ある名門と呼ばれるゴルフ場にて、超一流のゴルフプレイヤーがひしめくかなり有名な大会の中に初出場となる若きゴルファーとキャディーの二人が全てをかけて戦っていた
アナウンサー「さあ、期待の新星…北川選手。今シーズンの大会では惜しくも入賞ギリギリぐらいの成績だったが、今日は調子がいいせいか優勝戦線の一角に食い込んでいます。最終18番ホール…大逆転なるか！」
「莉央ちゃん、ここのコースは相性良いみたいだね。もう少しすると風も無風に近くなるよ。」
「うん…これで沈めて決める！」
北川クンは相方に目くばせすると、グラブを持ち替えて、精神統一しながら自分のボールと相対してゆっくりと構える。そうしているうちに彼女の読み通りに微風だった風がまったくなくなった。
『今だ！』
北川クンが丁寧にグラブを振り切ると、遥か先のカップに向かって一直線に飛んで行く。
少し手前のグリーンで落下すると、転がって、一瞬そのボールが消えた…と同時にコトンという音が静かなコースの中響き渡る。
その直後、大音声が二人を包んだ。それは大逆転優勝を決めた若き二人に向けた祝福のものであった。
「「やったぁ〜これで大学の合宿所から脱出できるぞ！」」
プレイヤーの北川くんはキャディーである相方と抱きしめあってお互いの健闘を称えあった。
ある日のifマンション。
いつものように石田クンがifマンション内を荷物を運んでいくが、複数個の荷物がある部屋に届けるように指定されている。
「1005号室かぁ〜確か…この部屋は空いていると聞いていたんだけどなぁ〜」
1005号室のチャイムを鳴らしたが、中から反応がない。留守かな？と石田クンが考えていたところに、エレベーターの方からバタバタと走ってくる若い男が見える。その人は石田クンの目の前で止まった。
「す…すみません。1005号室の者です。ちょっと出てまして、遅くなりました。」
「う〜ん。ここの住人という証明がないと外で渡すことはできないんですよ。しかも、ここは空室のはずだし…」
「そうですか…」
若い男性は困った表情でそう呟く。そこにちょうどいいタイミングで尾形クンが自分の部屋から姿を見せる。
「あれ？お前プロゴルファーの北川選手やろ？部活は違うけど、同じ大学出身の尾形や！わかるか？」
「もしかして…フィギュアスケート選手で金メダリストの尾形春水選手ですか？そうです！一応、プロゴルファーを名乗っています北川莉央です。」
「尾形、お前…この人を知っているのか？」
「直接会うのは初めてですけど、この前のゴルフの大会で大逆転優勝したって大きなニュースになっていましたから、テレビやネットで写真や動画は見たことがあります。で、ところで…何故このifマンションにいるんや？」
尾形クンに言われ、石田クンにはじっと見つめられ、北川クンは緊張しながらだったが口を開いた。
「僕ら、大会の優勝賞金で引っ越してきたんです。荷物を受け取ってからあとで皆様にご挨拶に参りますので宜しくお願い致します。」
北川クンが深々と頭を下げ、ご挨拶したところ、石田クンも宅配便の配達員という立場からこのマンションの住人の顔に変わった。
「ごめんごめん、僕は本業は宅配便の配達員だけど、609号室の石田亜佑美という。よろしく。」
「わいは1003号室の尾形春水や。選手生活は引退したけど、フィギュアスケート自体はやめていない。婚約者と一緒に住んでいる。さっき『僕ら』と言ったよな。彼女か？」
「いいえ、婚約者でもカップルでもありません…」
その日の夜、田中家では田中クンとさゆみさんがいつものごとくベットで交わりあってから、アフタートークをしていた。
「ところでさゆ、今度引っ越して来た二人組…同棲でないと？」
「うん…男女だけど、カップルでなくって、シェアーハウスとして暮らすんだって。彼がプロゴルファーで、彼女がキャディー…だからパートナーという言葉には間違いないんだけど。」
「今の若い者の考えにはついていけんちゃ…」
「でも、二人とも悪くはないと思うけど…。」
「まあ…石田と小田の例もあるけん、これからどう展開するかわからんと。」
「そうね、大人は見守りましょうね。」
さゆみさんの言葉に田中クンもうなずいた。
ある日のこと、北川クンのパートナーである彼女は在籍している大学から帰ってくると、ちょうど同じ階の聖さんと野中氏に出会った。お互いに引っ越しの時の挨拶で対面はしている。
「こんにちわ。北川クンのパートナーの山崎愛生ちゃんで良かったわよね…愛生ちゃんって呼んでいい？私のことは『聖』でかまわないからね」
「はい！聖さんに野中さん、よろしくお願いします！」
聖さんの言葉に愛生ちゃんは元気に答える。年令を考えると10歳までとはいかないが、かなりの年齢差があるため、体育会系部活所属の愛生ちゃんは目上の二人に礼儀正しく答えた。
「聖さん…」
「そうね。ところで愛生ちゃん…私たち女性陣で７階にあるお風呂に行く予定なんだけど、これから時間あるかしら。」
