たそがれ
最終更新：
spacezunda581 2024年08月25日(日) 17:42:32履歴
ずん虐小説 たそがれ 
パート1
【2038.1.20】
アパート近くの路上でサイレンの音がうるさく聞こえたが、飼いずんのずん吉はベッドの上で眠ったまま、動かなくなった。
玄関のチャイムが鳴らされても、白と緑の身体はぴくりとも動かない。
ベッドの上で冷たくなったずん吉を、先ほど帰ってきた飼い主はただ見守る事しかできなかったのだ。
飼い主は駆けつけた人型ずんだもんの警官の質問に答えた。
『私が殺したようなものです』
飼い主はポケットの中にしまっていた太い針状のものを渡した。飼いずんの尻に深く突き刺さっていたものだ。彼女はそれを警察に差し出した。
『この世には得体のしれない者たちがいます』
『ずん吉が死んだのは私のせいです。もしヤツらの存在に気づいていればこんなことには...それが報いとなったんです。』
人型ずんの警官は首を横に振った。
【2038.1.21】
《ずんだもんライブハウス》
地方の寂れたゴーストタウンの一角にその建物は存在した。
中にいるのはモヒカン頭の男達。
『くそッ！今月はたった1匹しかヤれなかった！』
「仕方ねえだろ、10年以上前から監視が強化されてやがる。もう前みたいにはいかねえんだ」
《記録》
00年代、ヒトの遺伝子の突然変異により不可逆な異常攻撃衝動を持つヒト族の新種『ホモ・オニイザン』が生まれ、分岐する。
10年代、彼らの異常攻撃衝動を利用しようと試みるも失敗。彼らは自身達以外の生物を攻撃対象としていたのだ。
2025年、政府は人類の新種にあたる『鬼威惨』への変異プロセスを特定。指定の薬品を投与することにより症状の緩和を可能とした。
2030年、人型ずんだもんの人権が認められる。これによりヒトの多様性は爆発的に加速した。
2030年代、人型ずんだもんや探知ずんの活躍により『鬼威惨』の9割9分の【治療】に成功。彼らはまともに社会生活を送れることになる。
『そうだ...私の父親も政府に治療された！』
『俺の兄貴も治療された！ずんだ虫と人型を数百匹殺しただけで！！血も涙もねえ！』
『救いは...鬼威惨に救いはねえのか！？俺らこのまま、クソ人間と虫共にッ...!!』
「なあ...クラブ作らねえのだ？あの時のように」
1人の人型ずんだもんがそう話す。彼はかの伝説的施設、【ずんだもんクラブハウス】の創設者の1人だ。
「どうせこのまま死ぬくらいなら、最後にずんだ虫どもを派手に殺してやるのだ！」
アパート近くの路上でサイレンの音がうるさく聞こえたが、飼いずんのずん吉はベッドの上で眠ったまま、動かなくなった。
玄関のチャイムが鳴らされても、白と緑の身体はぴくりとも動かない。
ベッドの上で冷たくなったずん吉を、先ほど帰ってきた飼い主はただ見守る事しかできなかったのだ。
飼い主は駆けつけた人型ずんだもんの警官の質問に答えた。
『私が殺したようなものです』
飼い主はポケットの中にしまっていた太い針状のものを渡した。飼いずんの尻に深く突き刺さっていたものだ。彼女はそれを警察に差し出した。
『この世には得体のしれない者たちがいます』
『ずん吉が死んだのは私のせいです。もしヤツらの存在に気づいていればこんなことには...それが報いとなったんです。』
人型ずんの警官は首を横に振った。
【2038.1.21】
《ずんだもんライブハウス》
地方の寂れたゴーストタウンの一角にその建物は存在した。
中にいるのはモヒカン頭の男達。
『くそッ！今月はたった1匹しかヤれなかった！』
「仕方ねえだろ、10年以上前から監視が強化されてやがる。もう前みたいにはいかねえんだ」
《記録》
00年代、ヒトの遺伝子の突然変異により不可逆な異常攻撃衝動を持つヒト族の新種『ホモ・オニイザン』が生まれ、分岐する。
10年代、彼らの異常攻撃衝動を利用しようと試みるも失敗。彼らは自身達以外の生物を攻撃対象としていたのだ。
2025年、政府は人類の新種にあたる『鬼威惨』への変異プロセスを特定。指定の薬品を投与することにより症状の緩和を可能とした。
2030年、人型ずんだもんの人権が認められる。これによりヒトの多様性は爆発的に加速した。
2030年代、人型ずんだもんや探知ずんの活躍により『鬼威惨』の9割9分の【治療】に成功。彼らはまともに社会生活を送れることになる。
『そうだ...私の父親も政府に治療された！』
『俺の兄貴も治療された！ずんだ虫と人型を数百匹殺しただけで！！血も涙もねえ！』
