町外れの丘の上にポツンと建っている古い屋敷の上にポッカリと満月が輝いている夜
サキュバスえりりんはお友達のヴァンパイアさゆみちゃんのお家に遊びに来ています

「ねぇえり……さゆみ、これからお出かけしたいの……」
「えー?せっかく遊びに来てあげたのにぃー…さゆはえりちゃんを置いて行っちゃうんだ…」
「毎日毎日えりが遊びに来るからさゆみここ最近、全く獲物にありつけてないんですけど!」
「でもヴァンパイアとかって、しばらく血とか吸わなくても死なないじゃんw」
「死なないけどしんどいの!って言うかね、えりはれいなといちゃこらしておけばいいじゃない!なんで毎日ここに来るのよ?!」
「だってれーな、この時間はお仕事に行ってるんだもん…」
「……暇だからってさゆみを巻き込まないでほしいの……」
「あ、そーだ!ねぇねぇさゆぅ〜wお腹空いてるんでしょ?」
「誰かさんがさゆみの夜の散歩を邪魔するおかげでね…」
「じゃあさ、れーながお仕事してる所に一緒に行こうよ!」
「えりだけ行ってればいいの」
「カワイイ子、いっぱいいますよ?」
「……なん……だと?」
「あ!急にヤル気になってるしwwwさゆのスケベwww」
「…うるさいの…ところでそのれいなが働いてるお店って何?」
「えっとぉ…クラブ?ってゆーの?お酒飲んだりする所」
「ふーん。まぁ、さゆみはカワイイ子がいるなら何でも良いんだけどね…」
「あ、そうだ。忘れる所でしたよ?」
「何?」
「あのね。れーなにね、れーなのお店に行くんだったら、行く前にちゃんとれーなに連絡しなきゃいけないのね。
 でも、えり、れーなに今日お店に行くよって言ってこなかったぁ」
「れーなれーなってしつこいの…」
「さゆ、どうしよう…」
「電話すれば?」
「えり、ケータイとか持ってないもん」
「さゆみだって当然持ってないの」
「しかたないなぁ…じゃあ、伝書コウモリ使うしかないね!」
「…なに、それ…」
「昔の人間がやってたじゃん!鳩の足に手紙を付けて届けてもらう、アレ!アレのコウモリバージョンwさゆならできるでしょ?」
「…ぃゃ…まぁ…できますけど……」

さゆみは使役している蝙を2匹呼び寄せて、その足にえりの手紙を括り付けた

「さゆ、すごいね!」

闇夜に溶けるように飛んで行った蝙を見送りながらえりは感嘆の声をあげた

「まぁ…ヴァンパイアですからw…ってゆーか、どうして事前の連絡が必要なの?」
「ちゃんとね、えりが座る席を用意したいからなんだって!ウヘヘ…」
「とか言いながら、本当はえりのいない所で浮気とかしてるから、急に来られると困るからじゃないの?w」
「ちがうもん!前に連絡しなくて遊びに行ったらお店が結構混んでてぇ。仕方がないからぁえり、れーながいる場所から見えない席に座ったのね。
 そしたらえり、すっごいすーーっごいいっぱいナンパされたの!それでれーなすっごい心配しちゃってwそれかられーなってば、
 えりがれーなから見える場所に座っとらんと落ち着かんとーってw」
「完全に惚気話なの……」

さゆみはふにゃふにゃと笑いながらクネクネしてるえりをため息まじりに見つめるしかなかった
それからも次々に繰り出される惚気話にさゆみがウンザリしていると、先程の蝙がさゆみの元に戻って来た

「お帰りぃ〜って早いねーw」
「さゆみの僕達だもの。デキる子達なの」
「ウヘヘ〜…エライねーw」

ヨシヨシと蝙を膝に乗せてナデナデしているえりの隣でさゆみは蝙が持って帰って来た紙切れを開く

「“えりとさゆのふたり分の席を用意しとくっちゃん!さゆにはカワイイ女の子も用意しとくけんね!
 ちなみに今日はれいなのバースデーパーティーやってマス(≡´T`≡)”だって…」
「良かったねwカワイイ女の子いるってwww」
「えりは手紙になんて書いたのよ…」
「ん?さゆが飢えてるって書いたwww」
「そんな事言われると極度に気まずいの…」
「まぁまぁwじゃ、行こっか?」


