ずんだアイスだ、走れ
最終更新：
komekouji42786 2024年08月26日(月) 10:38:34履歴
作者 米コウジ 
「オラァッ！虫のくせに人間のふりなんてしてんじゃねーぞ！」
不良たちに囲まれ、暴行を受けているのは緑色の髪をした幼児だ。その頭にはおよそ人間とは思えない枝豆のような房がついている。
「い…いちゃい…やめちぇよう…」
「おいおい、血が出てんぜ。これ以上は遊びじゃなくなっちまう。」
「そうだな。じゃあおうちさん(笑)ぶっ壊して帰ろうぜ！」
「ダメぇ！」
幼児…人型ずんだもんの制止を笑い飛ばし、不良たちはダンボールを川に投げ込もうとする。その時、キラキラしたものがいくつか落下した。
「なんだこれ？小銭だわ。」
「んだよ、ジュースも買えねぇ額じゃん。」
「ぼくの…お金さん、とっちゃダメ！」
ずんだもんは顔を真っ赤にしながら飛び掛かるが簡単に蹴り飛ばされてしまう。
「テメエのじゃねーだろ！人間様のもんだろうが！」
みぞおちに靴を押し付けられずんだもんはうめき声をあげることしかできない。
「まぁ待てよ。こいつがドロボーでもさ、俺らまで同じになんなくても良いじゃん？おい、お前使い方わかるのか？これで何が欲しいんだ？」
ずんだもんは痛みの続く腹に力を込めて必死に答えた。
「お…お金しゃん…ずんだアイス、買うのだ…」
「すげーな、頭いいじゃん。じゃあさ、これ見ろよ。1、0、0で百円だ。これとお前のジャラ銭でずんだアイス買えんじゃねーの？」
「ひゃ…百円なのだ！？」
「欲しいか？」
「…欲しいのだ！」
「じゃあさ…そこの犬の糞。食えよ。」
ずんだもんの顔から微かにあった喜びの色が消え、涙を溜めて不良を睨む。
「食えよ。」
ずんだもんは今までの経験から何をすれば痛みが最小限になるかをなんとなく掴んでいた。
それに今回はご褒美だってある。
今日は絶対にお金が必要だ。
不良と糞を交互に見ると、彼は一思いに糞を掴み齧った。
「おえぇ！…ぅおえええ！」
いちゃもんをつけられないように深く噛みついた喉奥から、これまで感じたことのない不快感が込み上げる。
「うわ…まじかよドン引きだわ見てらんねぇ帰ろうぜ。」
そそくさと退いていく不良たちにずんだもんは決死で叫ぶ。
「ひゃくえん！ひゃくええええええん！」
喉から血が出るほどのがなり声が周囲に響く。
「あークソ！やるからついてくんな！」
不良が投げた硬貨はずんだもんの横を通り抜け川に落ちた。
「ぼくの！ぼくのなの！」
振り返った勢いのままずんだもんも落ちていった。
───────────────────
「100円と…お風呂…おせんたくなのだ！」
硬貨を握りしめて上機嫌なずんだもんはニコニコと笑みを浮かべて、濡れた服をコンクリートの地面に広げた。
35℃を超える今日の気温で端から乾いていくが、その悪臭までもが消えるわけではない。
「おひさまさん7回♪めたんちゃんの誕生日♪」
天涯孤独のずんだもんは虐められるだけではなく、たまに優しくしてくれる人とも出会っていた。
歌の中の“めたんちゃん”もその1人だ。
ずんだもんは彼女に公園で体を洗ってもらってから大好きになっていた。
最後に会った時彼女はこう言っていた。
「来週末…うーん、そうね。おひさまさんが7回登ったら私の誕生日なの。その日は家族と予定があってここには来れないのだわ。ごめんね。」
今日は“7回目”。手元にはいっぱいのお金。
彼女がいつかくれたずんだアイスを今度はぼくがプレゼントするんだ。と思いながら乾いていく服の横で肛門を日光に晒してニヤッと笑った。
あにゃる日光浴のパワーが頂点に達したあとずんだもんはテキパキと服を着て小銭をかき集めた。
ああ、このズボンの横の穴はお金さんを入れるものだったのか。
人型に変化した時にいつのまにか現れた服の機能に気づくほど今日のずんだもんは冴えていた。
「準備バッチリなのだ！」
よれた服、半径5mに広がる異臭を纏いずんだもんは和菓子屋さんに旅立った。
───────────────────────