『救いは...鬼威惨に救いはねえのか！？俺らこのまま、クソ人間と虫共にッ...!!』
「なあ...クラブ作らねえのだ？あの時のように」
1人の人型ずんだもんがそう話す。彼はかの伝説的施設、【ずんだもんクラブハウス】の創設者の1人だ。
「どうせこのまま死ぬくらいなら、最後にずんだ虫どもを派手に殺してやるのだ！」
パート２
【2038.1.19 AM3:00】
『どいつもこいつも異種族だの多様性だのなんだの...やんなるのだ。』
『ここ数十年は僕たちと人間さんだけの天下だったのに...狼獣人やら猫獣人やら...挙げ句の果てにはずんだ虫さえもが社会（おもて）に出てきやがったのだ。』
『そのせいで妖精共を甚振り尽くしてたボクたちは土地を追われいつのまにかこんな辺鄙な場所に...クソなのだ！』
『ああああ！！！前みたいにずんだ虫共をぶち殺したいのだあああ！！！』
《ライブハウス》内にて、人型ずんだもんのずん三郎は酔いながら叫ぶ。
「無茶言わないでくださいよ...今じゃ《規制》が強くなって異種族を故意に傷つけただけで即お縄です。ましてや殺したとあれば...」
「ったく...だれが人間さん達のストレス発散施設を作ってやったと思ってるのだ！？感謝の気持ちは...！？」
バチィ！
ずん三郎が感極まった瞬間、店が停電する。
《あ？なんなのだ......ああ、そういや今日だったのだ。【2038年問題】の日》
『ははっ、ここいらはずっと前に廃れた場所だ、コンピュータだって古いのしかない。仕方ないんです』
店員は店の電気を付け直す。
『...あ〜、思いついたのだ。確かここライブハウスだったのだ？機材はあるのだ？ならやってやるのだ。』
ずん三郎はライブハウスの2階から複数カセットを取り出す。
『コイツはかつて一世を風靡したずん虐アーティスト、【アンチ・タリナイ】氏の作品を記録したものなのだ。原物はとっくに絶版なのだ。』
『この音楽を現代で俺たちが歌い、旧時代ダークウェブブラウザ【地下牢】のSNSを通じて鬼威惨に伝えてやるのだ。』
『どいつもこいつも異種族だの多様性だのなんだの...やんなるのだ。』
『ここ数十年は僕たちと人間さんだけの天下だったのに...狼獣人やら猫獣人やら...挙げ句の果てにはずんだ虫さえもが社会（おもて）に出てきやがったのだ。』
『そのせいで妖精共を甚振り尽くしてたボクたちは土地を追われいつのまにかこんな辺鄙な場所に...クソなのだ！』
『ああああ！！！前みたいにずんだ虫共をぶち殺したいのだあああ！！！』
《ライブハウス》内にて、人型ずんだもんのずん三郎は酔いながら叫ぶ。
「無茶言わないでくださいよ...今じゃ《規制》が強くなって異種族を故意に傷つけただけで即お縄です。ましてや殺したとあれば...」
「ったく...だれが人間さん達のストレス発散施設を作ってやったと思ってるのだ！？感謝の気持ちは...！？」
バチィ！
ずん三郎が感極まった瞬間、店が停電する。
《あ？なんなのだ......ああ、そういや今日だったのだ。【2038年問題】の日》
『ははっ、ここいらはずっと前に廃れた場所だ、コンピュータだって古いのしかない。仕方ないんです』
店員は店の電気を付け直す。
『...あ〜、思いついたのだ。確かここライブハウスだったのだ？機材はあるのだ？ならやってやるのだ。』
ずん三郎はライブハウスの2階から複数カセットを取り出す。
『コイツはかつて一世を風靡したずん虐アーティスト、【アンチ・タリナイ】氏の作品を記録したものなのだ。原物はとっくに絶版なのだ。』
『この音楽を現代で俺たちが歌い、旧時代ダークウェブブラウザ【地下牢】のSNSを通じて鬼威惨に伝えてやるのだ。』
パート３
2038.1.22 AM12:00
ライブハウスの地下室にはスロットやビールサーバーなど、もう使われない物が散乱している。その奥にはドラムセットが配置されており、これだけはまるで昨日今日買った新品のように整備されている。
ドス ドス ドス
ずん三郎がバスドラムを踏み、鬼威惨が伸び上がってスタンドマイクにシャウトすると、鬼寧惨は頭をゆらゆらとさせながらギターを鳴らす。
『...よし、こんなもんなのだ。でもまだまだ。俺たちがやるのは真の芸術【ずん虐ミュージック】なのだ。何もかもが管理、統制される前の混沌とした頃のヤツなのだ。』
まずは一曲目、【Mochi Kojiki】なのだ！
《yai! kuchoninngenn!
