架空国家を作ろう　2.5世界線

イスラーム・ペルシア社会主義共和国では政教一致の政策が行われており、そのため複雑な政治機構を有している。政治制度の特徴は、何といっても「法学者の統治」である。これは、イスラーム法学者の解釈するイスラームが絶対的なものであることを前提とし、現実にイスラーム法が実施されているかを監督・指揮する権限を、イスラーム法学者が持つことを保障する制度である。この制度は、シーア派イスラームならではの制度といってよい。イランはシーア派のなかでも「十二イマーム派」に属するが、一般にシーア派の教義では「イマーム」こそが預言者の後継者として、「イスラームの外面的・内面的要素を教徒に教え広める宗教的統率者」としての役割を担うとされている。シーア派はイジュティハードの権限を持つイスラーム法学者を一般大衆とは区別し、この解釈権を持つイスラーム法学者に確固とした政治的・宗教的地位を与えている。モジュタヒドの最高位にあるのが、「マルジャエ・タグリード(模倣の源泉)」である。マルジャエ・タグリードはシーア派世界の最高権威であるが、ローマ教皇のように必ず1人と決まっているわけではなく、複数人のマルジャエ・タグリードが並立することがある。1978年から1979年のイラン・イスラーム革命によって、マルジャエ・タグリードの1人であったホメイニーがイランの最高指導者となり、宗教的のみならず、政治的にも最高の地位に就くこととなった。

最高指導者は「ペルシアのありとあらゆる政策・方針の決定と監督について責任を負う」とされる。単独の最高指導者が不在の場合は複数の宗教指導者によって構成される最高会議が最高指導者の職責を担う。最高指導者は行政・司法・立法の三権の上に立つ。最高指導者は軍の最高司令官であり、共和国の諜報機関および治安機関を統轄する。また、宣戦布告の権限は最高指導者のみに与えられる。ほかに最高司法権長、国営ラジオ・テレビ局総裁、監督者評議会を構成する12人の議員のうち6人を指名する権限がある。最高指導者は、その法学上の資格と社会から受ける尊敬の念の度合いによって、宗教会議が選出する。終身制で任期は死ぬまであるいは罷免されるまで。現在の最高指導者はアリー・ハーメネイー氏である。

大統領は最高指導者の専権事項以外のことを執行機関たる行政府の長として憲法に従って政策を執行する。大統領選立候補者は選挙運動以前に監督者評議会による審査と承認が必要で、国民による直接普通選挙の結果、絶対多数票を集めた者が大統領に選出される。任期は4年。再選は可能だが連続3選することは禁止されている。大統領は就任後閣僚を指名し、閣議を主宰し行政を監督、政策を調整して議会に法案を提出する。大統領および複数の副大統領と閣僚で閣僚評議会が形成される。副大統領、大臣は就任に当たって議会および監督者評議会の承認が必要である。またペルシアの場合、行政府は軍を統括しない。

議会はイスラーム国民議会といい、一院制である。立法府としての権能を持ち、立法のほか、条約の批准、国家予算の認可を行う。議員は任期4年で300人からなり、国民の直接選挙によって選出される。議会への立候補にあたっては監督者評議会による審査が行われ、承認がなければ立候補リストに掲載されない。また、議会による立法のいずれについても監督者評議会の承認を必要とする。そのため、議会が必ずしも民意を反映しているかはかなり大きな疑問とされている。

国民宗教会議は国民の選挙によって選出される「善良で博識な」86人のイスラーム知識人・法学者らから構成される。年に1回招集され会期は1週間。選挙の際は大統領選、議会選と同じく、立候補者は監督者評議会の審査と承認を受けなければならない。宗教会議は最高指導者の任命・罷免権限も持つ。

監督者評議会は12人の法学者から構成され、半数を構成するイスラーム法学者6人を最高指導者が指名し、残り半数の一般法学者6人を最高司法権長が指名し、これを議会が公式に任命する。監督者評議会は憲法解釈を行い、議会が可決した法案がシャリーアと呼ばれるイスラーム法に適ったものかどうかを審議する権限をもつ。議会可決法案が審議によって憲法あるいはシャリーアに反すると判断された場合、法案は議会に差し戻されて再審議されることとなる。また、選挙の際には立候補者の審査と承認を行う。そのため様々な機関の中で最も権力が強いとまで言われている。

・ペルシア共産党
・ペルシア社会民主党?
・ペルシア自由党?
・イスラーム・ペルシア解放戦線?
・クルド同盟?