それは、ずっと前に封印されていた物語―――


道重さゆみはその日、朝から雑誌の撮影をしていた。
しかし、一昨日から始まった月経がさゆみの体調を狂わせ、良いカットが撮れずになかなか「OK」の声がかからない現場は、微妙な空気に包まれていた。
休憩中、自らの態度の悪さを反省しているさゆみのもとに、たまたま現場に来ていた雑誌のスポンサーが笑いながら話しかけてきた。

「どうしたの?さゆみんらしく、ないじゃん」

肩をポンと叩かれたさゆみは慌てて立ち上がり、テキトーな愛想笑いを返した。
この男は、へらへら笑って腹のうちはなにを考えているか、分からない。腹黒さならさゆみも負けてはいないが、この男はその比ではない。
そもそもこいつに「さゆみん」なんて軽々しく呼んでほしくはない。気持ち悪い。
体調の悪さや無性な腹立たしさ、嫌悪感が増幅する中、男はこう言った。

「体調悪い?もしかして、女の子の大切な日、ってやつですか?」

その声が耳にかかった瞬間、さゆみは全身に鳥肌が立った。
そんなつもりはないのだろうけど、彼の笑顔が、一気に厭らしく見えてくる。
男はそんなこと微塵も気に止めないのか、「お腹でも痛いのかな?」とさゆみの腹部に手を伸ばしてきた。
さゆみは咄嗟に彼の手を振り払った。
それだけなら良かったのだが、そのまま右手を振り上げ、勢いよく男の左頬にめり込ませた。
華麗な右ストレートが決まった瞬間、現場は騒然とした。
一部始終を見ていたマネージャーも、カメラマンも、雑誌の編集部も、思わず声を失った。
さゆみはといえば、まさか自分に右腕にこんな力があるなんて思わなかったと、感嘆に近い感情を覚えながら右の拳を見つめていた。

そして結果的に、仕事はフイになった。
スポンサーとの仕事はすべてキャンセルされ、さゆみは以降、その雑誌から姿を消すことになる。
さゆみ専属のマネージャーや事務所のチーフマネージャー、ひいては事務所のお偉いさんと呼ばれる方々が総出でスポンサーに謝罪に行った。
しかし、結局スポンサーは首を横に振り、さゆみの仕事は一瞬で消滅した。

「とりあえず、療養しなさい」

さゆみに言い渡された言葉は、たったそれだけだった。
実際、自分が悪いことも分かっていたし、事務所全体を巻き込んで大事にしたことも悪いと知っていた。
だが、あんな態度を取るような男から金を貰ってまで仕事をしたくないとも思った。
そんなことをマネージャーに言おうものなら、だれのおかげで仕事ができるのだと怒鳴られそうだったのでやめておいた。

さゆみはマネージャーの車で自宅まで送迎されていたが、その途中で急激な吐き気を訴えた。
慌てて総合病院まで車を走らせるが、そこで下された診断は「貧血」というなんとも情けないものだ。
マネージャーはため息を吐きながら別件の仕事に向かい、さゆみは病室の真白い天井を見上げながら、まさか入院する羽目になるとはと深くため息を吐いた。

弱っているとき、人は悪い方にばかり物事を考えがちだが、さゆみもまた、自分のしていることに意味があるのかと考え始めてしまった。
この仕事を始めたきっかけは、いちど東京に旅行に行ったときにスカウトされたというただそれだけのものだ。
さゆみは「芸能界」という特殊な世界に興味はなかったし、その考え方はいまでも変わっていない。
高校1年生の夏、彼女と交わした些細な「約束」のために、此処で生きていると言っても過言ではないのかもしれない。
お互いにこの世界に入り、その「約束」は果たされた。だけど、その「約束」がいま、微妙に揺らいでいることを、さゆみは知っていた。
私はいったい、なにをしているのだろう―――

