新田美波をメインに描いたストーリーコミュの14話。
概要 
ストーリーコミュの14話で新田美波がメインに描かれた回となっている。またこのコミュを閲覧することで楽曲「ヴィーナスシンドローム」が解放される。他の出演メンバーは鷺沢文香、高垣楓、アナスタシア、速水奏となっており、プロデューサーは一切登場しない。
ストーリーはアニメの内容を前提としており、LIVE前に倒れたことや、アナスタシアとのユニットのことが仄めかされている。
ストーリーはアニメの内容を前提としており、LIVE前に倒れたことや、アナスタシアとのユニットのことが仄めかされている。
あらすじ
 | 自分のステージを前に美波は頑張りすぎていた。心配する文香や楓など、仲間に支えられて、徐々に肩の力が抜けていく。やがてLIVEを終えた美波の姿は、まるで女神のように美しく凛と輝いていたのだった。 |
ストーリー
 | Naked Venus 14話 |
 | レッスンルーム |
 | 【美波】 ふぅっ……。歌のレッスンは、これくらいにしておこうかな。次は、ダンスレッスンをしなくちゃ。 |
 | 【文香】 ……美波さん、さきほどからずっと自主レッスンを続けていますが、大丈夫ですか？ |
 | 【美波】 うん、大丈夫！もうちょっと、やっておきたくって！ |
 | 【文香】 ……そう、ですか？私からは、もう十分なように、見えるのですが。 |
 | 【美波】 そうかな？やっぱり、レッスンってどんなにやっても安心できるものじゃないからっ。 |
 | 【文香】 ……とはいえ、本番前日ですし、身体を休めるのも大事なのではないでしょうか。 |
 | 【美波】 でも……。 |
 | 【文香】 ……差し出がましくて、すみません。ですが、美波さんは、レッスン前にも何件か、お仕事をしてきたと伺ったものですから……。 |
 | 【美波】 あ、そうだけど……。あんまりハードなお仕事じゃないよ？ |
 | 【文香】 ……そうなのですか？ |
 | 【美波】 うん、午前中に撮影が一件と、取材が一件、それと、ラジオ番組に出たくらいで……。 |
 | 【文香】 ……それは……控えめに言って、働き過ぎ、なのではないでしょうか。そんなにお仕事をこなしてから、何時間もレッスンなど……。 |
 | 【美波】 うん、でも、やっぱり心配で。今回は自分が主役だし！ |
 | 【文香】 ……ユニットと、ソロのステージでは、やはり違いますか。 |
 | 【美波】 そうねぇ……誰かに甘えられないから、身が引き締まる感覚はあるかも。でも、お仕事はどんなときでもいつも全力投球したいなって！ |
 | 【文香】 ……その前向きさは、私にはまぶしく思えます。 |
 | 【美波】 ふふっ。そんなことないよ。私はただ、中途半端な自分が許せないだけなの。 |
 | 【文香】 ……気位が高いのですね、美波さんは。でも……いつかのように、倒れてしまっては、元も子もないのではありませんか。 |
 | 【美波】 それは……そうね……。 |
 | 【文香】 ……自分につとまるのか不安で、レッスンに打ち込む気持ちは私も……よく、分かります。それこそ、痛いほどに。 |
 | 【美波】 文香さん……。 |
 | 【文香】 ……だから、美波さんは、もっと自分を大事にしてください。目標が高いのは分かりますが、もう十分、輝いているのですから。自分に自信のない私が言うのも、おこがましいお話ですが……。 |
 | 【美波】 ……うん。 |
 | 【文香】 あっ……その、失礼なことを言っていたら、謝ります。どうにも、会話を通じて、人と距離を測るのが下手な人間なのです、私は。 |
 | 【美波】 ……ううん。ありがとう。私のことを思って言ってくれたのは、ちゃんと伝わっているから！ |
 | 【文香】 では……。 |
 | 【美波】 うん、最後にちょっと、レッスンの仕上げだけ……。 |
 | 【文香】 美波さん……。 |
 | 【美波】 ふふっ。ちょっとだけなら、いいでしょ？ |
