ペトロシアンのミット打ちを見ていたら少し思うことがあったので。
ただ仮説状態でなので信憑性は低く、単に読み物として読んで頂けると嬉しいです。
前半ではミドルキック、後半ではローキックを蹴っていますが、ここで両者の相違点に気づきました。
ミドルキックでは内側へ軸足を踏み出していますが、ローキックでは飛ぶようにして軸足を外側方向へ出しています。
ではこれが何を意味しているのか、少し考えてみました。
後に考えがまとまってから詳しく書こうと思っているのですが、蹴りを放つ際、上半身と下半身を相反する方向に回転させることで、全身の運動の連鎖を効率的に引き起こせます。すなわち強い蹴りが放てるということです。
つまり一般的に言われてる「蹴りを打つときに外側に踏み込め」という教えは、かなりの可能性で間違いであるのです。
なぜなら外側に踏み込んでしまうと、上半身の回転につられて下半身が上半身と同じ方向に回転してしまうので、運動の連鎖が起こらずに足の筋力に頼った蹴りになってしまうからです。
現にヨーセングライ、ペトロシアン、久保優太、日菜太など名だたる蹴りの名手こそ、ミドルキックではセオリーに反して軸足を内側方向へ踏み込んでいます。
例えば右のミドルを想定すると、上半身が左方向へ回転する一方で、軸足を内側方向へ踏み込むと下半身が右方向に回転するので、上半身と下半身の回転が逆行することで「うねり」が生じ、効率的な運動の連鎖を起こすことができます。
実際に上の動画でミドルキックを見てみると、確かにペトロシアンはミドルキックを放つ際に軸足を内側に踏み込んでいます。
しかし一方で、奥足のローキックを蹴るときには軸足を外側に飛ぶようにして踏み出しています。
(*ちなみに試合では奥足のローキックを蹴るときにも内側に踏み出しています)
先程、"一般的に言われてる「蹴りを打つときに外側に踏み込め」という教えは、かなりの可能性で間違い"と書きましたが、単なる間違えではなく「かなりの可能性で」間違いだとしたのは、外側に踏み込むメリットもあるからです。
そのメリットの一つとして、「軸が傾くことで、蹴り足側の半身が浮き上がる」ことがあります。
例えば右ローキックを想定し、左足に外側方向へ全身を預けると、軸が傾くとともに、右半身の筋肉が伸ばされて右足が自然と浮いてきます。
この状態からローキックの軌道になるよう体を回転させると、極めて自然な格好で打ち下ろすような軌道を描きます。
打ち下ろしのローキックは衝撃が逃げにくく、特に慣性の大きい外側からのローキックの威力を増幅させる効果があります。
つまりローキックにおいては外側に踏み込むことで打ち下ろしの軌道を描き、威力を増幅させることができるのです。
このメリットを享受すべく、ペトロシアンは奥足のローキックに限りこの蹴り方をしているのだと想像できますが、ではなぜ普通に踏み出すのではなく、飛ぶようにして軸足を前に放り出しているのでしょうか。
それは先程あげた外側に踏み込むデメリットを回避しているのだと考えています。
ペトロシアンが奥足のローキックを蹴るときに、蹴る前の地点と蹴ったあとの地点では大きく前方外側にずれています。
しかしながら飛び出しているベクトルはあくまで前方なのです。
前方に飛び出すことで、下半身が上半身の回転に迎合することを防いでいます。
そして宙に浮いていることで、上半身の回転によって体軸および、体の位置そのものを外側にずらすことを可能にしています。
仮に普通に真っ直ぐ踏み出しているだけならば、上半身を回転させても下半身にブレーキが掛かり、体軸や体の位置そのものが変わることがありません。
しかし宙に浮いているので、下半身のブレーキが存在せず、上半身の回転が体軸と体の位置を変えることが可能になっているのです。
そのためペトロシアンの奥足のローキックにおける踏み込みは外側に踏み込むメリットを享受する一方で、デメリットを回避することができる踏み込みではないかと考えられます。
しかし試合においてこの踏み込みを使わないのは、モーションが非常に大きくなり、ただでさえ蹴ることが難しい奥足ローキックを繰り出す障害をさらに大きくしてしまうためだと思います。
ただ仮説状態でなので信憑性は低く、単に読み物として読んで頂けると嬉しいです。
前半ではミドルキック、後半ではローキックを蹴っていますが、ここで両者の相違点に気づきました。
ミドルキックでは内側へ軸足を踏み出していますが、ローキックでは飛ぶようにして軸足を外側方向へ出しています。
ではこれが何を意味しているのか、少し考えてみました。
後に考えがまとまってから詳しく書こうと思っているのですが、蹴りを放つ際、上半身と下半身を相反する方向に回転させることで、全身の運動の連鎖を効率的に引き起こせます。すなわち強い蹴りが放てるということです。
