「…―損とーくなんかはきぃっと♪ どーおーでもぉーいーいーのがぁー♪ じんせぇー♪」
「きゃー♪ れーな君歌上手ぅ♪」

今のところ問題なし。
楽しいカラオケの時間だ。

「どうやった?w」
「最高♪ とくに踊ってる時にちんちんがプラプラしてて可愛かったの///」
「!!!!」

そ、そうだった・・・ノーパンでスカートだった・・・
でも別にさゆになら何度も見られてるからそんなに気にすることでもないかも。

「/////////」

? あれ?
なんで赤くなっとると?
いつもの流れだったら小さいことをバカにされるはずだったが、さゆは今恥ずかしそうに頬を赤らめてる。
やっぱりおかしくなってしまったのだろうか。

「失礼します。」

さゆを不思議に眺めていると、店員がお菓子の山を持ってきた。
・・・にしても量がおかしくないか?
これだけの量・・・いったい何千円、いや1万円は超えているだろう。

「失礼しました。」
「好きなだけ食べていいの♪」
「2人やのに、ちょっと量多すぎん?」

まぁ頼んでしまったものはしょうがない。
小さめのお菓子の家が作れそうなほどの山盛りのお菓子の中からチョコを掴みだして口に入れる。

「うまっw」
「でしょう? さゆみが特別に作らせたのw」
「は?w んなわけないやろ?w」
「・・・ねぇ  ポッキーゲームしようよ♪」
「は? 嫌に決まっとぉやん」
「ねぇ・・・お願いだから」

急に迫ってきたのでビックリして断って押しやるが逆にさゆにソファの上に押し倒される。
ポッキーの端を加えてニヤリと笑い、れーなの上に覆いかぶさるさゆと目が合う。
いよいよ事態はヤバいことになってきた。
さゆの吐息が鼻先にかかる。
この感じは午前中にショップの試着室で感じたものと近い。
だけど、やはりどこか違う。
さゆとエッチなことをしたいという欲望よりも恐怖の方が勝ってくる。

「さゆっ 離しぃっ!」
「離さないの やっと見つけたんだもん」

さゆがポッキーの端を噛み砕く。

「見つけた? いっつも一緒におったやん!」
「そりゃぁね いつもれいな君のことは考えていたの でももう頭の中だけじゃやなの!」

体重をかけられ、まったく身動きが取れなくなる。
さゆにしてはやけに力が強い。
それにさゆはこっちをその気にさせてからうまく誘導してコトを進めるが、今日は・・・
いや、あの変態衣装から着替えた後からは、何か強引にコトを運ぼうとしているように思う。
さゆの黒い髪が暗めの照明で怪しく輝く。

「絶対離さないの!」

その時だった。
スカートの下から本来あるはずのないものが見えた。
背筋がゾッと冷たくなる。

「お、お前!! 道重さゆみ♂!!!」
「なぁに?w 急にフルネームで呼ばないでよ れーなw」
「さゆはどこ行ったと!?」
「はぁ? さゆみはここにいるの」
「ち・・・ちが・・・」

どうしてだ。
なぜ今まで気づかなかったんだ。
よく見ると前髪が左分けになっている。
さゆは右分けだ。

「は、離すったい!」
「嫌なの」
「れ、れーなは男には興味ないっちゃん!!」
「えぇ? こんなふうに女装しといて説得力無いのw」
「うっさい! ホモやろう!!」
「う・・・(どこかで聞いたセリフ ほんとあのエロ猫とそっくりなの)」

こんなホモ野郎とカラオケボックスで2人きりなんて・・・
どうにかして逃げないと。
じゃないと・・・

「そんなに嫌がることないのwさゆみがリードしてあげるから
 れいな君は体の力さえ抜いててもらえば大丈夫。」

早く逃げないと。
じゃないとこんなホモ野郎のものになってしまう。
そんなこと・・・

「絶対れーなはお前なんかとそーゆーことはしないけん!」
「うーん・・・残念だけどそれはれいな君が決められることじゃないのw
 それにれいな君だってすぐに楽しくなると思うのw」
「れ・・・れーなはえりのものやけん!! お前なんかに渡してたまるかっ!!」
「・・・また“えり”・・・なんなの・・・あの金髪・・・」

“えり”というキーワードが出てきた途端、腕を締め付けている指に力が込められた。
ますます逃げられそうにない。

「・・・あの金髪・・・れいな君のなんだっていうの・・・!?」
「・・・か・・・か・・・か・・・彼女ったい!///」

嘘を言ってるつもりはない。
たとえ正式な告白というものはしてなかったとしても、それくらい好きだった。
だから大好きなえりのモノであるれいなをこんなホモ野郎なんかに奪われることなど許ししてたまるか!