「はい！私はかまいませんが…莉央ちゃんにも伝えなければ…」
「Don't worry！そちらは男性陣が何やら企画しているようなので…」
「しかも…『吉澤さんからの命令は絶対』ですからねぇ〜」
「え？ええ？？」
「聖さん！野中さん！お待たせしました！吉澤さんやさゆみさんたちの待つ温泉へレッツらゴー！」
愛生ちゃんは頭の中が『はてなマーク』でいっぱいのまま、聖さんと野中氏…それに待っていたかのように出てきた横山ちゃんに引っ張られ、吉澤さんたちが待つ７階へと向かった。
一方、そんなこととは知らない北川クンがバイト帰りの疲れ切った身体を引きずりながら、暴れ回る腹の虫をなだめながら帰宅してきた。
「あ〜ぁ、腹減った。愛生ちゃんきっとご飯、待っているだろうなぁ〜。早く僕がゴルフ一本で生活できるようにならないと…」
自分の部屋の前に立った時、お隣の部屋からそこの住人である加賀クン、その隣の尾形クン…そして、自分たちの荷物を運んでくれた石田クンが姿を見せた。
実は…北川クン、先輩に無理やり連れて行かれた舞台がきっかけで、ちょうど出演していた加賀クンに一目ぼれでファンになっていたのだ。
始め、引っ越しの挨拶に行ったときは横山ちゃんだけだったので気が付かなかったが、翌日加賀クンと鉢合わせした北川クンは興奮して、ブンブンと力の限り握手をしたため、それからの加賀クンは北川クンに対しては塩対応が多い。
それでも北川クンはめげず、加賀クンにアタック？し続けている。
「よう…北川！今お帰りかい？」
「はい！まだゴルフ一本じゃ食べていけないので、バイトしています。」
「え？ゴルフ場ではなくて？？普通の？？？」
「今シーズンでいい成績を残せれば何とか普通のバイトはやめられるんですけどね。」
「ほな…しっかりと食っているのか？アスリートは食事も大事やで。」
「う〜ん、厳しいですね。いつも腹ペコ状態です。愛生ちゃんの実家から食べ物が送られてきたりするので、助かってはいますけど、プロゴルファーは道具代の他に遠征費やエントリーフィーなどですごくお金がかかりますから…」
北川クンは大きな身振り手振りで答えるが、時々腹の虫が大きく鳴り響き、そのたびに恥ずかしいのか身振り手振りも小さくなり、下を向いてしまっている。
「石田さん、そろそろ行かないと田中さんが…」
「そうだな、じゃ！尾形と加賀！北川を運べ！」
「石田さん、イエッサー！」
「ボクモ運バナイトダメデスカ？」
石田クンの言葉に尾形クンは大きな声で返事をしたが、加賀クンは棒読みで答える。
石田クンは『当たり前だろ！』という表情で、偉そうに両腕を組みながらうなづいたので、加賀クンは仕方なく北川クンを尾形クンとはさみ、息を合わせて両腕をつかむと一気に身体を持ち上げた。
「北川！悪いけど田中さんのご命令だからこれから貸切ってある７階のサウナに連行する。そこで洗いざらい白状してもらうからな！例えば…同棲している『彼女』との関係とかさ！」
「え？ええ？？愛生ちゃんとは単なる先輩後輩で、プレイヤーとキャディーの関係だけです！」
「同じことを田中さんや吉澤さんの前でも言えるかな？ま、彼女の方は女性陣がお風呂を貸し切って色々と話を聞くそうだから…こっちはこっちで色々と白状してもらうぞ！」
「加賀さんに触って頂けるのは嬉しいのですが、でも…いやだぁ〜！助けてぇ〜」
じたばたしている北川クンを尾形クンと加賀クンは慣れた手つきで運んで行った。その後を今回は珍しくゆっくりとした歩きで後をついていった。
さて…まずは７階のお風呂場を貸し切った女性陣の方から…
女子用のロッカーにて服を脱ぎ、愛生ちゃんが改めて周りを見回すとまぁ〜他の皆様が美人でスタイルのいいこと！
中には出でいるところはしっかり出ていて、ウエストはくびれていたり、まるでモデルの様にキレイな人ばかりである。
友人達には『空気が読めない！』と散々言われている愛生ちゃんでさえ子供体系な自分の身体とチラリチラリ見比べながら恥ずかしそうにし、タオルで身体を隠しながらお風呂場に入っていく。
その中にいたのは、北川クンと一緒に引っ越しのご挨拶に回ったときに出会った方々の女性陣の中に打たせ湯に胡坐を組み、目を閉じているボーイッシュな美人さんが目に留まる。
「吉澤さん、お待たせしました。今話題の山崎愛生ちゃんをお連れしましたわ。」
聖さんの言葉にその言葉にその人は目を開けた。
「ifマンションにようこそ…1103号室の住人でその隣の1104号室で『YH』というTATTOO屋をしている彫師の吉澤だYO。」
吉澤さんは『こっち来い！』というように手招きをしている。愛生ちゃんが戸惑っているところに横山ちゃんが愛生ちゃんに耳元に小声で話してきた。
「彼女がここのifマンションの支配者の吉澤さん。吉澤さんの命令は『絶対』だからね。」
ご挨拶周りの時には1103号室は留守だったし、その隣の1104号室は出てきたのが田中クンで、吉澤さんとは会っていなかったのだ。
