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19年3月9日 第3分科会 議事録12

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 教員も保護者も企業も何とかかんとか言いながら全く教育にコミットしていないんですよ。さっきから言っている大学の社会連携というのは、企業インターンシップだと思います。企業サイドでインターンシップをやっても役立たないとか、インターンシップで学生をとっても就職に来ないとか言われますが、そんなことはどうでもいいんですよ。これは企業の責任。ただ、企業も今どう責任を果たしたらいいかわからないんですが、今言ったような環境ができれば、企業もそれなら自分たちは地域の小学校にこういう人を派遣できるというような形がとれて、初めて社会総がかりが実現します。社会総がかりなんて言っているだけではしようがない。そのための仕組みという、できやすくなる環境をつくらないとしようがないんです。これが、私が矮小化しないでくれと言う意味であります。

 それから、白石委員がお金の話をしないでいいの、と仰いましたが、たかが金なんですけれども、最後は金です。教育再生と人にお金をつけるというのはイノベーション 25でも言っているわけですよ。若者に金を投入しようと。本当に私は大事なポイントだと思います。やはり、お金を最後にどうするか。大体大雑把にいくと、いきなりこれだけ掛かるわけではないけれども、例えば、教育院に参加していろいろ教材をつくったりしていく人たちを大体バーッとやると1年間 200億円ぐらいですね。それから、理科の専科教員、これは今 20%ぐらい6年生だと入っています。主として中学校の先生が非常勤で来ていたりしているんですよ。要するに小学校が困っていて、理科の教育ができないんですよ。だから、そういう形で対応しているんだけれども、ここにやはり理科の専科教員を育てて入れるというのをやると、大体2万 5,000の小学校全部に1人ずつ入れると考えて、国庫負担が3分の1だということを考えると 600億円ぐらいです。だから、3分の2を地域が負担すると考えると、1,800億円とかそういうオーダー。

 それから、学校の評価をするんでしょう。小学校の評価をするというのも、するすると言っているのはいいけれども、評価される方は大変なんですよ。大学だって評価には相当疲弊していますよ。小学校は事務職員がほとんどいないから、評価資料をつくるのは結局先生がつくるんでしょう。その分どうするんですかと。だから、評価をやるなら事務職員を増員してあげるとか、あるいはアウトソーシングの支援をするというようなことが必要です。

 何をやるべきだ、何をやるべきだはいいんだけれども、やったら何が起こるのかということをよく考えてシミュレーションしないと失敗すると言っているのはそういう意味もあります。

 でき上がりイメージは1年1兆円増ですよ。それぐらいのお金を教育再生というからには注ぐべき。これは、横に科学技術投資は5年間で 25兆円という目標を掲げましたね。あれと対応してもそんなにおかしな額ではないと考えます。

 これをやるのにそんなに制度改革は要らないんですが、例えば、検定を廃止しろとか過激なことを言うことはできるんだけれども、そんなことは現実的ではない。例えば、今のこれはいい教科書ですよ。これは算数の教科書なんですが、これは全然検定なんか通らない。だけれども、左側を見ると難しい漢字にルビが振ってあるんです。右側には振っていないわけです。こっちは自習ができる教科書です。これを使ったところは国語の力が伸びているんです。それから、子供がどんどん自習できる。今の算数の授業というと、塾で勉強したりしてできる子というのはつまらないからボーッとしているんですよ。黒板に先生に書かれたって、練習させてくれなければできない子はできないですからね。両方不幸な状況になっているじゃないですか。そんなにひどくはないかもしれないけれども、極端にするとそういうところがあるわけですよね。これをやらせると自習していくから、できる子ができない子に教えるということができる。これこそ社会をつくっていくということの基本を教えることになるわけです。

 それから、「頑張れ図工の時間」という企画が、図工の教師たちと芸大の宮田学長とうちの原島教授で進められており、私はビデオだけで参加する予定です。図工というのは極めて大切な創造教育です。そういうものがどんどん減っていくわけでしょう。それで、九九ができない、九九もやらせなくてはいけないけれども、九九ができないからといって学芸会を削っている。学芸会というのはロールプレイですよ。日本に一番欠けているのはロールプレイじゃないですか。だから、ディスカッションができない。弁護士と検事の立場に立って議論していって、途中で変えてしまうんです。立場が変わったらどうやって議論するのと。そのスタートが例えば学芸会でしょう。そういうところがどんどんなくなって、国語と社会になっていいんですか。そうじゃないでしょう。やはりそれらをどうやって両立させるか、そのための教材と先生をどうやってつくっていくか。それを社会がどうやって支えるか、そのため基盤をつくるということが不可欠だと思います。

 最後の 12ページですが、これが教育院構想の全体です。それから、今お配りした高校の教科書というのは遺伝が入っているんですよ。当たり前ですよね。だけれども、今の高校生はひどいですよ。中学では遺伝という言葉は検定教科書に出てこないでしょう。高校に入ったって下手したら聞かないですよ。物理、化学、生物、地学の中で遺伝が出てくるのは生物だけだから。それから、理科総合A、理科総合B、基礎理科というのがあるんですが、その中で遺伝が出てくるのは理科総合Bだけですから。今はもうメンデルの法則よりも、中学の3年生にDNAを教えた方がよほどわかりやすいわけで、先端の知識というのはものすごく変わっている。

 しかし、今のままでは教科調査官のグループが指導要領をつくっていますから、今までの 100時間の時間を 90時間にしろと言われたら、イオンを減らす、遺伝をなくそうということになるわけです。そこに、ガラリと変わってDNAから入れてしまいなさいよと言うことは、やはり先端の知とリンクしなかったらできないことなんです。ここを教科調査官もなくしたシステムにしようと言ってもできないから、私が提案するのは、まずこういういいものをどんどんつくってしまおうと。それで、準認定教科書ぐらいにできればいいと思う。こういう教科書は今、全部持ち出しなんです。検定を通っていないから。そういうものを準認定教科書ぐらいで認めるシステムをつくって、実態的にいいものを入れていくと。そのうち徐々に検定の仕組み等も変わっていくぐらいのことをやる方が、私は現実的だと思います。

 この緑の部分は東京大学が既に着手しています。それで、ほかの4つぐらいの大学の学長とは学長レベルで一緒にやりましょうと。今度、白石委員のところに行くつもりですけれども。

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2007年05月25日(金) 12:38:05 Modified by nipponkamoshjka




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