めたんちゃんとの思い出を頼りにずんだもんは進む。
記憶の道とは少し違って見えるがめたんちゃんとの大好きな時間は鮮明だった。
最初は歌を口ずさんでいたずんだもんも流石に道行く人の視線に気付き顔を赤らめ俯いていた。
ぼくはなんで他のずんだもんとも人間とも違った姿なんだろう。なんでみんなぼくを見ると嫌な顔をするんだろう。
疑問に囚われそうになるずんだもんを救うのはやはりめたんちゃんだ。
彼女の喜ぶ顔、感謝の言葉、そして飼いずんになって！という勧誘。
(ずんだアイスさえ渡せば、めたんちゃんの誕生日さえ祝えれば、ぼくのずん生はとってもちあわちぇ！)
───────────────────────
1時間ほど歩いたずんだもんはようやく和菓子屋さんにつくことができた。
ずんだもんが店に近づくとそれまで笑顔でお餅やお茶を楽しんでいた外の席のお客さんは顔を歪めて離れていく。
外に開けたテイクアウト用レジで構える店員さんもこっちに来るなと祈るばかりだ。
「和菓子屋さん！これ！お金いっぱいだよう？…ずんだアイスくーださいな！」
ずけずけと子供用の踏み台に上がったずんだもんはカウンターに小銭をばら撒いた。
店員は一瞬思考するも揉め事を起こすより、ずんだアイスのオペレーションに掛かる1分間を耐えることを選んだ。
普段の癖でありがとうやまた来てねなどと言っては他のお客さんがどう思うか、店員はなるべく沈黙を保ちながらずんだアイスを作り手渡した。
「ふわあ！とってもおいちそうなのだ！ありがとうなのだ！」
ずんだもんはようやくずんだアイスを手に入れることができた。
これであとはめたんちゃんのおうちに行くだけ。
おうちは昔こっそりついて行って知っている。
ずんだもんなりにもし自分がアイスを食べたくなっちゃったらどうしようなどと悩んでいたが、鼻の奥の便臭は欲求を打ち消すのに十分だった。
───────────────────────
「おひさまさん7回♪めたんちゃん誕生日♪」
ずんだもんの唇には歌が戻っていた。
アイスは早く食べないと溶けてしまう。
ずんだもんは妖精だった頃の飛行のように前傾になり全速力で走った。
道行く人の驚く声も車のクラクションも彼の耳には届かない。
めたんちゃんに会いたい。めたんちゃんに会いたい。
その気持ちだけが足を動かし頭が役割を失ったころ彼は目的地に着く直前に通りがかりの男にぶつかってしまった。
ずんだアイスは勢いのまま男のズボンに飛び散る。
「…おい、お前クソ虫。何我がもの顔で人間様の街を走り回ってんだよ。」
男の低い声が響くがずんだもんの耳には届かない。
彼の頭には障害にぶつかってアイスを届けられないという悲しみしかない。
「うえええん！めたんちゃんごめんなさいいい！」
泣き叫ぶずんだもんの顔をいきなり硬い靴底が踏みつけた。
「ごばっ！」
「お前、この緑のなんだよ。クソ虫のクソか？クリーニング代の何万分の一の価値しかねえ虫が人様に迷惑かけんじゃねえ！」
不良のいじめとは違う、殺意まじりの暴力が次々にずんだもんの体に沈み込む。
「やゔぇ…ぼぐ…アイしゅを…」
「クソが！テメエの血で汚れが増えるじゃねえか！あぁ！死ぬなら誰にも見られねぇとこで死ね！」
わずかに気が晴れた男はとどめを刺すことで生まれるゴミへの責任から逃れるため離れて行った。
───────────────────────
「めだんちゃ…ぼぐ…ぼく…」
ずんだもんはもはや死を待つばかりであったがめたんちゃんに会いたい。めたんちゃんに会いたい。めたんちゃんと…したい。
気持ちだけを燃料に前に進み続ける。
そしてやっと彼女のおうちさんが見えたのだ。
「ずんちゃん、ごめんね。暑すぎてまだ初めてのお散歩は無理そうだわ。」
「めたんちゃんはそんなこと気にしなくていいのだ！今日ぼくはめたんちゃんの誕生日プレゼントになれてとってもちあわちぇなのだ！」
「ふふっずんちゃん本当にかわいいわね。さぁおうちに入りましょうか。」
大好きなめたんちゃんと知らないずんだもんが話してる。
どうして？そこはぼくの場所のはずなのに。