「彼女なんて関係ないの。 そんな関係ちょっとしたことですぐに崩れるの。」
「お前なんかに崩させん!」

一瞬怯んだような顔になった道重。
しかし、「もういい」と言うとれーなの口に顔を近づけて来た。
もう逃げられそうにない・・・

「今日からさゆみのモノ・・・」
「れーなぁ!!!!」

唇がくっつく寸前、ボックスの扉が開いた。
道重の脇の間からえりの顔が見える。


「えりっ!!」
「れーなぁっ れーなから離れなさい! この変態!!」
「・・・・・・うるさいの! 良いトコロだったのに・・・絶対許さないの!!」
「別にあんたなんかに許してもらわなくて結構です!」

えりは『フンっ』と鼻を鳴らして、ボックスの中に入ってきた。
扉が閉まる。

「え、えりは危ないけん! 早く出てった方がよか!」
「れーなを助けるまでは絶対出ていきませんよっ!」
「だいたいれいな君は人の心配よりも自分の心配をした方がいいのw」

助けに来てくれた瞬間はホッとしたけど、えりにも危険が及ぶかもしないとなると喜んでばかりもいられない。

「いいから早く逃げるったい!」
「むっ せっかく助けに来たのにっ! ・・・あぁっ! もしかしてこの変態と浮気する気!?」

そんなわけないやろっ!!

「え!? そうなの!? 浮気してくれるの!?」

お前も食いつくなホモ野郎っ!!

「んわけないやろっ! ただ、えりのコトが心配やったけん・・・」
「あーあ、もういいですよ えり帰るっ!」

おいおいちょっと待てっ!!

「えり! 待つったい!!」

えりのコトも心配だが道重の言った通り、人の心配なんかしてる場合じゃない。

「れいな君、止めることないの!」
「うっさい! だまれ変態! えり、待って!! な、なんでもするけん!!」

ドアに手をかけたえりの動きが止まる。

「なんでも?」
「なんでもなんでも!」

だから助けてくれっ!

「じゃぁ、えりにチンチン見してよ」
「は?」
「ナイス提案! 金髪っ!」
「金髪じゃなくて“えり”って呼んで!」

何故今アソコを見たがるのだろうか。
ってか道重食いついてるし!

「ナイス提案! グッジョブえり! さすが天才なの!」
「うへへw  そんなことないですよぅw」
「ちょっ なんかおかしいって!」

えりは今の状況をわかっているのか!?

「あのぉ、えり師匠。」
「なんだい? 変態ボーイ」
「あっ、“さゆみ”でお願いします」
「コホン、なんだい? さゆみ君」

言い直さなくていいやろ

「さゆみが思うに、れいな君には今履いてい黒のニーハイソックスよりも
 こっちの縞々のニーハイソックスの方が似合うと思うんですが・・・」
「ふむっ そのニーソを見せてみなさい」

なんだかよくわからない流れで、道重は自分の鞄をあさり始めた。
まぁ、とにかく変態の呪縛からは解き放たれたし、今のうちに逃げちゃえ。

「れーなは動いちゃダメっ!」
「は?」
「これでございます」
「どれどれ・・・おぉっ! 確かに似合いそうw」
「だよね! この縞々がさぁ・・・・・・」

どーなっているんだ・・・?
さっきまで修羅場だったのにもかかわらず、なんだこの和やかな空気。
これじゃぁ、いつものさゆえりと変わらないじゃないか。

「絶対こっちの方が似合うの」
「ほらっ 早く脱いでよれーな」
「・・・はい」

れーなのちっぽけな脳ミソではこの場面展開には追いつけないと悟り、流れに身を任せることにした。
とにかく危機は去ったっぽかった。
とりあえず、ニーソを履きかてみる。

