兵真&エンディア

ある日、兵真の部屋にエンディアが訪ねてきた。
そう珍しいことでもない。
エンディアはわからないことがあると
まず兵真に聞きに来ることが多かったからだ。
口調とは裏腹に意外と面倒見のいい兵真にエンディアは懐いていた。
……しかし、その日はいつもと微妙に違っていた。

「ねぇ、おなにーって何?」
「ぶっ!!」
飲んでいた物を噴出す兵真。
質問したのはエンディアだ。
「だ・・・誰がそんなこと吹き込みやがった!」
「疾風丸だよ。すごく気持ちいいって言ってたけど
どんなことなのか教えてくれなかったんだ」
「あ…あのアホ…」
「どんなことするの?」
自分がどんなことを言ってるのかわかっていないエンディアに
兵真は頭を抱えた。
「いや、あのな。お前にはまだ早いんだよ。
まだ知らなくていいんだよ。」
「そう…じゃあリィンに聞いてくるね」
「ま、待て!ちょっと待て!!」
「でも兵真も教えてくれないし…」
「いや、わかった!教えてやるからリィンに聞きに行くな!」

(く…教えるとは言っちまったがどうしたもんかな。
まぁこいつ頭良いから適当に説明しときゃ良いだろ)
ゴホンと咳払いをし、兵真はエンディアに説明を始める。
「あーつまりだな。自分の性器を(以下略)なことや(以下略)
な事をして溜まった性欲を解消する行為をオナニーって言うんだよ。
溜めとくと健康に悪影響が出るらしいしな。
けどお前の歳じゃそういうのは……」
「そうなんだ、じゃあやってみるね」
言うなりズボンを脱ぎだし行為を始めるエンディア。
「ばっ、おまっ、やめろ馬鹿!こんなところで始めるな!!」
うろたえて騒ぐ兵真を無視して自分の性器をこするエンディアだったが…

「ねぇ兵真。全然言ったとおりにならないよ?」
不思議そうな顔をしたエンディアがうろたえまくる兵真に尋ねる。
「いやだから!そういう問題じゃねぇんだよ!」
「ひょっとして嘘ついたの?」
エンディアが悲しげな表情を浮かべる。
「う…」
兵真はこの手の顔に弱い。
普段の悪態が嘘のように、泣かれでもしたら相手の言いなりだ。
「嘘は言ってねぇよ。なんつうかな…興奮する物があるわけでもねぇだろ?
性的に興奮しねぇと勃起しねぇだろうし。
あとはそうだな…好きな奴にしてもらうと気持ち良いとか何とか……」
「そうなんだ。う〜ん、じゃあ兵真にしてもらうと気持ちよくなるの?」
「な、何言い出しやがるんだお前は!大体俺はおと…」
「僕、兵真の事好きだよ?」
ニッコリと笑うエンディア。好きの意味が違うことにまったく気づいていない。
が、次の瞬間に笑顔が翳る。
「あ…ひょっとして兵真は僕のこと嫌いなんだね。
僕、この世界を存在させてきた元凶なんだし…」
「いや、嫌いじゃねーって!そういう事言ってるわけじゃなくて…
あーもう!わかったよ!やるよ!やりゃあいいんだろ!!」


──以下略
後ろから抱きかかえるようにしてエンディアのモノをしごく兵真。
「はぁ…はぁ…」
ペニスを勃起させ、エンディアが上気した顔に悩ましげな表情を浮かべている。
(深く考えるな俺、早くこの状況を終わらせねぇと…
こんなところ見っかったら洒落にならねぇ)
兵真は普段そんなに自慰をすることはない。
とはいっても思春期の少年だ。当然経験はある。
自分がやってて気持ち良い様に、エンディアの性器をこすりあげていく。
「兵真…なんか変だよ。なにか出そうだ」
目をつむったエンディアがうわごとのように兵真に囁く。
ペニスがビクビクと痙攣し、すでに限界が近いことを兵真にしらせる。
「いいんだよ。そのまま出しちまえ」
強めに先端を刷り上げた瞬間。
「あ…ダメだよ!でちゃう!うあ…ぁ…ああ」
  
ドピュッ、ドピュッ!……

エンディアは絶頂に達した。
激しく痙攣するペニスの先端から白い液体が放出されるのを
うつろな顔で眺めている。
「これが、オナニー…?」
「…いや、正確に言うとこれを全部一人でやるのがオナニーなんだけどな」
「そうなんだ…あれ?」
「ど、どうした?」
「これ……」
「げっ!馬鹿、やめろ!」
「兵真も性欲がたまってるの?」
「ん、んなわけねーだろ!」
「でも性欲がたまると勃起するんでしょ?」