と、言うわけでやって来たのは繁華街からひとつ細い路地に入った所にあるそれらしい建物

「ここ?」
「そう。ここですよ?」

重厚な鉄の扉の開けると重い音圧とタバコや甘い香水の匂いと
キラキラした照明が一気に洪水の様に押し寄せて来て、一瞬クラッとするさゆみ

「うわぁ…なんなの?」
「さゆ?大丈夫?あ、こんばんはぁ」

絵里は空いたグラスを持って歩いていた長髪の女性に声を掛ける

「オォ、コンバンワ。席用意シテルゾ」

気さくに絵里に答えた女性は慣れた様子で絵里とさゆみをカウンター席にエスコートする

「れーな!れーなぁ!さゆ、連れてきましたよ?」
「おぉ!いらっしゃい!お友達のさゆもいらっしゃいwww」

いたずらっ子みたいな笑顔で迎えるれいなにさゆみはハイチェアに座りながら頬を膨らませて反論する

「別にお友達でもなんでもないの。カワイイ子がいるって言うから着いて来ただけなの」
「ん?何か言いましたか?」
「いや、別に……」
「まぁまぁwで、何飲むと?」
「絵里はいつものー」
「さゆみは赤ワイン、グラスでね」
「かしこまりましたー。で、さゆはどんな子がタイプなん?」

れいなは背後の棚から適当なグラスを取出しながら、早速本題に入る

「れーな、いきなりだねぇw」
「やってさゆ、そーゆーのこだわりありそうやしw」
「そうね…可愛くて素直で血がおいしくて」
「それって、えりじゃん!」
「いや、違うし…」
「絵里はダメやけんねw」
「いや、いらないし…」
「さゆ、ひどーいw」

そうこうしている内にふたりの前にグラスが並べられたのでとりあえず乾杯する

「れーなの誕生日とさゆの久々の食事にカンパーイwww」
「カンパイ…って絵里、大声で恥ずかしいの…」
「ウヘヘ〜」

八重歯を見せながらオレンジ色のカクテルを飲む絵里とそんな絵里を見ながら頬を緩ませるれいなに呆れながらグイッと赤ワインをあおるさゆみ

「って言うか、れいなの誕生日なのにれいなは働いてるの?」
「まぁね。今日はお店のスタッフとお客さんに祝ってもらって。明日は休みやけん絵里と過ごそうかなって思っとーよ」
「もうwれーなったらぁwww明日は寝かせませんよ?」
「元々、寝るつもりとかないしwww」
「はいはい、ごちそうさまwwwで、さゆみにはどの子を紹介してくれるの?」

ちろりと唇を舐めながら店内を軽く見回すさゆみ

「血が美味しいかはわからんけど、素直で可愛いオススメの子がおるったいw」

カウンター越しに絵里と指を絡ませながら笑うれいな

「どの子?」
「さゆ、がっつき過ぎw」
「しかたがないじゃない!お腹空いてるんだもの!」
「そんなに慌てんでも夜は長いけんw気に入ったら奥のVIPルームに通してあげるけん、ゆっくり楽しめばよかよw」

そう言ってれいなは「紹介したい子、ちょっと探してくる」とフロアの方へ消えて行った

「絵里はその紹介してくれる子のコト知ってるの?」
「うん。たぶんあの子かなーって」
「カワイイの?」
「うん。可愛くて素直なイイ子ですよw今、れいなのお家に絵里と一緒に居候してるの」
「なんで?」
「中国から来た子なんだってー」
「ちょっと…言葉通じるの?」
「大丈夫大丈夫wめっちゃ日本語上手だからwww」
「ふーん」
「さゆー、お待たせーw」

ちょっと不安になってたさゆみの背後かられいなののんきな声がしたので振り返るさゆみ
そこにはニヤニヤしたれいなと、その隣にれいなと同じぐらいの背丈の女の子が立っていた

「コンバンワー」
「この子がさゆに会わせたいって言ってた子やけん」
「ハジメマシテーリンリンデス!」
「あ、はじめまして…さゆみです…」

さゆみの頬がちょっと赤くなったのはお酒のせいじゃない…と思ったれいなと絵里は思わずニヤリと笑ってしまった

「はい、どーぞw」

紹介された女の子、リンリンをポワンとした表情で見つめているさゆみにどうしてもニヤけてしまうれいな
思わず吹き出してしまいそうになるのを堪えながら、リンリンをさゆみの隣の席へ座らせた

「アー、アリガトゴザイマスー」

リンリンはにこやかに、れいなが少し引いてあげたハイチェアに腰を下ろした

「れーなぁ、同じのおかわりぃ〜w」

リンリンが座ったのを見届けてカウンターの中に戻ろうとしていたれいなに絵里がオーダーする
腰をひねって背後を通りすぎようとしていたれいなに向かって空のグラスを揺らして氷をカラコロと鳴らす
れいなは口角を上げて笑顔だけでそのオーダーを受ける
そして絵里の背後から手を伸ばして空のグラスを持つ絵里の手に自分の手を重ねた

