むかしなつかし「人形劇三国志」各話へのツッコミネタバレあり

あらすじ

董卓暗殺に失敗した曹操は、県令・陳宮に捕まるが、陳宮を従へて故郷に逃げ帰る。その途中、父の親友である呂伯奢を斬り殺してしまふ。曹操の非情さを見て、陳宮は曹操のもとを去る。
曹操は妥当董卓の連合軍結成を諸侯に呼びかける。
連合軍は董卓軍を追ひ込むが、董卓は長安遷都を決行し、洛陽を焼いてしまふ。

一言

三国志演義でいふところの第四回の途中から第六回の冒頭まで、といつたところか。完全に物語が動くやうになつたな。
VTRは黄河。長安と洛陽との説明をするために出して来たやうだ。
黒い背景に董卓。ゆつくりカメラが動いて帝姿の陳留王。ふたりが消へて、曹操があらはれて刀を抜く。

玄徳・関羽・張飛は公孫瓚のところに向かつてゐるところ。張飛が公孫瓚とはどういふ男か、といふことを玄徳に聞く。玄徳は、盧植のもとでともに学んだ兄弟子で人格者だ、といふやうなことを答へる。北平は北のはづれでとほいなあ、とボヤく張飛をたしなめる関羽。張飛の面倒を見るのは関羽。

場面変はつて囚はれの身の曹操。自分は曹操ではなくてただの商人だとか云ふてゐる。胴抜きのやうな胴体と袖の部分との生地のちがふ衣装だが、初回の玄徳ほど貧乏くさくないのは、色が派手だからかな。肩の部分は柿色で、袖は紫。
県令の陳宮が、囚人に話があるので下がるやうにと曹操をつれてきた兵に云ふ。
陳宮は相手が曹操といふことを見破つてゐるが、曹操は、自分の名字は皇甫だとか云ふてゐる。
ふふふ、と、不敵に笑ふ陳宮がいいなあ。陳宮、衣装もなんとなく派手。かぶつてゐるものは黒つぽいが、着てゐるものは臙脂系で、ところどころ桃色の柄が入つてゐたりする。胸元には金かな銀かな模様が入つてゐるし。襟と袖先は渋い緑、かな。
かつて洛陽の都で曹操を見てゐる、といふ陳宮に、「そうか、如何にもわたしは曹操だ」と開きなほる曹操。
なぜ董卓を切らうとしたのか、と訊く陳宮に、自分は代々漢王朝の禄を食むもの、と、答へる曹操。さうなんだよね、さう考へると、曹操はただの悪役でもないわけだ。といふか、やつがれは「人形劇三国志」の曹操をただの悪役と思つてゐないし、「ものすごい悪役に描かれてゐる」とも思ふたことがない。世情の噂ではさうなつてゐるのが不思議でならない。この曹操のどこが「ただの悪役」なのか。まあ、確かに、十常侍に何進を殺させたのも、その後十常侍を始末するやう仕向けたのも曹操だつたかもしれないが、それつてそんなに悪かなあ。ま、いつか。
早く都に突き出せといふ曹操に、「曹操殿」と態度をあらためる陳宮。曹操を「天下の忠義の士」とまで云ふ。だいたい、曹操の話を聞いてゐるあひだに、だんだん心服していくやうすが見えるもんな、陳宮。仕へさせてくれ、といふ陳宮に、曹操もありがたいと答へる。
父の親友呂伯奢を頼らう、といふ曹操。

