クレアティボ国は、リーズライディの戦いでヴァン・フレイ国に大敗し、アルファの主導権はヴァン・フレイ国が握った。このことからヴァン・フレイ国は、六界連合軍に多くの将兵を送り込むこととなる。
しかし、クレアティボ国は、アストリア、ノールッチ、ローザ国で形成された南方連合軍を再編成させ、虎視眈々と反撃の機会を伺いながら国力の回復に全力を傾けていた。
決戦に敗れたことから、クレアティボ国が表立った反旗を翻すことはないと考えていたヴァン・フレイ国は、この突然の挙兵に驚くこととなる。そして、クレアティボ国においても、ようやく国がたて直ったこの時に、なぜ挙兵するのかと、不信感が渦巻いていた。
クレアティボの王であるリルムは、思慮深い人物であり、軽挙するタイプの人物ではなかった為、それまで彼女を信頼していた将軍達の中でも、今回の出兵の真意は全く理解できなかった。
元々リルムは、病的なまでの潔癖症で、世界の歪みを直したいという考えを持っていた、だが、それが現実のものになる類の理想ではないことも判っていたから、それを口にすることはなく、常識の範疇において「名君」と呼ばれる行政を行っていた。
だが、ルナティスこそが、このアルファにおいて世界を裏から操っていたと気付いたリルムは、主力部隊が不在のこの時期しか機会はないということもあり、ついに後先を考えない個人の欲求を解決させるためだけの出兵を決意することとなった。
ヴァン・フレイ国は、急遽ドーク・ドーン、イスタル、ガライザラ、アリアス国に援軍を要請したが、それらの国は敵軍を牽制するという口約束をするのみで、積極的に動かなかった。
これは、一見するとルナティスの強力なカリスマ性で周辺諸国を協調させたと思われていた当時の情勢が、その実情はあくまでもヴァン・フレイ国が力尽くで周辺国を従わせていただけで、それに対する強烈なしっぺ返しであったともいえる。
ただし、これらの諸国は、確かに決戦には一切手を貸さなかったが、約束通り派兵の準備だけは行い、決戦後ではあるものの、実際援軍を送ってはいる。(後述)
柵を作り守備に徹したヴァン・フレイ国軍だが、魔物の突撃攻撃と、圧倒的な兵力差から、次々と前線は崩壊していった。
今回の強引過ぎる出陣に、ベストリア、ゲーリック、カイナといったサボタージュを決めた部隊もいくつかは存在していたが、既に圧倒的な兵力差から勝敗は歴然であり、ヴァン・フレイ国軍は崩壊し、ルナティスは首都まで撤退、ビルド、アーリナの説得によって、国外への脱出を決意する。
首都にまで殺到したクレアティボ国軍は、リーズライディの戦いでの屈辱もあった為、首都に火をつけ、重要な文化的財産を燃やし、逃げ惑う民衆を次々と虐殺していった。
ビルド、アーリナも、この混戦により戦死、しかし、かつてサヌアがヴァン・フレイ国へ協力するように密かに約束していたシーザルス国から、リチヤが指揮する艦隊が海岸に到着、ルナティスを港町タルシアにて保護した。
その後、シーザルス国艦隊は、海岸で待機していたクレアティボ国艦隊に攻撃を仕掛ける。これは、帰路を失うと焦ったクレアティボ国軍が撤退するということを期待してのことだったが、既に捨て身となり、前後の状況に何の興味もなくしていたリルムは、これを無視してひたすらヴァン・フレイ国首都の制圧とルナティス捜索に専念した。
そのルナティスが、シーザルス国艦隊に保護されていると知った時、既にルナティスの呼びかけによってドーク・ドーン、イスタル、ガライザラ、アリアス国が包囲網を作り上げ、更にヴァーグリア国からは、軍勢はないものの、シーバズル、マルタナ、エリス、アルスが駆けつけた。
すぐさまはじまったヴァン・フレイ国首都奪還作戦により、ベルバットは戦死、リオンは逃走、そしてリルムはヴァン・フレイ国の玉座で自害した。
そのルナティスが、シーザルス国艦隊に保護されていると知った時、既にルナティスの呼びかけによってドーク・ドーン、イスタル、ガライザラ、アリアス国が包囲網を作り上げ、更にヴァーグリア国からは、軍勢はないものの、シーバズル、マルタナ、エリス、アルスが駆けつけた。
すぐさまはじまったヴァン・フレイ国首都奪還作戦により、ベルバットは戦死、リオンは逃走、そしてリルムはヴァン・フレイ国の玉座で自害した。
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