チャプター 
『スモーキー・イン・ザ・Y.K. 前編』
『スモーキー・イン・ザ・Y.K. 後編』 ←本頁
お久しぶりです。けもです。
投稿期間が1週間ほど空いてしまい、申し訳ございませんでした…………
後半は、終焉パートとなります！
※この小説はフィクションであり、実在の人物･団体･事件とは一切関係ありません。また、特定の社会的立場の人々を揶揄する意図は一切ございません。
〜前編のおおまかなあらすじ〜
とある水彩画家の男が住む家。そこでは、1匹の妖精が働かされていた。
食べ物を盗もうと子ずんとともに侵入した結果、タバコの煙にやられてしまい、男に従い続けることで、何とか生き延びていたのである。
愛煙家の男によって、根性焼き等の制裁を毎日のように加えられる妖精だったが、ある日、男が家に連れ込んだ女と性行為をしている間、脱走のチャンスが巡ってくる。
子ずん2匹を連れたオス妖精が、妖精の縛られているベランダへと、舞い降りてきたのであった…………
本編
ぷつんっ！
「ほ、ほどけたのだ！」 「やっちゃーにょだ！」 「なわさん、やっちゅけたにょだ！」
「あ、ありがとう、のだ…………」
数分かけて、妖精は解放された。
このまま、まんまと逃げるのだろうか。
いや、その前に……………………
通りかかった妖精はオスで、居候の妖精はメス。
ひとたび妖精が出会ったら、始まることはひとつしかない。
ぱしっぱしっぱしっぱしっ！ ぱしっぱしっぱしっぱしっ！
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！ へこへこおおおおおおおおおおおおおおお！！」
「ずんぽ、ずんぽおおおおおおおおおおおおおおおお！！ いいのおおおおおおおおおおおおおおおお！！」
「にょーだにょだ！ ぱぱずん、かっこいーにょだ！」 「おちょーちょできりゅ、うれち、うれち！！」
凄まじい「へこへこ」が始まった。2匹の子ずんたちも、まるで新しいカップル成立を祝福するように、周りを飛び跳ねる。
「おとーちゃ！ おとーちゃ！ あたらしい、おかーちゃ？」
「そうちゃ！ まえのままずんは、しんじゃったけど、これが、あたらしいままずんなのだ！ へこへこおおお！！」
「えっ、う、うれしいのだ！ ぼくのまえのぱぱずんも、おちびちゃんもしんじゃったから、うれしいのだ！ へこへこへこへこおおおおおおおおおおお！！」
夫婦となった妖精の交尾は、何十分も続いた。
やがて、何度も精液を吐き出された妖精の胎内では、既に新しい命がうごめいていた。
「う、うまれりゅ、うまれりゅ！！」
「がんばるちゃ、ままずん！」 「ぎゃんばりぇ！ ぎゃんばりぇ！」 「おちょーちょ、いもーちょ！！」
ぽんっ！ ぶちゅうう…………
「ぁう………はぅ………」
「えっ………」 「にょだっ！？」 「ぃえ……」 「う、うそ、ちゃ…………」
ベランダの空気が、凍り付いた。
「ままずん」となった妖精のお尻から産み落とされたのが、俗に「たりない」と呼ばれる、妖精の奇形児であったからだ。
受動喫煙の影響は、疑いようもなかった。
だが、その原因を知る由もない「ぱぱずん」は、「ままずん」を激しく問い詰める。
「た、たりないなのだ！ ど、どうしてちゃ！ ままずん……」
「な、ないのだ…おててしゃんも、あんよしゃんも……ぼくが、かいぬししゃんの、たばこさんのけむりを、すってたから……」
「た、たばこさん？ ど、どういうことちゃ！ せつめいするのだ……」
しゃあっ！！
「うわっ、何か声が増えたと思ったら……いつの間にかツガイになって、いつの間にかガキこさえてやがる」
営みが終わったのか、下着を身に着けた男が、カーテンを開けて顔をしかめた。
「うわっ、く、くちょにんげん！ ままずんとおちびちゃんは、わたさないちゃ！ このたりないをあげるから、みのがすちゃ！」