ところ変はつて、「曹操の故郷、成皐」と字幕にはある。「(今の河南省・衛輝付近)」といふ説明つき。夕暮れ時だ。
お尋ね者の高札が出てゐる。曹操の似顔絵つきで、木を薄くすいたもののやうに見える。
ところのものたち三名ほどが、その高札を見てゐる。
場面切り替はつて、呂伯奢登場。ゆつくり休んでくれ、と曹操に云ふ呂伯奢。酒でも買ふてこやう、と、席を立つ。
ここを頼つてきてよかつた、と云ふ曹操に、これも殿の御人徳、と持ち上げる陳宮。うまいなー、ここで陳宮に曹操を持ち上げさせておく演出。曹操は、自分の人徳などではなく、董卓打倒の気運がたかまつてゐるのだ、とか答へる。
なにやら気になる音がする、と、立ち上がる曹操。刀を研ぐ音だに曹操は、伯奢は自分たちを騙して切る気だな、とやうすを窺ひにいく。
「あいつをどう始末するか」「ふん縛つて片付けやう」などと話してゐる男たちの聲を聞いて、曹操は、「思つたとほりだ」と、呂伯奢の裏切りを確信する。先手を打たねばならない、と、曹操は、陳宮もけしかけて、外で刀を研ぐ男たちを急襲する。
ここがまたいい。刀で人を斬る音だけがして、水を汲む木の桶がたふれる映像が映し出される。カメラが切り替はると、ふたりの男がたふれ伏してゐて、その向こうに曹操と陳宮といふ絵。時刻は夜。
ところがさらに物音がして、猪が縄につながれてゐることに気づく曹操と陳宮。呂伯奢が裏切つた、といふのは勘違ひだつたのでは、と焦る陳宮に、ここを逃れやうと云ふ曹操。

馬に乗つて逃げる曹操と陳宮。後悔の念をあらはす陳宮に対して、曹操はほとんどなにも感じてゐないやうす。
そこへ、向かうから驢馬をつれた呂伯奢がやつてくる。なにを急いでゐるのか、と、問ふ呂伯奢に、口ごもる曹操。驢馬がかはいいなあ。
呂伯奢はくどく曹操を誘ふが、曹操は呂伯奢を斬り捨てる。
演義だと、曹操と陳宮とは呂伯奢と別れて一度行き過ぎ、曹操だけ「忘れたことがある」とか云つて、ひとり戻つて呂伯奢を殺すんだがね。
陳宮が責めると、「私は自分が裏切つても人に裏切られるのは我慢ができんのだ」と答へる曹操の、そつぽを向いた表情がいい。すこしは罪悪感を覚えてゐるのかもしれない、と思はれるところはある。
陳宮は、曹操のやうな人物に仕へることはできない、と云ひ、でもあなたを裏切るやうなことはしない、と云つて、曹操を置いて去る。

「非情の曹操 偽の紹書を発し 天下に義軍を募る」と、題字が出る。うーん、「詔書」ぢやないのか。ま、いつか。

場面切り替はつて、「洛陽郊外、連合軍陣営」と字幕にはある。幔幕が張られ、警護の兵士二名が立つてゐる。連合軍、早いな。あつちふ間にできたんだな。
そこに、玄徳・関羽・張飛を従へた公孫瓚がやつてくる。「北平の大守、コウ・ソンサン」つて、切るところがちがふでせう。「コウソン・サン」だよ、公孫瓚。
幔幕の中から出てきた曹操は、金色の冠と甲冑、赤い衣装のぱりつとしたなりになつてゐる。きりりと凛々しいぞ。
公孫瓚を出迎へ、玄徳たちに視線を向ける曹操。
知り合ひかと訪ねる公孫瓚に、さうだと答へる曹操は、総大将の袁紹に引き合はせる、と、公孫瓚と玄徳一行とを招きいれる。

