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19年3月9日 第3分科会 議事録10

議事録1         10 11 12 13 14 15


○中嶋副主査 今の実質化も含めてなんですけれども、一方では私のIDAの論文の冒頭にも書いたように、大学院の院生の質が非常に落ちているんです。大学院全入時代が近く来るのではないかと思われるぐらい、重点化で枠を広げたために逆に誰でも入れるようになってしまった。しかも、中できちんと教育しないという非常に悲惨な……。

○小宮山委員 東大でもそういう議論をしていますよ。東大でも少し定員を減らそうかと言っている部分も出てきています。

○川勝主査 量を増やして、確かに東大の質は落ちましたね。それでは、これは一応中身の議論というよりも、プロジェクトを立ち上げるということでございますが、野依座長の御提案及び委員の先生方、若干ではございましたけれども、御意見をいただきました。検討チームを設けまして、大学・大学院改革について検討を進めさせていただきたいと存じます。また、検討チームの審議の状況につきましては、適宜御報告をいただくこととさせていただきます。よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と声あり)

○川勝主査 続きまして、小宮山委員から増大する先端知に対応した教育内容・教員養成の在り方について、資料の御提出をいただいておりますので、御説明をお願いいたします。

○小宮山委員 では、ちょっと時間をいただいて説明させていただきます。資料3です。実は教科書を持ってきていますが、これは全部検定を通っていない教科書ですけれども、大変いい教科書なので回します。それから、今、門川委員がとられたものは、東大で去年4月に発行した理科系の学生向けの生命科学の教科書です。またこちらは今度の4月に間もなく出る生命科学に進学する学生のための大学の教科書です。これを、外国人の来客に紹介すると、こんなものができたのかと驚きます。そういったような教科書を少し持ってきていますので、見ていただればと思います。

 私は、教育院構想について、どんどん矮小化されている点を危惧しているところですが、これは社会総がかりで教育再生を実践するトータルな仕組みの提案です。1ページを見ていただきますと、第1次の報告の大きな5項目、教育内容の改革と教員の質と社会システムと社会総がかりと実践という5点について、1、2の教育内容と教員の質を視野に置きつつ、3、4、5も同時に可能にするシステムを提案していると考えております。

 2ページです。ゆとり教育の見直しということを我々は掲げたわけですけれども、これは詰め込みに戻さないということ、途中で申し上げたんですが、報告からは消えましたけれども、私はとても重要だと思っています。この図で太さと長さが時間だと考えますと、ゆとり教育などのいろいろな状況があって、やはり時間がずっと減ってきているんです。それを総合的な学習の時間というのが、全体の創造性とか子供の能力をより伸ばすための全体を関係付けるものとして提案されているのですが、これが余りうまくいっていない場合が多い。ゆとり教育というのは悪いことではない、目的は正しいんだという議論と、実態が失敗したじゃないかという議論は、私はここに本質があると思っております。これを昔に戻すというのでは何にもならない。時間数を 100時間増やしたところ、国語を何時間にしようか、理科を何時間にしようかとか取り合いになるだけで、そんな議論は意味がないと思います。

 私たちは新しい教育、これはよくスパイラルアップというように言われますが、教科が相互に関連しながら全体の能力が伸びていくというような仕掛けをつくらなくてはいけないんだと思います。そのための教員、そのための教材が中心になっております。

 3ページですが、まず教育現場のさまざまな課題には、学力の低下、いじめ等個への対応の困難、「教育院構想」のこれにはアスペルガーなどの話も含まれるでしょう。それから、改革の伝達が文部科学省、教育委員会、学校というように一方通行であって、細くて長くて切れるという問題などがあります。その原因は、1つは教員集団の均質化・閉鎖性ということにあります。例えば、理科の先生の集団とか、算数の先生の集団。しかも、小学校の集団、中学校の集団とブツブツに切れて、その周りに指導要領をつくる方がおられたり、教科書をつくるグループがいたりといったような形で、非常に細かく分散しております。

 それから、専門性の欠如、科目と学年に縛られて硬直化した教科内容も問題です。指導要領には大して書いていないんだけれども、検定を経ると、教科書が金太郎あめになるわけです。それらの解決の鍵は何かというのが右側で、我々が何度も議論したように、結局、教員の質、いい教員をどうやってつくるかということにつきます。それに加えて、教育内容をどうするかという問題、これらを総合的に取り組んで実現させる仕組みとして、教育院というものを提案しております。

 4ページ目。教育院は基本的に3つの要素、教員養成と研究と教員の研修という3つ部分から成り立っておりまして、どこかにこれを備えた集中的な組織をつくるというのは、今日本では現実的ではないのではないか。むしろ分散型でつくる、場合によっては東京都近辺あるいは道州制の単位ぐらいごとに1つの塊が、しかも、その中でも分散しながらできていくというようなことを考えています。例えば、東京だったら東京大学で研究部門を受け持って、何とか大学で養成、何とか大学と何とか教育委員会が共同して研修をやるというような形です。ポイントは連携を本当に緊密にとること。線で引くのは簡単ですが、本当に連携するというのは大変なことです。


議事録1         10 11 12 13 14 15

2007年05月25日(金) 12:34:33 Modified by nipponkamoshjka




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