概要

ペルシアの裁判所は、一般裁判所と特別裁判所に大別される。一般裁判所は、三審制をとっているが、第一審裁判所は、民事事件を扱う裁判所と刑事事件を扱う裁判所に分かれ、さらに民事事件を担当する裁判所には、離婚や子の養育等を扱う家事事件の専門部が置かれている(テヘランの裁判所には、商標事件に特化した部門もある。)。上記のとおり、裁判規範として適用される法規が、基本的に、シャリーアではなく、制定法であるため、少なくとも民商事取引の紛争に関する限り、裁判所の実態としても、宗教色が強いものとはなっていないとされている。一方、特別裁判所としては、行政裁判所及び軍事裁判所が設けられているほか、国家安全保障や賭博、高利貸し等に関わる犯罪を管轄する革命裁判所、宗教関係者の犯罪等を管轄する宗教者裁判所が存在する。

特徴

民法

ペルシアの民法はフランスの民法を参考にした民法典(物権編、債権編、親族・相続編の3部構成で、1335条からなる。)及び商法典(商行為、商人、会社、破産など)がある。これらが最初に制定されたのは1930年代だが、現在も改良を重ねて使い続けられている。制度が古いままであったり、運用面での課題は多々ありつつも、特許・意匠・商標といった産業財産法制は一通り整備されている。

刑法

刑事分野においては、イスラム革命前に、フランス・スイスの刑法を基礎とした大陸法系の刑法典が整備されていたが、イスラム革命の後、全面的な改正がされ、イスラム法をほぼ全面的に取り入れたものとなっている。例としては、殺人事件で被害者家族に刑罰の決定権が与えられているほか、窃盗事件での手首切断刑、姦通事件での石打ち(処刑)が挙げられる。また、革命後刑法は、詐欺、通貨偽造などコーランでの規定がないものについて、刑罰規定を設けないなど、条文数が極端に少なく、現代社会に対応したものとなっていないとされる。これらの改革の必要性は周知の事実となっているが、複雑な政治機構により改革はできていない。

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