「いやぁん! れーな可愛い!!」
「完璧なのっ!」
「・・・どーいたしまして///」

なんか知らないけど、うれしい///

「ねぇ! 今度はこのニーソに合わせて髪型も変えてみようよ!」
「なるほど! 良い提案なの!」

今度は髪型を変えられた。

「はぁん! 可愛過ぎですよ! さゆみ君なかなかやるねぇ!」
「ふふふw えりちゃんもねw」

悪い気はしないけど、なんか気持ち悪い。

「うん 完璧ですよ!」
「あ、あの師匠?」
「なんだい? 変態ボーイ、いや、さゆみ君!」
「・・・・・・(もうわけわからん)」
「私、早くれいな君の大事なトコロを見たいのですが」
「あっ、忘れてましたよ」

そのまま忘れてろぉ!
その思い虚しく、えりはスカートの端を摘まんで、ヒョイとスカートををめくり上げた。

「/////////」
「可愛いでしょ?」
「うん・・・素敵なの///」

なんか人生が終わった気がした。

「さゆみ君、見てて・・・フゥー」
「ふぁん///」

えりの暖かい吐息が吹きつけられる。
凍りついていた背筋もゆるゆると崩れていきそうになる。
そうだ。
今日はまだ1度もシていない。

「大きくなってきたの///」
「えりが良き吹きかけてあげるだけでね、れーなは気持ちよくなっちゃうんだよw
 あっ、今日はまだ1回もシてあげてないからもうカチカチですよw」

えりの言った通り、もう我慢できなくなってきた。
もう道重のことなど気にしている余裕はない。

「え えりっ///」
「ちょ れーな早すぎぃw」
「だ、だってぇ///」
「ほら、さゆみ君も息吹きかけてあげて?」

はぁ!?

「いいの?///」
「うん よろしくw」
「待って! えりは許してもれーながまだ・・・あぁん!///」

道重の、男の吐息だとわかっていても半日以上焦らされたアソコは快感を求めて疼きだす。

「可愛いの///」
「でしょう?w でね、ここを・・・ツンツン」
「ふやっ/// えりダメやってぇ/// そこは・・・あん///」

先っぽの1番こそばゆい箇所を突かれる。
背骨から全身に電気が走りだす。

「れーなスカート持ってて」

そう言うとえりはスカートを持っていた手の方で太ももをまさぐり始めた。
アソコへの刺激と合わせて、快感が全身を支配していく。
呼吸も乱れてきた。

「えりぃ///」
「うへへw これでしょ?w ・・・ペロっ」
「ふあぁん///」

まだ咥えられてもいないのに、ただ裏筋をピチャピチャと舌をあてがわれるだけで
アソコの根元の方から強い衝動が湧き上がってくる。
やばい、もう出そう・・・!

「えり・・・出るっ///」
「うへへw じゃぁやーめよっw」
「え・・・?」

別に『やめる』ということを言ってれーなの反応を楽しむだけだったわけではなく、普通にやめられてしまった。
精一杯切ない瞳を向けてえりに続きをお願いしたが、見向きもしなかった。

「(危ない危ない・・・楽しすぎてついイカせちゃう所でしたよ) ねぇ、気持ち良かった?」
「うん! やけん早く続きしてほしかっ!」

頑張って瞳で訴えかけたが、えりは目が合いそうになると目を背けた。

「(ダメダメ、れーなを見たら落とされちゃいますからね・・・なるべく目を逸らして・・・)
 続きはさゆみ君にお願いしたら?w」
「「え!?」」

こんなホモ野郎に自分のムスコをくれてやるわけない。
でも・・・これ以上我慢するというのも不可能に近かった。
頭の中に毒を注射されたみたいに苦しさが脳内を駆け巡る。
道重も突然の提案に『ナイス提案』と叫ぶのを忘れているようだったが、れーなが頼めば必ずシてくれるはず。

「お、お願い・・・///」
「い、いいの?///」
「うん///」

恐る恐る道重はれーなのに手を伸ばす。
つかむまでの僅かな時間も死ぬほど長く感じるほどに、刺激を求めていた。

((あと少し・・・))

れいなとさゆみがそう心の中で息をのんだところで、部屋にけたたましいサイレン音が鳴り響いた。

「な、何?」
「くそっ じいやが嗅ぎつけたみたいなの!」

じいや?
そんなこといいから、早く・・・!

