#29 <<< prev





なにを血迷ったか。
絵里という大切な存在がいるというのにこんな場所にれいなは足を運んでしまった。
おっぱいパブ"胸牛"
店の雰囲気に全く似合わなかった、清楚で淑やかで上品なあの微笑みが脳にこびりついて離れない。
誘蛾灯に誘き寄せられた蛾のようにフラフラとおぼつかない足取りで店に入り、目当ての女の子を指名する。

「ご指名ありがとうございます田中様。聖でございます。よろしくお願いします」

薄い羽衣を纏った天女のような嬢がまるで初めて会うかのように慇懃な挨拶を始める。
あれだけでかい口叩いて突き放しておきながら聖を一目見ただけで猿のように醜く興奮しているなんて、自分はどれだけ単純なんだ。
今更、奉仕してほしいだなんて口が裂けても言えない。
が、

「田中さん、大丈夫ですよ。聖はわかってます。田中さんがどうされたいのか・・・。聖に任せてください」
「っ・・・み、ずき」
「男の人ですもん。本能には逆らえないですよ。さぁ、体を楽にして・・・」

言われた通り体の力を抜くと聖の手がれいなの胴の上を優しく撫で上っていく。
服の上から胸の突起部分をクルリとなぞられると熱い吐息が零れた。
聖の両手に顔が包まれる。ひんやりとしていて気持ち良い。

「田中さん・・・?目を瞑ってください」
「・・・う、ん」

唇に濡れた感触。
すぐにキスだとわかった。手は冷たいくせに唇は暖かい。
付き合って1ヶ月もしていないような初々しいカップルがする、ただ押し付け合うだけのようなキスを息が苦しくなるまでする。
離れ、見つめ合った後で今度は貪るような口付けを交わした。
喉に聖の唾液が流れていく。それをゴクリと飲んでからお互いに舌を交差させた。

「ちゅ、ちゅぶ、れる・・・はぁ・・・田中さんの口の中・・・甘い・・・」
「聖も・・・」
「なんだか熱いですね・・・脱いじゃってもいいですか?」
「うん・・・」

ミラーボールに反射された鈍色の光しかない暗い箱の中で、白い裸体が晒される。
耳は肌と布が擦れる音しか聞こえず、目はシミの無い無垢な体しか映さない。
無垢。自分で例えておきながらそれはないだろうと否定する。
身体を売る仕事に身をおいている彼女が純白であるわけがない。
しかしその身体は純潔な処女なのではないかと疑ってしまうくらい汚れが無く、そして目が眩むほど綺麗だった。

「田中さん・・・こんなのはどうですか?」
「っ!?」

聖の裸に心を奪われている間にいつの間にムスコを取り出されていたのだろう。
頼りなく萎れたペニスに白い指が置かれた。

「ん・・・」

口から蜘蛛の糸のように細い線がペニスに向かって垂れ落ちる。ローションの代わりのつもりだろう。
聖の唾液で濡れたれいなの竿に、慈しむように指が滑っていく。
陰嚢を摘んで転がし、男根を柔くさすられる。
さすがは場数をこなしてきたその道のプロというべきか、ものの数分もしない内に愚息は半勃ち状態になっていた。

「ぅぅ・・・、テク凄いっちゃね聖・・・」
「こんなのは序の口ですよ。スポーツでいう準備運動、フルコースでいうオードブルみたいなものです。本番はここからですよ」
「な、何する気・・・お、おおっ!?」

視界に収まりきらないほどボリューミーな2つのメロンを、よいしょっと持ち上げながら竿を挟む聖。
これは俗に言う・・・パイズリ、というやつでは?

「んっ、んっ」
「ぅ、ぅわ・・・」

初めての感覚に全身の産毛が総毛立つ。
残念ながら絵里は小さくもないがこれができるほど胸部に余裕があるわけでもなかったのでれいなはAVでしかその存在を知らなかった。
今初めて体験してわかる、これは、とても良いです。

「ふふっ。田中さん・・・とってもイイ顔してますよ?そんなに聖のおっぱい気持ち良いですか?」
「う、うん」
「・・・。田中さんってほんと可愛いですよね。男性なのに嫉妬しちゃうくらい」
「嬉しくなか・・・」

白いたわわな乳房から赤く腫れあがった亀頭がピョコンと顔を出している。
とても異様な光景だ。
例えるなら高級フランス料理にラー油をしこたまかけるような、れいなのムスコの存在が美術品を見事に汚している。
しかしそんなモノでも聖は優しく愛してくれた。

