ミカ陵辱

「んぶ、んぐうう、んあああ!!」

 突き破るつもりなのではないかと思うほど、喉を小突かれていた。長さ二十センチほどの、肉の槍である。青白い色の、鉄の芯を通してゴムで包んだような肉槍の先端からは青白く発光する先走りの汁がどろどろと零れ出し、
喉から胃の腑へと流れ込み、少女の体を中側から汚していた。
 自分の体の下にもぐりこんだ男の激しい突き上げに、がくがくと視界を揺らされながら、少女は両手でしごき、口で奉仕し、更には菊穴で包み込んでいる肉槍の逞しさと、氷でできているかの様な冷たさに、快楽の熱を奪われながら鳴いていた。
 掌におさまってしまいそうな小ぶりな胸。そのなだらかな丘を描く肉の丘の先端に色づく、小さく可愛らしい肉粒は痛々しいほどにそそり立っていた。心は抗っていても、体感じている快楽は、決して否定できるものではなかった。
 瑞々しい肌に包まれたしなやかな腰は、がっしりとした大男の手に掴まれ、灰と黒の入り混じった珍しい髪には白濁した液体がべったりとこびりつき、毛先から滴り落ち、雪の様な少女の肌に白い斑を描いている。
 大の男なら楽々と片手で握れてしまうほど華奢な両手には、少女の肉孔と菊穴を貫く肉槍に負けぬ猛々しさを誇る男が握られていた。
 びっしりと血管が浮き上がり、丸い亀頭の先にある鈴口から零れ出す精の液は、既に少女の五指を濡らし、それ自体が潤滑液となって少女の手の動きの滑らかさを手助けしていた。
 強い意志を輝かせていた暗い緑色の瞳には、今は半ばまで絶望と快楽が入り混じり、少女の鉄の意志が折れつつある事を証明していた。少女を囲む五つの異形の動きが速さを増す。
 いずれも逞しい体つきの、一糸まとわぬ裸体の男共であった。何より目を引くのは、その股からそそりたつ凶悪な肉槍と、赤のみで染まった瞳に、青白く燐光を放っているような肌であろう。
 オーグマン。まだ生きている人間に、高純度のシードという物質を投与する事で出来上がる半不死身の生物兵器である。元は人間であった名残なのか、生殖機能を備え、それは生前よりもはるかに凶暴に強化されているようだった。
 五体のオーグマンに凌辱されている少女――浅葱ミカを犯し始め、既に全員が五度は射精していると言うのに、そそりたつ肉棒の凶悪さはなえるどころかむしろ増しているかの様ではないか。
 どれだけ心が否定しても、強制的に引きずり出された雌の快楽がミカの体を支配し、二つの肉槍が絶えず出し入れを繰り返す双穴からは、
ミカ自身の体が分泌した白く濁った製の快楽を表す液が零れ出し、既にミカの膣にたっぷりと奥深くまで吐き出された雄の子種と絡みあい、オーグマン達の青白い体の中で、その性器だけを白く染めていた。

「んっふ、ふうんん、い、いやああ、もう、やめ、て……。壊れ、こわ、んあああ!?」

 薄い肉壁を挟んで自分の体の中で擦れ合い、肉壁をごりごりと押し上げている肉槍に、拒絶の声を中断されたミカは、激しさを増して口の中を冒す肉棒を噛みちぎる気力さえとうに涸れ果てて、雄の凶暴性を引きずり出す嬌声を、壊れたラジオの様に大音量で吐き出すのみ。
 この声だけで童貞など射精してしまいかねない。
 ドクン、とミカの体の中のシードが同胞たちの吐き出す子種に呼応してミカの体から快楽を強制的に引きずり出し、中からより性の悦楽に適した体に変えている。
 今のミカの体は、その全身、爪先から指先、耳、肌、鼻、瞼、髪の毛、尻、胸、乳首……ありとあらゆる部位が性感体そのものに変えられていた。
 先ほどから手首が痛くなるほどしごいていた二本の肉棒から、勢いよく噴き出た新たな汚辱の液を両の頬に受け、反射的に閉じた瞼までべっちゃりとかかった白濁の飛沫に、ミカは新たな悲鳴を上げた。

