今週はゲームアップデート後ですが、新たに登場したエレファント駆逐戦車のスキン「ハイテクハウスの兎」をご紹介します。
このスキンでは主役のポーシャの他に、ポーシャのロボペットの鉄屑象もいます。この名前を聞いて思わず笑ってしまったミリタリーファンも多いのではないでしょうか(Ps.中国のミリタリーファンの間ではフェルディナント博士はその音の響きと史実から「废铁男」(鉄屑男:中国語の発音でフェイ・ティエ・ナンとフェルディナントと似ていることから)と呼ばれている)。
それと注意深い指揮官らは気づいているでしょうが、ジャンボやウキュウのような戦車の砲塔をボディとするロボペットと異なり、鉄屑象はポーシャの舞装で構成されています。まるで聖闘士星矢の聖衣のようです。さらにこの鉄屑象の身体には歴史上あまり知られていない2つの改良案が隠されているのです。
1つ目は鉄屑象の鼻の部分です。私の記憶では、エレファントは2019年に一部強化されており、210mm榴弾砲が追加され、いくつか榴弾が追加されていたはずです。当時、とあるプレイヤーからこの砲の由来について質問があり、園長が個人的に答えていました。ですが今回、スキン実装の機会に正式な回答を申し上げたいと思います。
まずエレファントに210mm臼砲を搭載するという改良案についてですが、これはペーパープランに過ぎない案だったのは確かです。園長によると戦車研究家のシュピールベルガー(Walter J. Spielberger)の著書『ティーガー戦車とその発展型』(Tiger & King Tiger Tanks and their Variants)からの情報なので、信憑性は比較的高いと思われます。
同書によると、この計画は1942年9月にドイツ国防軍上層部から提出されたもので、ティーガー(P)シャーシにフランスから鹵獲した210mm迫撃砲を搭載して突撃砲への改造を検討していました。ですが同年10月、「戦車のことなら誰よりよく知っている」総統が、軍の要求はIV号のシャーシを「ブルムベア突撃砲」に改造すれば十分であると判断し、同年11月には90輌のティーガー(P)シャーシ全てを「フェルディナント駆逐戦車」に改造することを決定しました。それにより210mm臼砲搭載案は中止となりました。
この計画案は知名度が低いですが、それでも後にディープな軍事マニアの間では話題となり、専門家によって3Dモデル化されたこともあります。またあちらのWで始まる某大型オンラインゲームに登場するドイツツリーのTier8の架空自走砲「G.W. Tiger(P)」はこの計画から派生したものだという噂もあります。
さて、2つ目は屑鉄象の鼻の下の傾斜車体です。今回の強化ではエレファントもフェルディナントも新たに「チルト車体」を手に入れました。これが示す事実は明らかで、エレファントタイプ史上に傾斜車体案が発見されたということです。情報提供してくださった級友グリレンバーグさんに感謝します。
図面に記されたサインから、この計画案はアルケット社が提出したものと思われます。彼らが後に設計したIV号戦車/70(A)を参考にすると、今回のこの改造案は「フェルディナント/エレファント駆逐戦車(A)」とでもいう名称となるだろうか。側面の透視図を見るとこの案がシャーシを交換するのではなく、元々の車体正面装甲上にそのまま斜めに配置された装甲板を溶接していることが分かります。それにより跳弾率が増加し、基礎防御値も大幅に向上するというわけです。また、主砲の横に機銃用の発射孔があるのも特筆すべき点です。
アルケット案がポルシェ案より格段にセンスが良いのは明らかでしたが、同社はIII号突撃砲の生産に追われていたため、結局改良作業はポルシェとクルップに任され、おなじみの形に仕上がりました。ですが機関銃が装着されなかった事から、その後の戦いでは大きな損失を被りました(鉄屑男博士が殴りかかってきた。他の人の設計も見て!!)。
それから今回の衣装の着想は級友グリレンバーグさん(ハンドルネーム:格里伦贝格)の提供によるものです。彼は戦車資料を深く研究しており、また絵を描くのも好んでいます。普段、ポーシャとユラの姉妹をよく描かれています。(訳注:百度で鋼鉄のワルツのSDイラストを投稿している。→https://tieba.baidu.com/p/7007167800)
下のこの絵は2020年後半に描かれたもので、園長がそれを気に入って今回のスキンをデザインしたのだそうです。
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