「おはようれいな!」いきなりドアが開いて絵里がドカドカと入ってきた。

昨日はコンサートの打ち上げで帰宅したのは深夜。
今日は夕方から事務所にファンレターやプレゼントを取りに行くだけなので、昼過ぎまで爆睡する計画だった。
午前8時17分、その計画は見事に打ち砕かれた。

「ちょっ!・・なんで絵里がここにおると?」
「さゆみもいるの」絵里の後ろからさゆみも顔を出した。
「なんでって・・れいなのママが燃えるゴミを出しに外へ出てきたから“今から3人で昨日の反省会です”って言って入ってきたけど」
「“大事な話だから3人だけにさせて”ってお願いしたら“じゃあ午前中に外の用事を済ませるけん”って言ってそのまま出掛けちゃったの」

淡々と話す絵里とさゆみ。

「で!その!!大事な話って何なん?!」
「まーまーまーまー」

不機嫌なれいなをなだめつつ絵里が話し始めた。

「この前さ、約束したじゃん。ワンダで応援席にいる間は股間にローターを着けるって。
 時々スイッチを入れて確認してたけど中野も大阪も名古屋もちゃんと毎回着けてたよね」
「そっ・・・そりゃあ・・・約束破ったら後で何されるかわからんけん・・・」

記憶が甦って赤面するれいな。

「れーなは偉いの!だからごほうびを持ってきたの!」

さゆみがガサゴソと紙袋から取り出したのは・・・

「うおっ!セーラームーンのコスプレ衣装!どうしたん?」

一気にテンションが上がるれいな。

「れいな言ってたじゃん。美少女戦士になりたいって。だから買ってきたんじゃん」
「高かったの!大事にするの!」

2人の話も上の空で鏡に向かって衣装をあてがうれいな。

「でさあ・・・3人でセーラームーンごっこしようかなあと思って」
「やる!やる!超やる!!」
「エヘヘヘ・・・それじゃ・・・」

絵里が残りの衣装を紙袋から取り出した。

「・・・?セーラーマーズは判るけん・・・この魔女の衣装は?」
「3人でセーラー戦士になってもつまらないの!1人は悪役になって戦うの!誰が悪役になるかは今からじゃんけんで決めるの!」

言いながらもうじゃんけんの構えをしているさゆみ。

「よ〜し!絶対に負けないけんね!」

気合い入りまくりのれいな。

『最初はグー!じゃんけんぽん!』

「よっしゃあ!!」

グーで勝ってそのまま拳を突き上げるれいな。

「2人とも文句無かね?セーラームーン取っぴ〜♪」

興奮するれいなは絵里とさゆみが笑いを我慢しているのに気付いていなかった。
「田中さんっていつもグーから出しますよね」と光井に指摘されるのは数日後のことである。

さらなるじゃんけんの結果、マーズ役は絵里に、魔女役はさゆみに決まった。
・・・と言っても、この配役も2人で打ち合わせ済みなのだが。
鼻歌交じりで着替えを始めようとするれいな。

「ちょっと!ちょっと!普通に着替えるつもり?」
「??」

絵里の言葉が理解できないれいな。

「テレビでやってるじゃん。服がパーッとはじけて、パーッと変身するやつ」
「パーッと着るのは無理だから、パーッと脱ぐほうだけやるの」

言い終わるより早く、れいなのパジャマを引き剥がすさゆみ。
まだ外していなかったボタンの糸が切れ、床にコロコロと転がった。
さゆみの強引な行為に怒りたかったが、下着1枚でいるのも恥ずかしいので
そそくさと衣装に着替えようとするれいな。しかし・・・。