「れいな特製のオリジナルカクテルはおいしかったと?」

絵里の肩口に顔を寄せて尋ねるれいな

「うん。おいしかったよぉ〜ウヘヘ」

密着してくるれいなに甘えるように擦り寄る絵里

「そうったい……」
「……ぅん……んっ…」

そして2、3秒の甘いキス

「ワオ!!れいなサンとエリサンダイタンデスダ!」

驚いているリンリンだったが、その隣に座るさゆみはそんなリンリンをジッと見つめているだけ

「アレ?さゆみサン…ワタシの顔、ナンカ変デスカ?」

反応が薄いさゆみを変に思ったリンリンがちょっと困り顔でさゆみに問い掛ける

「あ、ううん!違うくて!そうじゃなくて!」
「さゆはリンリンが可愛くて見とれとっただけやけんw心配せんでもよかよw」
いつの間にかカウンターに戻ってきていたれいながさゆみをからかうようにフォローした
「ちょっ!れいなっ!」
「アイヤー…恥ズカしいデスネ!」

リンリンは着ていた花柄のワンピースの裾をイジイジと摘んで俯いてしまう

「もぉ〜wリンリン、いちいち可愛いよぉ〜w」

一杯のカクテルでちょっと出来上がり気味の絵里がカウンターをバンバン叩いて笑う

「もう!絵里はいちいちウルサイの!」
「さゆまで照れちゃってぇ〜ウヘヘ」
「ねぇ、れいな…隣の絵里がうるさいから個室に行きたいんだけど」
「もう?wさゆ、早くない?w」
「よかよwふたりのドリンクは後で持って行ってあげるけんw」
「アリガトゴザイマスー」
「じゃ、リンリン、行こ?」

さりげなくリンリンの手を取ってさゆみは立ち上がる
それに続いてモジモジしながらも立ちあがったリンリン
ふたりはれいなが呼んだ長髪長身の女性スタッフにエスコートされて人混みの間に消えて行った

「れーなぁ…さゆの目、ヤバかったねwもう、ロックオン!って感じwww」
「思った以上に飢えとったんやねw」
「ねぇねぇ、早くお酒持って行ってよwえり、あの部屋の中の様子、めっちゃ気になるんですけどw」
「絵里もがっつきすぎwれいなにイイ考えがあるけんw…ほれ」

そう言って人差し指を絵里に向けるれいな

「えーなになに?」
「どうせえっちなコトするんやったら、めちゃくちゃえっちな気分になってからの方がいいやろ?」
「あーそっかぁwそーゆーコトねw」

れいなのいたずら心を察した絵里はれいなの人差し指にキスをしてからゆっくりとくわえる

「……んっ…んふぅん……」

れいなの細い指を根元までくわえ込んで自分の唾液をたっぷりと絡めた舌で舐めまわす
加減を確かめるためにれいなを上目遣いで見やる絵里

「もうちょい…」
「…ぅん……んっ……」

指の根元に歯をたててれいなの指をたっぷりとしゃぶってれいなのリクエストに応える絵里

「絵里ぃ…ばりエロいw」
「んふっ……ん……」
「そんぐらいでよかとw」

ちょっと目を潤ませた絵里の唇が薄く開いて、れいなの指が解放される
指先と唇に架かる銀色の橋がブラックライトに照らされてキラキラと妖しく光る

「これはリンリンの分w」

そう言って作ったばかりのブルーのカクテルを濡れた人差し指でクルクルと掻き混ぜる

「それだけの量で効果あるかなぁ?」
「リンリンなら効くやろwんじゃ次はさゆの分なw」

そう言ったれいなは、今度は絵里に人差し指と中指を絵里に向けた

「さゆの分は増量なんだw」
「そうwさゆには絵里特製メガエロカクテルw」
「じゃぁ、いっぱい舐めちゃうぞーwww」
「舐めて舐めてwもうめっちゃエロく舐めてwww」
「はーいw」

いい子な返事をした絵里は嬉しそうにれいなの指にしゃぶりついた



「リンリンは中国から来たの?」
「ハイ!でも住む所なくて困ってタラれいなサンと絵里サンが一緒ニ住んでモいいヨ言ッテくれマシタ」
「そうなんだ……で、リンリンは恋人とかいるの?」
「え?コイビト?イナイイナイ!そんなのイナイデスダ!」
「そうなんだ…」