恐る恐る愛生ちゃんが吉澤さんに近寄ろうとすると、不安がっていることに気が付いたさゆみさんがお風呂から立ち上がり、こっちに歩いてきた。
「愛生ちゃんて呼んでいいかな？大丈夫。吉澤さんはああ見えてみんなのことを考えてくれる優しい人だから。」
さゆみさんの笑顔と優しい言葉に思わずつられて笑顔になる愛生ちゃん。さゆみさんはそっと愛生ちゃんの肩に手をかけると、吉澤さんの元に連れて行った。
「ところで愛生ちゃん、一緒に住んでいる北川クンは『彼氏』なの？」
「いえ…莉央ちゃんは大学の１年先輩で、ゴルファーとキャディーの関係だけです。」
「え？寝たこともないのかYO」
「大会での宿代を節約するために車で数日間寝たことはありますけど…」
「「「「「「「え？？？？？？？」」」」」」」
「じ、じゃ…キスは？」
「ゴルフの大会で優勝したときに興奮してついホッペにキスしたことはあります。」
愛生ちゃんは北川クンについ興奮してキスをしてしまったことを思いだのか、恥ずかしくて顔が真っ赤だ。他のメンバーはあまりにも初々しい様子にメロメロだ。
「ところで愛生ちゃん、ＳＥＸ…つまり、愛し合う行為は？」
「それ…何ですか？？」
さゆみさんの言葉に愛生ちゃんはあっけらかんとした口調で答える。それを聞いた女性陣は全員が逆に動揺していた。
「つまり、えっと…何て言ったらわかるかなぁ〜ちょっと語弊があるけど…子作りのことよ。」
「え？子供って口と口でキスしたらコウノトリが運んでくるんじゃないですか？？」
愛生ちゃんの信じられない言葉に驚き、その場にいた全員が逆に北川クンに同情していた。
こちらは北川クンが運び込まれた７階のサウナルーム。
石田クンや尾形クンに無理やり素っ裸にされ、一応…タオルを渡され、サウナルームの中に入ると、そこには待ち構えていたように田中クンが真っ正面におり、その隣には生田クンが座っていた。
その反対側には防水使用のタブレットが置いてあり、そこには鞘師クンが映っている。
挨拶回りの時も鞘師クンはアメリカに行っていたため日本にはいなかったが、香音さんが鞘師クンの写真を見せてくれたため、顔は知っている。
もちろん…その人が『メジャーリーグプレイヤー』ということにはもちろん有名な選手だから知ってはいたが、まさか同じマンションに住んでいることにすごく驚いていた。
「いよぅ、北川！待っとったと！」
「じゃ…ここでは北川の歓迎会として、色々と質問していくが、正直に答えるとよ。」
「この場に入れれなくて申し訳ないのぅ〜。試合の関係でどうしても帰国できなかったんじゃ。でも、帰国したときには改めでよろしくじゃ。」
「「「で、同棲している彼女とはどこまで進んでいる（と？・んじゃ？）」」」
田中クン、生田クン、鞘師クンの質問に北川クンは大きくため息をついた。
「愛生ちゃんは大学の1年後輩で、ゴルファーとバッグを持ってくれたり、風や芝生の目を読んでくれてアドバイスをくれるキャディーという関係だけです。」
「「「ほっほぅ…」」」
「同じ部屋なのも、今まではお互い大学の部活の寮に居ましたが、僕はもう卒業しましたし、彼女ももうじき卒業でいつまでもいられません。２部屋借りるより、いっそうのことシェアハウスとして住んだ方が安く上がるので、この前の大会での優勝賞金で引っ越してきました。もちろん寝室は別です！」
その言葉に思わず石田クンに視線が集まる野郎どもｗ。石田クンもその変な視線に気が付いて少し慌てる。
「僕と小田は、たまたま引っ越してきた日っが一緒だったというだけで…」
「え？石田さんは小田さんと付き合っているんですか？」
見事な墓穴を掘ってしまった石田クンだったｗ
「ふぅ〜ん。北川にとって愛生ちゃんはどんな存在と？」
「パートナーですけど、僕にとっては…妹のような存在です。まだまだ子供ですし…」
「ま、『石田と小田』のようなこともあるけん。これからはわからんとよ。」
「とにかく、僕がプロゴルファーとしていい成績を上げて、それ１本で食べていけるようにならないと…」
北川クンが両手で大げさにゼスチャーのように動かしながらしどろもどろで答えていると、腹の虫が大きく鳴り響く。
「やっぱり若いのう…えりぽん、石田クン。この後はパーティーの準備はできているんじゃろ？わしもアメリカから食べ物をたくさん送っているから、香音ちゃんに料理してもらっているはずじゃし、北川・山��ともしっかり食え！アスリートは身体が基本じゃけぇ〜」
「その他にも準備をしてあるから、女性陣と合流して、二人の歓迎パーティーするけん楽しみにしとるとよ！」
「あ、ありがとうございます！」
北川クンは、画面を通しての鞘師クンや他の男子メンバーにもお礼を言った。
そののち、男性陣はサウナルームを、女性陣はお風呂から出た後、吉澤さんの部屋に集まって、北川クンと愛生ちゃんの歓迎パーティーが行われた。
その中で男性陣と女性陣は７階でそれぞれ聞き取った内容を２人に聞かれないようにこそこそと情報交換をしたが、しばらく結ばれるのは無理だという結論に達した。