「道重さーん。ちょっといいですか?」

混沌とする思考を遮ったのは、搬送された病院に勤める看護師の声とノックだった。
さゆみは重い体を起こし、「はい」と返事をする。ほぼ同時に病室の扉が開く。
短い茶髪に大きな目、小柄で華奢な体つきなのに芯があるようなその女性を、さゆみは綺麗だなとぼんやり思った。

「えーっと、申し訳ないんですけど、病室、移動してもらっても良いですか?」
「移動?」
「うん、マネージャーさんにはもう話してOKもらったんだけどね、患者さん本人にも了承取らないと行けなくてさ」

彼女が言うには、さゆみの体調がそこそこ安定していることもあるし、個室の数が足りないので、相部屋に移ってくれないかというものだった。
まあ、芸能人という理由だけで個室に搬送されたのだろうけど、いまのさゆみにとっては、自分が何処の部屋で休むのかなどどうでも良い話だった。
ふたつ返事をすると、「話が分かるねぇ」と看護師はニコニコ笑った。なんだこの軽いノリは、とさゆみは曖昧に笑う。

「道重って珍しい名字だよねー。シゲさんって呼んで良い?」
「絶対やめて下さい」

茶化すように言う看護師に、少しだけ強く反論した。彼女はまた喉を鳴らしながらなにかをノートに書き込む。
歳が近いようにも見えるけれど、手のひらの上で遊ばれているような気がした。顔は大人びて綺麗なのに、心はいたずらっ子だ。
「最近の子はみんな可愛いんだねぇ」と彼女が言ったことにより、さゆみの中でその気持ちは更に大きくなった。
話題を変えるように「此処に来る人って」とさゆみは言った。

「この個室に入院する人って、重病なんですか?」

その言葉を聞いて、彼女はそれまでの笑顔を引っ込めた。
一瞬視線を落とし、手にしていたカルテを覗き込むその姿は、腕の良い「看護師」そのものに初めて見えた。
聞いてはいけないことだったのだと、さゆみは後悔した。

「ケータイ小説とかにありがちな、お涙頂戴ストーリーをだれかが考え出しちゃうくらいには、かな」

彼女はそう言うと、自分の左の胸元を指さした。
それが、言葉どおりの意味なのか、それとも「心臓」を指しているのか、さゆみには判別できなかった。
どんな人が此処に入院することになるのか、さゆみが知ったところでなにかが変わるわけでもない。
そして自分が、その人に対してなにもできないことも分かっていたから、さゆみは手早く荷物をまとめた。まとめるほど、荷物もないが。

「結局は自分との闘いなんだけど、だれかが傍にいると随分と違うと思うよ」

彼女はひとり言のように呟く。それがだれに向けられたものなのか、さゆみは一瞬分からなかった。
もしかして、私に対して言ってくれてる?と考えたが、すぐに振り払った。

「家族とか、友だちですか?」
「あとは真っ直ぐに信頼できる人、って私は思うよ」

看護師はさゆみの寝ていたベッドのシーツをなんどか正した。
その姿を見ながら、「信頼できる人」をさゆみは考えた。
私にとって、「彼女」はきっと信頼できる人だ。真っ直ぐに将来を見据えた瞳も眩しい。
だけど、だけどその瞳は、本当は私を映していない。私の姿は、ファインダー越しにしか映っていない気がしてならなかった。

「きっと、シゲさんみたいに可愛いくなるよ、その子」

さゆみが「彼女」のことを考えている間に、看護師はベッドの整理を終えた。つづけて「私が保証するよ。いまはちょっと幸薄そうだけどね」と笑った。
看護師が「その子」と言ったことから、さゆみより年下の子が此処に入院するのだと分かった。
だけど、もうそれ以上はなにも聞きたくなかった。聞いたって、なにも変わらない。
さゆみは702号室を後にすると、その看護師とともに3階下の少し広い病室へと歩いた。
そこは2人部屋で、さゆみが寝るはずのベッドは綺麗に整理されている。もうひとつの方には丁寧にカーテンが敷かれていた。
此処にはだれが寝るのだろうと一瞬疑問に思ったが、さゆみはすぐに点滴を注射され、眠りの世界に誘われていた。