性別が男とはいえリィンと同じ顔をした少年が目の前で喘ぎ、
しかも喘がせている原因が自分の手だったからそのせいで勃起してるなどとは
いくらなんでも言えない。
言えないのだが…
「うん!じゃあ今度は僕がしてあげるね」
「馬、馬鹿!やめろってば!!」
「…やっぱり僕嫌われて…」
「嫌ってねーよ!あーもうわけわかんねぇ!
わかったよ!もう好きにしてくれ!」


──以下略
兵真の前にしゃがみこみ、両手で一生懸命しごくエンディア。
「ねぇ、気持ちいい?」
「あ…あぁ」
ニコニコしながらエンディアが尋ねる。
対照的に視線を合わせず、口篭る兵真。
ただ、モノの方は本人の意思に反して隆々と反り返っていた。
「すごいなぁ、僕のより全然おっきいや」
(頼むからそういう事言わないでくれ…)
さっきはまだ後ろからだったが。今度は面と向かってる状態だ。
(クソッ、どうしてもこの顔見るとリィンを連想しちまう)
リィンを連想しているからだと思い込もうとする兵真だったが、
可愛い顔をした少年に自分のモノを擦られているという要素も
彼の勃起度に大きく影響している事に兵真本人は気づいていない。
(男にやられて出すのもアレだけど、
出さねぇとエンディアの奴納得しねぇだろうしな…クソッ)
そんなことを思いつつも体は正直に反応し、微妙に腰を突き出してしまう。
すると先端に生暖かく、柔らかい感触が…
「あっ」
「わ…わりぃ!」
すぐ傍に顔を近づけていたエンディアの唇に先端が接触した。
「いや…そのだな…」
「今口に当たったときにビクッてなったけど、
これって気持ちよかったんだよね?」
兵真の答えを待たずに躊躇いなく先端に唇をつけるエンディア。
口でされた事も当然無いチェリーボーイの兵真には強すぎる刺激だった。
「ん……ん……」
手と唇で献身的に兵真のモノを刺激するエンディア。
「う……うあッ…ヤ、ヤバ……」
兵真が無意識に腰を突き出すたび、微妙にエンディアの唇の中に先端が進入する。
柔らかい唇と一生懸命に動く手、
そして時折当たる髪の毛に容赦なく吹きかけられる息…
その快感とこの状況の背徳感に兵真の理性は崩壊寸前になっていった。
「ク……ダ、ダメだ。出る!エンディア、離れろ!」
「…え?」
 
 ドピュッ、ドピュルル!

勢いよく排出された大量の精子がエンディアの顔を汚す。
あどけない顔と片目が隠れる程に伸びた髪が白く染まってゆく。
「うわ……すごくいっぱい出た」
びっくりした表情を浮かべるエンディア。
(や……やっちまった。しかもよりによって男の顔に……)
目の前が真っ暗になる気分とはこの事を言うのだろう。
しかしこんな事は、これから始まる災難に比べれば大した事は無かった。



「……あー、兵真? あんさん何しとるんや?」
「うわー、なんか床がベトベトだね…」
「突っ込むとこが違うやろー!」
そこにはいつの間にか部屋の入り口に姿を現した疾風丸と雫の姿があった。
「お……お前らいつからそこに…」
「いや…つい今しがたやけどな…なんかすごいことになっとるなー。
普段からリィンやウルゼルはんに冷たくしとると思ったら、
まさかこっちの趣味やったとは……」
「これってさ、いわゆる”ぼーいずらぶ”ってやつ?」
「ち、違う!」
「いや、何が違うんや」

──状況整理
1.ジッパーからモノを出して突っ立ってる兵真
2.兵真の前にしゃがみこみ、顔に大量の精子を浴びたエンディア
3.床にも滴っている大量の精子。

「犯人はお前や」
「誰が犯人だ!大体これも元はといえばな!!」
「ねーエンちゃん。ここで何してたの?」
「えーと、兵真にオナニーの仕方を教えてもらってたんだよ」
「…………」
「…………」
「…………」

………長いようで短い沈黙。
「うわぁ〜!!みんな大変や〜〜!!兵真が、兵真が〜!!」
「もう、ちょうらぶらぶってかんじだよ〜〜〜!!」
「ま、待てお前ら! 誤解を拡げようとすんじゃねぇ!!」
「あの状況でな〜にが誤解や!」
喧騒を聞きつけて他の面々も現れる。
「いったい何の騒ぎですか?」
「どうしたの? まさか敵襲!?」
「おお、沖田はんミカはん。大変なんや、実は兵真がなー」

「……兵真さんがらぶらぶってなんですか?」
「リィンちゃんきいてよー、ひょうまがねー」

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


そんな騒ぎをよそに、
疲れたエンディアは兵真の布団に潜り込んでスヤスヤと眠ってましたとさ。
2008年03月05日(水) 02:46:31 Modified by chaoswars




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