ただ、男性陣は北川クンへの教育として何やら企画していることだけは記録しておきます。
さて、その『男子会』がうまくいくかは神と書き手のみぞ知る。ｗ
ある日のこと、北川クンはグリーンを想定したカップイン練習用にベランダに自作した人工芝に愛用のパターを手にして出てきた。
ボールをセットして、カップに向かってパターを構え精神集中を始めた。
『…ァン、えりぽん…、ここ…ァン、誰か…』
『誰に聞こえようとかまわんと！』
「え？今の声…生田さんと聖さん？！」
驚いた北川クンが思わず声がした方にベランダから乗り出して振り向くと、数軒先のベランダで手すりに身を預け、上気した表情の聖さんとこちらに気が付いたと思われる生田クンがニヤリとしてピースサインをしたまま、腰を動かしている。
『聖！北川がこっち見てるぞ！ほら！見せつけてやりぃ！』
『え…ァン！』
最初はあっけにとられていたが、一応…北川クンも男の子である。二人が何をしているのかはまるわかりで、自分の息子も興奮してきたのかムクムクと起き上がってくるのがわかる。
「莉央ちゃん、何かあったの？」
慌てて、落ち着け落ち着け！と焦っているところに部屋の中から愛生ちゃんの声がする。『ベランダに出してはいけない！』と焦った北川クンはなるべく冷静に取り繕って返事した。
「ん…な、何でもないよ。ただ日課のパット練習しているだけだよ。」
「わかった、なら邪魔はしないよ。これから大学に行ってくるから、夜までには帰ってくるつもりだけど、夕食は先に食べてていいから！」
「わかった！行ってらっしゃい。気を付けて。」
愛生ちゃんが玄関から出て行ったのを音で知ると、数軒先のあっちの音はなかったことにするために集中しようとするが、生田クンがわざとこっちに聞かそうと先ほどよりも二人がぶつかり合う音と、聖さんの色っぽい声をさらに大きくしようとしているようだ。
そのせいか、別の声も聞こえ始めた。
『な〜ぁ、美希…お隣さんもやっていることだし、うちらも楽しもうやないか！』
『OK…春水ちゃん。でも、ベランダでするのはNo！』
「え？？」
『ち…ちょっとヨコ！、いくら何でも窓を開けていきなりベランダに押し倒すのはやめ…うっ！』
「え？？？」
どうやら生田家にあおられて、その隣、さらにその隣まで始めてしまったようだ。
それでも北川クンはプレッシャーｗに負けないよう精神集中するために、目を閉じていると、また別の方から声が聞こえてきた。
『ぁん…れーな、ベランダではちょ…』
『生田のところもやっているようだし、俺としてはこんな素晴らしい嫁の最高級に色っぽい声をみんなに聞いて欲しいと！』
「え？？？？」
思わず上から聞こえてきた声と音に再びベランダから乗り出すと、数軒先の聖さんの顔が赤くなっているのが視線に入ったので、慌てて上を見たところ、今度はベランダの手すりに寄り掛かって目は閉じていたが、色っぽく顔を赤らめたさゆみさんの顔がはっきりと目に飛び込んできた。
と同時に北川クンはドバっと鼻血を噴き出すと、ベランダの手すりにぶつかり、大きな音を立てながらぶっ倒れてしまった。
このifマンションに仲間入りをするということは…これが日常茶飯事になるんだぞ！頑張れ北川クン！負けるな北川クンｗ
君にもいつかはいいことがある！…たぶんｗ
初々しい二人 終
◎あとがきｗ
『エロッキスレ82-791「ifマンションの七夕」』の最後に出てきた２人組ネタの回収です。
勝手に北川莉央ちゃんと山崎愛生ちゃんの設定して申し訳ありません。
３人だと、どこかの子供とか、まーどぅの同級生だとかという案もありましたが、そうするとかえよこがいつになっても一番下(大人組の中では…)となるし、自分の勝手なイメージとして『北川ちゃんは大人組の方があっているのかな…』と思い、北川ちゃん一人だけはあまりにもさみしくてかわいそうｗなので、２人だけ大人扱いにしてみました。
と言っても、まだまだ３パパ同盟どころかカップルまではいかないですけどね。
北川クンのパートナー(ゴルフのであり、同居人)はどっちにしようかと考えましたが、より『空気を読めない(つまり「KY」)』方として愛生ちゃんにしました。
北川クンがプロゴルファーなので、その分風や芝が読めるということで…
愛生ちゃんファンの方、ごめんなさいm(_ _)m
ほまちゃんの希望は…田中家２人目ですかね。
１、まーちゃんに憧れている。
２、お肉が大好き＜それこそ「いいなりステーキ」常連の田中家にはあっていると思います。
男の子でも女の子でもどっちでもいいと思いますが、男の子の場合は、確実にえりりんが喜ぼそうですｗ
おねーちゃん(まーちゃん)大好きっ子になりそう
この二人…結ばれるのは、石田・小田ペアーの時よりもはるかに先になりそうです。
リアルの愛生ちゃんが最低でも高校後半ぐらいにならないと…
『こんな設定使わないよ！別の設定で書くよ！』でも構いません。
今回も読んでくださり、ありがとうございました。