「じゃあおやすみ、シゲさん」
「シゲさん言わないでください……」

去り際の彼女に反論したが、彼女は笑うだけだった。
とろんと瞼が重くなっていく中、その胸元に付けられた名札が目に入った。
その名前がこの病院と同じものだったが、まさか院長の娘なのだろうかと考えた。が、ありふれた名字だし、偶然だろうと思い直して意識を放り投げた。


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さゆみがふっと目を覚ましたとき、世界は真っ暗な闇に覆われていた。
ずいぶん寝てしまったのだろうかと目を擦って上体を起こす。壁の時計を確認すると、夜中の2時過ぎだった。
わあ、草木も眠る丑三つ時ってやつじゃないですかとさゆみが苦笑した直後、ガタガタっと音がした。
何事だとさゆみはびくっと体をちぢこませる。
が、直後に「アイタタタ…」と可愛らしくて、どこか情けない声が聞こえてきた。

―女の子……?

まさか幽霊じゃあるまいなと思いながら、さゆみはそーっとカーテンを開ける。
目に入ってきたのは、病室の窓にだらしなく全身を預け、頭を掻いている女の子の姿だった。
それは実に奇妙な光景だった。
彼女は窓を閉めたかったのか開けたかったのかは不明だが、窓ガラスにべたりと体を密着させ、困ったように笑っている。
なにがしたいんだ、この人。とりあえず幽霊じゃないらしいと納得したさゆみはカーテンを開けた。
すると、その音にビクッと肩を震わせながら、その人はキレのいい振り返りを見せた。

「あっ…驚かしちゃいました?」

さゆみが恐る恐るそう訊ねるが、彼女はなにも答えなかった。
品定めをするように彼女は視線を泳がせるが、それにしては全く見当違いの方を向いていることにさゆみは気付いた。
なにか声を絞り出そうとしているのだが、震えていてなかなか音にならない。彼女は窓の枠を確かめるように右手を滑らせ、首を傾げた。
その仕草を見て、さゆみは漸く、彼女の抱えている「不具合」に気付いた。

「驚かせてごめんなさい。此処の病室の患者です」

さゆみはベッドから降りると彼女にゆっくり近づいた。
その気配が分かったのか彼女は体を強張らせる。さゆみは「此処に居ますね」と柔らかく笑うと、彼女の右手を取った。

「初めまして、道重さゆみです」

さゆみは臆することなく、彼女の手の平に「さゆみ」と指文字を書いた。なぜここまで自分が落ち着いているのか分からなかった。
だが、目の前にいる彼女に対し、さゆみは恐怖や人見知りを感じることはなかった。
彼女は相変わらず視線は定まらないながらもふっと顔を上げ、震える左手をさゆみに伸ばした。
指先が髪に触れ、驚いたように引っ込めるが、「良いよ、触って」とさゆみは動じない。
その言葉を信じるように、彼女はゆっくりと手を伸ばし、さゆみの頬に触れた。

「良かった……」
「うん?」
「幽霊さんじゃ、なかったんですね」
「フフ。それはこっちのセリフなの」

彼女が漸く笑ってくれたことに安堵したさゆみは、ひとつ息を吐くと彼女をゆっくりとベッドへ誘導した。


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亀井絵里と名乗った彼女とさゆみは、夜中にもかかわらず話を始めた。
暫く普通に会話をしていたが、先日絵里の身に起きた起きた両親の事故死の話を始めると、彼女は声のトーンを落とした。
さゆみもそれ以上は催促せずに、黙って絵里の手を握ってやった。絵里はなんどか自分を落ち着けるように深く息を吐く。
自分とひとつしか年齢が変わらないのに、彼女が背負うものがあまりに大きすぎて、胸が痛んだ。