「ぱ、ぱぱずん！ かいぬししゃんに、そんなこといっちゃ、だめちゃ！」
「えっ……か、かいぬし、しゃん…………？ ままずん、くちょにんげんに、ひどいことされてたんじゃ、なかったのだ？ どういうことちゃ、せつめいするのだ！」
「ぱぱずん」は、目の前の男と、ボロボロの「ままずん」を交互に見て、目を丸くする。
「どこの害獣か知らんが、お前……要らねえよ、そんなイモムシ………………そしてお前。入っていいぞって言おうと思ったが、やめだ。出ていけ…………もう、用済みだ」
「え…………」
幸福の絶頂から叩き落とされた妖精…………「ままずん」は、うろたえる。
新しい「ぱぱずん」が出来、やっと念願の「へこへこ」が出来たと思ったら、生まれて来たのは「たりない」で、しかももう、涼しい家の中には入れなくなってしまったのだから。
「い、いれるのだあああああ！！ ど、どんなことでも、するって、いったああああああああああああああああ！！」
「それは、てメーが俺に、だろ…………野生の害虫と勝手にガキこさえていいって誰が言ったよ？…………ホントならば全員ぶち殺してやりたいが、俺もさっきまでここでヤってたからな……殺しはしない」
男は、バツが悪そうに頭を掻くと、ソファで眠る女のもとへと戻る。最後に暴力を振るわなかったのは、彼なりの慈悲のつもりだった。
「かいぬししゃん！ あけちぇ！ あけちぇ！ ここはあちゅいから、くちゃくても、なかがいいのだあああああああああ！！」
「くちょにんげん！ あけろ！ あけろおおおおおおおおおお！！ おちびちゃんたちが、ねっちゅうしょうに、なっちゃうのだああああああ！！」
「あちゅい、あちゅいよおお！ おかーちゃ、おとーちゃ！」 「うぇーんうぇーん！ うぇーんうぇーん！」
妖精たちは立ち上がり、その短い前足で一斉に窓ガラスを叩き始めるが、ついに男が戻ってくることはなかった。
「はぅはぅ」
生まれ落ちた「たりない」は、自分の世話をして欲しいとばかりに生みの親へとすり寄るが、全く相手にされなかった。
外から聞こえる妖精たちの鳴き声をかき消すように、レコードプレイヤーをかける男。
♪I am an Antichrist♪ （俺はアンチ・クライストなんだ）
♪I am an anarchist♪ （俺はアナーキストなんだ）
♪Don’t know what I want but I know how to get it♪ （欲しいものなんて分からないが、手に入れる方法は分かってる）
♪I wanna destroy the passersby♪ （通りがかりのやつらをぶっ飛ばしたい）
♪’Cause I, I wanna be anarchy！♪ （だって俺は、俺はアナーキーにやってみたい！）
荒削りなサウンドに包まれながら、ソファで男と女はディープ・キスを交わす。
「んっ……やだ、お腹重い……私、赤ちゃん出来ちゃったかもしれない」
「嘘つけよ、早すぎる………あの妖精じゃあるまいし」
「ん〜ん。責任取ってね♡」
♪No dogsbody！♪ （利用されて、たまるか！！）
……………………
その日以来、男が妖精に話しかけることは、一切なくなった。
次の朝も、妖精たちはまだ太陽の照りつけるベランダにとどまり、食事が与えられる、もしくは迎え入れてもらえるのをしぶとく待っていた。
だが、男の「用済み」宣言どおり、妖精たちに食事が出ることは、なかった。
「せ〜んせっ！ ご飯だよぉ………ねえ起きて、ねえぇえ」
「…………あと1時間」
「起きないならぁ、フェラするよ？」
「うっ、やめてくれ、起きるから……」
あの女だけはずっと部屋にいて、終始、男にくっついてイチャコラサッサしていた。