さゆみは微笑を浮かべてリンリンの身体に密着するように座り直した

「ア……」

ふと変わったさゆみの雰囲気に気が付いたリンリンだったが小さく呟いただけで動けずにいた

「イイ雰囲気の所お邪魔しまーすw」
「ホント、お邪魔なの…」

片手にグラスを2コ持って現れたれいなに冷たい視線を投げつけるさゆみ

「コレ置いたらすぐ出て行くけんw」

ニヤニヤしながられいなはさゆみとリンリンの前に色鮮やかなカクテルを並べる

「ほい、こっちがリンリンで…こっちがさゆのなw」
「ありがと……」
「アリガトゴザイマスー」
「んじゃ、ごゆっくりーw」

れいなが出て行くとフロアに鳴り響く音楽が遠くなり、また個室内に静寂が訪れた
その環境に満足そうに目を細めたさゆみはできたてのカクテルをグイッと喉に流し込む

「美味しい……リンリンも飲んだら?」
「ハイハイ…イタダキマス……アー、オイシイデス」

素直に感想を口にするリンリンにさゆみはクスリと笑う

「アレ?ワタシ、ナンカオカシイコト言いマシタか?」
「ううん…可愛いなって思ったの」
「カワイイとか照れマスデス……」
「そんな…照れなくていいのに……」

とか言いながらも、照れて少し顔を赤らめるリンリンがどうしようもなく可愛くてしかたがないさゆみ
思わずその髪の毛に手が伸びてしまう

「エッ?」
「綺麗な髪の毛……」

肩の辺りで切りそろえられたサラサラの髪の毛を何度も掬っては流す様に落とす

「アー…アリガトゴザイマス…」
「それに、肌も綺麗……」

少し乱れた髪の隙間から指を差し入れてリンリンの白い首筋に指を這わせる

「ァ……」

首筋をなぞって鎖骨を辿って顎に指を添えて自分の方を強制的に向かせる

「ァー……エト……?」
「………」

リンリンの目に熱っぽく見つめてくるさゆみのオトナっぽい笑顔

「……ねぇ、リンリン……」
「ハイ?」
「リンリン、すごく可愛いからさ……食べちゃってもイイ?」
「エッ?食ベ…ンッ!?」

リンリンの疑問の言葉はさゆみの唇にかき消される
いきなりの事でポカンとしていた隙に口内にさゆみの舌が滑り込んでくる

「ンッ!……ンンー……」
「んっ……」

奥に引っ込もうとするリンリンの舌を器用に絡め取って吸い上げるさゆみ
想像通りの柔らかい感触に思わずさゆみの口角が上がる

「…ンッ……さ…ゆみっ……サッ………」

いつの間にかお互いがお互いの舌を擦り合わせていた
室内に唾液が絡まる水音と唇が触れ合ったり離れたりして放たれる音が響く
リンリンの顎から指を離してもリンリンの唇は離れない事を確認したさゆみはその指でリンリンの体のラインをなぞる
リンリンの吐息が跳ねる
だけどリンリンの唇は離れない
それどころか、リンリンの両腕がさゆみの首にまわされた

「リンリン……イイ子なの…」

唇が触れ合ったままさゆみが呟く

「……さゆみ…サンッ……」
「リンリンの唇……スゴく熱いの……」
「さゆみサンのも……ッテ言うか……リンリン……暑くナッテきまシタ……」
「フフフ……それはイイコトなの……」

そう言って笑った唇のまま、またリンリンの唇にむしゃぶりつくさゆみ
そして指をゆっくりと下に下げて、リンリンのふとももを撫でる
さすがに足をモゾモゾさせて抵抗するリンリン

「ほら……ジッとして……」

まっすぐ見つめてリンリンをたしなめるさゆみ
目を伏せてさゆみの視線から逃れようとするけれど、足はおとなしくなる

「やっぱりリンリンはイイ子なのw」

反対の手で優しくリンリンの頭を撫でるさゆみ
俯いたまま照れくさそうに笑って、上目遣いでさゆみの顔色を伺うリンリン
その表情がさゆみの心に火をつけた
さゆみの胸が高鳴り、熱い血が全身を駆け巡る
どうしようもなく喉が渇く
頭を撫でていた手を離して、グラスを掴む
そして喉を潤す
いつもより熱を持ったアルコールが喉を通って行く
だけどさゆみの本能はまだ喉の渇きを訴える
さゆみはさらに酒を口に含んで飲み込まず、そのままリンリンに口づける
突然流し込まれたさゆみの唾液以外の液体にびっくりするリンリンだったが、さゆみに唇を塞がれどうする事もできない

「んっ?!ッ……ケホッ!」

口内のほとんどを飲み込みはしたが、むせたはずみでいくらかを吐き出してしまった
リンリンの真っ白な首筋に溢れた酒の跡

「もう…リンリンってば、お酒こぼしちゃって…」
「ァゥ……ゴメンナサイ……」

無理矢理飲ませたのはさゆみなのにシュンとしてしまうリンリン
そんなリンリンが心底可愛いと思えてしまうさゆみ
もう、そのすべてを奪いたい
さゆみのひとつひとつの行動に対してクルクル変わるリンリンのその表情すべてを独り占めしたい
さゆみはゆっくりとリンリンの唇の端から濡れた首筋に舌を這わせる