「ごめんね。不幸自慢するつもり、なかったんだけど」
「そんなこと思ってないよ」

絵里が自虐的に笑うのを見て、さゆみは思わず泣きそうになった。
まだ会って1時間しか経っていないのに、さゆみは彼女に「同情」とは別の感情を抱いていた。
昔から知っている友人に久し振りにあったような、不思議な感情だった。もちろん、会ったこともないのだけれど。
絵里の手から伝わる温もりは、あまりにも儚げだった。本当に此処に居るのかを疑ってしまうほどの透明感に、背筋が凍る。
さゆみは、いまの彼女には“色”がないのだと直感した。

「さっき、なにしようとしてたの?」

また話題を逸らそうと、さゆみは新たな言葉を投げた。
絵里はゆっくりと顔を擡げると、先ほどまで傍にいた窓の方へ視線を送る。
さゆみもそれを追いかけると、目があったのは、闇に浮かぶ、月だった。

「なんとなくね、月が見たかったの」
「見えた……の?」
「ううん。やっぱり見えなかった。やっぱりもう、この目は、ダメなのかもしれない」

話題を逸らそうとしてさらに傷を抉ったことを悟る。本当に、自分はなにをやっているのだと頭を抱えたくなった。
どうして私には、彼女を闇から救い出すたったひとつの言葉すらも持っていないのだろう。
初対面だからとか、カウンセラーじゃないから、なんて言い訳に過ぎない。
いま、絵里のいちばん近くにいるのはさゆみであって、絵里が頼れるのは、さゆみしかいないのだから。

「ねぇ、さゆ」

ふいに、絵里がその名を呼んだ。
さゆみのことを「さゆ」と呼ぶ人は結構多いのだが、その柔らかい呼び方は、まるで「彼女」を思い起こさせた。
自分を貫き通すわがままプリンセス、その割に信念を持った、不思議な人だ。

「月、見える?」

そう問われ、息を呑んだ。
夜空には月と星が輝いているが、そのすぐ傍には黒雲が立ち込め、いまにも月を呑み込もうとしていた。
月が出ているのか、と問われれば、答えはYesだ。だが、月が見えているのか、と問われれば、答えは―――

「見えないよ。今日は、雲が多いから」

そうして、嘘をついた。
この嘘にどれだけの意味があるのだとさゆみは問うたが答えは出なかった。なぜ嘘をついたのか、自分でも分からない。
見えるものを見えないといって、真実を伝える勇気を、捨てた。
絵里はそれ以上は追求せずに「そっか」と笑った。
月は雲に呑まれることなく、ただ真っ直ぐにさゆみたちを見下ろしている。
どうか、どうか見ないでほしいと思った。いまはその輝きが、怖い。

「さゆは、好きな人、いる?」
「えっ……?」
「やっぱりモデルさんだから、内緒?」

さゆみが思わず聞き返したのは、はぐらかすつもりではなく、急に話題が変わったからだ。
しかも「好きな人」という、曖昧で、だけど女の子にありがちな、普通の話題に。
どう交わすのが良いのか、そもそも交わすべきなのか、自分の正直な気持ちを離すべきなのか、一瞬で計算して、結果的にさゆみは「いるよ」と答えた。

「でも、向こうは、そうじゃないみたい」
「片想い、なの?」

絵里の率直な疑問に対し、さゆみは曖昧に笑って「そんな感じかな」と返した。
手を繋いで・抱きしめて・キスをして・体を重ねて、という行為をしていることを鑑みれば、「付き合っている」ということになるのだろう。
だが、相手が同性であるということだけで、それは一瞬で、世間的には受け入れられないものになる。