そしてその光景を妖精たちに見せつけるように、わざとカーテンを半開きにしていた。
「おなかさん、すいたのだ……ぼくたちのごはんさん、ないちゃ……？ いらいらしてきたのだ…………」
「ご、ごはんさん！ ごはんさん！ ほ、ほちい、ほちい……そろそろげんかいなのだ……」
「おぎゃーおぎゃー！ おぎゃーおぎゃー！ ぺこぺこ！ ぺこぺこちゃああああああああ！！」
「うぇーんうぇーんうぇーんうぇーん！ ずんちゃのごはんしゃん、ずんちゃのごはんしゃん！ どこ、どこ？」
人間たちが食べ始めた美味しそうな目玉焼きを乗せたトーストを見て、妖精たちは半狂乱になった。特に「ぱぱずん」の連れ子2匹は、栄養失調で泣き喚き続けた。
それでも、妖精たちが頑なにベランダから出ていこうとしないのは、万にひとつもない「自分たちにとって都合の良い可能性」を信じ続けていたからである。
「はぅあ……うぁ……はぅはぅ」
あの「たりない」は、生まれてからまだ何も口にしていなかった。「ごはんさん」を求めて声を発するが、何も出て来ないのは他の妖精と一緒だった。
「のだっ？！ あ、あれはなんなのだ？」
「きっと、ぼくたちをおいだすための、ぶきなのだ……」
食事を終えた男と女は、けだるそうに煙を吐き出し始める。女が部屋に持ち込んでいたシーシャの形状を、妖精たちは恐れた。
「ネットで活動しててよかったね、先生？……先生が男で、しかもヤニカスだってバレたら、フォロワーもっともっと減るかもね〜？」
「……余計なお世話だ」
男の顔に白煙を吐き出しながら、無邪気に笑う女。男は紙タバコを咥えなおし、ぶっきらぼうにつぶやく。
男の水彩画の作風が大きく変化したことで、ネット上では、批判的なコメントが多数投稿され始めていたのである。
「評論家気取りの世間が、俺に何を期待してるのか知らないが……勝手に期待しておいて、勝手に幻滅するのは……………本当に見苦しい」
「このコメントとかすごいよ……“批判の声をしっかりと受け止めて、もっといい作品を作れ”…………だって」
「読み上げなくていい」
「ヤバいよね？」
「“自分にとって” もっと “都合の” いい作品を作れ……ということかもな」
「うっざ。先生のこと、何だと思ってるんだろ」
「勘違いが度を越えた、害虫みたいな人間が増えて来たんだろう」
「あぁ〜っ。あの妖精たちみたいな感じってこと？ ずっと先生のこと“かいぬししゃん”なんて呼んでたけど、先生には、最初からそんなつもりなかったんだ？」
「…………そうだな」
「きゃっ☆ ひどぉい！」
「きゃっ、じゃねえ」
男から酷い扱いを受けていた妖精は、屈辱感に苛まれながらも、どこか他の妖精に対する優越感を抱いていたのである。男のことを「かいぬししゃん」と呼ぶのも、その強い表れだろう。
だが、その認識は一方通行であった。男にとって、妖精とは、いてもいなくてもどうでも良い存在であった。
ただ、子ずんの吐瀉物、という接点が生まれただけの。
「ねえ先生、私……あの妖精たち追い払ってきていいかな？…………正直、飽きた」
「好きにしてくれ」
妖精たちは、なおも休まずに窓ガラスを叩き続けていた。おもむろにスリッパを持った女が、ベランダに向かって歩く。
がらがらっ！
「ずんちゃのごはんしゃん！ ずんちゃのごはんしゃん！ にょだにょだにょだにょだ！！」
「あっ」
女の脚の間を潜り抜け、1匹の子ずんが部屋の中に駆け込む。一直線に部屋を突っ切った子ずんは、偶然床にあった灰皿にたどり着くと、吸い殻を大量に口に詰め込んだ。
「ずんちゃのごはんしゃん！ ごはんしゃん……がぼおっ、おいち、おいちいぃぎいいいいぼおおおおおおおおおっ…………」
「おちびちゃん！ そんなもの、たべちゃ、だめええええええええええええええええええええっ！！」