 | 【文香】 ……ふふっ。仕方のないひとですね。 |
 | 【美波】 ふぅっ……これくらいにしておこうかな？文香さん、付き合ってくれてありがとね。 |
 | 【文香】 いえ、私は特に、なにも……。 |
 | 【楓】 あ、いたいた……。ふたりとも、お疲れさま。美波ちゃん、探したのよ〜。 |
 | 【美波】 楓さん……お疲れさまです。どうしたんですか？ |
 | 【楓】 いいから、ちょっと付き合ってくれる？あっ、文香ちゃんは……また今度、お願いするわ♪ |
 | 【文香】 はぁ……。 |
 | 【美波】 じゃ、じゃあ、文香ちゃん、また明日ね！ちょっと楓さん、押さないでください〜！ |
 | 【楓】 ほらほら、歩いて歩いて♪ |
 | 【文香】 ……？ |
 | 【美波】 それで……どうしてこんなことに……？ |
 | 【楓】 ふふふ……いいじゃない、一杯くらい付き合ってくれても。いっぱい付き合って、なんて言わないから〜。 |
 | 【美波】 もう、一杯どころか何杯目ですか！ ？楓さんったら、着いてそうそう飲むペースが早すぎますよっ。 |
 | 【楓】 だって、美波ちゃんはまだ飲めないでしょう？だから、私がその分いただかなきゃっと思って……。 |
 | 【美波】 あの、全然理由になってませんけど……！ |
 | 【楓】 んふふ、細かいこと気にしてると、誰かさんみたいに老けちゃいますよ〜。 |
 | 【美波】 誰かさんって……。 |
 | 【楓】 あ、店員さ〜ん、おつまみセット、お願いしま〜す。 |
 | 【美波】 はぁ……。それで、こんなところに私を連れ出して、何のつもりですか？ |
 | 【楓】 あら、何のつもりだなんて。ともに同じ会社の同僚同士、お食事でもして、親睦を深めたいなぁって。 |
 | 【美波】 ……明日がステージ本番っていう、アイドルを連れてですか？ |
 | 【楓】 あら、美波ちゃん明日が本番だったのー？頑張らなきゃねー。 |
 | 【美波】 もうっ、しらじらしい演技は無しです。 |
 | 【楓】 ふふ、はぁい。そうね、きっと美波ちゃんのことだから、今日も倒れそうなくらい頑張ってるんじゃないかと思って、息抜きに誘おうと思ったの。これは50％本音。 |
 | 【美波】 楓さん……そうだったんですか。じゃあ、残りの50％は？ |
 | 【楓】 今日、お仕事してるときにふと思ったの。今夜は、ワインの気分だなって。 |
 | 【美波】 ……へ？ |
 | 【楓】 そう思ったら、もう飲みに行くしかないじゃない？でも、最近川島さんは忙しくて付き合ってくれないし、プロデューサーさんも忙しそうだから誘いづらいし……。 |
 | 【美波】 そ、それで……私？ |
 | 【楓】 美波ちゃんは気分転換、私は楽しくお酒が飲める……。いいことずくめじゃありませんか♪ |
 | 【美波】 なんだか、すごく心に引っかかるものがありますけど……。その、ありがとうございます。誘ってくださって。 |
 | 【楓】 ちらっとスケジュールを聞いたけど、今日も詰めこんでたんでしょう？いろんな子が心配してたんですからね。 |
 | 【美波】 それは……そうなんですけど、やっぱり自分だけのステージだと思うと、レッスンしても、したりないですし……。 |
 | 【楓】 はぁ……このワイン、美味しい♪ |
 | 【美波】 か、楓さん……もう、聞いてました？さすがの私でも、酔っ払いを相手じゃまともにお話なんてできませんよっ。 |
 | 【楓】 ふふ。美波ちゃんはまだ飲めないから、味は分からないかもしれないけど……。ワインがどうして美味しくなるか、分かるかしら？ |
 | 【美波】 へ？それは、酵母が葡萄に含まれる糖分をアルコールに分解する……とか、そういうことでしたか？ |
 | 【楓】 あら、優等生の答え。私はね、樽で寝かされるから美味しくなるんだと思うの。 |
 | 【美波】 は、はぁ……？ |
