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フリンジ・フロンティア・コア


科学的アイデアを「フリンジ・フロンティア・コア」の3つの領域に配置するという見方がある。これはJames Trefilが提唱した分類。Eugenie Scottによれば以下のようなものである:
原則として、すべての科学的アイデアは変化する可能性がある。しかし、実際には、詳細レベルが修正されるとしても、自信を持って維持されている科学的主張が存在する。物理学者James Trefil[1978]は、科学的主張を3つの同心円に配置されると考えた。内側の円は「科学のコアアイデア」である。これは非常にうまく自然界を説明できるので、大いに自信を持っている理論や事実である。太陽中心説、重力理論、原子理論、進化論がその例である。その外側の円は科学のフロンティア領域である。ここでは新理論や、コア領域の理論の修正・追加について、研究や論争がアクティブに行われている。明らかに誰も太陽中心説の基本的な考えを論じることはないが、フロンティアでは惑星物理学者が太陽系についての研究し、アイデアを検証している。物質が原子によって構成されるという考え方を疑問視する者はいなかったが、量子物理の発見は原子理論を追加・修正した。

一番外側の円はフリンジ領域で、ここはアイデアの繁殖域で、極少数のプロの科学者が時間を費やしている。未確認飛行物体やテレパシーや永久機関などがこれにあたる。一般的にはフリンジ領域は、フロンティア領域の新たなアイデアの源泉となることはない。ただし、非常にまれに、フリンジ領域の考えが、深く探求するにふさわしいと十分な支持を集めて、フロンティア領域に移動することがある。そして、否定されてフリンジ領域にもどるか、完全に破棄される。しかし、時には受け入れられ、最終的には科学のコアアイデアとなる。大陸移動説はフリンジ領域の考えとして始まり、これを支持するデータが集まってきて、フロンティア領域に移動した。そして最後には、海洋底拡大の発見と、プレートテクトニクス理論の発展により、地質学のコアアイデアとなった。

Figure 1.1
Scientific concepts and theories can be arranged as a set of nested categories with core ideas at the center, frontier ideas surrounding them, and fringe ideas at the edge (after Trefil 1978). Courtesy of Alan Gishlick.

Trefil, James. 1978. A consumer’s guide to pseudoscience. Saturday Review, April 29, 16–21.

[ EUGENIE C. SCOTT: "Evolution vs. Creationism --An Introduction --Second Edition" Chap 1 ]

ここで例に挙げられている重力理論だと、ニュートンの万有引力の法則はコア領域に存在する。その後、一般相対性理論がフロンティア領域で論争となり、最終的に、ニュートンの万有引力の法則の追加・修正としてコア領域に入っている。









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