「せっかく自由になったのにまた捕まってたまるか! なの!」
「さゆみ君、誰かに追われてるの?」
「さゆみの家ってけっこう大きくて・・・ほらっ、今日えりちゃん達がいたデパートもさゆみのものだからっ」
「「えぇ!?」」
「うん。 だからさゆみはブイアイピーだからいなくなるとすぐに捜索されるんだけど・・・
 くそ・・・ちゃんとGPSは切っておいたのに!」

またまたおかしな展開になり、またまた脳ミソは白旗を振った。
どうやらえりも同じような状態のようだ。
眉間にシワを寄せながらあらぬ方向を見つめている。

「とにかくっ 早く逃げないといけないから悪いけどお暇するの!
 師匠とれいな君、またどこかで会いましょう! アディオス! なの!」

ソファの上に置かれた鞄をつかんで、道重さゆみ♂は消えていった。

「どーゆーこと?」
「一件落着ってことやない?」

かくして、道重さゆみ♂との別れは突然やって来たわけだけど、
その『じいや』という人がやってきたらどう対応すればいいのだろうか?
案外悪いヤツではないかもしれないから嘘をついてあげてもいいと思ったが、
あんな変態が街中を徘徊しても、それはそれで良くない気がしたので
せめてどっちに逃げたかくらいは教えてあげよう。
さすがに何が起こったかは口が裂けても言えないけど。

「ねぇ、れーな・・?」
「ん?」
「ホントに男の子にイカされてもよかったの?」
「へ?」
「えりじゃなきゃ嫌とかじゃないんだ! とりあえず気持ち良くなれれば、誰でも、別に男でもいいんだ!?」
「そ、そんなわけないやんっ! ってか、えりが道重に頼めって言うけん・・・」

今思えば、男にあんなことを本気で頼んでいたなんて自分で自分が怖くなる。

「れーな最低っ!」

と、ビンタではなく、ちんちんを食されそうになったところで扉が開いた。

「えりぃ!! 会いたかったのぉ!!」
「うるさい変態ホモ野郎!!」

勘違いしているえりを止める暇もなく、えりはさゆに正拳突きをかました。

「ふぅ、何がアディオスよ! また戻ってきちゃって!」
「違う違う、さゆやって 女の」
「ふぇ?」

ちょっと恥かしかったが、倒れて上半身が扉に挟まっているさゆのスカートがめくれて見えてしまっている大事な部分を指差す。

「ほんとだ さゆ、大丈夫?」

心配する言葉とは裏腹に、えりはさゆの秘所をブーツの先で突っつく。
さゆの喘ぎ声が扉の向こうから微かに聞こえる。

「だ、大丈夫みたいやから、とりあえず部屋の中に入れん・・・?」

さゆが間違えて囚われたことや、れーなが道重に侵されそうになったことなどを話し合って、
ようやく事の全貌が見えてきた。


結局ホモ道重とれーなの女装が原因だったとわかり、
これからは絶対にうさちゃんデパートで女装はさせないとえりに誓わせた。
(女装全般をやめさせたかったが、即刻否定された。)
男にシてもらおうとしたことでえりはちょっとプンスカ状態になってしまったが、

「えりはそこら辺のヤツとは違うんだから!」

とその夜はちゃんと“えりちゃんフルコース”をしてもらった///
さゆも同席していたから“さゆえりフルコース”と言った方がいいかもだけど///

翌日、ほぼ1日中ノーパンで過ごしていた3人は仲良く風邪を引いて学校を休み、
プリントを3人目のれーなに届けに来てくれたいいんちょは何故かれーなのことを真っ直ぐ見てくれなかった。





女やら男のララバイゲーム編 完
 

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