 | 【楓】 アイドルだって同じよ。レッスンやお仕事を、自分って樽の中に詰めこんだとしても、それだけじゃ美味しくは変わらないわ。 |
 | 【美波】 はぁ……。 |
 | 【楓】 それを、自分の中で寝かせて、自分の身にする時間が必要ってこと。つまり……ふぁぁ……寝かせないと。 |
 | 【美波】 な、なるほど……？ |
 | 【楓】 なんだか、小難しい話してたら、眠たくなってきちゃった……。まぁ、とにかく、美波ちゃんも自分を寝かせて……ね。 |
 | 【美波】 寝かせる……ですか。わかったような、わからないような……？ |
 | 【楓】 ふわぁぁぁ……はー、気持ちいい……。美波ちゃん、あとはよろしく〜。すぅ〜……すぅ〜……。 |
 | 【美波】 えっ！ ？ ちょっと楓さん、ここで寝ちゃダメですよ！アイドルなんだから、こんなところを他の人に見られたら……。あ、ちょ、ちょっと！ |
 | 【美波】 ふぅ……。楓さんをマンションまで送っていったら、こんな時間……。 |
 | 【美波】 でも……ちょっとよく分からなかったけど、楓さんなりに励まそうとしてくれたのかな……。 |
 | 【アナスタシア】 ……ミナミ？ |
 | 【美波】 ？ ？ ？ |
 | 【アナスタシア】 ダー、ミナミでしたね。アーニャです。ドーブリィ・ヴェーチェル♪ |
 | 【美波】 えっと、ドーブルイ……ヴィエーチル。こんばんは。アーニャちゃん。……どうして、こんなところに？ |
 | 【アナスタシア】 アー……レッスンしていて、遅くなりました。だから、夜空見ながら、散歩して帰ろうと思って。ミナミは、どうしましたか？ |
 | 【美波】 そうなんだ。……あのね、私の方はね、もうひどいの！楓さんったら、レッスン途中の私をいきなり連れ出して自分だけ楽しく酔っ払ったと思ったら寝ちゃって……。 |
 | 【アナスタシア】 ン、ンー？ |
 | 【美波】 それで、酔った楓さんを置いて帰るわけにいかないから、楓さんのマンションまで連れていって、明日の朝の目覚ましまでセットしてきたんだから！ |
 | 【アナスタシア】 ふふ、ミナミは、気がききますね？ |
 | 【美波】 あっ、ごめんね。私ったら、勢いで喋っちゃって……。 |
 | 【アナスタシア】 いいです。ミナミはエライです。みんな、そのことを知っていますね。だから、誰も何も言いません。信頼、しています。 |
 | 【美波】 アーニャちゃん、私、そんなことは……。 |
 | 【アナスタシア】 けど……何も言わないけど、心配しています。ミナミは、いい人です。優しいです。自分にも、厳しい。だからみんな、心配していますね。 |
 | 【美波】 そう……。ごめんね、心配かけちゃって。 |
 | 【アナスタシア】 アーニャは、ミナミのこと、みんなより少し、分かってます。だから、心配してるって伝えても、いいですね？ |
 | 【美波】 うん！ 思ったことは、言ってほしいな！ |
 | 【アナスタシア】 じゃあ、明日のステージは、頑張らないでください。 |
 | 【美波】 えぇっ！ ？ 頑張らないでって、それは、どういう……。 |
 | 【アナスタシア】 ミナミらしい、リラックスした姿、みたいです。キリっとしたミナミも、すてきですね。でも、ずっとキリッとしていたら、疲れてしまいます。 |
 | 【美波】 そっか……アーニャちゃんも、気にしてくれてたのね。ありがとう。心配かけちゃうなんて、思わなかったから……。明日は、私らしく、リラックスしてステージに立つね。 |
 | 【アナスタシア】 ダー。がんばりましょう。 |
 | 【美波】 今日は、私ひとりのステージですけど……。心は、たくさんの人に支えられています。みなさんに感謝の気持ちを持って、挑みたいと思います！ |
 | 【アナスタシア】 ミナミ！ ジェラーユゥダーチ！がんばってください！ |
 | 【美波】 うん！ じゃあ、美波、いきます！ |
 | |
 | LIVE後 |
