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「舞妓誘惑」 (幻冬舎アウトロー文庫)

著者:若月凛 装丁:高橋雅之 出版社:幻冬舎 発行日:2008年12月5日 





本の紹介(公式)

「若月凛(わかつきりん)」さん

わかつきひかるさんと、同じ京都府出身。同じさそり座の女性官能小説家です。
幻冬舎アウトロー大賞特別賞受賞。
過去2つの作品「舞妓調教」「舞妓誘惑」では、キュンキュンという表現とか、子宮頚管粘液とかの表現も使われていました。うーん、これもわかつきひかるさんと同じ表現方法かも!?

さて、この記事ですけど、なんだか区別つかなくって混乱しそうなので、以降作者のことは「わかつき」さんと記載いたします。よろしくお願いします。



あらすじ

時はバブル景気前夜、1987年の京都。平凡な大学生、保志田修一は、ギオンコーナーでアルバイトしていた。
そこで知り合った若い舞妓の小桃と少し年上の小静。修一は小桃からなつかれ、小静から誘惑される。
小静にはじめてのセックスを教えてもらった後、小桃の処女をもらって、二人と同時に関係を持つ修一だったが、ある日小静の部屋にいるとき、小桃がやってきて鉢合わせをしてしまう。



感想

バブル前夜の1987年は微妙な年でした。プラザ合意をうけて急激な円高に見舞われた日本は、輸出業を中心に円高不況に苦しんでいました。僕はその年、九州の鉄の街に住んでいたのですが、鉄冷えと言われた不況に沈み、街全体を灰色の重苦しい雰囲気が包み込んでいる、そんな印象を持っていました。
ところが、すでにバブルは始まっていたのです。東京を中心に・・・
翌1988年春に東京へ引っ越しました。不況に沈む街から未曾有の好景気に沸き狂う大都市へ、わずか1時間半の飛行機の旅は、時空を超えた旅のようでした。

この小説の舞台は京都。まだ不況感が強いものの、見渡すとバブルの萌芽が見え隠れしています。不況から脱しきれてはいませんが、景気が底をうったという安堵感があり、やんわりとまわりを包む・・・
この小説の全体を流れる、緊張感を持ちつつも、ほんのりと甘いムードにふさわしい時と場所。
よく調べていますよね〜 特にこの年の秋を選んだのは絶妙だと思います。
この半年前だと不況に苦しんでいましたし、半年後だともうバブルで世の中狂いはじめていましたから。
色で表現すると、灰色(不況)から真っ赤(バブル)へ一挙に変化する、その変化の最中にごく一瞬みせるやわらかい色調の桃色、そうこの本の表紙の色のような感じですね。まさにその瞬間を切り取って舞台として用意した。
絶妙です。

修一と小桃、小静の三角関係を丹念に書き込んでいます。主人公の修一の年齢が美少女文庫のそれよりも若干高め(大学生)ですが、美少女文庫と同じように3人の恋愛模様を、官能小説らしくセックスシーンを中心に展開させていきます。いわゆる「お姉さんが教えてあげる」「ハーレム」ものですね。
これまで「わかつき」さんの「ハーレム」ものは、「ハーレム」状態になる瞬間、つまり2人の女性が3Pプレイを受け入れるときの処理(主に女性キャラの心情面)に苦心してきた印象がありますが、この「舞妓誘惑」は、小静の「馬の足」という出来事を背景に、うまく展開させています。小静が3Pを受け入れる心情に無理がないため「ハーレムなのに純愛」という、矛盾する2つをうまく融合させきっていると思います。
「ハーレムなのに純愛」という官能小説は僕の好みのひとつですが、女性キャラの心情(注)にひっかかりを持つと楽しめなかったりするのですね。しかしその点、この作品はとてもよいと思います。純粋に3Pを楽しめます。

「わかつき」さんの作品では、一時期「ハーレム」ものが多かったのですが、2007年7月のお嬢様×お嬢様 ふたりは恋ドレイ!?以降、書かれていませんでした。「若月凛」の前作である「舞妓調教」は、長らく封印していた「陵辱→ハッピーエンド」というフォーマット(例:後夜祭 君をイジメたい)をさらにブラッシュアップして投入してきました。「若月凛」という別名義を受け入れる際には葛藤もあったと思いますが、今ではよい意味で開き直って、これまで培ってきた官能小説家としての技量を存分に示す「ブランド」として「若月凛」という名前を活用している印象を持ちました。


(注)とはいえ、男にとって女心こそ不可思議なるものの最たるものであって、実のところなどよくわからないのですが、そういったことはとりあえずおいておきます。



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