どさっ!

「えり・・・やめっ・・・」
「・・・・・」

なんかおかしい
レッスンが終わった後、絵里の家に誘われたからついていって、部屋に入ったとたん押し倒された。
いつもこういう行為に及ぶ時はどちらかというとねっとりとした感じで展開するのに、今日の荒々しさはちょっとおかしい。

「絵里・・・?」

無口で冷めた目。
その中に妖しく光るサディスティックな感情。
怖い・・・

「なんかあったの・・・んー!」

強引に唇を奪うのはいつもの事だけど・・・なんというか・・・余裕がないように感じる。
いつもの絵里なら弄ぶように、焦らすように責めるのに、今日はとにかく乱暴に口づけしているだけ。
荒々しく口づけたまま、絵里がシャツのボタンに手をかけた。
シャツのボタンに手をかけ、外そうとしている絵里。
だけど、なんか様子がおかしい。
多分、なかなか外れないみたい・・・。

「あーっ!もうっ!」

ボタンを外すのに手こずった絵里はシャツの真中をつかみ、左右に引っ張った。
ブチブチとはじけ飛ぶボタンに本気で身の危険を感じ、咄嗟に胸元を押さえる。

「ちょ・・・なんすると!」

私の声に耳も貸さず、無理やり手をどけようとしてくる。
こんなの、私の好きな絵里じゃない・・・

「やめてっ!」

―パシッ!

乾いた音。
目をつむりながら咄嗟に絵里の頬を叩いてしまった。
私の身体に跨ったまま頬を押さえる絵里。
小さく肩を震わしているみたいだけど・・・
―泣いてる?

「えりぃ・・・?」
「・・・グスッ」

本当に泣いてるみたいだ。
時々鼻をすする音がする。

「どおしたと?」
「――――――ほんとは・・・」
「え?」

「絵里たちにこういうことされるの、れいなは嫌がってる事ぐらい知ってるの・・・」

絵里の口からあふれ出るように出てくる言葉・・・

「ほんとは・・・さゆにだってれいなに触れさせたくないし・・・」
「なにいっとーと?」
「今日だって小春と仲良くくっついてるれーな見て・・・なんかすっごいイライラして・・・」

絵里の瞳からこぼれ落ちた涙が、私の顔に伝う。
こんな悲しそうな絵里の顔・・・初めて見た。
いつも見てる絵里の顔は、大人っぽかったり、妖しかったり・・・・可愛かったり。

「ホントは単にれいなの事が好きなだけなのに・・・
 いっつもいじめる事しかできなくて・・・グスッ・・・女同士でこんなこと変だって分かってるのに・・・」

はじめて聞く、絵里の本音に胸が熱くなる。
気付くと、頬には絵里のものではなく、自分自身の涙が伝っていた。

「えりぃ・・・泣かんで」
「れーなぁ・・・」
「れーなはどこにもいかんけん・・・ずっと絵里の傍におるけん・・・」

そういうと、絵里は子供が叱られた後のようにしくしくと、私の胸で泣き始めた。
なんというか・・・すっごい愛おしかった。
自分の胸の中で小さくなって泣いてる絵里が可愛くて、頭を撫でてみた。
普段なら絶対こんなこと出来ないけど・・・。


どれぐらい経ったっけ。
絵里が落ち着いて顔を上げた。
普段の挑発的な顔じゃなく、涙でぐしゃぐしゃになった顔。
それが逆に息を呑むような美しさで、ドキっとした。

「れーなぁ・・・」
「えり・・・んっ」

口づけを交わす。
いつものような激しさは無く優しいキス・・・と思いきや・・・。

「いたっ!」

唇を噛まれ、びっくりして絵里の方を見ると、してやったりといった顔。

「ごめん忘れてたwれーなってこういうのが好きなんだよねw」
「っ・・・ばかえり!」
「あー、そんな生意気なこと言う子猫ちゃんには・・・こうしちゃう!」
「ひゃっ!」

いきなり下着に手を突っ込まれ、乱暴に触れられた。
さっきまで感傷に浸ってたのに、何故かそこはもう大変な事になっていて、ますます絵里を調子づかせる事になる。

「あはwやっぱりれーな変態だね。こんなになってる。」
「ちが・・・ああっ・・・!」

さっきまでの可愛い絵里はどこへやら、いつもの悪戯心満載の絵里の顔に戻ってしまった。
まぁこれがいつもの絵里なんだけど、さっきみたいな可愛らしい絵里も好きだな・・・なんて思った。

「今日はストレートにいっぱい気持ちよくさせてあげるね」

一気に指2本をあてがい中に侵入させる。

「あああああああっ!!」
「ほら、気持ちいいでしょ?れーなはこれからもずっと絵里の傍にいるんだからねっ!」

荒々しくそう宣言すると、唇を奪われた。
喘ごうにも声が出せない苦しさ。
それを快感だと思う私はもう末期なんだろうな・・・。

「ほら、こっちの指咥えて!」

私を責める手とは逆の方の手を顔の前に差し出す。
それを、一瞬の躊躇の後、咥え込んだ。

「れーなの上と下の口、両方とも絵里だけのものだから」
「んー!――――」

口と局部は絵里の指に弄ばれ、胸は絵里の舌でころがされる。
いつものように噛んだりすることはなく、ちょっと物足りないけど、ものすごく気持ちぃ。

「んーーーー!!」

こっちの気持ちを悟ったのか、絵里が乳首に強めに噛みついた。
身体に流れるような電流。
これだ・・・これなんだ・・・たまんない。
あっ・・・もう駄目だ・・・イっちゃう。



一瞬の衝撃の後、頭が真っ白になって、気付いたら絵里にひざ枕されていた。
私の意識がもどった事に気づいてないのか、絵里はぶつぶつ呟いている。
なんだろうと耳を澄ましてみると。

「――――ありがとう・・・れいな・・・大好き」
「ふーん・・・w絵里はれいなの事そんな好きなんやw」
「ちょ!れいな!いつから聞いてたの?」
「いつだったかな〜」
「ちょ!許さない!れいな!お仕置き!」
「はっ!?なんでそうなると!?」





おわり
 

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