概要

リファードの戦いとは、アルファ686年、ロー・レアルス国と、ガルシーダヴァーグリア連合軍の間に起きた戦いである。

戦闘に至るまでの背景


▲686年3月における勢力図

ロー・レアルス国を建国したカルディスは、その野望の炎を更に燃やし、隣国への侵攻を開始していた。
まずは旧ルディック領土を蹂躙し、次々とロー・レアルス国に旗色を変えて行く。
戦場においては常勝の名を欲しいままにし、統治においては民の心を掴み、彼の進軍は順調そのものであった。

既にルディック国制圧は時間の問題だと思ったカルディスは、ルディック方面を部下に任せ、この年の3月、自らは天然の要害に守られたガルシーダ国に兵を差し向ける。
カルディス率いる精強な軍勢によって国境を突破されたガルシーダ国は、同盟国であるヴァーグリア国に援軍を要請。
後の六界戦争でも数多くの英雄を生み出すこととなるヴァーグリア国は、「竜の子」と呼ばれる一族であった。決して自分たちからこの戦乱に手は出さなかったが、一度彼らを戦場に呼び出せば、竜の咆哮が戦場に木霊することとなる。
そんな彼らが援軍を派遣したことによって、状況は一変する。

戦闘経緯



5月19日、ロー・レアルス国軍に押されていたガルシーダ国軍に、ヴァーグリア国からの援軍到着の報告が届く。
しかも、国主ロレア自らが軍勢を率いての主力部隊であった。
カルディスはこれに備える為、グフスを迎撃の位置まで配置して待ち伏せるが、ヴァーグリア国軍は戦場に姿を見せず、そのまま北上を開始する。
カルディスは瞬時にして、ヴァーグリア国軍は戦場ではなくロー・レアルス国軍が本国へ戻るための退路を断つことで兵を動揺させ、戦わずしてひかせるつもりなのだと作戦の真意を悟り、ヴァーグリア国軍が通る場所に先回りして、これを打ち破ろうとする。



しかし、ヴァーグリアは更に一枚上手を行っていた。
カルディスほどの男ならそこまで読むだろうと踏んでの偽行軍によってロー・レアルス国軍を二分させると、囮の部隊はそのまま北上させ、本隊は西を目指し戦場に到着、ガルシーダ国軍と挟み撃ちでロー・レアルス国軍の先発隊を壊滅させる。
ロー・レアルス国軍は、ゾイゼノスグフスといった名将を揃えていたが、大軍による挟み撃ちの前では反撃もままならず後退していく。



5月25日、前線部隊の敗戦の報告を聞いたカルディスは、自らが敵の策に陥った事に怒りながらも、残存兵力を集結させ、リファード平原に陣を敷いた。
初戦の敗戦があったとはいえ、総兵力ではいまだ勝るロー・レアルス国軍は、左右に伏兵を配置しつつも正面に自ら囮となる主力部隊を配置。
怒りに身を任せているかに見せながら、冷静に戦場に適した布陣を敷く辺りにカルディスの才気を見出すことが出来る。
だが、この戦いに関してのみ、相手が悪すぎた。
ヴァーグリア七星士ヴァルソシアの騎馬部隊突撃の前に、レザリアガイアス部隊が壊滅、ゾイゼノスグフス部隊の必死の防戦で一度は押し戻すが、ガルシーダ国軍が交代で突撃を開始する。

数時間の戦いによってガルシーダ国軍は疲弊、ゼノスグフス部隊がこれを突破して本陣に向かおうとするが、味方であるガルシーダ国軍すら囮としていたヴァルソシア部隊が左右から回り込み、そのままカルディス本陣まで突撃。
カルディス自身も剣を振るほどの混戦の中、ゾイ部隊の援護もあってかろうじて後退に成功したカルディスではあったが、兵士は四散、数多くの将を討死させる痛恨の敗北となった。

戦いの結末

カルディスは、南方を平定して後顧の憂いをなくしてから大陸中央部へ打って出る予定だったが、この敗戦により戦略の大幅な修正を余儀なくされる。
幸いな事に、ヴァーグリア国は、こちらから手を出さなければ侵攻の意思はなかった為、使者を送っての和議によりこれ以後両国が戦う事はなくなる。
また、この敗戦を好機と捉えた周辺諸国は、次々とロー・レアルス国に侵攻、ゲーリー国は、ルーザロゥ城を落とし、シャリアル国はジース砦ガズス砦を陥落させるが、ドルリア砦の必死の防戦により、それ以上の侵略は食い止められる。
このとき、ドルリア砦の守備を指揮していたのがメファイザスであり、この功績によって彼は軍師に抜擢される。
ルディック国は、直接の領土拡大には至らなかったが、カルディスは、戦力の建て直しの為ルディック方面軍を引き上げさせた為、間接的に救われたこととなる。

なお、伝説によるとこの戦いからの逃避行の最中、雨を凌ぐため聖廟へと辿り着いたカルディスは、その地で炎の剣「エィルフィック」を見つけ、炎の申し子と呼ばれる様になる。とあるが、これが事実かどうかは定かではない。
敗戦ムードを払拭させる為に振りまかれた宣伝であった可能性が高いが、カルディスが敗北したにも関わらず、これ以後炎の如く覇道を突き進み続けたことから、案外伝説も真実であったのかもしれない。


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