吸い殻を口に入れるや否や、頭を激しく明滅させた子ずんを見て、慌てて「ぱぱずん」も部屋に侵入する…………
ぴしゃっ！！ ぐじゅううううっ！！
「だめええっげええええええええええええええええええええ！！……が……ぶう…………」
「うっわ」
女が慌てて窓ガラスを閉めたので、「ぱぱずん」は入り込む途中、窓枠に挟まれて体液を迸らせた。そしてそのまま、静かになる。
「にょ…………だ……………………」
吸い殻を食べた子ずんも、死んだ。灰皿が「ごはんしゃん」の皿に見えたのだろうが、何が食べられるかを判断するだけの能力は、備わっていなかったのだろう。
「おぎゃーおぎゃー！ おかーちゃ、おかーちゃ！！ たしゅけてほちいにょだああああ！！ きょわいにょだああああああ！！」
「お、おちびちゃん……い、いくのだ、にげるのだ！！」
ベランダにとどまっていた妖精は、生き残ったもう1匹の子ずんを抱きかかえて、飛び去った。
「あ、逃げた………よかった………あ、よくないか」
呆然と立ち尽くした女は、「ぱぱずん」の体液で汚れた窓ガラスを見てため息をつく。
「…………仕事を増やして申し訳ないが、掃除してくれないか」
「これからお口直しえっちしてくれるなら、掃除してあげる♡…………あ、まだイモムシ残ってるよ先生」
「はぅう？ うっ、うぁあ…………」
………ベランダには、ただ1匹の「たりない」。
妖精は、たとえ我が子であっても躊躇なく「たりない」を見捨てたのであった。
「育児放棄か……ここに置いて行かれても困るんだがな」
「うぁぁぁあ！！ はぅ！ はぅ！」 もぞもぞ……
「たりない」は、ベランダへ顔を出した男を見るや、その体を激しく胎動させ、興奮状態になった。
「……このイモムシ、先生のタバコが欲しいってよ？………知らないけど」
「物好きな妖精だな………………ううん、きっと…………俺のせいだろうな」 ぽいっ
「何のこと？ ほら、もうイモムシはいいから、早くヤろっ？ 先生♡」
男は、吸いかけのタバコを「たりない」の近くへ放った。そして、もはや「たりない」には興味を示していない女にせっつかれ、部屋の中に戻っていった…………
「はうぅううううう！！」
「たりない」は、激しく憤っていた。
どうして、自分は快適な場所で生まれて来られなかったのか。
どうして、自分のための、ごはんさんが出て来ないのか。
どうして、おかーちゃは、自分を置き去りにして行ってしまったのか。
どうして、自分は愛されないのか。
どうして、自分には、手足や尻尾がないのか。
今まさに自分の目の前にあらわれた、細長い生き物。
煙を吐き出しながらベランダに横たわる、細長い生き物…………
これこそが、自分をこんな体にした張本人であると、「たりない」は、本能的に感じ取った。
この生き物さえ、殺せば。
この生き物さえ、殺せば、自分の手足や尻尾は元に戻り、ごはんさんも出されて、おかーちゃも戻ってきて、涼しくて快適なおうちさんに、案内される。
自分は、本来そうあるべきとおりに、祝福を受ける。
「ぷきゅうううううううううううううううううううううううううううっ！！」
そう決めつけた「たりない」は、火のついたままのタバコに向かって精一杯、頬を膨らませて威嚇する。
だが、何の効果もなかった。それどころか、少し風が吹いたことで、先端から立ちのぼる副流煙が「たりない」の嗅覚を直に刺激した。
「はぅううううううぅ！！ わうううううううぅ！！」
攻撃を受けたと思い込んだ「たりない」は、細長い生き物に対する自分の優位性を示すため、真正面から襲い掛かった…………
…………時を同じくして。
子ずんを連れて逃げたはずのあの妖精は、空き缶の中に頭を突っ込んで、死んでいた。
たった1匹で。
……事の顛末はこうである。