「ふゎぁっ!」

さゆみの舌先が与える弱い感触に震えるリンリンの口から吐息が漏れる
もっと鳴かせたい、喉が渇く、もっと震わせたい、喉が渇く、
もっと味わいたい、身体が熱い、もっと味わいたい、血が能みたい
欲望の塊となったさゆみの欲望の象徴である牙が押さえきれない食欲と性欲のせいで溢れだす唾液に濡れて光る

「ッ?!ッ……アッ!!」

肩に感じる鋭い痛みにリンリンは身体を強ばらせ、思わず悲鳴を上げる

「ワッ!ァ……さゆ、みサンッ……」

それでもリンリンはさゆみから離れずに、恐怖を打ち消そうとさゆみに抱きついた
そんなリンリンの可愛い行動と口内に流れ込む熱くて甘い血にさゆみは頬を緩ませる
ドクドクと波打つリンリンの鼓動にさゆみの鼓動と興奮も高鳴る
さゆみを抱き締めるリンリンの腕の力が抜けて来た所でさゆみは肌に突き立てた牙を抜いた

「大丈夫?」

リンリンの腕の中から見上げてさゆみが尋ねる

「ハァ…ハァ…ダイジョブ…デス……」

少し涙目のリンリンがグッタリしながらもはっきりした声で答えた

「そう……じゃぁ、だんだん気持ち良くなってくるからねw」
「ワタシが…気持ちヨク……なるデスカ……?」

潤んだ瞳をパチクリさせるリンリン
不思議そうにしてるリンリンが可愛くてしかたないさゆみはクスリと笑って乱れたリンリンの髪を整えてやる

「そう……心配しなくても大丈夫……さゆみがついてるからね……」
「……ハイ……」

そう言ってリンリンはまたさゆみにギュッと抱きついた


さゆみにとっての久々の食事は思っていた以上の上物で甘美なものだった
腕の中で小さく震えるリンリンを抱き締めながら込み上げる笑いを必死に堪えるさゆみ
これは後日、れいなにお礼しなきゃなの…などと考えていたが、リンリンの息が上がってきているのに気付く

「…どう?……気持ち良くなってきたでしょ?」
「ゥ〜……ナンカ……変、デス」

頬を赤く染めたリンリンが腕の中でモゾモゾと小さく身体を捩らせながら見上げてくる
その視線にさゆみの身体も熱を帯びる
いつもの食事の時よりも明らかに熱い

「リンリン、可愛いから…リンリンにご褒美あげるの……」
「ゴホウビ…?ナンデスカ?」
「リンリンがして欲しいコト、してあげるってコトなの」
「シテホシイ……コト?」

リンリンの様子からさゆみはリンリンの身体が疼いて仕方がないことを悟る
わかっていて焦らしているさゆみは抱き締める腕でリンリンの身体のラインをゆっくりと撫でまわす
その動きに合わせてリンリンの背中が弓なりにしなってますますふたりの身体が密着する

「フフフ……くすぐったいの?」
「ふぁっ……ナンカ……違うっ…デス」

虚ろな目でさゆみの手に翻弄されるばかりのリンリン
さゆみはその姿が愉快で仕方がない
力の抜けたリンリンの身体をずらして後ろからかぶさるように抱きかかえた
そして指を滑らかなふとももに這わせた後、その間にゆっくと侵入させた

「ァ…ダッ…ダメ、デス…」
「いいから…リンリンはそのままさゆみに任せておけばいいの……」
「ンッ…!!」

先ほど牙を突き立ててできた肩口の小さな傷を執拗に舐めながら、既に湿っぽくなっている個所に指を這わせる
抵抗する力も気力もさゆみに奪われたリンリンは与えられる快感に身を委ねるしかなく、グッタリとさゆみの肩に頭を預けた

「そう…大人しくしてれば気持ち良くしてあげるから…ね」

さゆみは寄せられたリンリンの頬に自らの頬を寄せて熱っぽく囁いた

「……ん?」

その時、さゆみはおでこに違和感を感じた

「……んん?」

リンリンの柔らかい髪とはまた違う感触

(あれ?リンリンって帽子とかかぶってたっけ?)

