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18年12月21日 総会 議事録10

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○品川委員 2点申し上げます。何回も事務局には申し上げたのですが、私も先ほど浅利委員がおっしゃったことには全く同感でございます。あれだけいろいろな議論を交わしましたのに、どうして議論されたことがらが全体的にこのように薄まって出されてきたのだろうという事が残念でございます。

 と、申しますのも、私がこの資料を頂戴して、報道する立場でしたらどうだろうというふうに考えますと、おそらく、過去に出された提言等とどこが違うのかという印象を持つだろうと思うからです。せっかくタイトルには「社会総がかり」と書いてございますのに、具体性に欠け総がかり感があまりない。5番目に少し書いてあるだけです。私は1月の一次報告では、まずはグランドデザインを出していくことが大事だと考えます。

 先ほど渡邉委員もおっしゃっておられましたが、我々が何を提案していくか。それを受けて一人ひとりが考えていかなければいけないわけです。細かい制度ですとか9月入学ですとか、そういうことももちろん必要だとは思いますけれども、1次報告では、我々が子供たちを教育するときのゴールを明確にすべきだと考えます。どういう子供たちを育てていきたいのか、その子たちにどういうふうに生きてほしいのか、どうなって欲しいのかという、その視点を、グランドデザインとして明文化する必要があるだろうと考えます。

 例えば、最初の基本的な考え方のところでございますが「次世代を背負う子供や若者の育成にあります」とありますが、そういったことは当たり前の話でありまして、さらに踏み込んで、どういうふうに子供たちになってほしいのか、そこを具体的に書き込んでいく必要があると思うのです。と申しますのも、この骨子全体を読みましたときに、私には「何だ、再生会議はエリートの子供だけを視野にいれているのか」という印象を持たれかねないと危惧したからでございます。

 私が取材するような、今、陰山委員がおっしゃったような不登校の子供であるとか、勉強ができないとかできても学校になじまないとか、自傷したり、リスカしたり、非行少年になっていくような子供たちのこともちゃんと考えているよ、というようなことが伝わってこないのです。

 確かに1行、伸びない子、時間のかかる子は時間をかけて丁寧に指導するというようなことは書かれてございますけれども、申し訳ないのですが、はっきり申しまして取ってつけたような感じが否定できないのです。すべての子供を、個々の認知と学習スタイルの多様性に応じ、かつその将来の進路を見据えてニーズに応じて教育していくと明文化することが必要だと感じます。

 調査によりますと、今の中学生で「自分はほかの人々に劣らず価値がある」という問いに対して「イエス」と答えた子供は、日本にはたった8.8%しかいないんです。アメリカや中国では50%前後いるんですね。高校生についても「自分は何をやってもだめだと感じることがある」子が64%だったと思いますが、それくらいいるんですね。教育を語るとき、子供たちがおかれているそんな現状を考えていかなければならないと痛感しております。

 ぜひ、子供の視点に立った提案にしていただきたい。今ある骨子案は、指導する側、あるいは行政側の視点だと私は考えます。そうではなくてすべての子供の視点に立ったものにしていただきたいのです。

 先日も申し上げましたが、アメリカにはNo Child Left Behind Act がありますし、イギリスだって、Education For All という概念が浸透しています。フィンランドの教育がいいのも、すべての子供をドロップアウトさせないという精神が定着している点です。いずれもそういった姿勢をはっきりと打ち出しているところがいいのです。再生会議が出す報告書も、ぜひこの視点、すべての子供のための教育、すべての子供のための教育権と成長発達権を保障するという視点を言語化していただきたいと思います。

○小宮山委員 私には川勝さんのおっしゃったのが非常にすっきり来ました。書き方に関して、葛西さんが、こっちの方がパンチがあるのだとおっしゃるなら、それでもよろしいのですけれども、この報告が何なのかこの位置づけが大事だと思います。課題に対する答えをパンチある形で出すものなのか。まだ、そこまでの合意はできていないと思うのです。

 議論もなされていないと思います。例えば教育委員会の現状に、大いに問題があるということはほとんどの方が合意されているのだと思います。でも教育委員会を見直すと書くのか、廃止すると書くのか、そこはまだ分からないわけです。だから、そういうグランドデザインを書いたんだということを明確にするべきです。

 ゆとり教育も、詰め込みとの兼ね合いでどうするのだという議論があって、ゆとり教育に問題が大いにあって見直すのだと、これはかなりの方が合意されたんだと思いますけれども、じゃあ時間数を増やすのかというと、私は少なくとも合意していないですよ。時間数を増やして、子供をこれ以上管理するという視点が私には不安でたまらない。この一次報告は、方向性とグランドデザインを示すのであって、具体的な対応というのは、これからこの後、議論することであると私は思っています。

 一方で、いじめや未履修などの問題に対して短期の対応が必要なら、それはそれとしてやるべきですが、その対処も、絆創膏を貼るような方法から、教員の質を上げて、そういう問題が起こらないようにしていくというグランドデザインの問題まであるわけです。教育再生というのだから、グランドデザインなしにあり得ないと思います。私はそれをやっているかと思っています。

 1 つは、あと、細かい話で大変恐縮なんですが、「国際水準」という言葉が二度出てまいります。中嶋さんが言ったスタンダードは別ですが、国際水準というのは途上国の発想だと私は思います。それほど日本の教育は遅れていない。教育の遅れた国が、資源もない国が、日本の今の状況まで成長し得ないと思います。

 国際水準に合わせようとか、国際水準に達しようという表現が、2か所出てきています。野依先生と「プロジェクトX」には大賛成ですけれども、それの持っていき方に関して、遅れているから追いつこう、どこに遅れていて、どこよりは勝っているのだという話や、その表現に「国際水準」という言葉を使うのには、私はあまり賛成しません。書きぶりとして言葉を入れるべきではないということです。

○野依座長 それは高等教育につきましても、分野によって随分違うと思いますし、小谷委員。

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2007年07月12日(木) 07:20:18 Modified by ID:SZr/rNamGQ




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