そこは殺風景な部屋だった。
白塗りのコンクリートが外壁を成し、眩しいほどの照明が天井に吊るされている。
部屋の中央に置かれた医療用ベッドの上で、仰向けの小さな竜が身をよじった。
体長は大きく見積もっても50インチ程度。
毛とも羽毛ともつかない不思議な体毛が全身を覆い、頭には鋭いツノを生やしている。
「あああ、ああ…」
瞳に映る光景は全てが真新しく、そして恐怖そのものだった。
光彩を映す丸いレンズがいくつもこちらを向き、
四方を囲む大きな機械の窓に自分の姿が映し出されている。
鼻をつんざく消毒液のにおいも、全身を縛り付ける拘束具も、
竜に不安を与えるには十分だった。

「被験体は生後1080日の雄の個体」
竜の右側面に立つ白衣の女が、ヘッドセットに淡々と音声を吹きこんだ。
それは天井の四隅に備え付けられたスピーカーによって増幅され、部屋中に響いた。
驚き、ただ震えるしかない幼い竜。
女はそんな竜の反応などお構いなしに、その下腹部に指を這わせた。
やがて、ゴムの手袋に包まれた指先は小さな穴にたどり着き、無造作に侵入を開始した。
「ん、くっ…」
竜の体がステンレスのベッドの上で萎縮した。
尾を腹に丸め込もうとするが、拘束具がそれを許さない。
生後初めて与えられた外界からの刺激に、薄桃色の肉芽が下腹部から顔を出した。
それを見た女は小さくうなずき、差し込んだ指を引き抜いた。
「反応は良好。脈拍、血圧共に異常なし。機材班、チェックは終了したか?」
「記録準備OK。LCD、プライマリ、セカンダリ共にクリア。ローカルネットワーク異常なし」
女の問いかけにスピーカーから応答が返された。
女は再びうなずき、竜の体をさすりながら続けた。
「了解。実験を開始する」

稼動音と共に、拘束具が竜の両手両足と翼の付け根、そして腹部をきつく締め上げた
暴れる竜を白衣の女が押さえつけ、マズルに粘着テープを巻きつける。
「んーっ!」
竜はただただ首を横に振って抵抗するしかなかった。
しかし、金属のベットは無情にも竜の体力を淡々と奪ってゆく。
「実験A。薬剤投与による採精実験」
女は据え置かれたテーブルから注射器を取り、竜の眼前で空気を抜いた。
針先から飛び出した薬液が竜の鼻先を濡らす。
途端、竜の全身から力が抜け、その排出腔から琥珀色の液体が溢れ出す。
「被験体、失禁。実験に影響はない」
女はそう言うと、放尿を続ける竜の排出腔のやや上を左手で押さえ、右手に持った注射器を躊躇なく刺した。
「んっ!」
デリケートな部位を襲う鋭い痛みに、竜は身を硬直させた。
体内に針を突き刺された状態では暴れることすらできない。
息を止め、痛みに耐える。それが竜に許された唯一の逃避だった。
薬剤はすぐさま竜の体内を循環し、効果を出した。
先程までイチゴほどの大きさしかなかった性器がはちきれんばかりに膨張を始めたのだ。
排出腔から飛び出したそれは、不釣合いなほどに膨れ上がり、天を突いた。

幼い竜は唾液と涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、自分のまたぐらを不安そうな表情で覗き込んだ。
肉の茎が鼓動にあわせて脈打ち、ねっとりとした液を垂らしている。
生まれて数年。性的な知識はおろか、その器官が果たす役割すら知る由はない。
そのあまりに未熟な雄の象徴を無碍に晒され、
本来抱くであろう好奇心や羞恥心は欠片もなく、幼い竜は不安に怯えていた。

