19年11月20日 合同分科会 議事録９
議事録１ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ＞９ １０ １１ １２ １３ １４ １５
○川勝主査 中身の濃い多岐にわたる報告、ありがとうございました。それでは、残りの時間でご討議いただきたいとは、大きくマネジメント、大学・大学院のマネジメントに係ることと、学部・大学院の教育の充実の二つのテーマです。まず、マネジメント改革についていかがでしょうか。
○小宮山委員 基本的には、今の野依座長がおっしゃったことに賛同するところが多いです。２年半大学を経営して思ったところを申し上げますと。結局、野依座長がおっしゃる経営の部分と教学の部分を分離せよ、ここです、基本は。この教学の部分というのはやはり学問の自由で、研究・教育の中身に対して総長あるいは部局長等が関与すべきではない。
例えばトイレをどこから直すか、昔はここまで教授達が議論していたものですが、この部分は明らかに経営なんですよ。これは明確なんですね。一方でこの講座の教員をだれにするか、これは教学です。ここまでは明確なんだけれども、その間があるわけで。それで、そこをどうやって一つ一つ峻別していくかというのが大学の経営の難しさです。これが本質です。
例えば東大の例でお話ししますと、今、毎年教員採用可能数の１％を部局は本部に供出するのです。１％なんて大したことないと思うかもしれないけれども、40人です。どういうことになるかというと、毎年退職する100人のうち60人分はその後も講座が維持されるけれども、他方100人のうち40人、40講座分は全学の裁量、総長の裁量あるいは部局間のしかるべき場での議論で再配分することになるという勘定です。
このように、先ほど山中さんの例にもいろいろ出ていたけれども、各大学が今いろいろやってますよ、これも法人化したから。だから、野依座長のおっしゃる部分、小野委員のおっしゃる部分のうちの相当な部分は今国立大学がすでに必死にやってるんですよ。
法人化したばかりでしょう。法人化して、それで、かなり疲れてる。私は体力あるから大丈夫なんだけれども、教員も事務職員も相当疲れています。昔我々の時代は、１回はみんなインテリは左翼に染まったという人たちも多い位の時期、毛沢東の永久革命論というのがはやりましたが、正しいんですよ、これは。要するに、常に革命してなければ組織は腐敗しだめになる。だけれども、こんなことやってたら疲れてしょうがない。そこが間違いなんです。
我々今やってますからね、こうすべきだというのをいろいろ出すのはいいけれども、今国立大学に僕は余り手を突っ込むべきじゃないと思ってますよ、正直。
○川勝主査 ありがとうございました。学長、いかがですか。
○中嶋副主査 毛沢東よりもトロツキーなんですけれども。私は、今日野依座長と小野委員のレポートを拝見して、大変賛同するところが多いんです。ですから、この機会にこういう形で大学・大学院教育を提言しないと、国立大学あるいは公立大学が法人化しているのにせっかくの設置形態の変化が生きないと思うんですね。その意味ではまだまだもっとプッシュしなければいけないというふうに思います。
特に野依座長のおっしゃった学部自治の、小野委員も言ってますよね、学部自治の名のもとに学部長も選挙で選ばれるという問題がやはり一番大きいと僕は思いますね。ですから、アメリカなんかの場合もちろん学部というものがあるところもありますけれども、有数の大学はそれぞれのデパートメントなんですね。ＵＣバークレーの社会学なら社会学のデパートメント、そこがすごくきちんとしていて、そしてそのデパートメントごとに競い合いますから、その上にいわゆる日本の学部、ファカルティというのはあまりないんですね。ないところが多い、あるところもあります。ところが、日本の場合は学部というものがあってすべての大学自治の根源がそこになっちゃっているところに大きな問題があるから、この際学部解体を大いに推奨しないと、いつまでたっても日本の大学は良くならないんじゃないかというふうに思います。
ですから、その点で期せずして小野委員も野依座長も同じような意見を出しておられるのに私は賛成です。そうでないと、さっかく法人化したメリットがこのまま死んでしまうと思うんですね。
ですから、設置形態だけが変わった。確かに皆さんもおっしゃるようにみんな疲れています。この数年間で事務量も多くなって、従来はもうちょっと牧歌的な雰囲気があったところが、非常にアドミニストレーティブな仕事に関わっているんだけれども、にもかかわらずそこをきちんとしておかないと今の大学は、せっかく変えたのがよくならないんじゃないかというふうに思いますので、そこを思い切って直してほしいと。そういう提言を是非してほしいと思います。
議事録１ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ＞９ １０ １１ １２ １３ １４ １５