「カワイイ・・・ちゅっ」

聖が亀頭に唾液をまぶしながら胸で竿を上下に擦り合わせてきた。
柔肉のシーツに包まれたれいなのモノが出たり、埋まったりを繰り返す。
出るタイミングになると聖の舌が亀頭にのたくった。
まるで汚れを舌で洗いあげるかのように。

「ちゅる、ちゅ、じゅる、んん・・・レロ、はぁ・・・田中さんの・・・おっき・・・」
「・・・っ」
「苦い汁が出てきましたよ・・・?これはどうです?・・・はむ、」
「!」

亀頭部分がぬるい口内へと飲み込まれる。
あまりの心地よさに1、2度全身が跳ねた。

「んっ・・・む、んん・・・んっ、ん」
「ぐっ、」
「じゅぷ、んっ、んっ」

聖の頭が上がると、それを追いかけるように乳房が竿を上る。
タイミング良く上下する胸と口内の愛撫に貯水タンクが決壊したかのように先走りが溢れた。
聖の胸は流れ出たれいなのカウパーと唾液でツルリとてらついている。

「ぐぅぅ、ばり気持ち良か・・・」
「じゅるるる、ちゅっ」
「っ、・・・くぁ、」

窄めた舌で尿道をつつかれてからの強い吸引に不覚にも女みたいな声が出てしまう。
気持ち良い、気持ち良いのだが、やられてばかりだとおもしろくない。
存在を主張するように勃起した聖の乳首をお返しに捻った。

「んっ!、んぐ、は、たなかひゃん、やめへくだはい」
「嫌・・・」

乳首のテッペン部分をカリカリと爪で優しく掻く。

「んん・・・っ、ふぅっ、」
「どうしたと?止まってるっちゃよ?そんなんじゃまだれいなはイけないなー」
「ず、ずるぃ・・・・・・はむ、」

れいなの煽りにまんまと乗った聖がどうにかしてイかせようと躍起になって竿を擦る。
限界まで腫れ上がったペニスを押し潰すように聖の胸が自由に形を変え、れいなを翻弄した。
もちろん舌も休むようなことはしてくれない。
裏筋をザラリと撫でられ腰が浮く。

「じゅる、じゅぅ、ちゅっ、ちゅぅぅぅ」
「はぁ、」
「んっんっ、んぶ」

喉の奥にまで飲まれるような激しい愛撫に息をつく暇も無い。
さすがに射精感が込み上げてきた。
あんな強がり言っといて実は結構耐えていたんだ。もう出してもいい?・・・なんて、みっともなくて言えない。
しかしれいながもう限界近いのを聖は悟ってくれたようで、

「んむ、はぁ・・・、出していいですよ?顔でも胸でも・・・田中さんがかけたいところにかけてください。
 白くて濃いものを・・・」
「・・・」
「聖にください・・・」

この女をめちゃくちゃにしてやりたい征服感に襲われる。
我慢する必要もない。ハナから一回出しただけで終わろうとも思ってないし。
それは向こうもそうだろう。

「はぷ・・・ちゅ、じゅる、じゅる、じゅっ・・・ちゅぅっ」
「くっ・・・出、る」
「んぷ、んっん・・・じゅるるるっ」
「うぅっ!」

かけ上がっていった欲望が堰を切ったように勢いよく噴出した。
それは聖の顔にダイレクトに飛び散っていく。
白い汁に汚された聖の顔は、だが不快に耐えるような顔ではなく恍惚としていた。

「ん・・・たくさん出ましたね」
「はぁ・・・はぁ」
「ペロ・・・苦い・・・けど、好きな味ですよ」
「はぁ・・・」
「1回出しただけじゃ足りないんですよね?わかってますよ。残念ながらお店のルールで本番まですることはできないんですけど、
 擬似挿入・・・みたいなものなら」

そう言って聖が半分萎えたペニスを手に取る。
いつの間にか下着は身につけておらず、恥毛が薄く生え揃った股間が視界に映った。

「さすが・・・。大きいから性欲も半端ないって感じですか?これならすぐ元気になりますよ」
「・・・どうすると?」
「こうします」

聖がれいなの太股の上に真正面から乗っかり、お尻でペニスを挟み込んだ。

「なんて言うんでしたっけこれ・・・忘れちゃいました。このまま挿入せずに腰を動かしてください」
「わ、わかった」

素股、だな。
れいなに愛撫を施している間に興奮したのか、聖の濡れほぐれたアソコにゆっくりとペニスをスライドさせた。

「んぁぁ・・・」

クチュリ、クチュリと粘液が混ざり合う音が木霊する。
小さく膨れた肉芽を竿でピンポイントに擦ると聖の体が震えた。
徐々に上っていく快感にれいなのモノも熱く火照り、赤く腫れ上がっていく。

