リヒテンシュタイン公国 Fürstentum Liechtenstein

国旗
国の標語
Für Gott, Fürst und Vaterland
(ドイツ語:神・公・祖国のために)
国歌
Oben am jungen Rhein(ドイツ語)
若きライン川上流に
公用語ドイツ語
首都ファドーツ
最大都市シャーン
政府
ハンス・アダム2世
摂政アロイス
首相アドリアン・ハスラー
面積総計160㎢
水面積率極僅か
人口34,761人(2009年)
人口密度209人/㎢
GDP
自国通貨表示計4,300,000,000スイスフラン
MER計4,993,000,000ドル(2009年)
PPP計4,160,000,000ドル(2009年)
一人当たり118,000ドル
形成1719年1月23日
独立1806年7月12日(神聖ローマ帝国から)
独立1866年8月23日(ドイツ連邦から)
通貨スイスフラン
時間帯UTC+1(DST+2)
ISO 3166-1LI / LIE
ccTLD.li
国際電話番号423

リヒテンシュタイン公国、通称リヒテンシュタインは、中央ヨーロッパに位置する立憲君主制国家。スイスとオーストリアに囲まれたミニ国家の一つ。首都はファドゥーツ。欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国。西欧に分類する見解もある。

歴史

  • 1699年 ヨハン・アダム・アンドレアスがシェレンベルク男爵領を購入。
  • 1712年 ヨハン・アダム・アンドレアスがファドゥーツ伯爵領を購入。
  • 1719年 神聖ローマ皇帝カール6世は、リヒテンシュタイン家が買収したファドゥーツ伯爵領とシェレンベルク男爵領とを併せてリヒテンシュタイン公(侯)領とすることを認可(リヒテンシュタインの始まり)。
  • 1806年 神聖ローマ帝国の崩壊によって独立国となり、翌年にライン同盟に参加する。
  • 1815年 ドイツ連邦に加わる。
  • 1852年 オーストリア帝国との関税同盟を締結。
  • 1866年 ドイツ連邦解体に伴い再独立する。
  • 1867年 永世中立国となる。
  • 1868年 軍隊を廃止。
  • 1919年 オーストリアとの関税同盟を解消。
  • 1921年 憲法制定。スイス・フランを通貨とする。
  • 1923年 スイスと関税同盟を結ぶ。
  • 1938年 ナチス・ドイツ政権が誕生した際、リヒテンシュタイン国内でもナチズム勢力が増大していたが、フランツ・ヨーゼフ2世は君主大権を行使して総選挙を無期限延期とし、リヒテンシュタインがナチズム化(人々を扇動する集会の禁止、ナチスの制服着用禁止等)するのを未然に防いだ。これにより、リヒテンシュタインは第二次世界大戦において併合されず中立を維持した。
  • 1984年6月 女性参政権を認める。
  • 1990年 国際連合に加盟する。
  • 1991年 欧州自由貿易連合(EFTA)に加盟する。
  • 1995年 欧州経済領域(EEA)に加盟する。
  • 2003年 憲法を改正。
  • 2011年 シェンゲン協定に加盟する。

政治

元首はリヒテンシュタイン公(侯)で、リヒテンシュタイン家の当主による男子世襲制である。欧州の君主制国家の元首が象徴・儀礼的存在であるのに対して、公は政治的権限を有している。そのため統治形態としては絶対君主制であるといえるが、公の統治が能わざる時は執務を停止もしくは退位できる旨が憲法で定められており、また必要であれば国民投票によって君主制の存廃を決めることができる[4]など立憲政治、法の支配、議会民主制が確立されており、また国民の権利と自由も十分に保障されていることから、実質的に立憲君主制に分類される事が多い。現在の君主、ハンス・アダム2世は2004年に長男のアロイス公子を摂政に指名して統治権を譲り、自らは名目上の元首としての地位のみを有している。

