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三度姿を変えた驚異の火砲——S-23自走砲 2021-05-29 10:38:36


今日紹介するのは火砲鋼舞姫で、彼女の多彩な経歴は伝説的です!呂布に恥をかかせ、劉備なら配下に声をかけさせるに違い有りません。
この火砲は中国吉林省に隣接する謎の国(みんな知ってる)で生まれたもので、その国独自に開発された170mm自走砲なのですが、これまでその制式名称は外国には知られていませんでした。1978年に同国南東部の谷山(コクサン)地区で発見された際、『命名の鬼才』であるアメリカの軍事専門家らは指を鳴らし『M-1978 谷山』というコードネームを与えました。

M-1978谷山は車体に中国の59式中戦車を採用しており、主砲には自国開発の170mm砲を搭載、噂ではソ連の沿岸砲やドイツのK18榴弾砲を参考にして開発されたようです。その砲弾射程は43kmにも達する驚異的なもので、射程を第一指標として開発された物でした。ただしこの砲は開放型のレイアウトのため砲手の保護はなされておらず、安全性に非常に難がありました。
それはさておき、彼女の砲撃は本当に遠くまで飛ぶんです!!


最初のオーナーチェンジ
1980年、イラン・イラク戦争が勃発し、イランもイラクも武器を購入するため様々な国と接触していました。80年代の戦争にも関わらず、双方とも依然とした第二次大戦期の直線的で平面的なドクトリンを採っていたため、多くの戦線が膠着状態となっていたのです。そこでイランはその謎の国から谷山火砲を多数購入し、その射程の優位性にてイラクが使用していたGHN45榴弾砲を圧倒しました。更にロケット弾の採用により射程を60kmまで伸ばし、当時としては世界トップレベルの射程距離を実現しましたが、それはイラン軍の自信にはつながらなかったようです。
やっぱり彼女、撃ちすぎちゃうんで!!!


2回目のオーナーチェンジ
それからしばらく後、維持されていた戦線がイラク軍に突破され、谷山砲の一部がイラク軍の手に落ちてしまいました。イラク軍は谷山砲を前にして興奮を隠せませんでした。当時彼らはソ連が廃棄したS-23 180mm榴弾砲を持っており、その自走砲化が狙えるとすれば改造しない理由がありません。
このS-23榴弾砲、元々はキーロフ級巡洋艦の艦砲として使用されていたもので、50年代に老朽化したB-4 203mm榴弾砲を置き換えるために、開発した牽引式重砲で、銃口に古典的な胡椒瓶型マズルブレーキがされています。ですがこの砲は鈍重で操作するのに16人の兵と、牽引するのに専用の重砲用トレーラーを必要としたため、60年代に2S7ピオン自走砲が開発されると、S-23は全て淘汰されてしまいました。
イラク軍のS-23の自走砲化は全体としてかなり上手くいきました。操作がやや複雑で、操作がやや遅く、精度もやや劣るものの編成に組み入られました。
やっぱり彼女の砲撃は遠くまで届きますね!!!


3回目のオーナーチェンジ
それから10年以上の後、アメリカとイラクの戦いが繰り広げられました。2008年、アメリカ海兵隊はアンバル大学のキャンパス内で鹵獲したS-23自走砲を興味本位でテストしました。その結果、精度はお世辞にも良いとは言えず、1km程度の誤差は珍しくありませんでした。また射程が過剰に強化された事で、弾薬に非常に多くの火薬量を必要とし、着弾時の殺傷効果を低下させていました。そのため抑止的な意味合いが強い兵器となっており、しかも装填速度は毎分1〜2発と、冷戦初期のレベルでした。
専門家らの最終結論は、「明らかに時代遅れ!ただし、これをどう扱うかは指揮官次第だ。」でした。

どう扱うか……これはもちろん彼女を許すことを選択しますよね!何と言っても彼女は本当に遠くまで撃てるのですから!!!

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