bokurani bokurani zunnda mochi wo watasunoda! AAAAAAaaaaaaaaaaaaaa!》
《WATASUNODA!! WATASUNODA!!》
《AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！》
『よぅし！だいぶあったまって来たのだ！次は【ずんぽ切断狂奏曲】！いってみるのだ！！』
《mattekudasai! zunnpodakeha!》《zunnpodakeha! zunnpodakeha!》《aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!》
鬼威惨のデスボイスが地下室に響き渡る
《shown-na-… junnpo… bokuno junnpoga… 》《moo… hekoheko surukotoga dekinainoda… ko ro chi te ko ro chi te ko ro chi te ko ro chi te ko ro chi te》
『たまんねえのだ！！アンタ最高なのだ！！』
「...」
鬼威惨は声を張り上げながら回想する。ありし日の出来事を
（こんにちは、我々は妖精省多種族治安維持課の者です。貴方のお宅には遺伝子検査の通知を何度も送りました。しかし返信がないとの事でしたので、直接参りましたのだ。それではこれより検査を行いますのだ）
鬼威惨の幼少期、両親は変わったにんげんと話していた。緑髪のにんげんと、小豆色の髪のにんげんだ。
（《生体スキャンを開始しますのだ》）
緑髪のにんげんが銃のような者を自分に向けると、母親が庇う。
（《遺伝子異常を検知しました 種族 ホモ・オニイザンの確率 98%》）
『（逃げて！コタロウ！！）』
（《次のターゲットもスキャンします》）
（子も遺伝を受け継いでいる可能性が高い、母子もろとも確保するあん）
（はいのだ！）
小豆髪がそういうと、母は緑髪のにんげん達に捕まり、治療施設に連行された。
それからだ、地獄が始まったのは。
ライブハウスの地下室にはスロットやビールサーバーなど、もう使われない物が散乱している。その奥にはドラムセットが配置されており、これだけはまるで昨日今日買った新品のように整備されている。
ドス ドス ドス
ずん三郎がバスドラムを踏み、鬼威惨が伸び上がってスタンドマイクにシャウトすると、鬼寧惨は頭をゆらゆらとさせながらギターを鳴らす。
『...よし、こんなもんなのだ。でもまだまだ。俺たちがやるのは真の芸術【ずん虐ミュージック】なのだ。何もかもが管理、統制される前の混沌とした頃のヤツなのだ。』
まずは一曲目、【Mochi Kojiki】なのだ！
《yai! kuchoninngenn!
bokurani bokurani zunnda mochi wo watasunoda! AAAAAAaaaaaaaaaaaaaa!》
《WATASUNODA!! WATASUNODA!!》
《AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！》
『よぅし！だいぶあったまって来たのだ！次は【ずんぽ切断狂奏曲】！いってみるのだ！！』
《mattekudasai! zunnpodakeha!》《zunnpodakeha! zunnpodakeha!》《aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!》
鬼威惨のデスボイスが地下室に響き渡る
《shown-na-… junnpo… bokuno junnpoga… 》《moo… hekoheko surukotoga dekinainoda… ko ro chi te ko ro chi te ko ro chi te ko ro chi te ko ro chi te》
『たまんねえのだ！！アンタ最高なのだ！！』
「...」
鬼威惨は声を張り上げながら回想する。ありし日の出来事を
（こんにちは、我々は妖精省多種族治安維持課の者です。貴方のお宅には遺伝子検査の通知を何度も送りました。しかし返信がないとの事でしたので、直接参りましたのだ。それではこれより検査を行いますのだ）
鬼威惨の幼少期、両親は変わったにんげんと話していた。緑髪のにんげんと、小豆色の髪のにんげんだ。
（《生体スキャンを開始しますのだ》）
緑髪のにんげんが銃のような者を自分に向けると、母親が庇う。
（《遺伝子異常を検知しました 種族 ホモ・オニイザンの確率 98%》）
『（逃げて！コタロウ！！）』
（《次のターゲットもスキャンします》）
（子も遺伝を受け継いでいる可能性が高い、母子もろとも確保するあん）
（はいのだ！）
小豆髪がそういうと、母は緑髪のにんげん達に捕まり、治療施設に連行された。
それからだ、地獄が始まったのは。
パート４
素材等引用元
Anti_tarinai様 Riffusion制作
AI作曲『くちょにんげんに乞食したずんだ虫の末路』
『おちびちゃん！だめええええ！！』
『ずんぽ切断のテーマ1,2』
AI作曲『くちょにんげんに乞食したずんだ虫の末路』
『おちびちゃん！だめええええ！！』
『ずんぽ切断のテーマ1,2』
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このページへのコメント
多様性といいましても自滅も含まれると思うんですよ
これ食糧危機になるんじゃ？
たそがれって知的生命体そのものについてでは？
『鬼威惨』が（人工的に導かれたものだとしても）人類の新種とは、驚きの設定です！場合によっては、『イノベイター』として人類を導く存在になったかもしれなかったと……（？）
例の「クラブ」は、この鬱屈した近未来社会を照らす光となるのでしょうか！それとも……！？
鬼威惨達は破壊衝動がある生き物だから仕方ないとして人型ずんだもんくんはなぜ同族を殺すような真似を…？
なんかこうずん虐というか読者？に対して
冷水を浴びせる作品ちょくちょく出るね