夕暮れ時の都洛陽。都のやうすを鳥瞰した感じでうつしてゐる。
場面切り替はつて屋内。董卓が酒を飲んでゐる。
セリフから、後宮で女を侍らしてゐる、といふことがわかる。男子禁制の後宮で女を侍らせて酒を飲むなんて自分たち以外にしたことのあるやつはゐまい、みたやうなことを云ふ董卓。その後に字幕で「宮中、後宮の一室」と出てくる。
呂布が同座してゐて、それもこれも董卓のおかげ、と持ち上げ、「董卓閣下万歳」と杯をかかげてみせる。
そこへ帝があらはれる。
酒の飲み方を教へやうといふ董卓に、あらはれた淑玲が、もう寝る時間と帝を連れ出さうとする。
董卓がとがめるが、帝にはまだ酒は早いと、淑玲も負けてはゐない。
董卓はさらに、「なにものだ」と淑玲を問ひただすが、自分は帝のみのまはりのお世話をする淑玲と申します、と、淑玲はまつたく負けてゐない。強うなつたのう、淑玲。もとからか。
自分は帝の後見人で丞相だぞ、と、董卓は脅すが、ここは帝以外男子禁制の後宮、そこで毎夜酒盛りするなどと、丞相だつたら宮中の掟を守れ、と、淑玲は迫る。
生意気な小娘をぶつた斬る、といふ董卓に、「そのものに罪はない。許してやつてくれ」などと帝があひだに入る。いつたんは許せぬと云ふ董卓だが、そこへ一大事を告げる李儒があらはれる。連合軍が、都に押し寄せてきた、といふのだ。呂布に出陣を告げる董卓。そこへ、先陣は私に、と、華雄があらはれる。黒々とした眉に大きな目、もぢやもぢやした口髭の、荒武者然とした風貌だ。たのもしい、と、董卓は華雄に先陣を許す。

ところ変はつて汜水関。
字幕から、すでに華雄が兪渉と潘鳳とを斬つたことが知れる。
演義だと孫堅が出てきたりするが、人形劇三国志ではもちろんそんなことはない。
さらに場面切り替はつて、「洛陽攻撃に集まつた諸侯」と字幕。野外、細い木で作つた塀の中で、テーブルを集めて四角く囲つたところに、諸侯が座して談笑してゐる。諸侯の目の前には酒肴。張飛と関羽とは立つてゐて、その横に玄徳、公孫瓚、曹操、袁紹、この時点ではまだ名前はわらかない袁術が座してゐる。画面手前にはうしろ向きに三人の武将が座つてゐる。
華雄に兪渉と潘鳳とを斬られたといふのに、いいのか、こんなに和やかに談笑してゐて。
そこへ、敵襲を知らせる使者がやつてくる。
「ばかに早いな」といふ曹操に、「董卓もさるもの」といふ袁紹。このころの袁紹はまだダメつぷりが明らかになつてゐないせゐか、めうにやうすよく見える。
大将は呂布に次ぐ剛のもの・華雄、と、使者が云ふと、「小癪な。たれか行つて討ち取つてこい」と、かんたんに云ふ袁紹。を、ここで「南陽の長官・袁術」とはじめて袁術の名前が出てくるぞ。つづいて「西涼の長官 馬騰」と「徐州の長官 陶謙」とも出てくる。
袁紹の「たれか行つて」といふことばに、皆一様に顔を背けたり俯いたり。
そこへ、「わたしが参ります」と聲がする。
聲だけでわかるよ、関羽だよ!
「なにものか」と問ふ袁紹に、公孫瓚が立つて説明する。
身分を問ふ袁紹に、関羽は「足軽」だと答へる。演義だと「馬弓手」、だな。
足軽風情が、と、いきりたつ袁紹に、怒る張飛になだめる玄徳。
あひだに曹操が割つて入つて、やらせてみては、と、袁紹を説き伏せる。なほも「足軽風情を出したとあつては華雄に笑はれる」などと気にする袁紹に、髯が立派だから華雄も足軽とは思はないよ、と、云ふ曹操。そういふ問題か?
華雄を討てなかつたらこの首をさしだす、といふ関羽に、酒を飲んでいけ、と、杯を差し出す曹操。なんだかふたりだけの世界だなあ、うしろに公孫瓚とか玄徳とかうつつてはゐるけど。
ここで関羽のアップになつて、右肩に流れる頭巾の端が実にいいなあ。
「いや、その杯はしばらくおあづかりください。この酒の熱いうちに華雄の首を取つて帰つてまゐります」といふ関羽がまたやうすがいいのなんのつて。
曹操の掲げてゐる杯、触覚のやうなものが二本ぴんと立つてゐておもしろい。当時の杯つてそんな感じだつたのか知らん。
関羽のことばを鼻で嗤ふ袁紹。知らないつて、おそろしいことね。
その場を立ち去る関羽と、その背中を見送る玄徳。信頼感あふれる表情である。