───────────────────────
「めだんちゃ…んじょう…おめで…」
人型が絞り出した声に妖精が気づく。
「ひっひい！めたんちゃん！バ…バケモノなのだ！僕らに近づくなぁ！」
めたんを守るように前に出た妖精を彼女は抑える。
「ずんちゃん！大丈夫！お部屋に戻ろう？」
促しながら彼女は玄関のドアを閉めた。
一瞥すらされなかった。
その後めたんの父がゴミ袋で人型を回収して役所に電話するまでの間、いつ息を引き取ったのかは誰も知らない。
────────────────────
「ずんちゃん、いきなり変のもの見せちゃってごめんね。」
「ぼ…ぼくは平気なのだ。それよりめたんちゃんの方が心配なのだ。」
「うん…ああいうの苦手だから何かいる！ってわかった瞬間から見てなかったのよね。本当は危険なものがあったらずんちゃんを守らなきゃいけないのに…」
「めたんちゃん！今日はめたんちゃんの誕生日なのだ！ちょっと躓いても楽しさは変わらないのだ！」
「ふふっありがとう！そうだ！お散歩できるようになったらね、合わせたい子がいるの。その子はずんだもんなんだけど人間みたいな姿でね…」
不良たちに囲まれ、暴行を受けているのは緑色の髪をした幼児だ。その頭にはおよそ人間とは思えない枝豆のような房がついている。
「い…いちゃい…やめちぇよう…」
「おいおい、血が出てんぜ。これ以上は遊びじゃなくなっちまう。」
「そうだな。じゃあおうちさん(笑)ぶっ壊して帰ろうぜ！」
「ダメぇ！」
幼児…人型ずんだもんの制止を笑い飛ばし、不良たちはダンボールを川に投げ込もうとする。その時、キラキラしたものがいくつか落下した。
「なんだこれ？小銭だわ。」
「んだよ、ジュースも買えねぇ額じゃん。」
「ぼくの…お金さん、とっちゃダメ！」
ずんだもんは顔を真っ赤にしながら飛び掛かるが簡単に蹴り飛ばされてしまう。
「テメエのじゃねーだろ！人間様のもんだろうが！」
みぞおちに靴を押し付けられずんだもんはうめき声をあげることしかできない。
「まぁ待てよ。こいつがドロボーでもさ、俺らまで同じになんなくても良いじゃん？おい、お前使い方わかるのか？これで何が欲しいんだ？」
ずんだもんは痛みの続く腹に力を込めて必死に答えた。
「お…お金しゃん…ずんだアイス、買うのだ…」
「すげーな、頭いいじゃん。じゃあさ、これ見ろよ。1、0、0で百円だ。これとお前のジャラ銭でずんだアイス買えんじゃねーの？」
「ひゃ…百円なのだ！？」
「欲しいか？」
「…欲しいのだ！」
「じゃあさ…そこの犬の糞。食えよ。」
ずんだもんの顔から微かにあった喜びの色が消え、涙を溜めて不良を睨む。
「食えよ。」
ずんだもんは今までの経験から何をすれば痛みが最小限になるかをなんとなく掴んでいた。
それに今回はご褒美だってある。
今日は絶対にお金が必要だ。
不良と糞を交互に見ると、彼は一思いに糞を掴み齧った。
「おえぇ！…ぅおえええ！」
いちゃもんをつけられないように深く噛みついた喉奥から、これまで感じたことのない不快感が込み上げる。
「うわ…まじかよドン引きだわ見てらんねぇ帰ろうぜ。」
そそくさと退いていく不良たちにずんだもんは決死で叫ぶ。
「ひゃくえん！ひゃくええええええん！」
喉から血が出るほどのがなり声が周囲に響く。
「あークソ！やるからついてくんな！」
不良が投げた硬貨はずんだもんの横を通り抜け川に落ちた。
「ぼくの！ぼくのなの！」
振り返った勢いのままずんだもんも落ちていった。
───────────────────
「100円と…お風呂…おせんたくなのだ！」
硬貨を握りしめて上機嫌なずんだもんはニコニコと笑みを浮かべて、濡れた服をコンクリートの地面に広げた。
35℃を超える今日の気温で端から乾いていくが、その悪臭までもが消えるわけではない。
「おひさまさん7回♪めたんちゃんの誕生日♪」
天涯孤独のずんだもんは虐められるだけではなく、たまに優しくしてくれる人とも出会っていた。
歌の中の“めたんちゃん”もその1人だ。
ずんだもんは彼女に公園で体を洗ってもらってから大好きになっていた。