○川勝主査 中身の濃い多岐にわたる報告、ありがとうございました。それでは、残りの時間でご討議いただきたいとは、大きくマネジメント、大学・大学院のマネジメントに係ることと、学部・大学院の教育の充実の二つのテーマです。まず、マネジメント改革についていかがでしょうか。
○小宮山委員 基本的には、今の野依座長がおっしゃったことに賛同するところが多いです。２年半大学を経営して思ったところを申し上げますと。結局、野依座長がおっしゃる経営の部分と教学の部分を分離せよ、ここです、基本は。この教学の部分というのはやはり学問の自由で、研究・教育の中身に対して総長あるいは部局長等が関与すべきではない。
例えばトイレをどこから直すか、昔はここまで教授達が議論していたものですが、この部分は明らかに経営なんですよ。これは明確なんですね。一方でこの講座の教員をだれにするか、これは教学です。ここまでは明確なんだけれども、その間があるわけで。それで、そこをどうやって一つ一つ峻別していくかというのが大学の経営の難しさです。これが本質です。
例えば東大の例でお話ししますと、今、毎年教員採用可能数の１％を部局は本部に供出するのです。１％なんて大したことないと思うかもしれないけれども、40人です。どういうことになるかというと、毎年退職する100人のうち60人分はその後も講座が維持されるけれども、他方100人のうち40人、40講座分は全学の裁量、総長の裁量あるいは部局間のしかるべき場での議論で再配分することになるという勘定です。
このように、先ほど山中さんの例にもいろいろ出ていたけれども、各大学が今いろいろやってますよ、これも法人化したから。だから、野依座長のおっしゃる部分、小野委員のおっしゃる部分のうちの相当な部分は今国立大学がすでに必死にやってるんですよ。
法人化したばかりでしょう。法人化して、それで、かなり疲れてる。私は体力あるから大丈夫なんだけれども、教員も事務職員も相当疲れています。昔我々の時代は、１回はみんなインテリは左翼に染まったという人たちも多い位の時期、毛沢東の永久革命論というのがはやりましたが、正しいんですよ、これは。要するに、常に革命してなければ組織は腐敗しだめになる。だけれども、こんなことやってたら疲れてしょうがない。そこが間違いなんです。
我々今やってますからね、こうすべきだというのをいろいろ出すのはいいけれども、今国立大学に僕は余り手を突っ込むべきじゃないと思ってますよ、正直。
○川勝主査 ありがとうございました。学長、いかがですか。
○中嶋副主査 毛沢東よりもトロツキーなんですけれども。私は、今日野依座長と小野委員のレポートを拝見して、大変賛同するところが多いんです。ですから、この機会にこういう形で大学・大学院教育を提言しないと、国立大学あるいは公立大学が法人化しているのにせっかくの設置形態の変化が生きないと思うんですね。その意味ではまだまだもっとプッシュしなければいけないというふうに思います。
特に野依座長のおっしゃった学部自治の、小野委員も言ってますよね、学部自治の名のもとに学部長も選挙で選ばれるという問題がやはり一番大きいと僕は思いますね。ですから、アメリカなんかの場合もちろん学部というものがあるところもありますけれども、有数の大学はそれぞれのデパートメントなんですね。ＵＣバークレーの社会学なら社会学のデパートメント、そこがすごくきちんとしていて、そしてそのデパートメントごとに競い合いますから、その上にいわゆる日本の学部、ファカルティというのはあまりないんですね。ないところが多い、あるところもあります。ところが、日本の場合は学部というものがあってすべての大学自治の根源がそこになっちゃっているところに大きな問題があるから、この際学部解体を大いに推奨しないと、いつまでたっても日本の大学は良くならないんじゃないかというふうに思います。
ですから、その点で期せずして小野委員も野依座長も同じような意見を出しておられるのに私は賛成です。そうでないと、さっかく法人化したメリットがこのまま死んでしまうと思うんですね。
ですから、設置形態だけが変わった。確かに皆さんもおっしゃるようにみんな疲れています。この数年間で事務量も多くなって、従来はもうちょっと牧歌的な雰囲気があったところが、非常にアドミニストレーティブな仕事に関わっているんだけれども、にもかかわらずそこをきちんとしておかないと今の大学は、せっかく変えたのがよくならないんじゃないかというふうに思いますので、そこを思い切って直してほしいと。そういう提言を是非してほしいと思います。
議事録１ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ＞９ １０ １１ １２ １３ １４ １５
2008年01月25日(金) 11:46:34 Modified by nipponkamoshjka