槍を振りまはし、歩兵をなぎたふす華雄。
そこに、関羽があらはれる。
一騎打ち。かーっ、すごいな、馬上で槍と青龍刀とががちんがちんぶつかりあつて。
決着のわからぬまま、連合軍側のやうすがうつる。袁紹と袁術とは顔を見合はせ、曹操、公孫瓚は関羽の去つた方向に視線をやり、馬騰と陶謙とはなにやら話し込んでゐるやうす。張飛、玄徳も、関羽の去つた方向を見やり、張飛が「兄貴、大丈夫かなあ」と云ふが、玄徳はなにも答へない。
そこへ、華雄の首を提げた関羽が帰つてくる。
「うむ。見事だ、関羽。酒はまだあたたかいぞ」と杯を差し出す曹操に、「かたじけない」と答へる関羽。曹操と関羽と、笑ひあふ。
そこへ張飛が割つて入る。「さすが関羽の兄貴だ」つて、さつき心配してたぢやんよ。この機に乗じて一気に董卓を討ち取つたら、と袁紹に云ふ張飛の手前で酒を飲んでゐる関羽のやうすがいいぜ。
もちろん、そんな張飛の云ふことになど、耳を貸す袁紹ぢやあないがね。袁紹に取つては、張飛もまた一下郎だ。
とりなす曹操がいいなあ。曹操の褒めてやつたら、のひとことに、しかし褒めたりはしない袁紹。曹操は、玄徳に関羽と張飛とを連れてこの場は控へてくれ、と云ひ、玄徳は云はれたとほりふたりを従へてその場を去る。を、手前に孫堅がゐるぞ。まだ名前出てきてないけど。
演義だとこのあと曹操が玄徳たち三人に酒肴を送つたりするんだけどね。曹操のいい人エピソードだ。え、下心があるから? まあさうかもしれないけど。

城門から馬に乗り兵を率いて出てくる董卓と呂布。呂布は赤兎に乗つてゐる。董卓の後ろは李儒だ。
兵の過ぎ行くわきで、屋台を出してゐる美芳。客がふたりゐる。また戦がはじまるのかイヤだなあ、といふ美芳に、客の一人が、董卓が死ねば都は今よりも平和になる、と云ふ。でも董卓は負けさうにない、と、美芳が云ふと、もうひとりの客が「華雄が関羽とかいふ奴にやられてしまつて、董卓軍も危ふい」といふやうなことを云ふ。
「関羽ぅ?」と驚く美芳。関羽がゐるといふことは玄徳と張飛とも一緒だらうと推測した美芳、淑玲にもさつそく知らせなきや、とひとりごちる。

宮中。弦楽器を奏でる淑玲。あら、そんなこともできたのね。
そばにゐるのは帝だけ。
しづかだな、といふ帝に、みな戦に出て行つてしまつたのでせうと淑玲は答へる。
帝は、淑玲に、王允のもとに行つて会ひたい旨伝へてくれ、と云ふ。
董卓のゐないあひだに、巳を隠したいのだ、と帝は云ふ。
兄と帝の座を争つてゐたときには帝になりたくて仕方がなかつたが、いざなつてみると、董卓の言ひなりだ、と、帝は嘆く。
場面切り替はつて王允。董卓の居ぬ間に身を隠したいといふ帝の意見に異を唱へる。
淑玲は必死に帝の思ひを伝へやうとするが、王允は帝は天命によつて決められたもので身を隠すなどもつてのほか、と云ふ。この世がどんなに乱れても、帝がその御位にあれば、また太平になるのだ、と。
王允と淑玲とのやうすを、お盆を持つてきた貂蝉が影からそつと窺ふ。
淑玲を送る貂蝉。あら、淑玲は気づいてゐないのかな、これが貂蝉だつて。
王允のゐる部屋に戻つて、貂蝉はなぜ帝を助けないのかと王允に訊く。王允は、帝を助けるにはまだ時期尚早だ、と答へる。王允は、連合軍の中で誰が勝ち残るのか見極めてからでなければ動けない、といふ。王允にとつても帝は切り札なのだ。喰へない爺さんぢやの。

