基本情報


略歴

アゾル国将軍、冷酷なまでに冷たい瞳を持つ男。
蜉蝣時代到来前、名君で知られるゴルの統治の元、アゾル国は国境での大きな争いはなかったが、それでも山賊や賊徒との戦いが全くなかったわけではない。
それらを鎮圧する為、ラディアと出陣することが多かったが、まずは説得で当たろうとするラディアと異なり、殲滅のみを勝利と考えるキルレイツは、軍議の席で幾度となく口論した。
キルレイツは彼女を当初は嫌悪していたが、やがて誤解が解け、彼女との距離は急激に縮まっていく。
しかし、二人が互いの気持ちを打ち明ける寸前にゲーリー国、ゾリメック国の連合軍との戦いが勃発。
ラディアは、パザルアンの戦いにおいて火計を提案、作戦を成功させるため、キルレイツは自ら囮部隊に名乗り出るが、ラディアの強い要請にも関わらず、勝利を焦った火付け部隊は、まだキルレイツが森の中にいるのに火をつけてしまう。
この味方からの炎がキルレイツの部下を焼き殺し、キルレイツはラディアを深く恨んで姿をくらます。
勿論ラディアにそんなつもりはなく、全ては不幸な事故だったのだが、キルレイツの憎悪は消えることはなかった。

後にリューグ国に仕官して将軍となった彼は、その冷酷なまでの指揮で手柄を上げ、ソルドレイカの戦いに便乗してロー・レアルス国軍に攻め込んだ時、戦死した指揮官の後を引き継いで混乱した軍をまとめると、追撃してきた敵軍を撃退。
ルーザロゥの戦い(692)ではエルドスと共に伏兵部隊を壊滅させ、更にバルド国にも攻め込み戦果をあげ、徐々に指揮可能な兵力を増加させていき、ノーウェイの戦い(693)でロードレア国の将軍となっていたラディアと、敵味方として再会する。
彼女の必死の説得にも耳を貸さず、ラディアバイアラスの2将を打ち破るが、すぐに反抗作戦をとられ、互いに決定打を欠く千日手の布陣となり、結局両軍共に本国へ帰還する。
これは、戦局にこそ影響を与えなかったものの、ラディアが指揮官となってから、完敗を喫した初めてにして唯一の戦いである。

その後は、フィードの戦いで敗北したシャリアル国の依頼で、ロー・レアルス国のドゥバと共にロードレア国の後背を突こうとするが、軍議の席でドゥバと険悪になり作戦を中断させる。
694年に再び戦場にてラディアと再戦、ニーグロスの戦いにおいて、妻になる筈だった女性の手によってその生涯を閉じた。

人物

  • 彼はラディアの本心を理解していながら、その不器用なまでの生き方の為に認めることができず、せめて彼女に自分の終焉をうってほしかった為、最後は戦術的にほとんど意味のなかった一騎打ちを申し込み、討たれたといわれている。
  • 二人は実質的には夫婦でいた期間はない。「この戦いが終わったら返事をする」という誓いを立てての出陣が、別れの戦いになった為である。また、ここでいう「火攻め」の戦いがどの戦いだったのかは長年の謎であり、蜉蝣時代以前の名も無き戦いでの出来事だと思われていたが、近年になってニィズ砦の戦いにおけるナッシュ部隊迎撃時の火攻め(パザルアンの戦い)だということが判明した。
  • 後に復讐の鬼としてラディアの前に立ちはだかることから、物語においてはキルレイツが必要以上に冷酷に描かれることが多く、ソルドレイカの戦いに便乗した出陣では、軍勢を奪うため、意見が対立した指揮官をキルレイツ自身が背中から刺したり、バルド国への出陣も、彼がライグをそそのかした描写が見られるが、少なくとも史実においてはその様な事実はない。
  • ただし、ドゥバとの口論で好機を逃したり、復讐のために戦ったりと、彼が大局よりも個人的な感情を優先する狂犬であったことは否定できない。


関連項目

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