「聖も動きますね・・・」

聖の腰が持ち上がる。
ちょうどカリ首がクリトリスに引っ掛かった。

「はぁっ・・・っ!ぁぁ・・・」
「・・・大丈夫と?」
「ん・・・はい・・・。田中さんの本当に逞しいですね・・・ちょっと・・・ビックリしました、今の・・・」

自分が感じる場所を探っているのか、聖の腰が地を這う蛇のように縦横無尽に動いていく。
今出したばかりの精液と互いの腺液とでペニスはグチャグチャだ。
それが潤滑油になっているおかげで性器同士がスムーズに、上下に交わる。

「田中さん・・・田中さん・・・ぁぁ・・・」
「はぁ・・・」
「く、クリトリスが、気持ち良いです・・・から、いっぱい擦ってほしい、です・・・」
「ああ・・・」

ご要望通りパンパンに張ったカリで引っ掻くように擦ってあげた。

「ぁああっ!ぁぁ・・・んぁ・・・は、きもちイ・・・もっとしてください・・・」
「わかった」

聖の腰を持ち上げ、ペニスの位置を変える。
反り返った裏側でクリトリスを掻いた。
竿の軸となる硬い芯の部分で擦ってあげると今までよりも善がった顔をして聖は悦んだ。

「あっ、あっ・・・田中さん・・・上手・・・あっ、あ」
「こっちは気持ち良いと?」
「ああっ!そこは・・・!」

お尻の間にある、閉じられた門に中指を浅く挿入する。

「だっ、だめ・・・!だめっ!は、恥ずかしいです、からっ・・・!」
「嫌がってるっちゃけどそんなにキツくないとよ?・・・聖、お尻の穴でオナニーとかしたことあるっちゃろ」
「そ、それは、」

もしくはアナルセックスとか。
さすがにこれはないかなぁ・・・たぶん。

「だ、だって・・・気持ち良いし・・・」
「え・・・、そんな大真面目に答えんでもいいのに・・・」
「〜〜〜〜〜!もぅ!田中さんのバカバカ!」
「いて。でもそっか〜あるのか〜。可愛いっちゃねえ」
「あんまりからかわないでくださ、ぁあっ!」

楽しいエロトーク終了。
聖がぷりぷり怒っている隙をつき、大きく腰を上らせた。
裏筋に勃起した聖の陰核が擦れ、心地良さに喉が鳴る。

「っ・・・はぁ・・・ずるい・・・いきなりはずるいです田中さん・・・」
「だって聖のアソコがヒクヒク誘うっちゃもん」
「そ、そんなことしてないですよっ!」

やばいなハマりそうだ。
ちょっとからかっただけでムキになる聖が可愛い。
アナルに挿入した指を浅く出し入れしながら腰を上下に波打たせる。

「あっああ・・・はぁっ、はぁ!だ、だからお尻の穴はやめてって・・・、はぁっ!」
「でも好きなんやろ?」
「そ、んな・・・あっ!」

第一関節を過ぎたあたりまで指を一息に沈めると聖の喉が反った。
軽くイったらしい。
切なく震える聖の体を抱き寄せ、速度を上げて再び上りつめる。

「あっん、あっあっあっ、はっ、ああっ、ひぁ・・・!」

下腹部に白波が寄ってくるような感覚。
微かな射精感が襲ってきた。
だがまだ決め手にはならない。

「聖・・・舌出して」
「はっ、はぁ!・・・は、はい・・・ん、ちゅる、ぴちゃ、んむ、んんっ」

淫らに交わる舌と舌。口内に収まりきらなかった唾液が口の端から溢れて落ちた。
互いの性器はヤラシイ汁に塗れて溶け合っているかのよう。
全身の毛穴からは汗が噴出し、上も下も洪水状態で、2人で蒸し風呂にでも入っているみたいだ。