「いやあああ!!」

 悲鳴を挙げる薄い造りの唇目掛けて、引きだされた肉棒から新たな精液が噴き出し、両手の中でびくびくと元気よく跳ねていた肉棒も、それに刺激されたのか、新たな飛沫を勢いよく噴出させた。
 口の中に入り込んできた精液が、ぬるりと粘っこい感触で喉の奥に消えてゆくのを感じながら、ミカは絶望に心の中で啜り泣いた。

「どうして、こんな事に……」



切欠は、ミカが数人の仲間と受けたクエストだった。簡単な、それこそほんの二、三人で片づけられるような簡単なモンスター駆逐の依頼だった。
 だが、それが罠だと分ったのは、同行していた仲間達と引き離され、伏せていたオーグマン達に四肢を抑えつけられた時だった。

「ガリーノ!?」

 オーグマン達を用いる自分達の仇敵の名を叫ぶのと、ミカの意識が暗黒に堕ちたのは同時だった。目を覚ましたミカは、冷たいコンクリートの感触が頬に触れている事に気付き、目を覚ました。
 周囲には自分を捕まえたオーグマン。そして、目の前には小さなモニターが。そこに映し出された端正だが、人間味がごっそりと抜け落ちた金髪の男。

「ガリーノ、やっぱり貴方が」

『ずいぶんとチープな罠にかかったものだな。所詮、力だけの連中か』

「くっ」

 何か言い返したくとも、確かに罠と警戒せずにいた自分を否定する事は出来なかった。

『安心したまえ、君の命を奪うような真似はしない。ただ、ちょっとした実験に付き合ってもらいたい』

「実験?」

 ミカの脳裏が思い描いたのは、かつて屍十二の身に降りかかった凄惨な実験であった。生きたまま死人兵士やネクロライズ計画の技術の研究材料にされ、挙句にはわけのわからない生肉と共に捨てられたと言う。
 みるみると血の気を引いたミカの顔に何を見たのか、ガリーノは表情を崩さぬまま告げた。

『なに、簡単な事だ。オーグマンの生殖能力についての実験に協力してくれればいい』

「な!?」

『オーグマンと異世界人との交配実験のサンプルはご覧の通り揃っているのだが』

 モニターの中のガリーノが半分になり、そこに今回のクエストに同行していた仲間達の姿があった。オーグマンの股ぐらにそそり立った二本の肉槍に串刺しにされ、
六本の腕に乳房や首筋を好きなように捏ねまわされ、弄られているのはリィン。

「いや、いや、止めてください!!」

 大粒の瞳からボロボロと涙をこぼし、叫ぶ口にオーグマンの指が差し込まれ、拒絶の声さえ封じられる。白く汚れ切った秘所は、既にリィンが十回はオーグマンの精を受け入れたことを証明していた。

 後背位から腰を抱えられ、三メートルに届くのではないかと見える巨漢――ビヨンド・ザ・グレイヴさえ上回る最強の攻撃力を誇る死人兵士ファンゴラムの、
あまりに長くあまりに太い肉槍を、半分ほどしか受け入れる事ができず、抜き差しされる旅に犬のように舌を吐き出し、気死しそうになっているのはスルク。

「きああ、はああ、あぐうう、うち、が死んじゃう、壊れりゅうぅぅ」

 野の獣も怯むファンゴラムの叫びにかき消されるスルクの擦れた声。ファンゴラムが腰を抱えていなかったら、スルクの体は子供に振り回されるおもちゃのように跳ね跳んでいただろう。
 猛烈なファンゴラムの挿入に、スルクの熟れきっていない果実の様に可憐な尻は赤く腫れ上がり、この凌辱劇の時間の長さを物語っていた。