By 薬者
アナウンサー「さあ、期待の新星…北川選手。今シーズンの大会では惜しくも入賞ギリギリぐらいの成績だったが、今日は調子がいいせいか優勝戦線の一角に食い込んでいます。最終18番ホール…大逆転なるか！」
「莉央ちゃん、ここのコースは相性良いみたいだね。もう少しすると風も無風に近くなるよ。」
「うん…これで沈めて決める！」
北川クンは相方に目くばせすると、グラブを持ち替えて、精神統一しながら自分のボールと相対してゆっくりと構える。そうしているうちに彼女の読み通りに微風だった風がまったくなくなった。
『今だ！』
北川クンが丁寧にグラブを振り切ると、遥か先のカップに向かって一直線に飛んで行く。
少し手前のグリーンで落下すると、転がって、一瞬そのボールが消えた…と同時にコトンという音が静かなコースの中響き渡る。
その直後、大音声が二人を包んだ。それは大逆転優勝を決めた若き二人に向けた祝福のものであった。
「「やったぁ〜これで大学の合宿所から脱出できるぞ！」」
プレイヤーの北川くんはキャディーである相方と抱きしめあってお互いの健闘を称えあった。
ある日のifマンション。
いつものように石田クンがifマンション内を荷物を運んでいくが、複数個の荷物がある部屋に届けるように指定されている。
「1005号室かぁ〜確か…この部屋は空いていると聞いていたんだけどなぁ〜」
1005号室のチャイムを鳴らしたが、中から反応がない。留守かな？と石田クンが考えていたところに、エレベーターの方からバタバタと走ってくる若い男が見える。その人は石田クンの目の前で止まった。
「す…すみません。1005号室の者です。ちょっと出てまして、遅くなりました。」
「う〜ん。ここの住人という証明がないと外で渡すことはできないんですよ。しかも、ここは空室のはずだし…」
「そうですか…」
若い男性は困った表情でそう呟く。そこにちょうどいいタイミングで尾形クンが自分の部屋から姿を見せる。
「あれ？お前プロゴルファーの北川選手やろ？部活は違うけど、同じ大学出身の尾形や！わかるか？」
「もしかして…フィギュアスケート選手で金メダリストの尾形春水選手ですか？そうです！一応、プロゴルファーを名乗っています北川莉央です。」
「尾形、お前…この人を知っているのか？」
「直接会うのは初めてですけど、この前のゴルフの大会で大逆転優勝したって大きなニュースになっていましたから、テレビやネットで写真や動画は見たことがあります。で、ところで…何故このifマンションにいるんや？」
尾形クンに言われ、石田クンにはじっと見つめられ、北川クンは緊張しながらだったが口を開いた。
「僕ら、大会の優勝賞金で引っ越してきたんです。荷物を受け取ってからあとで皆様にご挨拶に参りますので宜しくお願い致します。」
北川クンが深々と頭を下げ、ご挨拶したところ、石田クンも宅配便の配達員という立場からこのマンションの住人の顔に変わった。
「ごめんごめん、僕は本業は宅配便の配達員だけど、609号室の石田亜佑美という。よろしく。」
「わいは1003号室の尾形春水や。選手生活は引退したけど、フィギュアスケート自体はやめていない。婚約者と一緒に住んでいる。さっき『僕ら』と言ったよな。彼女か？」
「いいえ、婚約者でもカップルでもありません…」
その日の夜、田中家では田中クンとさゆみさんがいつものごとくベットで交わりあってから、アフタートークをしていた。
「ところでさゆ、今度引っ越して来た二人組…同棲でないと？」
「うん…男女だけど、カップルでなくって、シェアーハウスとして暮らすんだって。彼がプロゴルファーで、彼女がキャディー…だからパートナーという言葉には間違いないんだけど。」
「今の若い者の考えにはついていけんちゃ…」
「でも、二人とも悪くはないと思うけど…。」
「まあ…石田と小田の例もあるけん、これからどう展開するかわからんと。」
「そうね、大人は見守りましょうね。」
さゆみさんの言葉に田中クンもうなずいた。
ある日のこと、北川クンのパートナーである彼女は在籍している大学から帰ってくると、ちょうど同じ階の聖さんと野中氏に出会った。お互いに引っ越しの時の挨拶で対面はしている。
「こんにちわ。北川クンのパートナーの山崎愛生ちゃんで良かったわよね…愛生ちゃんって呼んでいい？私のことは『聖』でかまわないからね」
「はい！聖さんに野中さん、よろしくお願いします！」
聖さんの言葉に愛生ちゃんは元気に答える。年令を考えると10歳までとはいかないが、かなりの年齢差があるため、体育会系部活所属の愛生ちゃんは目上の二人に礼儀正しく答えた。
「聖さん…」
「そうね。ところで愛生ちゃん…私たち女性陣で７階にあるお風呂に行く予定なんだけど、これから時間あるかしら。」
「はい！私はかまいませんが…莉央ちゃんにも伝えなければ…」
「Don't worry！そちらは男性陣が何やら企画しているようなので…」