おでこに触れる謎の物体のその正体が気になったさゆみは顔を上げた

「……へっ?………はぁぁぁ!?」


さゆみの目の前にぴょこぴょこと動く黄金色の毛に覆われた物体

「えっと……なに、コレ…」

不思議な物体に手を伸ばそうとさゆみはリンリンの下半身を愛撫する手を一旦止めた
するとリンリンがギュッと両足を閉じてさゆみの動きを封じた

「リンリン?」
「…………。」

俯くリンリンを覗き込んで優しく問い掛けるが返事はない
さゆみは抱き締めていた方の手でリンリンの髪を掻き上げてもう一度、その顔を覗き込んだ

「どうしたの?」
「……エト……ヤメナイデ、クダサイ…………」

Σ从*・ ∀.・)キューン

真っ赤な顔でモジモジしながら小声で訴えるリンリンにさゆみの胸がキューンと締め付けられた
謎の物体の存在などどうでもよくなったさゆみは沸き起こる衝動に任せてリンリンの身体を抱き締める
急に加わった力も、さゆみに血を吸われたリンリンの身体では快感に変換される
小さく鳴いたリンリンの足から緊張が抜け、さゆみの手に自由が戻った
さゆみはその瞬間を逃さない
さらに奥に滑り込ませてリンリンの濡れたソコにまた指を這わせた
また小さく鳴いたリンリンの身体がビクリと跳ねる

「ンッ、アッ……」
「気持ち良いの?」
「………ハィ……」

素直な返事にさゆみの指が激しさを増す

「フヮァッ……ァァ……」

リンリンの溢れる愛液を吸い取った下着の上から柔らかくとろけた秘部全体をじっくりと撫で回す

「ァァ……ンァァ……」

指の動きが大きく激しくなるのに合わせてリンリンの吐息がはっきりとした喘ぎ声に変わる
それにつられてさゆみの指の動きも大きく激しくなる
撫でると言うよりは擦りあげるといった攻め方に、リンリンの身体が前後に揺れている
それはさゆみの攻めのせいだけではない
リンリンの腰が自発的にさゆみの動きに呼応して揺れているから
自分の意志とは無関係に乱れ始めるリンリンの様子にさゆみは自分の下腹部が熱く疼くのを感じた
リンリンの恥態も自分のふしだらさも楽しくて仕方がない
さゆみは足を大きく開いて自らの秘部をリンリンの尻に密着させた

「ねぇ、リンリン……気持ちイイならもっと動いて?」

そして、リンリンの耳たぶを口に含みながら優しく囁いた
ゾワリとした感覚が背中を走り、思わず背中を丸めるリンリン
その弾みでさゆみの秘部にも甘い刺激が走る

「あぁっ!リンリンッ……もっと……」

触れ合うリンリンの肌とさゆみの敏感な部分
案外と強い刺激に気を良くしたさゆみは喘ぎながら指を下着の端から差し込んで直接リンリンの秘部を刺激した
予告なしの快感に声を詰まらせるリンリン
しかし身体は正直に快感を求める
さゆみの指をもっと感じようと更に大きく揺れる腰
その動きにによってさらなる快感がさゆみの秘部に押し寄せてくる
止まらない欲望がリンリンの濡れそぼった秘部をめちゃくちゃに犯す
与えれば与えるほど、与えられる快感にさゆみの意識が朦朧とする
霞み掛かってきた視界と意識の中でこのまま一緒に果てるのも悪くない
そう思ったさゆみの下半身に突然の衝撃

「っ!くはぁんっ!!」

息を詰まらせるさゆみ
続いて襲ってくる快感

「きゃふぁぁぁんっ!!!」

リンリンの肌に押しつけて感じていた時とは比べものにならない快感
意思を持った何かがさゆみの中心を攻め立ててくる
乱暴に股関をひと撫でした何かはさゆみの指と同様に下着の中へ強引に侵入してくる
自分でも気付かない内に溢れていた大量の愛液を絡めとりながらさゆみの秘部が何かに蹂躙された
目の前がチカチカ瞬いて、全身の自由が利かなくなる
しかし腕の中のリンリンがさゆみの腕を掴んで休む事を許さない

「サ…さゆみサンッ!!」

さゆみがリンリンの腫れたクリトリスを攻め立てていた動きとまったく同じ動き
想像もつかない刺激

「やぁっ!あっ!ぁぁああんっ!もっ、さゆみっ!イッ……!!」
「イッショッ…ニッ…デスッ!……ァァッ!!」

ふたりが同じ快感を共有する

「っ、はぁぁぁあんっ!!」
「アアァッッ!!!」



「んはぁぁぁああああああっ!!!」
「えり、ウッサイ!」
「うわーん!えりもう我慢できないってばぁぁぁあああっ!!!」

フロアに誰もいなくなった明け方の店内
カウンター内で片付けに集中しているれいなの背後から抱きついて叫んでいるのは絵里

「やけん、れいな今片付けしよーやろーが!絵里、邪魔!」
「邪魔とかひどい!我慢とか無理!」
「もうちょっとで終わるけん、待っときぃって!」
「やだやだやだ!えり、もう待てないっ!」