「ふぁっ、ああっ!・・・た、田中さんも・・・気持ち良くなって・・・っ!」
「!!うあっ!」

目も虚ろな聖が自ら腰を持ち上げ、膣の中にペニスを全て呑み込んだ。
あまりに突然であまりに勢いのあるそれに腰が爆ぜる。

「ほ、本番は禁止なんじゃなかったのかよ・・・っ!」
「しー・・・、はぁ・・・だ、黙ってれば、バレません・・・それに・・・ふふ・・・もう、限界近いでしょ?田中さんも・・・」
「ぐぅ・・・っ、」
「は、早く、終わらせないと・・・見つかっちゃいま、す・・・」
「わかっとぅよ・・・多少、痛くても・・・我慢しぃよ・・・」

聖のお尻を痕がつきそうなくらい力強く掴み、根元までモノを打ち付けた。

「ああっ!」
「声をあげるな・・・っ!」
「は、はい・・・っ、ご、ごめんなさ」
「もぅ黙っとり」
「んんっ・・・!んむ、ちゅっ、」

キスに集中しつつも腰の動きは止まらない。
竿の半ばまで引いてから、亀頭をナカの壁に擦り付けるように捻った。
結合部から蜜が泡を立てながらペニスを伝い落ちる。
溢れたそれをまた聖の膣内へと戻すかのように腰を勢いよく沈めた。

「んっんっ、んんっ!ちゅる、じゅく、ちゅ」
「んむ・・・」

聖を飽きさせないように柔軟に、多彩に動く。
限界まで勃起したれいなのモノが聖の最奥を数度ノックした。
さすがに口が疲れたので唇を離す。

「ああっ、たなかさっ・・・!」
「静かにしろ言っとぅのに・・・」
「そ、んなの無理っ・・・!」
「もぅいいよ・・・よく我慢したっちゃね・・・えらいえらい」

子供を相手にするように聖の頭を撫でる。
なぜか目の端から涙の粒が零れていった。

「・・・え、えりぽ、」

これが最後だと腰の骨がいかれるくらい乱暴に聖のナカを出入りした。

「ああっ!!」

カリ首にヒダが当たって、擦れる。
さらに広がった傘が聖の膣道を押し広げ、進んでいく。
戦慄くお尻の穴に指を突き入れ、ナカをかき混ぜた。

「きゃっ、あっ、だめっ、ああっ!だめぇっ・・・!」
「っ・・・出そう・・・!」

亀頭が一瞬顔を出すくらいまで腰を引かせてから、ずん、と聖の一番奥を勢いよく叩いた。

「あっああああああっ!!」
「ううっ!」

聖の首が再び反り返り、ビクビクと全身が痙攣を起こす。
その瞬間、溜まりに溜まった熱い精を聖のナカに勢いよく吐き出した。


*****


「ゴメンナサイ」

THE・土下座。
なぜだろう。初めての過ちのはずなのに、なぜか既視感があるのは。
どこぞの世界でれいなはこれと全く同じことをやっていたのだろうか。

「いいですよ。気にしないでください。聖から誘ったことですし」

ホックが5つくらい並んでいる丼みたいなカップのブラジャーをつけながら落ち着いた声で聖が諭す。
挿入したことは店にバレはしなかったものの、ナカ出しなどという最低最悪の行為をしでかしてしまった自分への自責の念に苛まれていた。
聖は気にしないでと言うが、

「それでもナカ出しはいかんやろ・・・彼女でもない女性に・・・」
「彼女ではないですけど、友達でもないですよね?友達以上、恋人未満、ならいいんです」
「そ、そうなん?・・・いやでも、できたらどうすると・・・?聖、彼氏おるっちゃろ・・・?」
「その時は・・・」

スケスケの白い衣を羽織った聖が弾けるような笑顔で、

「田中さんとえりぽん。2人の旦那様に養ってもらいます♪」
「なんと」

いや、それも悪くないかも・・・。
いやでも、えりぽんとかいう野朗が聖の本命だろうし複雑だ・・・。
今もどこかでのうのうと生きているであろう、どうしようもない聖の彼氏とやらの姿を想像しながら来てほしくない未来を嘆いた。


 **********


中東。シリア・アラブ共和国。
褐色肌の軍人が行き交う、廃墟しかない荒れ果てた土地に、迷彩のメットをかぶった一人だけ白い肌のひょろ長い男が突っ立っている。
あまりの暑さに意識が朦朧としているらしい。

「ハックション!」

うだるような暑さの中、男はキョロキョロとしながら鼻を掻く。

「風邪っちゃろか?」

一人、誰とは無しに呟いた男は銃弾が飛び交う戦場へと、MAS・36小銃を抱えながら能天気そうに向かって行った。





田中クンの恋愛事情 番外編 "If...3"
 

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