「あれ?絵里ぃ・・なんか衣装が小さいけん・・・」

セーラームーンの衣装がれいなのへその所で止まっている。

「そんなことないよ?ほら、絵里はピッタリだし」

見るといつの間にか2人は着替えを済ませている。

「2着とも同じサイズなの。れーなならむしろブカブカのはずなの」
「あ、さてはれいな、昨日食べ過ぎたなあ?」
「そっ、そんなことないけん!」

体をよじりながら、どうにかこうにか衣装を装着したれいな。
実は下着がはみ出しているのだが、うまくミニスカートが隠している。

「さて、準備が出来たところで始めますか」

言いながら絵里がコスプレ衣装を梱包していたビニル袋を隠したのは
れいなにサイズの違いを指摘されるのを防ぐためであることは言うまでも無い。
にらみ合うセーラー戦士役の2人と魔女役のさゆみ。

「ふっふっふっこのダークロッキー様にたった2人で挑もうとは笑わせるね」

セリフがいささか棒読み気味のさゆみ。

「うるさ〜い!悪いやつはぁ、月に変わってぇ、ぁしぁきよ!」

威勢良く叫んでパンチやキックを繰り出すが、衣装が窮屈で精細を欠くれいな。

「ほっほっほっ痛くも痒くもないの」

相変わらずセリフが棒読みのさゆみ。

「今度はこっちから行くの」

両手を前に出し、静止するさゆみ。

(何なん?なんできらりちゃんの新曲の振り付けマネしとるん?)

さゆみのポーズが理解できないれいな。しかしその隣で・・・。

「あっ!えっ?何するの?!」

絵里が悲鳴を上げた。
れいなが振り向くと、両手を挙げて腰を左に突き出している絵里の姿が。

「こっ、これがっ、催眠術より強力だと言うさゆみん術なの?!」

ネーミングはともかくとして迫真の演技を見せる絵里。
さゆみが手を軽く動かすと、操り人形のように前後左右によろめく絵里。

「ちょっと絵里ぃ、そこまでやらんでも・・・」

止めようとするれいなを無視して夢遊病者のように奇妙な踊りを続ける絵里。

「おやー?そちらの小娘には効かないみたいだねえ?」
「そんなん効くわけ無か!」
「ふっふっふっその元気がいつまで続くのかなあ?w」

さゆみは棒読みで言うと、それまでゆっくりと動かしていた両腕を勢いよく横に振った。
それに呼応するように、絵里の体も横に振られ、れいなに体当たりした。

「痛ッ!」

不意打ちを食らってベッドに倒れこむれいな。

「お嬢さん、この小娘はあなたがやっつけなさい」
「はい・・・ダークロッキー様のご命令とあらば・・・」

半分眠っているようだった絵里の眼が、急に妖しく輝いた。
1対2になった、いや最初から1対2だと悟ったれいなは慌てて起き上がろうとした。
しかしそれより一瞬早く、絵里が体ごとベッドに飛び込んで来た。
なすすべも無く絵里の下敷きになるれいな。
なんとか脱出しようと絵里の肩を押し上げるが、逆に手首をつかまれ、腕を左右に大きく広げられた状態で押さえ込まれた。

「絵里ぃ・・・さゆぅ・・・もうやめようよぉ」

涙声で訴えるれいな。
絵里はその声に耳を貸さず、両手でれいなの頭部を持ち上げると、ベッドに叩きつけた。
はずみでれいなの体が大きく跳ね上がり、絵里はベッドの外へ放り出された。
れいなは頭がふらつくのを我慢して体を反転させ、四つん這いになって立とうとするが、
先に立ち上がった絵里の右足がれいなの背中を踏みつけた。
数々の屈辱的な行為を受けたれいなには、その足を払いのける力は残っていなかった。
一方さゆみはセーラー戦士ごっこに飽きたらしく、元の服に戻って携帯をいじっている。

「絵里・・・さゆ・・・なんでこんな事すると・・・?」

するとさゆみが、携帯をいじる手を止めて叫んだ。

「そうなの!れーなには本当の目的を話してなかったの!」
「絵里〜、どうする?話しちゃう?」
「ストレートに言うよりさあ、遠回しにヒントを出していくってのはどう?」