「ペニスに顕著な反応あり。わずかに…体液の放出も認められる」
女のしなやかな指先がその先端に触れ、透明な糸を引いた。
むき出しの性器がぴくん、と跳ね上がり、唾液で汚れた竜の口角から荒い呼吸が漏れる。
女はその様子を冷静に見下ろし、マスクの奥の口を開いた。
「実験を次の段階へ。電極棒を挿入、電流を流し射精を促す」
劇薬の影響か、竜の小さな胸が動悸に浮き沈みを繰り返している。
視線は定まらず、眼前を横切る黒い棒状の器具にも反応を示さない。
女は手にした器具に手際よくゴムを被せると、
脈動する幼竜の性器を片手で押さえ、その根元に位置するスリットに棒の先端をうずめた。
「ーっ!」
その瞬間、華奢な体が大きく反り返った。
異物がもたらす鈍痛に体を強張らせ、右へ左へ首を振る幼竜。
その様子はあらゆる角度から撮影され、四方のモニターに映し出されている。
「出力、5V」
竜の尾がぴんと伸びきり、そのまま硬直した。
微弱な電流が一定の間隔で電極を走り、小さな体が萎縮と伸長を交互に繰り返す。
竜は悶えた。
痛みであれば耐え忍ぶこともできる。
しかし、電流によって与えられた強い快楽は否応なしに意識を蹂躙する。
「出力、10V」
とめどなく溢れる涙と唾液に、ついには竜の口から粘着テープが剥がれ落ちた。
電流が流される度にその下半身は大きく跳ね上がり、
性器から飛び出した透明な体液が柔らかな毛に覆われた腹をびしょびしょに濡らした。
モニターは甲高い声で喘ぐ獣の姿をかくも淡々と映し出し、
幼い竜はその様子を虚ろな表情で見つめていた。
「出力、20V」
女は暴れる竜の翼を押さえつけ、さらに深部へと電極棒を押し込んだ。
器具を呑みこんだスリットがひくひくと痙攣を繰り返し、
鮮やかな桃色に染まった無垢な雄の象徴が一段と大きく膨れ上がる。
「いやあああっ!」
竜が狂ったように叫び、全身を震わせた。
幼い肉芽の先端から勢いよく飛沫が噴き出し、女がそれを受け止めようと試験管をあてがう。
しかし、幼い体躯からひり出された純白の精液は、ほんの数秒で試験管を満たし、
あまつさえ泣きじゃくる竜の顔にまで飛散した。

「実験A、終了。全てのプロセスにおいて問題なし」
「機材も正常稼動。素晴らしい結果です。引き続き実験Bの準備に取り掛かります」
「了解」

放心し、呼吸すらままならない竜の傍らで、人間の状況報告だけが淡々と続いていた。

──静かだった。
竜の荒い呼吸が石の壁を打って反響していた。
雄の象徴たる彼のそれは精を搾り取られてなお上を向いて脈打っている。
女は、消毒液の臭いが染み付いたガーゼを竜の汚れた頬に添えた。
「どうして、こんなことを…するの?」
竜が途絶え途絶えに、助けを請うかのように言った。
女は何も言わずただ首を横に振るだけだったが、
やがて竜の顔を拭き終わると、天井を向いてこう続けた。
「彼女を」

ちょうど竜が姿勢を起こした時の方向、
彼を取り囲むモニターを抜けたその先にある奥まった石の壁が二つに割れ、濃い白色のガスが吹き出した。
石の壁、いや、極めて機密性の高いコンクリートの扉は、そのまま音もなく左右にスライドした。
ガスの中心におぼろげな、だが確実に大きな"何か"が見える。
女は器具を片付けたステンレスのテーブルを片手で押しながら、開かれた扉の先に姿を消した。
白煙の中で二つの影が重なり合う。
「イブ。くれぐれも彼に怪我をさせないように」
「…ええ」
二つの影は言葉少なく会話を交わし、しばしの後、扉は閉められた。

「だれ?」
幼竜は影の方向を向いて、不安げに震える声を投げかけた。
反応はないが、時間と共にガスが十分に薄まり、影の姿がゆっくりと現れ始める。
天井に触れるほど長い首と、その先に携えた鋭い頭。
深いブルーの瞳は照明をまばゆく反射させている。
しなやかでありながらも強靭な体躯は短い毛に覆われ、
背に生やした翼は天井の照明を隠すほどに大きかった。
「ドラゴン?」
「そう。あなたと同じ、ね」
──確かに、姿はよく似ていた。
倍はあるであろう体格差を除けば、彼らが同じ種族であることを疑う余地はない。
大きな竜は部屋の中心に備え付けられた手術台に近づき、仰向けの幼竜に首を伸ばした。
「…あ、あ…」
長い口の先から舌が伸び、幼竜の柔らかな腹をつうっと舐め上げる。
「お願い、ぼくを食べないで…」
幼竜は身をよじらせながら懇願した。
大きな竜はその様子を楽しむかのように、身動きが取れない幼竜の全身に舌を這わせた。
幼い敏感な体が幾度もそれに反応して跳ね上がる。
「…じゃあ、いい子にするって約束する?」
「う、うん。いい子にす…んっ!」
幼竜の返事も待たず、その口内に生暖かい舌が滑り込む。
大きな竜は暴れる竜の首を前足で押さえつけると、金属のベッドに飛び乗った。
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はやく続きをかいておくれっ 寸止めやだぁっ

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Posted by   2009年08月17日(月) 01:11:14 返信

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