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＜動物コメント＞
◎外来生物学者　坂本 洋典

暗い闇の中、人気がないところで球形の光が見える現象は、天然ガスへの引火や放電現象、あるいは発光バクテリアがついた飛行生物など様々な原因によって起こり、日本の「ひとだま」をはじめ、世界中でいろいろな伝説の元になりました。その中で、古くからヨーロッパで語られてきたのがジャック・オー・ランタンの伝説で、ランタン持ちのジャックとも呼ばれます。広く知られたお話では、ジャックは悪知恵が働く男で、悪魔すらもだますことができたのですが、そのためにジャックは死後に、天国にも地獄にも行くことができず、地上を永遠にさまようことになってしまいました。そのジャックが片手に下げて道を照らす灯りがジャック・オー・ランタンです。

それがハロウィンのかぼちゃのランタンになった理由は諸説ありますが、ハロウィンの夜は悪魔が解放されるため、ジャックなどの悪霊や、悪魔を避けるために怖い顔を彫ったランタンが作られました。元々、ヨーロッパではカブで作られていましたが、カボチャの原産地であるアメリカにこの文化がもたらされ、ハロウィンのカボチャのランタンができあがったとされます。ちなみに、日本に最初にカボチャが持ち込まれたときには、ポルトガル人が「カンボジア由来の作物」として紹介したのが訛って、カボチャという名前になったという話があります。

（２０２０年１０月公開）