ジュブナイルポルノ作家「わかつきひかる」さんを、「めたぼdeぽん」が個人的に応援するWikiです。「わかつきひかる」さんご本人をはじめ各出版社とは一切関係はありません。


「Myメイド 洋館の女中さん」 (美少女文庫)

著者:わかつきひかる 挿絵:みやま零 出版社:フランス書院 発行日:2011年3月31日 





公式紹介文(背表紙)

すみれは、ずっとアナタのメイド☆ ☆ハート 没落家元お嬢様は、薔薇の館で奉公中。頑張る少年ご主人様に処女を捧げて、応援ご奉仕☆ 花笑むような笑顔でフェラしてほしい? それとも大和撫子な私を思う存分、乱したい? 強気なお嬢様メイドが腕の中で百花繚乱☆ 何度もイカせてくれなきゃ許さない! (美少女文庫HP


内容

ヒロイン
綿谷すみれ
綿谷遠景流の宗匠(家元)の家に生まれる。切れ長の瞳と形のいい鼻梁、意思の強そうな唇が卵形の顔にバランスよく収まっている。両親は既に亡く、先祖から受け継いだ土地・家屋は固定資産税の変わりに物納してしまった。流派の伝統にのっとり宗匠を継ぐためには僧籍が必要なため京都の仏教系の女学校に通っていたが、物納した家屋が行政代執行をうけ無一文になってしまった。やむをえず宿敵である桑村遠景流の宗匠の申し出を受け、その孫の世話をするために住み込みメイドになるのだった。
あらすじ
桑村遠景流の宗匠からは、孫の柊には華道の才能がないから、柊の住む洋館から立ち退くよう画策してほしいと伝えられる。なんでも立ち退きの後、マンションを建てる計画があるのだという。成功報酬は、1200万円+綿谷遠景流の家宝である花器。花器は行政代執行の際、桑村遠景流の宗匠が確保したのだった。家宝を返してもらうため、そして当面の生活の資金をえるため、すみれは柊の家にメイドとして住み込むことを決意するのだった。
それから
住み込みをはじめたすみれは、清楚で従順な、大和撫子を絵に描いたような態度で柊に仕えつつ、実は食事に毒をもって病気にさせようとした。毒作戦はあまり効果を上げられなかったがそのときの柊の態度から柊に異性を感じはじめた。
エッチシーン
(風呂場)お風呂の中で自慰行為。
(キッチン)初キス→初体験(正上位)
(すみれの部屋)すみれ自慰行為→フェラ→着物を着たまま後背位
(柊の部屋)パイズリ→フェラ→(手を縛って吊る)鞭でスパンキング→(手を吊ったまま)正対立位
(柊の部屋)柊の目の前ですみれ自慰行為→正上位→そのままもう一回
(居間)(後ろ手に縛る)スパンキング→後背位から座位→正上位
(転居したマンションの一室)後背位



感想

華道をモチーフにしたストーリーです。以前、「My姫なごみ」で華道を扱っていましたから2回目になりますね。
華道ものをもう一度読むことができてよかったなと思います。

「My姫なごみ」は初の華道ものでしたが、わかつきひかるさんのブログを読んでいると、それ以前から、ずっと以前から華道ものを書きたがっていたのがわかります。
「My姫なごみ」を読んだときに、ここにたどり着く前に作られボツになった、幾多のプロットと打ち合わせなどを思わずにはいられませんでした。
美少女文庫の編集さん(たぶんM編集長だと思いますが)は、「男性読者には華道はわからないから」という理由でボツにしていったとその記事には書いていたと思います。
でもきっと、手を替え品を替え、わかつきひかるさんは華道もののプロットを出してきたのでしょうね。
もうその記事は消えてしまっているので、これと示すことはできません。
僕の頭の中にだけ存在しているかもしれませんが、そんなはずはないと思っています。誰か、その投稿の内容を覚えていらっしゃる方いませんか?

記憶だと、その記事はMyシリーズが出る前の出来事だったと思います。そこから時間が流れ「My妹」が大ヒットし、その後、Myシリーズが大成功を収め美少女文庫のドル箱シリーズと育った。そこに最近になって和風のお嬢様が好まれるというトレンドが起こった。そこでようやく、本当にようやくM編集長のお眼鏡にかなった華道ものとして「My姫なごみ」は出版されたのだと考えています。
全部僕の憶測なんですけどね。でもいかにもありそうな出来事と思いませんか?