「貴方は……!!」

『他人の為に感情をあらわにするなど労力の無駄だとは思わないかね? さて、彼女らではなく君しかできないデータを残してほしいものだな。シードと共生する人間が、オーグマンと交配した場合、どのような結果になるのか。やれ』



 ガリーノの声に従い、仲間達の惨状に怒りをあらわにしていたミカの体に覆いかぶさった。悲鳴を挙げる間さえもなくミカの服は引きちぎられ、下着も瞬く間に剥ぎ取られてしまう。
 手足を拘束していなかったのは、ミカの抵抗が無力であると暗に告げるものだったのかもしれない。男の指も肉槍も知らぬミカの肌を、無骨なオーグマン共の指が奇妙なほど器用な手つきで繊細に撫でてゆく。

「んんう!」

『なに、乱雑に扱って貴重なサンプルが壊れては困るから、繊細に扱うよう厳命しておいた。存分に楽しんでくれたまえ。では私は用があるので失礼する。そうだな、二十時間ほどしたらまた見学に来るとしよう。では』

 それだけ告げてぶつんと切れたガリーノ。残されたミカは、仲間達が受けている凌辱の場面を見ずに済んだが、今度はその体を汚されなければならなかった。
 オーグマン化した事で明確な知性を失っているはずであったが、ガリーノの余計な技術の所為か、ミカを犯す五体のオーグマン達の技量は、極めて巧みだった。
 ゆっくりと首をもたげはじめた乳首をつつき、こすり、撫でまわす指の動きは繊細きわまり、男を知らぬミカの秘所を舐めまわし、ゆっくりと奥深くを発掘してゆく舌は良く動き、
それ自体が別の生き物のようにミカの自分自身も知らなかった弱点を発見し、丹念に攻め立てた。

(いや、いや、いや。助けて、助けてグレイヴ)

 心がどれだけ否定してもむりやり体の奥底、すべての細胞から引きずり出される快楽の渦の凄まじさに、ミカの自制心はあっと言う間に押し流されて、
指と舌にほぐされて潤んだ下半身は、知らぬ間に男を欲するように前後左右に動き始め、小さな胸の頂点でぽつんとある乳首は、ぷっくりと存在を主張し始めていた。

「ひうっ」

 ぬちゃりと音を立てて自分のうなじを舐めた舌に、気色の悪さよりも心地よさに反応したあえぎ声が零れた。身体は、快楽を受け入れ始めていた。

「もう、もうやめてぇ」

 体を丹念に快楽に蕩かされ、抗う心もすっかり衰弱したミカの声は弱弱しかった。だがそれは、果たして拒絶であったろうか。どこか、男の快楽神経を優しく撫でるような媚があった。
 力の入らなくなったミカのを体を横から伸びたオーグマンの腕が軽々と持ち上げ、床に寝そべったオーグマンの腰の上に移動させられる。ぼんやりとした視界に、自分めがけてそそり立つ青白い棒に気付いた時には、ミカの体は勢いよく真下に落とされていた。

「――――!!??」

 声にならない悲鳴が喉の奥で弾けた。重力に従って落ちた体を貫く凄まじい質量と衝撃。一気に脳天まで突き抜けた電撃のような痛み。確かに、それまであったものを破られ、その代わりに自分の体の中に確かに感じる、途方もなく存在感のある物体。
 それがなにか。それが何を意味するのか理解した時、ミカの脳裏には痛みよりも悲しみがよぎっていた。
 オーグマンの、成人男性のソレを一回りも二回りも上回る肉の槍が、一気にミカの子宮までを刺し貫いていた。

「う、あ、あああああ!!??」

 これまで感じた事がないほどの痛みと喪失感と、すでにくすぶり始めた快楽の火に気付き、瞳からボロボロと涙をこぼしながら、ミカは叫んでいた。
 オーグマンの腰が、ねっとりと動き始めても、ミカは抵抗しなかった。
2009年01月15日(木) 07:42:46 Modified by chaoswars




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