そう言って、れいなの唇を強引に奪おうと身を乗り出した絵里

「アホゥ!待てぃ!」
「だから無理だって!だってあのふたり、ずっとヤりまくってるんだもん!」

個室に籠もりっきりのさゆみとリンリンが放つエロいオーラがサキュバスの本能に火を点けてしまったようで、先程からこの調子だ

「もうエロいイキフンビンビンですから!」
「わかっとーよ!わかっとーけん、もうちょっと待ちぃって!」
「まーてーなーいぃーーーっ」

れいなに抱きついたままその身体を大きく振って、自分よりも小さなれいなの身体を揺らす絵里

「…こん、おっきい駄々っ子は……仕方なかね……」

れいなはシンクの蛇口を締めて、背中に張り付く絵里に向き直る

「そんなに我慢できんのやったら一回、イッとくと?」
「一回じゃ足りないですよ?」
「………うっさい」

れいなは絵里の直球な要望に少し顔を赤らめながら、不満を吐き続けてきた絵里の唇を塞いだ
ねっとりと絡み合う舌と舌が奏でる水音が静かなフロアに響く
長い長いキスを解いたれいなは唇は絵里の肌から離れる事なくそのまま耳元に移動する

「今日はれいなの誕生日やのに……」

耳の中に舌をねじ込みながら囁くれいな

「はぁんっ……だからぁ……えりちゃんを好きにしても…いいっ、はぁっ」

ゾクゾクする快感に身を震わせながら絵里が答える

「普通は絵里がれいなを気持ち良くしてくれるもんやろーが……」
「それはぁ……えりがいっぱい……ふぁんっ……気持ち良くなってからぁ……ね?」
「あー、期待しときます」

れいなは絵里の腰を抱き寄せて絵里のうなじに舌を這わせた
矢継ぎ早に与えられる快感も物足りなく感じてしまう絵里はさらに身体を密着させる
交差したふたりの足の上で絵里の腰がゆっくりと前後に揺れる

「……エロいっちゃねw」
「だってぇ……」

熱に浮かされたように潤む瞳で見上げる絵里
その瞳はあからさまにれいなにその先をねだっている
れいなは素直に絵里の要望に応えてやる
足を少し浮かせて絵里の中心を刺激しながら背後から手を回し、すでにヒクついている入り口を揉みほぐす

「んっ…ぁー……気持ちイイ……」
「めっちゃ濡れとーやんw」
「れいながもっといっぱい触ってくれたら……もっと濡れちゃいますよ?」

下着の上からの愛撫にもかかわらず粘り気を帯びた卑猥な音とヌルヌルとした感触

「触るだけでよかと?」
「触るだけで満足?」

絵里の愛液がれいなの指の滑りを良くするのか、れいなの欲望がそうさせるのか
いつも通りの会話交わしているが、秘部への愛撫が一層激しくなる

「そんなワケないやん……」

れいなの指が下着の上から強引に絵里の中へ押し込まれる

「はぁん……れーなは…絵里の中、入りたい?」

絵里の腰が一度ビクンと跳ねた後、ゆっくりとれいなの指に押し付けられる
さらに深く沈むれいなの指先

「…入りたいっちゃよ……挿れてぐちゃぐちゃにしたいっちゃん……」

れいなの指先が絵里の浅い所でぐるぐると円を描く

「えりのコト……気持ち良く…してくれる?」
「めちゃめちゃイかしたる………」

首筋をべろべろに舐めていたれいなは顔を離して、真っ直ぐ絵里を見つめる
その表情に絵里の胸と子宮がキュンと締め付けられた
絵里はれいなの身体に力一杯抱きついて、自然に出てしまいそうになる喘ぎ声を噛み殺して呟いた

「じゃあ……めちゃめちゃにして?」

れいなは素早く絵里の下着を引き下げて、絵里のとろけた秘部に指を突き立てた
泣き声のような声を上げてよがる絵里
止まれないれいなはその指を激しく出し入れし続ける
飛び散る絵里の愛液