「しかも…『吉澤さんからの命令は絶対』ですからねぇ〜」
「え？ええ？？」
「聖さん！野中さん！お待たせしました！吉澤さんやさゆみさんたちの待つ温泉へレッツらゴー！」
愛生ちゃんは頭の中が『はてなマーク』でいっぱいのまま、聖さんと野中氏…それに待っていたかのように出てきた横山ちゃんに引っ張られ、吉澤さんたちが待つ７階へと向かった。
一方、そんなこととは知らない北川クンがバイト帰りの疲れ切った身体を引きずりながら、暴れ回る腹の虫をなだめながら帰宅してきた。
「あ〜ぁ、腹減った。愛生ちゃんきっとご飯、待っているだろうなぁ〜。早く僕がゴルフ一本で生活できるようにならないと…」
自分の部屋の前に立った時、お隣の部屋からそこの住人である加賀クン、その隣の尾形クン…そして、自分たちの荷物を運んでくれた石田クンが姿を見せた。
実は…北川クン、先輩に無理やり連れて行かれた舞台がきっかけで、ちょうど出演していた加賀クンに一目ぼれでファンになっていたのだ。
始め、引っ越しの挨拶に行ったときは横山ちゃんだけだったので気が付かなかったが、翌日加賀クンと鉢合わせした北川クンは興奮して、ブンブンと力の限り握手をしたため、それからの加賀クンは北川クンに対しては塩対応が多い。
それでも北川クンはめげず、加賀クンにアタック？し続けている。
「よう…北川！今お帰りかい？」
「はい！まだゴルフ一本じゃ食べていけないので、バイトしています。」
「え？ゴルフ場ではなくて？？普通の？？？」
「今シーズンでいい成績を残せれば何とか普通のバイトはやめられるんですけどね。」
「ほな…しっかりと食っているのか？アスリートは食事も大事やで。」
「う〜ん、厳しいですね。いつも腹ペコ状態です。愛生ちゃんの実家から食べ物が送られてきたりするので、助かってはいますけど、プロゴルファーは道具代の他に遠征費やエントリーフィーなどですごくお金がかかりますから…」
北川クンは大きな身振り手振りで答えるが、時々腹の虫が大きく鳴り響き、そのたびに恥ずかしいのか身振り手振りも小さくなり、下を向いてしまっている。
「石田さん、そろそろ行かないと田中さんが…」
「そうだな、じゃ！尾形と加賀！北川を運べ！」
「石田さん、イエッサー！」
「ボクモ運バナイトダメデスカ？」
石田クンの言葉に尾形クンは大きな声で返事をしたが、加賀クンは棒読みで答える。
石田クンは『当たり前だろ！』という表情で、偉そうに両腕を組みながらうなづいたので、加賀クンは仕方なく北川クンを尾形クンとはさみ、息を合わせて両腕をつかむと一気に身体を持ち上げた。
「北川！悪いけど田中さんのご命令だからこれから貸切ってある７階のサウナに連行する。そこで洗いざらい白状してもらうからな！例えば…同棲している『彼女』との関係とかさ！」
「え？ええ？？愛生ちゃんとは単なる先輩後輩で、プレイヤーとキャディーの関係だけです！」
「同じことを田中さんや吉澤さんの前でも言えるかな？ま、彼女の方は女性陣がお風呂を貸し切って色々と話を聞くそうだから…こっちはこっちで色々と白状してもらうぞ！」
「加賀さんに触って頂けるのは嬉しいのですが、でも…いやだぁ〜！助けてぇ〜」
じたばたしている北川クンを尾形クンと加賀クンは慣れた手つきで運んで行った。その後を今回は珍しくゆっくりとした歩きで後をついていった。
さて…まずは７階のお風呂場を貸し切った女性陣の方から…
女子用のロッカーにて服を脱ぎ、愛生ちゃんが改めて周りを見回すとまぁ〜他の皆様が美人でスタイルのいいこと！
中には出でいるところはしっかり出ていて、ウエストはくびれていたり、まるでモデルの様にキレイな人ばかりである。
友人達には『空気が読めない！』と散々言われている愛生ちゃんでさえ子供体系な自分の身体とチラリチラリ見比べながら恥ずかしそうにし、タオルで身体を隠しながらお風呂場に入っていく。
その中にいたのは、北川クンと一緒に引っ越しのご挨拶に回ったときに出会った方々の女性陣の中に打たせ湯に胡坐を組み、目を閉じているボーイッシュな美人さんが目に留まる。
「吉澤さん、お待たせしました。今話題の山崎愛生ちゃんをお連れしましたわ。」
聖さんの言葉にその言葉にその人は目を開けた。
「ifマンションにようこそ…1103号室の住人でその隣の1104号室で『YH』というTATTOO屋をしている彫師の吉澤だYO。」
吉澤さんは『こっち来い！』というように手招きをしている。愛生ちゃんが戸惑っているところに横山ちゃんが愛生ちゃんに耳元に小声で話してきた。
「彼女がここのifマンションの支配者の吉澤さん。吉澤さんの命令は『絶対』だからね。」
ご挨拶周りの時には1103号室は留守だったし、その隣の1104号室は出てきたのが田中クンで、吉澤さんとは会っていなかったのだ。
恐る恐る愛生ちゃんが吉澤さんに近寄ろうとすると、不安がっていることに気が付いたさゆみさんがお風呂から立ち上がり、こっちに歩いてきた。