最後に会った時彼女はこう言っていた。
「来週末…うーん、そうね。おひさまさんが7回登ったら私の誕生日なの。その日は家族と予定があってここには来れないのだわ。ごめんね。」
今日は“7回目”。手元にはいっぱいのお金。
彼女がいつかくれたずんだアイスを今度はぼくがプレゼントするんだ。と思いながら乾いていく服の横で肛門を日光に晒してニヤッと笑った。
あにゃる日光浴のパワーが頂点に達したあとずんだもんはテキパキと服を着て小銭をかき集めた。
ああ、このズボンの横の穴はお金さんを入れるものだったのか。
人型に変化した時にいつのまにか現れた服の機能に気づくほど今日のずんだもんは冴えていた。
「準備バッチリなのだ！」
よれた服、半径5mに広がる異臭を纏いずんだもんは和菓子屋さんに旅立った。
───────────────────────
めたんちゃんとの思い出を頼りにずんだもんは進む。
記憶の道とは少し違って見えるがめたんちゃんとの大好きな時間は鮮明だった。
最初は歌を口ずさんでいたずんだもんも流石に道行く人の視線に気付き顔を赤らめ俯いていた。
ぼくはなんで他のずんだもんとも人間とも違った姿なんだろう。なんでみんなぼくを見ると嫌な顔をするんだろう。
疑問に囚われそうになるずんだもんを救うのはやはりめたんちゃんだ。
彼女の喜ぶ顔、感謝の言葉、そして飼いずんになって！という勧誘。
(ずんだアイスさえ渡せば、めたんちゃんの誕生日さえ祝えれば、ぼくのずん生はとってもちあわちぇ！)
───────────────────────
1時間ほど歩いたずんだもんはようやく和菓子屋さんにつくことができた。
ずんだもんが店に近づくとそれまで笑顔でお餅やお茶を楽しんでいた外の席のお客さんは顔を歪めて離れていく。
外に開けたテイクアウト用レジで構える店員さんもこっちに来るなと祈るばかりだ。
「和菓子屋さん！これ！お金いっぱいだよう？…ずんだアイスくーださいな！」
ずけずけと子供用の踏み台に上がったずんだもんはカウンターに小銭をばら撒いた。
店員は一瞬思考するも揉め事を起こすより、ずんだアイスのオペレーションに掛かる1分間を耐えることを選んだ。
普段の癖でありがとうやまた来てねなどと言っては他のお客さんがどう思うか、店員はなるべく沈黙を保ちながらずんだアイスを作り手渡した。
「ふわあ！とってもおいちそうなのだ！ありがとうなのだ！」
ずんだもんはようやくずんだアイスを手に入れることができた。
これであとはめたんちゃんのおうちに行くだけ。
おうちは昔こっそりついて行って知っている。
ずんだもんなりにもし自分がアイスを食べたくなっちゃったらどうしようなどと悩んでいたが、鼻の奥の便臭は欲求を打ち消すのに十分だった。
───────────────────────
「おひさまさん7回♪めたんちゃん誕生日♪」
ずんだもんの唇には歌が戻っていた。
アイスは早く食べないと溶けてしまう。
ずんだもんは妖精だった頃の飛行のように前傾になり全速力で走った。
道行く人の驚く声も車のクラクションも彼の耳には届かない。
めたんちゃんに会いたい。めたんちゃんに会いたい。
その気持ちだけが足を動かし頭が役割を失ったころ彼は目的地に着く直前に通りがかりの男にぶつかってしまった。
ずんだアイスは勢いのまま男のズボンに飛び散る。
「…おい、お前クソ虫。何我がもの顔で人間様の街を走り回ってんだよ。」
男の低い声が響くがずんだもんの耳には届かない。
彼の頭には障害にぶつかってアイスを届けられないという悲しみしかない。
「うえええん！めたんちゃんごめんなさいいい！」
泣き叫ぶずんだもんの顔をいきなり硬い靴底が踏みつけた。
「ごばっ！」
「お前、この緑のなんだよ。クソ虫のクソか？クリーニング代の何万分の一の価値しかねえ虫が人様に迷惑かけんじゃねえ！」
不良のいじめとは違う、殺意まじりの暴力が次々にずんだもんの体に沈み込む。
「やゔぇ…ぼぐ…アイしゅを…」