「あぁっ!すっごい!れっ、なぁぁああっ!!!」

喘ぎ声で震える剥き出しの絵里の喉に吸い付きながられいなは一心に絵里の中を掻き回す
絵里は淫らに腰を振りながられいなの名前を叫んで意識を手放した



「………おはよ……」
「おぅ!おはよう……ってか、さゆ。もうれいな帰るけん、リンリン起こして」

個室に入ってきたれいながさゆみの膝に頭を乗せてスヤスヤと寝息をたてるリンリンを指差す

「……今、何時?」
「えーっと…8時ぐらい?」
「そうなんだ……」

さゆみが思っていた以上に時間が経っていた
リンリンの頭を撫でながらさゆみはそっとため息を吐く

「てゆーかさぁ……リンリンって……何者?」

優しく撫でるさゆみの手元にはリンリンの髪の間からひょっこりと飛び出た動物の耳

「猫耳みたいなのと……コレ……意味わかんないんですけど……」

もう一方の手で摘み上げられているのはリンリンのワンピースの裾から見えている黄金色の毛に被われた動物のシッポ
さゆみの秘部を攻め立てていた正体がこのシッポだった

「それ、猫耳やなくて狐の耳やしw」
「はぁ?狐ぇ?!」
「そう。やってリンリン、妖狐やしw」
「はぁぁぁ?」
「今は一本しか出とらんけど、本当は全部で九本あるらしいっちゃよ?」
「はぁぁぁ?!」

目をまんまるくして驚くさゆみ
その声にリンリンが目を覚ます

「ァ……オハヨゴザイマス」
「え…あ…おはよ…」

眠そうに目を擦るリンリンと目が合ってちょっと照れくさくなるさゆみ

「アー、れいなサンもオハヨゴザイマス」
「も、ってなんよ、もって…れいなはさゆのついでかよw」
「違いマス違いマス!」

れいなのツッコミに慌てたリンリンは両手を振って否定する

「ま、いいや…で、二人とも。店閉めるけんそろそろ移動してもらってもよかと?」
「ハイハイハイ、ワカリマシタデスヨ」

寝起きにも関わらず、素直に立ち上がるリンリン、だったが…

「フワワヮヮァ……ッ!?」

ヘナヘナと風船が萎むようにその場に崩れ落ちた

「へ?なん?リンリン、どうしたと?」
「イャ、アノ……チョット、ソコ握らレルとワタシ、弱いデス…ヨ」

涙目のリンリンが見つめる先にはシッポを摘んだままのさゆみの手

「えっ?あ、そうなの?ごめんね、リンリン!」

思わずパッと手を離してしまったさゆみ
これで身体の自由が戻ったはずだったが、何やら浮かない表情のリンリン

「えっ?なになに?ごめんね、リンリン…シッポ、痛かった?」
「アヤヤ!ソソソそうじゃナイデス!」
「れいなわかったーwリンリン、シッポ触られるの好きやけん、さゆに離されたんがちょっと寂しかったんやろwww」
「ウワワワワ!れいなサンッ!シーッ!ソレ、シーッ!!」

大げさな動きで手足をバタつかせてから、人差し指を唇に当てて黙れのジェスチャー
しかし、当然の様に手遅れで……

「そうなの?リンリンはココが感じるの?」
「ァァアアッ!ンハァッ!」

無防備なリンリンのシッポをニギニギしちゃうさゆみ

「アッ……ダ、ダメ…デス…」

頬を染めて息が上がってきたリンリンはふにゃりとさゆみの膝の上に倒れこんだ

「いやーん!リンリンちょー可愛いんですけどーwww」
「ちょwwwだけん、お前らww早く出て行けってwww」
「これ、撫で撫でしたらどう?」
「ッ………!!」
「フフフ……気持ちイイんだ?」
「ィャ…ハァッ……ダメ…デス…」

トロンとした表情でさゆみを見上げるリンリン

「シッポ撫でながらアソコに指、挿れたらリンリンどうなっちゃうのかな?w」
「ダメデスダメデス!さっきいっぱいシたカラ、モ、ムリデスダ!」
「えー、いいじゃんwさゆみ、またテンション上がってきちゃったのwもっとシよーよw」
「フヮァン!アアアッ!さっ、さゆみサンッ!」
「なんかまた始まってしまったと……」

リンリンの悶える姿に欲情したさゆみの執拗な愛撫が再開されてしまう
呆れたれいなは仕方がないので、個室を出てそのままドアをそっと閉めた

「まだまだ帰れそうにないっちゃけん……絵里起こしてから、あと2回戦ぐらいできそうやね…」

あくびを噛み殺しながらソファーで横になっている絵里に近づくれいな
イかされ続けて疲れ果てた絵里の寝顔にキスを落とした

「ぅ……ん…ぉはよ……」
「おはよう、絵里」
「……どうしたの?」

じっと見下ろしてくるれいなの眼差しにほにゃーんとした笑顔を浮かべる絵里

「なぁ、絵里ぃ……」
「んー?」

こうやって甘えた感じで自分の名前の語尾を伸ばす時のれいなはおなだり屋な時
絵里はニヤけてしまうのを押さえきれない

「シよ?」
「ウヘヘ…いいよぅw」

れいなは乱れたままの絵里のスカートの中に手を滑り込んだ





モンスター娘。+リンちゃん編 おわり
 

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