わかつきひかるさんのこだわりは、作品単体というものを超えて、美少女文庫の作家としての数年来にわたる執念であり、華道を極めようとしている人の人生そのものだったと思っています。
だから、あのことに心を痛めずにはいられません。
そして、だからこそ、この「Myメイド 洋館の女中さん」で、再度華道ものが読むことができ、本当にうれしく思います。

前置きが長くなりました。

エロのシーンはいつもの通りのクオリティとだけ指摘したいと思います。
Gスポットとスパンキングで子宮が揺さぶられるのを快感に感じるツンデレお嬢様のエロエロな感じがいいですね。
特にGスポットをここまで強調した表現はこれまであまりなかったかと思います。

さて、とはいいつつ、この作品は、エロよりもそのプロットの方に僕は目が向きました。

無一文のお嬢さん(すみれ)が宿敵に利用されているのをわかりつつ、卒業=僧籍をとる=家元となる、そしてお家を再興するため、あえてその誘いに乗る。この設定は面白いと思いました。
次に、柊とすみれが仲良くなった後、すみれが柊を利用しようとしていたのが発覚する、そこに柊が大事にしていた華道部の存続を左右しかねない事件が起こる。住んでいる洋館の取り壊しという困難と華道部の存続という問題、2つの問題をなんとか解決しなくてはならない。うーむ、これは「ジュブナイルポルノ」としてはかなり複雑なプロットだねと感心しました。
そしてその2つ困難を乗り越えるために、柊とすみれは洋館での華展を企画する。文中に華道家ならば普通に考えることと書いていましたけど、実は僕は意表をつかれました。
ふーん、その華展が大成功を収めて、それで大団円なのね、そう思って読み進めていくと、もうひとつ仕掛け(全てはお釈迦様の手のひらの上というやつw)があって、全ては丸く収まります。うまいよ、この仕掛け。これも意表をつかれました。
そしてその当然の帰着として、二人は結婚し、すみれは妊娠するわけですが、それがまた長年の華道の流派としてのいさかいを治めるものだったのですね。
その華展は、「一粒で三度おいしい」ものだったわけです。

この作品からは、わかつきひかるさんの華道に対する深い愛情を感じます。
そして華展の持つ力を読者にもわかってほしいという願いも感じます。

だからなのかな、僕はこの作品について「エロよりストーリーを評価したいし、読者の皆さんも実用的に読んだ後、もう一度ストーリーを追って欲しいな」そう思っています。


追記
下にリンクした中にもあるのですが、「妊娠・結婚エンド」が最近多くて食傷気味だという評価がありました。
僕は、美少女文庫を全部読んでいる訳でないので、最近多いかどうかについては論評できないのですが、実は少し悲しい分析をしています。
男性向けのポルノは、ある種の「現実にはかなえられない夢」をかなえることを想像の中で楽しむものだと思います。
その文脈から鑑みると、「妊娠・結婚」が「現実にはかなえられない(かなえられにくい)夢」になってきているのでないかということです。
景気、就職率、失業、賃金の低下・・・。
そんなことが影響してか、結婚しない男性(女性も)が増えていますよね。
僕は「妊娠・結婚エンド」とか「嫁ポルノ」とかは歓迎なのですが、一方でその風潮って社会の裏返しなのでないかという疑念が晴れません。

追記その2
大震災の影響で、結婚と離婚が増加するという分析がなされています。(事実、統計上も現れつつあるようです)
阪神大震災のときもその現象が起こりました。
不安は結婚を促進させるという分析もあるようです。
今はそういった時勢なのかもしれません。美少女文庫もその時勢をうけ、当分、妊娠・結婚エンドのものが多く出版されると、僕は分析しています。



他の方々のご意見

※リンクに問題があるようでしたら、管理人にご連絡ください。


コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

アクセスカウンタ

Wiki Blog統合アクセス


うちWikiアクセス

(2009.6.6からカウント)

新刊


ナポレオンXXノベルス

美少女文庫

ハーヴェスト出版

ティアラ文庫

幻冬社アウトロー文庫

時代艶文庫

お願い

性的な表現は、極力抑えているつもりですが、ジュブナイルポルノを紹介するという関係で、全てを排除することはできません。そのような表現に嫌悪感をお持ちの方、18才未満の方は、コンテンツを見ずにお立ち去りください。よろしくお願いします。

著作権について

このサイトの著作物については、
他者に著作権があるものを除き、
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示-継承 3.0 非移植
を適用いたします。


© 2009-2011 めたぼdeぽん

このサイトはリンクフリーです。どんどんリンクしてください。通知の必要もありません。
他者に著作権がある部分とは、引用の部分です。引用と明記しているか、引用枠(点線の四角)で囲っています。またアフィリエイト広告のために利用している本などの表紙の画像も他者に著作権があります。
なお、アフィリエイトを実施しているのは、上記の画像を利用するためです。時々ご購入いただいく方がいらっしゃいますが、その収益金につきましては1年ごとに換金し、公的な機関・団体に寄付いたします。


管理人/副管理人のみ編集できます