 | 【美波】 ふぅ……。ありがとうございました！ |
 | 【文香】 素晴らしいステージだったと、思います。その……面白みのないコメントで、恐縮ですが……。 |
 | 【美波】 ううん、その気持ちで十分！ 心強かったわ！ |
 | 【楓】 うふふ。美波ちゃん、昨日はありがとう。おかげで今日もこうして一緒に、素敵なステージを体験できたから。 |
 | 【美波】 こちらこそ……楓さんらしいアドバイス、ちゃんと受け取りましたよ！ |
 | 【楓】 あら♪ なら次は、もっとい〜っぱい飲みましょうね♪ |
 | 【文香】 では、私はここで……。お疲れさまでした。 |
 | 【楓】 あっ、じゃあ私もここで。またね。 |
 | 【美波】 二人とも、またお願いしますね！お疲れさまでした！ |
 | 【奏】 美波、お疲れさま。あなたらしい凜々しさも柔らかさもあって、いいステージだったじゃない。 |
 | 【アナスタシア】 ミナミ、ステキでした。キラキラ、していましたね？ |
 | 【美波】 奏さん、アーニャちゃん、ありがとう！今日は、ちゃんと歌えた気がするの。 |
 | 【アナスタシア】 ちゃんと、ファンの人たちにも、届いていましたよ♪ |
 | 【美波】 ふふっ！ よかった！いっぱい踊ったかいがあったわ！熱くなっちゃった！ |
 | 【奏】 そう……なら、このあたりを散歩でもしない？海風が吹いて、気持ちいいの。火照った身体を冷ませるわ。 |
 | 【美波】 そうなんだ、撤収まではまだ時間がかかるみたいだし……。少しくらいいいかな？ |
 | 【奏】 じゃあ決まりね♪ |
 | 【美波】 ふぅ、風が気持ちいい……。 |
 | 【奏】 美波、アーニャ。靴を脱いで、裸足で浜辺に降りてみない？ほら。冷たくて、気持ちいいわよ。 |
 | 【アナスタシア】 ダー。いいですね。私、いきます！ |
 | 【美波】 あっ……二人とも、ちょっと……。そんな、裸足だなんて……。 |
 | 【奏】 いいから、来て。ほら、こっちに。 |
 | 【美波】 うん……わかったわ。 |
 | 【美波】 冷たい……けど、砂の感触が、心地良い……。 |
 | 【アナスタシア】 ミナミ！ 波と夕陽です！ クラスィーヴァ！ウフフッ、アハハハハッ。 |
 | 【美波】 うん！ そうね……。きれい。 |
 | 【奏】 ふふっ。靴やサンダルを脱いだだけなのに、なんだか感じ方まで変わるみたいよね。 |
 | 【美波】 えぇ……。ふふっ、アーニャちゃんったら、あんなにはしゃいで。久しぶりにあんな姿見たなぁ……。海が好きだったのかな？ |
 | 【奏】 くすっ……、かもね。……美波って、いい名前よね。この海みたい。 |
 | 【美波】 あぁ……父が、海の仕事をしているから。それにしても、奏さんったら、思わせぶりね。ふふふっ、わざわざこんなところに連れ出して、裸足にさせて。 |
 | 【奏】 そうね。演出家なのよ。それに、あなたのパートナーがいろいろ気にしていたようだったから……。ちょっとしたおせっかいね。 |
 | 【美波】 ……アーニャちゃんが？ そうだったの……。私、一人で頑張らなきゃって思っていたのに……。みんな、優しいな。 |
 | 【奏】 あなたが優しいから、みんなが優しくしてくれるのよ。シンプルな解だわ。これからも、あなたらしくいてね。 |
 | 【美波】 えぇ。……さてと、帰らなきゃ。きっとプロデューサーさんが気にしてるわ。 |
 | 【美波】 アーニャちゃん！ 帰るよー！ |
 | 【アナスタシア】 ダー！アー、ミナミは……海が似合いますね。 |
 | 【美波】 ……そう、かな？ |
 | 【アナスタシア】 そうです……あー、ヴィーナスみたい、ですね♪ ふふっ。 |
 | 【奏】 裸足のヴィーナス……ね。 |
 | 【美波】 ……もう、ふたりとも、からかわないのっ！ |
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