創造論とインテリジェントデザインをめぐる米国を中心とする論争・情勢など

批判サイド > 創造論者の主張

Claim CA001:
Evolution is the foundation of an immoral worldview.
進化論は不道徳な世界観である。
Response:
  1. 進化論は記述である。もし正確に記述しようとして、自然が不道徳だった場合にのみ、進化論は不道徳になりうる。
  2. 進化論から導かれる道徳は、人間は社会的動物へと進化してきたという事実を認識する必要がある。社会環境・協調・利他的行動さえものが良い適応につながる[Wedekind and Milinski 2000]。進化過程は、Golden Ruleような倫理基準を発展させる人間のような社会的動物を自然に導き出す。
  3. 優生学や社会的ダーウィニズムといった悪い道徳は、進化論の誤解に基づいている。したがって、そのような誤解をなくすために、進化論を正しく教育することは重要である。
  4. この主張にもかかわらず、創造論は自身の問題を持っている。そのひとつは、創造論が宗教的偏見の上に成り立っていて、創造論の基盤が多くの基準からみて、不道徳になっている。
  5. おそらく、悪い道徳への最も有効な対抗手段は、それを周知・広報することである。進化論、そして科学一般は、情報を広報する文化の上に成り立っている。
  6. 科学者たちは自らへの厳格な批判者である。彼らは幾つかの分野で倫理行動規範をつくっており、倫理一般について論じ始めている[Rotblat 1999]。創造論者は同様なことをしていない。
  7. ある種の人々は、他人を悪魔化することで、気分が良くなる。真に道徳に関心のある人々は他人ではなく自らに不道徳性を見出そうとする。
References:
  1. Rotblat, Joseph. 1999. A Hippocratic Oath for scientists. Science 286: 1475.
  2. Wedekind, C. and M. Milinski. 2000. Cooperation through image scoring in humans. Science 288: 850-852. See also Nowak, M. A. and K. Sigmund, 2000. Shrewd investments. Science 288: 819-820.

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