「愛生ちゃんて呼んでいいかな？大丈夫。吉澤さんはああ見えてみんなのことを考えてくれる優しい人だから。」
さゆみさんの笑顔と優しい言葉に思わずつられて笑顔になる愛生ちゃん。さゆみさんはそっと愛生ちゃんの肩に手をかけると、吉澤さんの元に連れて行った。
「ところで愛生ちゃん、一緒に住んでいる北川クンは『彼氏』なの？」
「いえ…莉央ちゃんは大学の１年先輩で、ゴルファーとキャディーの関係だけです。」
「え？寝たこともないのかYO」
「大会での宿代を節約するために車で数日間寝たことはありますけど…」
「「「「「「「え？？？？？？？」」」」」」」
「じ、じゃ…キスは？」
「ゴルフの大会で優勝したときに興奮してついホッペにキスしたことはあります。」
愛生ちゃんは北川クンについ興奮してキスをしてしまったことを思いだのか、恥ずかしくて顔が真っ赤だ。他のメンバーはあまりにも初々しい様子にメロメロだ。
「ところで愛生ちゃん、ＳＥＸ…つまり、愛し合う行為は？」
「それ…何ですか？？」
さゆみさんの言葉に愛生ちゃんはあっけらかんとした口調で答える。それを聞いた女性陣は全員が逆に動揺していた。
「つまり、えっと…何て言ったらわかるかなぁ〜ちょっと語弊があるけど…子作りのことよ。」
「え？子供って口と口でキスしたらコウノトリが運んでくるんじゃないですか？？」
愛生ちゃんの信じられない言葉に驚き、その場にいた全員が逆に北川クンに同情していた。
こちらは北川クンが運び込まれた７階のサウナルーム。
石田クンや尾形クンに無理やり素っ裸にされ、一応…タオルを渡され、サウナルームの中に入ると、そこには待ち構えていたように田中クンが真っ正面におり、その隣には生田クンが座っていた。
その反対側には防水使用のタブレットが置いてあり、そこには鞘師クンが映っている。
挨拶回りの時も鞘師クンはアメリカに行っていたため日本にはいなかったが、香音さんが鞘師クンの写真を見せてくれたため、顔は知っている。
もちろん…その人が『メジャーリーグプレイヤー』ということにはもちろん有名な選手だから知ってはいたが、まさか同じマンションに住んでいることにすごく驚いていた。
「いよぅ、北川！待っとったと！」
「じゃ…ここでは北川の歓迎会として、色々と質問していくが、正直に答えるとよ。」
「この場に入れれなくて申し訳ないのぅ〜。試合の関係でどうしても帰国できなかったんじゃ。でも、帰国したときには改めでよろしくじゃ。」
「「「で、同棲している彼女とはどこまで進んでいる（と？・んじゃ？）」」」
田中クン、生田クン、鞘師クンの質問に北川クンは大きくため息をついた。
「愛生ちゃんは大学の1年後輩で、ゴルファーとバッグを持ってくれたり、風や芝生の目を読んでくれてアドバイスをくれるキャディーという関係だけです。」
「「「ほっほぅ…」」」
「同じ部屋なのも、今まではお互い大学の部活の寮に居ましたが、僕はもう卒業しましたし、彼女ももうじき卒業でいつまでもいられません。２部屋借りるより、いっそうのことシェアハウスとして住んだ方が安く上がるので、この前の大会での優勝賞金で引っ越してきました。もちろん寝室は別です！」
その言葉に思わず石田クンに視線が集まる野郎どもｗ。石田クンもその変な視線に気が付いて少し慌てる。
「僕と小田は、たまたま引っ越してきた日っが一緒だったというだけで…」
「え？石田さんは小田さんと付き合っているんですか？」
見事な墓穴を掘ってしまった石田クンだったｗ
「ふぅ〜ん。北川にとって愛生ちゃんはどんな存在と？」
「パートナーですけど、僕にとっては…妹のような存在です。まだまだ子供ですし…」
「ま、『石田と小田』のようなこともあるけん。これからはわからんとよ。」
「とにかく、僕がプロゴルファーとしていい成績を上げて、それ１本で食べていけるようにならないと…」
北川クンが両手で大げさにゼスチャーのように動かしながらしどろもどろで答えていると、腹の虫が大きく鳴り響く。
「やっぱり若いのう…えりぽん、石田クン。この後はパーティーの準備はできているんじゃろ？わしもアメリカから食べ物をたくさん送っているから、香音ちゃんに料理してもらっているはずじゃし、北川・山��ともしっかり食え！アスリートは身体が基本じゃけぇ〜」
「その他にも準備をしてあるから、女性陣と合流して、二人の歓迎パーティーするけん楽しみにしとるとよ！」
「あ、ありがとうございます！」
北川クンは、画面を通しての鞘師クンや他の男子メンバーにもお礼を言った。
そののち、男性陣はサウナルームを、女性陣はお風呂から出た後、吉澤さんの部屋に集まって、北川クンと愛生ちゃんの歓迎パーティーが行われた。
その中で男性陣と女性陣は７階でそれぞれ聞き取った内容を２人に聞かれないようにこそこそと情報交換をしたが、しばらく結ばれるのは無理だという結論に達した。
ただ、男性陣は北川クンへの教育として何やら企画していることだけは記録しておきます。
