手に動かすことができるのです。
母親の乳房は前足の脇の下にあり、外側に向いていますので、子ゾウがそれを口で含んで(長い鼻は持ち上げる)、ミルクが飲みやすくなっています。
牙の奥にある大きな葉(臼歯)の数は、左右上下あわせて4本しかありませんが、それらは生涯で5〜6回も生え変われます。ゾウでは歯がすり減って抜けたとしても、その下にある歯のもと(歯胚)が成長して新たな歯になり、そんな多くの回数も生え変わるのです。ヒトの場合は、幼い頃の乳歯は抜けてしまい、永久歯に一回だけしか生え変われません。
(2021年1月公開)
![](https://image01.seesaawiki.jp/k/h/kemono_friends3_5ch/1i0nTjPlX7.png)
インドゾウ | |
---|---|
レアリティ | ☆3 |
属性 | ![]() |
イラストレータ名 | yoshizuki |
とくせい(変化前) | 味方全体の与ダメージが2%増加する |
とくせい(変化後) | 味方全体の与ダメージが3%増加する |
たいりょく | こうげき | まもり | |
---|---|---|---|
Lv.1 | 179 | 220 | 94 |
Lv.40(無凸最大) | |||
Lv.60(完凸最大) | 535 | 660 | 281 |
<動物コメント>
◎進化生態学者 松本 忠夫
現在の世界でのゾウの仲間には、おもにインド半島と東南アジアに生息しているアジアゾウと、アフリカ大陸に生息しているアフリカゾウとマルミミゾウがいます。1万年ぐらい前まではアジア大陸のシベリア、北米などに広くマンモスがいましたが、数千年前までに絶滅してしまいました。
インドゾウはアジアゾウの亜種で、他の亜種としてセイロンゾウと、スマトラゾウの2つが知られています。また、ボルネオゾウを別の亜種とする説もあります。自然界での彼らのおもな生息場所は森林です。その巨体が群れで歩むと、森林の中に縦横に通り道が形成されます。平地だけでなくある程度の斜面も登ることができます。しかし、ゾウの巨体は体重が大きいので、ひどくぬかるんだ所は苦手のようです。小規模の群れで生活する傾向が強く、幼い個体は群れ仲間に囲まれて天敵から良く保護されます。余談ですが、私はマレー半島のフレザーヒル、ボルネオサバ州のダナンヴァレー、ミャンマーの西部山岳における熱帯雨林の中で、象の巨大な糞(うんち)を見たことがあります。いずれも平地ではなく山の中であり、残念ながら象の姿は見ませんでしたが、こんなところにも野生象がいるのかとびっくりしました。インドゾウはアフリカゾウに比べれば小型ですが、何トンもの結構な体重があります。でも4本の太い肢ががっちりと巨体を支えていて、足場を確保できるなら、多少の斜面でも登ることができるのですね。そういえば、ケニアのアバーディア国立公園では、アフリカゾウですが群れが山の結構な斜面を登っているのを遠くから見たことがあります。(巨体ですから、滑ったらすってんころりん、大変ですね。)
食べ物は、広範な植物の葉や小枝や果実であり、その巨体を維持するために一日のかなりの時間を採食に費やし、成体は生の植物で200〜250kgも食べます。それらの食物は繊維質が多いため、あまり消化されなく、糞の中に出てきます。そして、一日に出す糞の量は50kgにもなると言います。面白いことに、タイやスリランカでは飼育されているアジアゾウの糞から髪を作り、また、糞を発酵させ出てくるメタンガスを燃料として使っているそうです。
自然界では、このゾウの糞を好んで食べる糞虫類(フンコロガシなど)がいます。フンコロガシの場合は大きな糞から塊を切り出し、それを6本足で上手に球状にして、転がして運びます。それでそのような糞虫をフンコロガシとの名が付けられています。糞球は地中の穴に収められ、その上に卵が産みつけられます。そして、その糞球が幼虫の餌となります。このようなフンコロガシの仲間のナンバンダイコクコガネ類は、ゾウの糞が大好きです。アジアゾウの糞を利用するオウサマナンバンダイコクコガネは、なんと体長が5.5cmもの大きなものです。大きなゾウの糞にふさわしい大きな虫ですね。
ゾウの鼻が長いのは、前足をかがめなくても、下方にある食べ物や水を取るのが便利なように進化したと言えましょう。また、上方にある食物を巧みにからめ取ることができます。ゾウの鼻は、ヒトで言えば鼻と上唇が伸びたようなもので、たくさんの筋肉が入っていて上手に動かすことができるのです。
母親の乳房は前足の脇の下にあり、外側に向いていますので、子ゾウがそれを口で含んで(長い鼻は持ち上げる)、ミルクが飲みやすくなっています。
牙の奥にある大きな葉(臼歯)の数は、左右上下あわせて4本しかありませんが、それらは生涯で5〜6回も生え変われます。ゾウでは歯がすり減って抜けたとしても、その下にある歯のもと(歯胚)が成長して新たな歯になり、そんな多くの回数も生え変わるのです。ヒトの場合は、幼い頃の乳歯は抜けてしまい、永久歯に一回だけしか生え変われません。
(2021年1月公開)
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