子ずん1匹と「ぱぱずん」が立て続けに死んだことで、本格的に命の危機を察した妖精は、あの家からようやく逃げ出す決心がついたのであった。幸い、拘束は既に解かれていたので、逃走は容易だった。
子ずんを抱えた妖精は、フラフラと近くの公園に舞い降りた。何もかも、首尾よくいったかのように思えた。
「おぎゃーおぎゃー！ おぎゃーおぎゃー！ ごはんしゃん！ ごはんしゃん！ ごはんしゃんほしいいいいいいぃ！！」
生き残った子ずんは、地面に降ろされた途端にひっくり返り、四肢をばたつかせて泣き喚く。
本来、子ずんの泣き声を聞けば、親ずんは本能的に、その願いを叶えようと動くはずである。
だが、「ままずん」となった妖精にも、異変が起こっていた。
「はぁ……はっ、はっ、はっ、はっ……」
「おぎゃーおぎゃー！ おぎゃー！ おかーちゃ！ ぺこぺこ、ぺこぺこおおおおおおおお！！」
「はっ、はぁっ、はっ、はっ……」
子ずんはますます泣き声のボリュームを上げるが、妖精の体は大きく痙攣を始めていた。目は血走り、呼吸は速くなる。
「おぎゃ、おぎゃ！ なにやってるにょだ！ おかーちゃ！ はやく、ずんちゃのごはんしゃん！ もってくりゅにょだああああああああああああ！！」
「はぁああっ、はああああ……」
「どうちて、どうちてずんちゃのいうことが、きけないちゃああああ！！ さっきちんだおとーちゃは、すぐにごはんしゃんもってきてくれたのにいいいいい！！ この、くちょおやあああああああ！！」
「だまりぇえええええええええええええ！！ この、くちょちびいいいいいいいいいいいいいい！！」 ばしっ！
「にょだあああああああああああああああっ！！ いふゃああああ！！ おぎゃーおぎゃー！ おぎゃーおぎゃー！」
妖精が、子ずんを殴り飛ばす。そして、泣き喚く子ずんの首を、前足を使って絞め始めた。
「はっ、はっ、はっ、はっ、たばこさん、たばこさん、たばこさん、たばこさん……」 ぐぐぐぐ……
「うぎゅうううううう……が、がひゅ……くちょ、おゃ……おぎゃ、おぎゃ……くるち、ぐるぢいいぃっ！」 ぼぎっ！
苦しむ子ずんの首がガクッと落ちて静かになると、妖精は子ずんの死骸を放り捨て、再びフラフラと飛び始める。
明らかに、妖精の生態とはかけ離れた行動だ。子ずんを躊躇なく死骸に変えたのは、本当の自分の子どもではないからだろうか？
肉親と比較され、「くちょおや」と罵られたからだろうか？
「た、たばこさんのにおい！ あっちのだ、あっちのだ！ たばこさん、たばこさん！！はっ、はっ、はっ！」
……それよりも、もっと大きな理由があった。妖精は、「ヤニカス」である男の部屋に長い間居候していた結果、重度のニコチン依存症になっていたのである。
男の部屋から逃げ出したことでタバコの煙が途絶えてしまった状況下、空腹を訴える子ずんの止まない泣き声でイライラを蓄積させ、ついに殺すまでに至ったのだった。
風に乗って流れてくる微かなタバコのニオイを頼りに妖精がたどり着いたのは、吸い殻入れにされた空き缶であった。
「がぼぶっ………」
本能の赴くままに、大きく開かれた缶の切り口から顔を突っ込む妖精。
その体は、水に溶けた高濃度のニコチンに侵され、ひとたまりもなく死んだというわけである。
♪Don’t be told what you want to want to♪ （やりたいことなんて、教わるな）
♪And don’t be told what you want to need♪ （必要なものなんて、教わるな）
♪There’s no future, no future♪ （未来はない、未来なんてない）
♪No future for you♪ （未来はないんだ、お前には…………）
〜終〜
ここまで読んでいただきありがとうございます。大変長らくお待たせしてしまいました…………