セーラーマーズの衣装を着ているが、口調は普段の絵里に戻っていた。
れいなの背中を踏みつけたまま・・。

「それいいアイデアなの!つんくさんも“全部教えてもらうより、ヒントを元に自分で答えを出すほうが上達する”って言ってたの!」
「エヘヘ〜。じゃあれいな行くよ?第1ヒント・今日私達がセーラームーンの衣装を持って来たのは、れいなが“美少女戦士になりたい”と言っていたからです」
「たしかにポケモーのアンケートでそう答えたっちゃ・・・ポケモー・・・あっ!」

れいなは1週間前に撮った写真のことを思い出した。

「おっ!第1ヒントで判っちゃったかな?w」
「れーなすごいの!第1ヒントで判るなんて天才なの!」

さゆみはそう言いながら、自分の携帯の画面をれいなに見せた。

「やっぱり・・・」

れいなが思い出した写真と同じ画像がそこにあった。

「こ・れ・は・ど・う・い・う・こ・と・な・の・か・説明してもらおうか」

れいなの背中を踏みつける右足に力をこめながら詰問する絵里。

「これは・・・その・・・ジュンジュンが本番前に緊張してたからリラックスさせようと思って・・・」
「緊張を!和らげる!だけで!禁断!とか!ラブラブ!とか!どうして!そういう!言葉が!出て!くる!のか!と!」

一言発するたびに右足をグリグリと動かす絵里。

「大体さあ、浮気するんなら絵里達に内緒ですればいいじゃん!それとも何?写真を公表するってことはこっちが本命ってこと?!」
「・・・・・」
「れーなは最低なの!お仕置きされなきゃいけないのはれーななの!」

さゆみはれいなの左脚、絵里はれいなの右脚を持って逆さに持ち上げた。
そしてベッドの横のカーテンを開け、それぞれを束ねて脚に結びつけた。
れいなの体は、アルファベットの「Y」と「T」の中間くらいの形になった。
そして視界の下半分には、雲ひとつ無い青空が飛び込んできた。
絵里とさゆみが、さらなる攻撃を加えようと構えを取ったとき、

「あれえ?!ここ!」

絵里が素っ頓狂な声を上げて指さした。
逆さになっているれいなの、セーラームーンのミニスカートが捲くれ上がり、湿って変色している股間が晒し出されていた。
もともと窮屈な衣装の上、取っ組み合いのたびに外側から締めつけられて、本人も気付かないうちに強い刺激を与えていたのだろう。

「こんな時に感じてるなんて、本っっ当にれーなはド変態なの!」
「そっかあ、お仕置きされたくてわざとあんな写真をポケモーに載せたんだね。疑ったりして、ごめんねぇww」

絵里はすっかり機嫌を直し、衣装越しにれいなの股間を人差指で強く弾いた。
逆さにされて一旦は収まっていた愛液が、重力に逆らって噴出を始めた。

「たいへん!れいなのママが帰って来たの!」

さゆみが窓の外を指さした。気づけば昼の12時を過ぎている。

「ちょっ!ちょっ!降ろして!降ろしてって!」
「大丈夫なの。歩いてる人と目が合いそうになったら、目を閉じればいいの」

2人はあわてて身支度をし、れいなを放置したまま部屋を飛び出した。

「あっ!れいなのお母さん!どうもお邪魔しました!」
「れーなは夕方まで寝るって言ってたから、起こさないでほしいの」

母は絵里のコートの中から見え隠れするコスプレ衣装に軽く引きながらも、2人を笑顔で見送った。
2人はれいなの部屋の窓が見えるところまで来ると、振り向いて大きく手を振った。
下着とコスチュームに納まりきらない愛液が溢れ、捲くれ上がっているスカートの裏側をつたって、れいなの顔にポタポタと落ちていた。





コスプれいな編 終わり
 

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