さて、その『男子会』がうまくいくかは神と書き手のみぞ知る。ｗ
ある日のこと、北川クンはグリーンを想定したカップイン練習用にベランダに自作した人工芝に愛用のパターを手にして出てきた。
ボールをセットして、カップに向かってパターを構え精神集中を始めた。
『…ァン、えりぽん…、ここ…ァン、誰か…』
『誰に聞こえようとかまわんと！』
「え？今の声…生田さんと聖さん？！」
驚いた北川クンが思わず声がした方にベランダから乗り出して振り向くと、数軒先のベランダで手すりに身を預け、上気した表情の聖さんとこちらに気が付いたと思われる生田クンがニヤリとしてピースサインをしたまま、腰を動かしている。
『聖！北川がこっち見てるぞ！ほら！見せつけてやりぃ！』
『え…ァン！』
最初はあっけにとられていたが、一応…北川クンも男の子である。二人が何をしているのかはまるわかりで、自分の息子も興奮してきたのかムクムクと起き上がってくるのがわかる。
「莉央ちゃん、何かあったの？」
慌てて、落ち着け落ち着け！と焦っているところに部屋の中から愛生ちゃんの声がする。『ベランダに出してはいけない！』と焦った北川クンはなるべく冷静に取り繕って返事した。
「ん…な、何でもないよ。ただ日課のパット練習しているだけだよ。」
「わかった、なら邪魔はしないよ。これから大学に行ってくるから、夜までには帰ってくるつもりだけど、夕食は先に食べてていいから！」
「わかった！行ってらっしゃい。気を付けて。」
愛生ちゃんが玄関から出て行ったのを音で知ると、数軒先のあっちの音はなかったことにするために集中しようとするが、生田クンがわざとこっちに聞かそうと先ほどよりも二人がぶつかり合う音と、聖さんの色っぽい声をさらに大きくしようとしているようだ。
そのせいか、別の声も聞こえ始めた。
『な〜ぁ、美希…お隣さんもやっていることだし、うちらも楽しもうやないか！』
『OK…春水ちゃん。でも、ベランダでするのはNo！』
「え？？」
『ち…ちょっとヨコ！、いくら何でも窓を開けていきなりベランダに押し倒すのはやめ…うっ！』
「え？？？」
どうやら生田家にあおられて、その隣、さらにその隣まで始めてしまったようだ。
それでも北川クンはプレッシャーｗに負けないよう精神集中するために、目を閉じていると、また別の方から声が聞こえてきた。
『ぁん…れーな、ベランダではちょ…』
『生田のところもやっているようだし、俺としてはこんな素晴らしい嫁の最高級に色っぽい声をみんなに聞いて欲しいと！』
「え？？？？」
思わず上から聞こえてきた声と音に再びベランダから乗り出すと、数軒先の聖さんの顔が赤くなっているのが視線に入ったので、慌てて上を見たところ、今度はベランダの手すりに寄り掛かって目は閉じていたが、色っぽく顔を赤らめたさゆみさんの顔がはっきりと目に飛び込んできた。
と同時に北川クンはドバっと鼻血を噴き出すと、ベランダの手すりにぶつかり、大きな音を立てながらぶっ倒れてしまった。
このifマンションに仲間入りをするということは…これが日常茶飯事になるんだぞ！頑張れ北川クン！負けるな北川クンｗ
君にもいつかはいいことがある！…たぶんｗ
初々しい二人 終
◎あとがきｗ
『エロッキスレ82-791「ifマンションの七夕」』の最後に出てきた２人組ネタの回収です。
勝手に北川莉央ちゃんと山崎愛生ちゃんの設定して申し訳ありません。
３人だと、どこかの子供とか、まーどぅの同級生だとかという案もありましたが、そうするとかえよこがいつになっても一番下(大人組の中では…)となるし、自分の勝手なイメージとして『北川ちゃんは大人組の方があっているのかな…』と思い、北川ちゃん一人だけはあまりにもさみしくてかわいそうｗなので、２人だけ大人扱いにしてみました。
と言っても、まだまだ３パパ同盟どころかカップルまではいかないですけどね。
北川クンのパートナー(ゴルフのであり、同居人)はどっちにしようかと考えましたが、より『空気を読めない(つまり「KY」)』方として愛生ちゃんにしました。
北川クンがプロゴルファーなので、その分風や芝が読めるということで…
愛生ちゃんファンの方、ごめんなさいm(_ _)m
ほまちゃんの希望は…田中家２人目ですかね。
１、まーちゃんに憧れている。
２、お肉が大好き＜それこそ「いいなりステーキ」常連の田中家にはあっていると思います。
男の子でも女の子でもどっちでもいいと思いますが、男の子の場合は、確実にえりりんが喜ぼそうですｗ
おねーちゃん(まーちゃん)大好きっ子になりそう
この二人…結ばれるのは、石田・小田ペアーの時よりもはるかに先になりそうです。
リアルの愛生ちゃんが最低でも高校後半ぐらいにならないと…
『こんな設定使わないよ！別の設定で書くよ！』でも構いません。
今回も読んでくださり、ありがとうございました。
By 薬者
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