投稿祭「ヘコリンピック」では、R-18G文章作品を2本くらい投稿出来ればと思っております！（進捗状況から目を背けながら…………）
どうぞ、ご期待くださいませ！！
けも
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このページへのコメント
妖精を乾燥させて細かく砕くか、筒の中に入れて棒状に乾燥させてから紙か葉で巻いて紙タバコや葉巻になるかなぁと考えましたが多分豆臭くて吸ったら１日分の気力がごっそり無くなりそう。
いや副流煙のほうがきついそう、バイオ兵器だこれ
こんなに効果あるならデカい禁煙パッチつければ即効でニコチン漬けになるから強制的に不妊になるのかも？
コメントありがとうございます。ミイラ妖精を砕く現場、すごく観てみたいです()
「たりない」を利用したパイプ等、表現が膨らみますね！
妖精の不妊治療（または奇形児オンリー）に新たなヒントが………！
「4」はダメなんだ「4」って数は
オレの周りに
いつだってあっちゃいけねー数だ・・・
コメントありがとうございます。ミスタさん！！（そういえばスタンドの名前がピストルズでしたね！）
ミスタが「4」を忌避する理由って、原作で何か言及在りましたっけ…………？？
４は縁起が悪いからセックスピストルズは４体以上居ますが４が抜けているんです。
本作も楽しめました
しっかし、曲がりなりにも家の中での恩恵を受けてたメスと違って一度も受けていないオスまで窓の外で待っているのは本当滑稽で仕方ありませんね
唯一タバコと関係のない死に方できただけマシもと言えなくもないけど…
コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで何よりです！！
他の個体が「しあわせ」を味わっているならば、自身もそうなって当然だと考えるのは、私の妖精像としてよくあらわれる行動原理です……
野良妖精の死に方だけ、少し悔いが残る表現となりました……せっかくだからタバコと絡められたら良かったですね！女のシーシャでどうにかされるとか………
折角の脱出劇も即ヘコヘコで全部無駄にｗｗｗ
しかし、この先生はせっかくの絵を台無しにした妖精をどうするでもなく、普通に（最低限とはいえ）世話してただけだったとは
って、先生ネカマだったのか・・・
という驚きで全部吹き飛んだ
ニコチン中毒と依存症でたりない出産やストレスによる狂暴化、果てはﾀﾋ・・・
鬼威惨、鬼寧惨向けの喫煙防止啓発活動ですかね？（ｽｯﾄﾎﾞｹ
投稿祭、期待してます！
コメントありがとうございます。妖精たちはいつも、自分で自分の首を絞めているようにも見えますね！
「先生」がネカマというより、ファンたちが勝手に女性だと思い込んでいるだけで、「先生」にくっついている女だけが真実を知っているといった感じです！
投稿祭、少し変な投稿ペースになってしまいますがご期待くださいませ！
『先生』の相手女性が蠱惑的でとても良いですね。物凄く魅力的に見えます。
用済み、出ていけと言われたのにベランダに居座り快適な部屋や餌をねだる様子が言葉の意味が通じてないのか、脳内の都合いい展開を信じ込んでいるのか…と哀れさすら覚えるナマモノですね。
生きながらえたのにアッサリとした末路も味わい深いです。
こらこら先生、ベランダに火の点いたタバコを放っては危ないですよ
コメントありがとうございます。どこか「汚れ」を知っている、人間的で魅力的なキャラクターは、祭屋様の作品リスペクトです！ 本当にいつもありがとうございます！
永遠なんてない、終わりは近い……パンク・ロックでよく歌われている内容にも似通っているものがありそうです！
「たりない」が（体を張って）消してくれると予想しての行動でしょうか！()