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19年11月20日 合同分科会 議事録12

議事録1         10 11 >12 13 14 15


○張委員 これでは本当に上手くやれないだろうなと、さっき伺っていて思いました。やはりトップが少なくとも人事権のようなものはきちっと持っていて、人事をローテーョンも含めて自分の思うようにきちっとやれるというようなことがないと責任が持てないですよね。現在は多分責任は持てないんだろうなというふうに思って聞いていましたけれども。

 やはり責任と権限というのは常に一体であるべきだと思いますから、権限がないと責任も持てないだろう。

 むしろ大学には組織を研究なさる先生がいらっしゃると思いますけれども、組織として今の大学のやり方というのは合理的なのかどうかということを一度検証してみる必要があるんじゃないかと思って聞いていたんですけれども。

 我々は外部者だから、大学内部のことは全くわからないんですね。ただ漏れ聞こえてくるような情報から考えると、組織としては大変おかしいことがたくさんあると思いますよね。この大学の先生だとこっちの大学には入れないというようなことがあったり、また例えば学部長や学長の選挙になるとお互いの候補が足を引っ張りあっているとかそういうことも聞きますしね。

 それから1つの例として、私どもに直接関係あることですけれども、金属材料なんかを研究してらっしゃる先生というのが、我々企業から見ると大変な研究をしておられるのですが、40にもなり50にも60歳にもなっても日の目を見ない。しかし、アメリカから引き抜きがあって、それでその先生がアメリカに行こうとしたら、国家的損失だからということで経済産業省があわてて抑えたとかね。そんな話もありまして、一体どうなっているかなということを感じることが多いです。

 外から見てるから当たってるか当たってないかわかりませんけれども。企業とこうやって対比してみるといろいろなことが出てきます。大学の方を教えていただければ企業と対比することはできると思うんですけれども。

○小宮山委員 今おっしゃった中で、教員の人事、具体的にこの人をという教員の人事を社長がやらないという点が一番大きな違いじゃないですかね。だから、そこまで踏み込むような大学をつくったって僕はいいんだと思いますよ。それこそやはり長い間培ってきた知恵で、ときの権力が介入しないという知恵ですから、そこは守るべきだと私も思うけれども。だけれども、そうでない私立大学であるとか、別に国立の大学だってそういう実験、いわばね、そういうことをやってみるところがあっていけないという話ではないと思うんですよね。多分そこが一番の大きな違いだと思います。

○川勝主査 常に学長の権限は強くなってきているんですけれども、まだ隔靴掻痒なところがあるということですね。

 ところで、学部枠を見直してはどうかというご議論を小野、野依両氏からいただいております。そのあたりについてはいかがでしょうか。

○野依座長 今のところはやはり教員の無駄な配置が非常に多いと思うんですよ。例えば分子生物なんかを教えるのは理学部でも工学部でも農学部でも医学部でもみんな教えなきゃいけない。化学もまた同じことです。植物なんかは農学部も理学部も両方やってるわけですよね。だから、そういうところは学部の壁を取っ払って、やはり一番いい人を配置するというようなことが必要だろうと思うんですよね。それを減らした上でやはり新しく出てきた重要分野というのはたくさんあるわけですよ。そういうところに教員を配置していくことが必要だろうと思うんですね。

 それは私は、中嶋委員がおっしゃったようなデパートメントぐらいのサイズの固まりは必要だけれども、学部というのは今のところ必要ないんじゃないかと思っているんですね。ある種の秩序は必要だろうと思いますけれども。

○小宮山委員 今いろいろな大学がいろいろなやり方をしてると思います、サイズによっても違いますし。東京大学みたいな大きなところでどうやっているかと申しますと、研究科を超えて連携する横型の研究組織をつくりました。生命科学、海洋アライアンス、サステイナビリティサイエンスなどの横型の組織をつくっております。その他、加齢学とか、確か12〜13ある。

 そういう部局でない、うちでは総括研究機構と呼んでいるんですが、そういう新しいバーチャルな部局みたいなものをつくって、ここに教授会に相当するものも入れ、そこで今部局の縦割りでできないようなことをやっております。多分それぞれの大学が今いろいろな形でやっている。多分それがもどかしいんでしょうね、社会から見ていて。そこら辺のギャップというのをどうやって埋めていくか。

 実態を見ると先生が大学で、現役でやってられたころよりは随分変わっているということは確かだと思うんです。

○野依座長 今のおっしゃったことは、総長学長のトップマネジメントでやられるわけですよ。

○小宮山委員 そうです。

○野依座長 それが下から選ばれた学部長か研究科長がそれぞれの組織をガバナンスしているとそういうことはできないわけですよね。そういうことを申し上げているわけです。
○川勝主査 それは教員の立場というか研究者の立場です。学生の立場に立った場合に教養全体を上げていくためにいわゆる学部の枠を取っ払わなくてはいけないという面がございます。学生は学部別で入っています。大学の組織の中には学部横断的、学科横断的なものがあるといっても、学生は理系、文系にわかれ、またそのなかで経済学、法学部等々に入っていく。学科横断的な大学の意図が教育に生かされていない。教養が落ちている学生の立場に立って、学部・学科の横断的な連携をどうするかという場合、学部枠を取っ払うという意見が出てくるのです。

○中嶋副主査 大学改革にとって一番重要なことはカリキュラム改革なんです。本当に次の世代あるいは知の爆発の時代を担うようなカリキュラムを国際的にも比較して十分だというカリキュラムをなかなか提供できていないんです。それはさっき言ってるように設置形態が変わったけれども、やはり学部というものがあって。

 それから大学院重点化も、小宮山委員のような東大だからできるというところもあって、もっと組織横断的に、学際的、組織横断的な形にすべてのところがいっているかというとそうじゃなくて。学部の教員をそのまま引っ張り上げて大学院のいわば重点化で大学院教授というふうにしちゃって、その結果逆に今度は学部が空洞化して、学部の一番重要であった教養教育もほとんどやらなくなっているというのが今の多くの大学の実態だと思うんですね。

 なぜじゃあもっと理想的な改革ができないかというと、カリキュラムの後ろには人がついているんですよ。ですから、野依座長がおっしゃったように、もうこういうところは一人いればいいと。一人の人がもっと横断的、あるいは数人いればいいというのは、各学部にいるためにすごく無駄も多いし。だから、そこをもうちょっと新しい時代にマッチしたような新しいカリキュラムをつくるということがなかなかできないのは、全部後ろに、講座制はなくなったにしても、全部人がついてるからなかなかそこは動かせない。そういう意味でも僕は学部というものを、この際思い切ってやめちゃうぐらいの提言をしてほしい。提言をしてもなかなか変わらないかもしれませんけれども、そのぐらいのことをしてちょうどいいぐらいだと思っているんですがね。


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2008年01月25日(金) 11:48:43 Modified by nipponkamoshjka




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