概要

ロードレア遠征とは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ707年8月頃から、709年3月まで続いた一連の戦いの総称であり、ベルザフィリス国軍とロー・レアルス国軍が、それぞれのルートからロードレア国へ侵攻した戦いである。
この遠征により、ロードレア国は滅亡する。

遠征に至るまでの背景


▲707年8月における勢力図

707年、ネルヴァの戦いの最中にヴェリアは陣没する。
これにより、ロードレア国は一気に衰退し、ベルザフィリス国軍とロー・レアルス国軍が、先を争って東西から同時に進軍を開始した。
時を同じくして、7月にはフェルスデッド国軍もロードレア国に侵略し、ゾリメック城の戦いが勃発する。
ここから、ロードレアが滅亡するまでの間に、様々な戦いが行われるが、それをすべて総称して「ロードレア遠征」と呼ばれている。

8月に、ベルザフィリスロー・レアルス2国から、ほぼ同時にロードレア制圧部隊が出陣した。
別に、連合を組んだわけではなく、示し合わせた訳でもない。
それぞれの国が準備を済ませ、「相手の国が出陣する前にロードレア国を削る」と決意した結果、ほぼ同時期の出陣となっていた。
ただし、ベルザフィリス国は、ロッド国への出陣(ノリアの戦い)も同時に行ったため、まずは先発隊を向け、後に本隊を合流させる。
一方で、ロー・レアルス国もこの進軍の最中に、フェルスデッド国を帰順させる準備にも取り掛かっていた。
更に、お互い留守となった本拠を突かれる事を警戒して、国境に留守部隊を駐屯させる。

ロードレア国は、ロー・レアルス国国境へはアルガードレイバードナッシュイルを、ベルザフィリス国国境へはファルザスグロライドレイアスファリアを派遣したが、もはや兵力でも将の質でも勝ち目はなく、全ては国に殉じようと決意した者達の自己満足にも近い出陣であった。



707年9月 旧アゾル領土への説得

メファイザスは、武力による制圧と並行して、説得による勧告も行っていた。
特に、旧アゾル領土への切り崩しを熱心に行った。
この土地は、大陸の端にあったことから、アゾル国滅亡後は大きな戦いに巻き込まれることなく、発展の道を辿っていた。
そのため、レイディックカルディスが戦っていた時代からロードレアロー・レアルス国の間を降伏によって揺れ動いた土地であり、好意的にみれば民のことを第一に考え、否定的に見ればその場その場の実力者に靡く風見鳥の様な土地であった。
その為、既にロードレア国が落日を迎えていることを伝えれば、再びロー・レアルス国に帰順するだろうと、メファイザスノイアを説得する。
ノイアは、周辺の実力者を集めると、ロー・レアルス国への降伏を決意。
これにより、戦わずして東の地を手に入れたメファイザスは、ベルザフィリス国に一歩先んじることができた。

ノイア自身は、メファイザスから仕官の説得を受けながらも、「一度裏切った国に出戻るのは、さすがに節操がない」と隠居し、天下を統一した時に役立ててほしいと、改良を重ねたノイア法令の書物だけを手渡した。
この書物を受け取ったケルスティンは、これを参考としながら自身の修正点も加えて新たな法を作り続けたが、ベルザフィリス国が天下を統一したため、ノイア法令がこの地の国法になることは幻に終わった。

アゾル領土が、短期間で旗色を変えたことは、ロードレア国にとっては、地方の城が陥落するよりはるかに大きな衝撃となって伝わり、この頃から国民の間でも不安と不満が爆発し、将兵のモラル低下に繋がったと言われている。
かつて鉄の掟を誇ったロードレア国軍は、本国の目の届かない場所では、正規兵ですら民衆から物資を略奪するという、野盗の様な集団になり果てた。

708年3月 フェルスデッド併合

本来なら別の国の出来事だが、これもノリアの戦い同様、ロー・レアルス国がロードレアに全兵力を向けるための前準備であるため、広義において「ロードレア遠征の中の出来事」と含めることもある。
ただし、通常はあくまでも別々の出来事として別けることが多い。
詳細はフェルスデッド併合参照。

708年4月〜8月 クルス山地の戦い

クルス山地にて、ベルザフィリス国軍が西方面のロードレア国軍を壊滅させる。
詳細はクルス山地の戦い参照。

708年9月〜12月 ギルラ高地の戦い

ギルラ高地にて、ロー・レアルス国軍が東方面のロードレア国軍を壊滅させる。
詳細はギルラ高地の戦い参照。

709年1月 第2次フェルス城の戦い

要害であったフェルス城ベルザフィリス国軍によって陥落する。
詳細は第2次フェルス城の戦い参照。

709年2月〜3月 ロードレア城の戦い

ベルザフィリス国、ロー・レアルス国によるロードレア国首都陥落をめぐる戦い。
この戦いをもってロードレア国は滅亡する。
詳細はロードレア城の戦い参照。

709年4月 ルバークの戦い

ロードレア国を滅亡させたベルザフィリスロー・レアルス両国による、要所ルバーク城を奪い合う戦い。この戦いを最後に、両軍は一旦本国へと帰還していく。
詳細はルバークの戦い参照。

第三の対陣

実際に戦火を交えたわけではないが、この遠征にはもう一つの戦いが存在していた。
それが、後世「第三の対陣」と呼ばれることとなるロー・レアルスベルザフィリス国境のにらみ合いである。

ロー・レアルス国、ベルザフィリス国は、共に国主自らが出陣する大掛かりな遠征を行っていたが、その留守に互いの国が攻め込んでくることを警戒して、残留部隊にも一流の人物を用意しなければならなかった。
ベルザフィリス国からは、ディルセアが総指揮官として、降伏したばかりのリヴァイルシアがその傘下に入った。
対するロー・レアルス国からは、リヴァドルが総指揮として、ガルダが派遣された。
そして、ここで選ばれるのが、「祖国」であるロードレア国侵攻に参加させるのを、心理的配慮によりはばかられた、一月の別離酒で亡命してきた旧ロードレア国の将軍たちである。
その結果、ベルザフィリス陣にはバイアラスリディザロロー・レアルス陣にはグローリヴァスバグゼス(彼は一月の別離酒とは無関係だが、元ロードレアの将という立場は同じ)が配置され、彼らは思わぬ場所で敵、味方に別れて対陣することとなる。

ただし、この牽制部隊は共に「相手から手を出さない限りは戦うな」と厳命されていたことから、遠征が終わるまでのおよそ一年に渡る対陣の間、直接戦火を交えることは一度もなかった。
対陣中、バイアラスグローリヴァスに使者を送り、互いの近状を報告し合ったり、逆に味方である筈のリヴァイルシアに露骨な嫌悪感を見せ、その空気を察したリヴァイルシアディルセアに配置変更を申し出て、相当後方に陣を移動したといったエピソードが残っている。
また、ディルセアが遠征本隊ではなく、牽制部隊に回されたのは、それだけ信頼されていた証という説と、この時既にガイヴェルドの疑心暗鬼な性格が表面化していて、ルーディア時代からの軍師という肩書で、何かと自分の行動に口を挟む彼を疎み始めていた、という両極端な説が存在する。

この対陣は、ロードレア城陥落まで続き、その後役目を果たした両軍は撤退したが、それは決して戦いの終わりを告げる撤退ではなく、ついに最後まで残った二ヶ国による最後の決戦がはじまったことを告げる鐘の音であった。

国境牽制部隊 両軍の戦力

時系列順の遠征での主な戦い・出来事




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