議会は一院制で、「Landtag(国会)」と称する。議員定数25、任期4年、解散あり。選挙は、複数投票制と比例代表制を組み合わせた直接選挙で行われる。女性参政権が認められたのは、世界的に見ても遅い1984年である。

議院内閣制を採用している。行政府の長である首相は議会の第一党党首が公によって任命される。また、副首相には第二党の党首が任命される。政党はリヒテンシュタイン進歩市民党(ドイツ語版)(Fortschrittliche Bürgerpartei in Liechtenstein)と祖国連合 (リヒテンシュタイン)(Vaterländische Union)が二大政党である。

歴史的経緯から、民法はオーストリアの民法が基本となっており、刑法はスイスの刑法を基本としている。死刑制度は廃止されている。

軍事

普墺戦争で当時密接な関係にあったオーストリアが敗北し、安全保障政策の見直しが必要となった。しかし自国の軍事力では近隣諸国に到底対抗できないため、1868年に軍を解体し非武装中立政策に転換する。

第一次世界大戦後におけるオーストリア=ハンガリー帝国の崩壊以降はスイスとの関係を強化、1923年に関税同盟を締結してからは実質的にスイスが安全保障を担っている。

また、100名ほどの国家警察は隣接する諸国(スイスおよびオーストリア)の軍と密接な関係を持っている。

地方行政区分


全部で11の基礎自治体(Gemeinde、ゲマインデ)に分かれる。これらは旧ファドゥーツ伯爵領のオーバーラント(Oberland、高地)と旧シェレンベルク男爵領のウンターラント(Unterland、低地)に分けることができ、現在でも国政選挙の選挙区としてこの区分が残っている。
オーバーラント
シャーン
トリーゼン
トリーゼンベルク
バルザース
ファドゥーツ
プランケン
ウンターラント
エッシェン
ガンプリン
シェレンベルク
マウレン
ルッゲル

地理

国境を接する全ての国が内陸国である「二重内陸国」(海に出るために少なくとも2つの国境を越えなければならない国のこと)である。面積は南北に25キロメートル、東西に6キロメートルと狭い。世界で6番目に小さい国。ドイツのシュヴェービッシュ・アルプスの延長線上に連なり、国土は山がち(最高地点2599m)だが南風が卓越し比較的温暖である。分水嶺は比較的全土的に分散されており、西はライン川に沿ってスイス、東はオーストリアと接している。

経済

主要な産業は精密機械、牧畜と医療。ほかに観光、国際金融、切手発行もよく知られている。スイスとの関税同盟があり、郵便や電話の制度はスイスと共通となっている。

タックス・ヘイブンとしても知られ、税金免除を目的とした外国企業のペーパーカンパニーも集中しており、人口よりも法人企業数が多いと言われる。これら法人税が税収の40%に及び、この結果、一般の国民には直接税(所得税、相続税、贈与税)がない。

この国に拠点を持つ会社としては、薄膜コーティング装置の製造および、コーティングの受託加工のエリコンバルザース社、電動工具・鋲打機・墨出し機などのヒルティ社、プロ用オーディオコネクターのノイトリック社、歯科材料のイボクラー社などが有名。労働者の約半数はスイス、オーストリアから毎日越境している。

交通

国内の主要な交通は路線バスであり、各所を結ぶ路線が頻繁に運転されている。黄色い車体のリヒテンシュタインバスをよく目にすることができる。主なバス停は郵便局の前であることが多い。バスはライン川対岸のスイスの鉄道駅(ザルガンスやブックス)のほか、オーストリアのフェルトキルヒ駅への路線もある。また、ユーロで運賃を支払うこともできる。

国内を鉄道が走っており、駅が4駅ある(主要駅はシャーン・ファドゥーツ駅)。運行をしているのはスイス国鉄である。オーストリアとスイスを結ぶ国際急行列車も通るが、リヒテンシュタイン国内の駅は全て通過する。

空港は存在しない。もっとも近い主要国際空港はスイスのチューリッヒ空港である。

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