「クソが！テメエの血で汚れが増えるじゃねえか！あぁ！死ぬなら誰にも見られねぇとこで死ね！」
わずかに気が晴れた男はとどめを刺すことで生まれるゴミへの責任から逃れるため離れて行った。
───────────────────────
「めだんちゃ…ぼぐ…ぼく…」
ずんだもんはもはや死を待つばかりであったがめたんちゃんに会いたい。めたんちゃんに会いたい。めたんちゃんと…したい。
気持ちだけを燃料に前に進み続ける。
そしてやっと彼女のおうちさんが見えたのだ。
「ずんちゃん、ごめんね。暑すぎてまだ初めてのお散歩は無理そうだわ。」
「めたんちゃんはそんなこと気にしなくていいのだ！今日ぼくはめたんちゃんの誕生日プレゼントになれてとってもちあわちぇなのだ！」
「ふふっずんちゃん本当にかわいいわね。さぁおうちに入りましょうか。」
大好きなめたんちゃんと知らないずんだもんが話してる。
どうして？そこはぼくの場所のはずなのに。
───────────────────────
「めだんちゃ…んじょう…おめで…」
人型が絞り出した声に妖精が気づく。
「ひっひい！めたんちゃん！バ…バケモノなのだ！僕らに近づくなぁ！」
めたんを守るように前に出た妖精を彼女は抑える。
「ずんちゃん！大丈夫！お部屋に戻ろう？」
促しながら彼女は玄関のドアを閉めた。
一瞥すらされなかった。
その後めたんの父がゴミ袋で人型を回収して役所に電話するまでの間、いつ息を引き取ったのかは誰も知らない。
────────────────────
「ずんちゃん、いきなり変のもの見せちゃってごめんね。」
「ぼ…ぼくは平気なのだ。それよりめたんちゃんの方が心配なのだ。」
「うん…ああいうの苦手だから何かいる！ってわかった瞬間から見てなかったのよね。本当は危険なものがあったらずんちゃんを守らなきゃいけないのに…」
「めたんちゃん！今日はめたんちゃんの誕生日なのだ！ちょっと躓いても楽しさは変わらないのだ！」
「ふふっありがとう！そうだ！お散歩できるようになったらね、合わせたい子がいるの。その子はずんだもんなんだけど人間みたいな姿でね…」
あとがき
タグ
このページへのコメント
ところでこの小説の趣旨とは一切違いますけどホームレス個体が存在する程度にはありふれてるってことは
一人くらい貰っても……いいよね？
いいけど病原菌の塊だがどうやって回収する気なんだ？
そのままじゃまともに触れんし頭から薬剤かけるか熱湯に突っ込むなりせんと庭に置いとくことすら危険だと思うぞ・・・
↑
そりゃもちろんとびきり可愛くて良い子を選んで病院(動物病院？)に連れて来ましょう！
まあ現実問題汚い可能性も考えると妖精個体を拉致して繁殖させまくってリセマラするのが一番衛生面も良さげかな
まあフィクションなんだから雑菌のことは考えるのはよしとしましょう！
悪臭ってあるからいざとなったら拾う気全く起きそう
にしても目的はさておいて人型拾うのは変な噂立ちそうで
デメリットの方がデカそうだ
個人的に緑髪キャラ自体が好きだし🔍ずんだもん イラスト で可愛い画像調べていつも癒されてます
最後・・・
さっきの「バケモノ」が「ずんちゃんに合わせたかった子」なんだよなぁｗ
不良にボコられて犬の糞食わされたことが更なる虐につながって、そうまでして頑張った「そもそもの動機（めたんちゃん）」には・・・
お辛ぁい・・・
不良からお金貰えてずんだアイスも買えるなんて恵まれてますね()
めたんちゃんのために犬の糞食べてずんだアイス買ったのに…オチが最高でした。
ずんだもんの癖に"めたんちゃんと…したい。"なんて太え野郎だ。
人型は人権が人権が保障されている話ばかりのにずんだ虫みたいに虐待フルボッコされる話は珍しいですよね(あにゃる日光浴で興奮しますた！)
人権が適用されない幼児……元・妖精たるその生きざまを快く思わない人たちも存在するようで……「人ならざるもの」に対して人々が抱く嫌悪感の表現がゾクゾクしました！
視野の狭さと欲望。自身にとって都合の良い現実さえも他の妖精に「奪われた」人型……その絶望は計り知れませんね……