タグ検索で♀竜×♂人間125件見つかりました。

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故に

剣の切っ先に照り返されたランタンの炎は、まるで篝火のようだった。 天然の天窓から差す仄かな月明かりを楽しみながら、やがて孵る我が仔の卵に思いを馳せる。 この洞窟に棲む雌竜はそうやって日々を気ままに過ごしていた。 日が沈む頃には食糧を携えて巣に戻ってくる夫もいる。 献身的に続けてきた抱卵が実を結ぶ日も近いはずだった。 「さあ、退いてもらおうか。俺たちの目的はお前の腹の下の黄金だ。お前の命じゃあない」 明かりを纏った剣が竜の顎先に触れるほどの距離で上下した。 彼らこそ、平穏な日常を引き裂いた憎き敵。 幅広の良…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b8%ce%a4%cb... - 2008年08月12日更新

押掛女房朱鷺色恋記

 ……来てしまった。    とうとうここまで来てしまった。  後ろ足だけで歩いたせいか疲れがひどい。人間に化けず本来の姿で来た方がよかっただろうか、と思うものの、竜の姿では見つかる危険の方が大きいから仕方がない。 とにかくここが森の、人間の住処との境目だ。この橋を渡ればもう引き返せない。何度も練習を重ねて覚悟を決めた筈なのに、胸の高鳴りが苦しくて動けなくなる。  『でも、もうすぐあえへ、あっ、あ――会える』  多少もつれはしたが、人間の言葉もちゃんと話せる。大丈夫。大丈夫だと私は自分を励ました。私に…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b2%a1%b3%dd%bd%f... - 2008年08月12日更新

三十路旦那鋼尾談

『はぁいアナタ……あ〜んっ♪』 『あ、あ〜ん』  愛妻から差し出された木さじ一杯。その旨みを心行くまで堪能してから嚥下し、ヴィス トは苦笑まじりに諭す。 『うん……美味いっ。けどな……その』 (一口ごとにそれじゃ、いつまで経っても食事が終わらないぞ?)  手料理を妻が夫に手づから食べさせる。新婚夫婦によくある仲睦まじい光景だ。  ――そう。食事に時間と愛情がたっぷり掛かるのは、良くある事。  ――ただし。  妻が人間より遥かに強靭な竜の場合は……なんというか、その非常に稀有な光景と言え る…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bb%b0%bd%bd%cf%a... - 2008年08月12日更新

兄はやり手のドラゴンマスター

10歳のドラゴンマスター(見習い)」 僕が兄と一緒にドラゴンマスターを目指して何年が経っただろう? 今も兄と一頭のメスドラゴンと一緒に旅をしているが、まだまだ兄のようにドラゴンと心を通わせられない自分がくやしかった。 その夜もいつものように山の途中で野宿をしていたのだが、その不安を紛らわすには寝るのが一番簡単だった。 しかし、今日はあまりうまく寝付けなかったせいか変な声で目を覚ましてしまった。 反射的に周りを見回したが兄とメスドラゴンのソウルが自分の近くにはおらず 不安になって焚き火の周りを探し始め…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b7%bb%a4%cf%a4%e... - 2008年08月11日更新

stray dragon

プロローグ ヨーロッパで最初のドラゴンが発見されてから20〜30年は経っただろうか。 ドラゴン本来の能力、知性と人間の科学力によっていまやドラゴンは犬や猫と 同じほど人間のパートナーとしてメジャーになった。 いや、人間と会話できる分ドラゴンのほうが人気が勝っていただろうか。 だが10年前のドラゴンペットブームも過ぎ、今は世間のドラゴン熱も落ち着いて ペットショップでも普通に猫や犬と同じに扱われていた(正確には会話ができるので他の動物より2ランクほど上の住まい、値段だが) もちろん人気のある種類(翼があ…

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