場面変はつて連合軍の陣。
幔幕から出てくる玄徳を待つ曹操の姿がいい。画面むかつて左端で、人待ち顔。なんだか凛々しい。
曹操が、玄徳に、董卓が呂布をともなつて虎牢関に入つたと告げる。
呂布さへ倒せれば、と、曹操は云ふ。曹操は、玄徳たちに呂布を倒させたいと思つてゐたが、袁紹、袁術、孫堅は、董卓の息子である呂布の相手には大守以上のものでなければ恥だ、と、肯んじなかつた、と云ふ。
「俺はこんな古くさい戦の仕方は嫌ひだがな」と、曹操は云ふ。「俺は、俺一人で戦ふときは、身分などにこだはらず、能力のあるものを目的に応じて起用するつもりだ。わしはこのやりかたで天下をとるつもりだ」と云ふ。なにを云ふのか、とつめよる玄徳に、おまへたちが自分の配下にゐるならば、身分など問はずに存分に働かせてやれる、と曹操は答へる。だからといつて曹操の部下にはなれないだつて公孫瓚のもとに馳せ参じた身の上だから、と、玄徳が強く云ふと、公孫瓚は明日死ぬ、と、曹操は云ふ。公孫瓚は明日、呂布と戦ふことになつた、公孫瓚は呂布の相手ではない、といふのがその理由だ。
さう云ひながらも曹操は、勝敗は時の運だから公孫瓚が呂布に勝たないこともなからう、と、云ひ、明日の結果を待たう、と、その場を去つてゆく。その背を見送る玄徳。
玄徳の背後から聲をかける公孫瓚。「喜んでくれ、明日呂布に一番槍をつけるのはこの儂と決まつたぞ」つて、明日出陣が決まつた特攻兵のやうな悲壮さを感じるんだが……。もちろん、公孫瓚にはそんなつもりは微塵もないだらうけど。
軍功をあげれば董卓亡き後の宮廷での地位は約束されたも同然、と云ふ公孫瓚の武運を祈る玄徳。さうとしか、云へないよなー。

早くも翌日、かな。
呂布が、自分の相手をするものはゐないかと呼ばはりながら行く。もちろん赤兎の馬上だ。

ここで紳助竜介が出てきて、馬の説明。
白竜と赤兎とどつちが上かつて悩んでるけど、そんなの赤兎にきまつてるぢやん。白竜は乗り手に凶運をもたらす馬だもの。
VTRで草原を走る馬。馬は西域からやつてきた、とか説明が入る。
赤兎は一日に千里を逝く馬、とか。