「さゆみね、独占欲が強いの」
「うん」
「だから、ちゃんと私を見て、受け入れてくれる人じゃないと、ダメなんだと思う」

私も「彼女」も、たったのいちども「好き」と云ったことは、ない。
それは、世間体を気にしているのか、互いの職業を鑑みてなのか、それとも、私たち自身の想いを反映しているのか、分からない。
「彼女」の瞳が私を捉えていないことを、私は薄々気付いていた。
だけど、「私を見て」と伝える勇気がないことも、「好きだよ」と伝える勇気がないことも、私は気付いていた。
私は、自分勝手だ。責任をすべて、「彼女」に押し付けようとしている。

「絵里も、きっとそういう人に逢えると思うよ」

さゆみは思考をいちど切ると、彼女にそう云った。絵里は眉を下げ「そうかなぁ…」と漏らす。
絵里に好きな人がいるのか、そもそも恋人がいるのか分からない。
だが、絵里の問いかけはきっと、この答えを求めていたものだと確信していた。


―――「結局は自分との闘いなんだけど、だれかが傍にいると随分と違うと思うよ」


あの看護師の言葉を思い出す。
きっと私たちは、求めているんだ。そうやって、傍にいて、真っ直ぐに信頼できるような人を。

「絵里、可愛いし」

さゆみがそう呟くと、ぼんっと音がしたように絵里の頬は紅潮した。
ぶんぶんと大袈裟に手を振って「そんなことないっ…!」と否定するその姿も、可愛いと思った。
なんかこういうタイプ、「彼女」は好きそうだなあって思いながらさゆみは笑った。

「さゆみの次の次の次にくらいだよ?」
「……それって褒めてる?」

絵里の頭をぽんぽんと撫でながら「どうかなぁ」と意地悪に笑うと、ふいに外が明るくなってきた。
月は雲に隠れることもなく、ゆっくりと西の空に沈み始めていた。その代わりに、東の空から一筋の光が昇り始めた。
ああ、もう朝なのかとさゆみは目を細める。「彼女」はもう起きて、この空を撮っているのだろうか。

「さゆも逢えると良いね。そういう人に」

絵里の視線を感じ、さゆみは彼女に向き直った。
相変わらず、彼女と視線が絡むことはない。だけど、見透かされているようなその眼差しにさゆみは息を呑んだ。
自分の薄っぺらい思考やその場しのぎの嘘などをすべて見通されたような気がした。
だから自分の声が震えないように、必死に自我を保たせながら「うん、逢いたい」と呟いた。


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カランとグラスの中の氷が溶ける音を聞きながら窓を開けた。
高層マンションの7階から見える月は、地上で見るよりも大きく感じる。だが、いくら手を伸ばしても、届きそうにはない。
月を見ると、絵里と初めて逢ったあの不思議な夜のことを思い出す。

あれから、さゆみはマネージャーたちに頭を下げ、小さいながらも仕事をつづけていくことを決めた。
絵里と会って、なにか考えが変わったわけでもない。だけど、自分の生きていく場所は此処しかないのだと分かっていた。
だけどその直後に「彼女」に別れを告げたのは、絵里と会ったことも関係していたのかもしれない。
自分を真っ直ぐに見つめてくれる大切な人に逢いたいと、心から願ってしまったのだから。

さゆみは手の中のグラスをくいっと煽った。
銀滴の水割りは、ずいぶんと氷が溶けてしまって薄くなっていた。

「っ……逢いたいよ―――」

月は真っ直ぐにさゆみを見下ろしている。あの夜から変わることなく、さゆみや絵里の物語を、ただ黙って見つめていた。
人から見れば大したことのなかった1年だったかもしれないが、それでもさゆみたちにとっては、大きな物語だった。
物語の終着点、そこに辿り着くとき、月はどのような輝きを見せるのだろうとぼんやり思う。
もしその瞬間も変わりなく淡く輝いていてくれるのならば、どうか、どうかあの子の下にも等しく届いて下さいと、さゆみは祈った。





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