つまり一般的に言われてる「蹴りを打つときに外側に踏み込め」という教えは、かなりの可能性で間違いであるのです。
なぜなら外側に踏み込んでしまうと、上半身の回転につられて下半身が上半身と同じ方向に回転してしまうので、運動の連鎖が起こらずに足の筋力に頼った蹴りになってしまうからです。
現にヨーセングライ、ペトロシアン、久保優太、日菜太など名だたる蹴りの名手こそ、ミドルキックではセオリーに反して軸足を内側方向へ踏み込んでいます。
例えば右のミドルを想定すると、上半身が左方向へ回転する一方で、軸足を内側方向へ踏み込むと下半身が右方向に回転するので、上半身と下半身の回転が逆行することで「うねり」が生じ、効率的な運動の連鎖を起こすことができます。
実際に上の動画でミドルキックを見てみると、確かにペトロシアンはミドルキックを放つ際に軸足を内側に踏み込んでいます。
しかし一方で、奥足のローキックを蹴るときには軸足を外側に飛ぶようにして踏み出しています。
(*ちなみに試合では奥足のローキックを蹴るときにも内側に踏み出しています)
先程、"一般的に言われてる「蹴りを打つときに外側に踏み込め」という教えは、かなりの可能性で間違い"と書きましたが、単なる間違えではなく「かなりの可能性で」間違いだとしたのは、外側に踏み込むメリットもあるからです。
そのメリットの一つとして、「軸が傾くことで、蹴り足側の半身が浮き上がる」ことがあります。
例えば右ローキックを想定し、左足に外側方向へ全身を預けると、軸が傾くとともに、右半身の筋肉が伸ばされて右足が自然と浮いてきます。
この状態からローキックの軌道になるよう体を回転させると、極めて自然な格好で打ち下ろすような軌道を描きます。
打ち下ろしのローキックは衝撃が逃げにくく、特に慣性の大きい外側からのローキックの威力を増幅させる効果があります。
つまりローキックにおいては外側に踏み込むことで打ち下ろしの軌道を描き、威力を増幅させることができるのです。
このメリットを享受すべく、ペトロシアンは奥足のローキックに限りこの蹴り方をしているのだと想像できますが、ではなぜ普通に踏み出すのではなく、飛ぶようにして軸足を前に放り出しているのでしょうか。
それは先程あげた外側に踏み込むデメリットを回避しているのだと考えています。
ペトロシアンが奥足のローキックを蹴るときに、蹴る前の地点と蹴ったあとの地点では大きく前方外側にずれています。
しかしながら飛び出しているベクトルはあくまで前方なのです。
前方に飛び出すことで、下半身が上半身の回転に迎合することを防いでいます。
そして宙に浮いていることで、上半身の回転によって体軸および、体の位置そのものを外側にずらすことを可能にしています。
仮に普通に真っ直ぐ踏み出しているだけならば、上半身を回転させても下半身にブレーキが掛かり、体軸や体の位置そのものが変わることがありません。
しかし宙に浮いているので、下半身のブレーキが存在せず、上半身の回転が体軸と体の位置を変えることが可能になっているのです。
そのためペトロシアンの奥足のローキックにおける踏み込みは外側に踏み込むメリットを享受する一方で、デメリットを回避することができる踏み込みではないかと考えられます。
しかし試合においてこの踏み込みを使わないのは、モーションが非常に大きくなり、ただでさえ蹴ることが難しい奥足ローキックを繰り出す障害をさらに大きくしてしまうためだと思います。
このページへのコメント
DIeWgN Im grateful for the article.Really looking forward to read more. Cool.
>AKIRAさん
>サウスポーなら右足を左斜め前方に(つま先の方向は右を向く形)踏み込むということでいいのでしょうか?
"サウスポーなら"というわけではなく、蹴りを効率よく放とうとした結果起こる現象です。
と言ってもこれは外観に過ぎないものなので、効率よく放つための要素を揃えて初めて成立します。
その「要素」については後日詳しく書く予定ですが、何分こちらも勉強中で、しっかり考えがまとまるにはそれなりに時間がかるかもしれません。
代わりと言ってはなんですが、何か個人的に聞きたいことがあれば、お気軽にメールでお問い合わせ下さいませ。もちろん私自身、全く以て大した競技者ではありませんが、それで良ければ快く承ります。
>現にヨーセングライ、ペトロシアン、久保優太、日菜太など名だたる蹴りの名手こそ、ミドルキックではセオリーに反して軸足を内側方向へ踏み込んでいます。
これはつまり、サウスポーなら右足を左斜め前方に(つま先の方向は右を向く形)踏み込むということでいいのでしょうか?
ペトロシアンは格闘技の歴史を確実に前に進めてますね。
この先駆者に勝てる相手など当分出てこないのではないかと思います