画面切り替はつて、公孫瓚。馬に乗り槍を抱へて呂布に挑む。あひかはらず「コウ・ソンサン」つて云つてるのはご愛嬌。
は、ここつて、もしかして森本レオ劇場か。
戟と槍とを交へること数回、逃げ出す公孫瓚を追ふ呂布。そこに待つたをかけるのはたれあらう張飛だ。
「大守・コウ・ソンサン殿の弟の劉備玄徳、のそのまた弟の張飛翼徳だ!」つて名乗りをあげるさまもユーモラスだぞ、張飛。
その張飛をぢろりと睨む呂布の目がものすごい。邪魔しをつて、と、怒る呂布に、また聲をかけるものあり。「おおつと、関羽雲長、ここにあり」と関羽登場。
二方から呂布に立ち向かふ関羽と張飛。そこにさらに玄徳があらはれる。「漢の中山靖王劉勝の末裔」とか名乗つてるし。
しかし、玄徳はともかく、関羽と張飛とを相手にして全然ひかない呂布が凄過ぎる。向かふところ敵なし、とはまさにこのこと。
そんな四人のさまをチト高台から見下ろしてゐる曹操。エラそーでこれまたよい。
呂布が先にその場を去らうとする。「少々疲れて飽きただけ」とか、云ふことがデカい。
呂布が退くのを見て、全軍突撃を告げる曹操がまたいい。
董卓の待つ陣に帰りついた呂布は、ひとまづ都に戻るやう告げる。
董卓はそのとほりにする。

夕暮れの都に、とぼとぼと帰り着く董卓一行。
そんなさまを眺めながら、「董卓もいよいよこれでおしまひだな」とちよつとうれしげな王允に、董卓がこのまま引き下がりはしないだらうと貂蝉。
美芳の屋台には、落ち込んだやうすの紳々竜々がゐる。
黄巾党、何進、など、自分たちがついた主君はみな落ち目になる、と、嘆いてゐる。
あくまでも前向きな美芳は、新しい主を捜すことをすすめる。
ところがそこに呂布があらはれて紳々竜々を見とがめる。
紳々竜々は、呂布が董卓と一緒ではなかつたので戦死したと思ひこんでゐたのだ。
呂布は殿軍をつとめてゐただけだつたのに。
呂布は紳々竜々をつれて去つていく。

場面変はつて、董卓が都を洛陽から長安にうつす、か、とつぶやいてゐる。
向かひに座つてゐるのは李儒。李儒の献策により、董卓は長安遷都を考へる。
このふたりだけの会合つて、なんかものすごーく「悪」だなあ。「李儒、お主も悪よのう」「いえいえ、丞相閣下にはかなひませぬ」とか、腹黒く笑ひあひさう。
そこへ呂布があらはれる。
敵を迎へ討たねば、といふ呂布に、董卓はその必要はない、といふ。李儒の意見を入れて洛陽を捨て、長安に都をうつすことにした、と。
呂布は、遠い長安に遷都することに不安を抱くが、逆らふものは斬る、と、李儒は斬り捨てる。
心配してたくせに、董卓に心配は不要だ、とか云はれると「はい」とか迷ひなく答へちやふ呂布。
さうとなつたら早速帝に知らせねばな、と、いふ董卓に、「かしこまりました」といかにも悪な感じの李儒。たまらん。

例によつて楽器を奏でる淑玲に、遷都のことを云ふ帝。
そこへあらはれる呂布。紳々竜々をひきつれてゐる。
あひかはらず「ここは男子禁制の後宮ですよ」とかいふ淑玲だが、呂布は引越しの支度をさせるために紳々竜々をつれてきたのだつた。

夜。
馬上の玄徳、関羽、張飛。
遠く都に煙があがるのを見る。
探つてみやうと玄徳は関羽、張飛を引き連れて都の方角に向かふ。

「董卓 長安を めざす」と字幕。
先を急がせる董卓。
淑玲は、輿に揺られる帝を励ます。

燃える洛陽の都に到着する玄徳一行。
「都に帰れたら美芳に会へたのに」と、ちよつと涙聲な張飛がかはいいぞ。

朝。
美芳は美芳で、長安に向かふ列の中にゐる。張飛の名を呼んで、このつらい旅から救ひ出して、と嘆く。

まだ息のある人間を見つけて、玄徳はやうすを訊く。
そこではじめて、董卓が帝をつれて長安に向かつたことを知る玄徳。
すぐに本隊と連絡を取つて長安に向かはうといふ玄徳。

長安に向かふ馬上の董卓・李儒・呂布の姿で、今回はちよん。

脚本

田波靖男

初回登録日

2013/08/22

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