#25 <<< prev





嫌なことってのは続くもんだ。

「ゲ」
「ん?・・・うわ、高橋愛・・・」
「あ〜田中っちじゃなーい!すごい偶然!ラッキーねえ!」

とある休日の昼下がり。
購買の電球が切れたと喚くガキさんと、じゃあ日用雑貨も諸々見てくかとホームセンターに買出しに来ていた時のことだった。
ペットコーナーで子猫を不埒な目で視姦してるガラの悪そうな変態がいると思ったら田中れいなで。
せっかくの休日、しかもガキさんと2人きりだというのにこの俺の運の無さはなんなんだ。

「田中っち猫飼うの?」
「いや、ただ見てただけっちゃん。今はペット飼う余裕ないし・・・。ガキさんは何しに?」
「私はバイトの買出しよ。備品が足りなくてね、その補充しに」
「・・・今更っちゃけど、そこにおる男とガキさんはなんか知り合いなん?」
「あら?言ってなかったっけ?私の仕事の手伝いしてくれてる高橋愛さん。会社の部長さんでとっても親切にしてくれるのよ」

言いながら俺の方に微笑みかけてくれるガキさんは邪心もなにもないまっさらな聖女のようで、大袈裟かもしれないが見ていて心が洗われるようだ。

「へえ、そうだったん。なんの因果か知らんっちゃけど・・・ま、変なことされんよう気をつけりよ。
 油断してるとパクっといかれるかもしれんけん」

性悪変態露出狂に惚れているという男の趣味最悪な点が少々痛いが。
完全勃起状態のちんこフルオープンさせながら客人を出迎える変質者に言われたくないんだよ。

「田中っちは一人なの?これから愛ちゃんとご飯しに行こうと思うんだけど・・・た、田中っちもよかったら一緒に」
「あ、れいなは」
「れいな〜〜〜〜」

懐かしい舌っ足らずな声に思わず視線がそっちに向いた。

「いい感じのダブルベッドあったよ・・・って、高橋さんじゃないですかぁ。それに新垣さんも。こんにちは〜」
「あ、こんにちは〜」
「・・・どうも、絵里さん。あの時以来ですね」

ニヘラっと、オプションに花びらを散らせてそうな幼く可愛らしい笑顔から、絵里さんが今幸せだということが手に取るようにわかる。
おそらく田中れいなとまた付き合い始めたんだろう。
腕を絡めながら2人で微笑みあう様子は、かつての恋人を完全に奪われてしまった少しの悔しさを塗り潰すほどの羨望を覚えた。

「ごめんちゃ、ガキさん。この通りツレがいるもんで・・・」
「ああ〜・・・そっか、うんうん。それはしょうがないわよね。私の方こそごめんね〜」
「いや、また誘ってほしいとよ」
「うん・・・」
「・・・・・・。ガキさん、そろそろ出ようぜ。俺、腹減ったわ」
「ん、そうね。じゃあね〜田中っちと亀井さん」

バイバイと手を振ってから絵里さんと田中れいなが背を向ける。
その背中に、

「田中っち!」
「・・・ん?なん?」

ガキさんはわりと冷静そうな態度のまま、俺が危惧していた行動を取ろうとした。
おい、よせと止めようとする心と知ってしまえばいいという下種な思いが俺の制止の声を数秒遅らせる。

「田中っちは・・・・・・亀井さんと、付き合ってるの・・・?」

目に見える全ての人間がスロー再生されたかのような錯覚。
田中れいなはまるで病魔に蝕まれた子供の両親に死の宣告を与える無慈悲な医者のように冷静で容赦なく、

「・・・うん」

ガキさんの頭が垂れ、表情に影が落ちた。
・・・頭に血が上った。

「田中ぁぁああああああ!!」

騒然とする店内の様子など目に入らない勢いで田中れいなに詰め寄り、掴みかかろうとする。
あっちも俺の喧嘩を買ってくれたようで、空いていた右拳で俺の顔面を殴ろうと振りかぶった。

「だめでしょおおおおおおおおおおお〜〜〜っっ!」
「ぐふっ!」

が、それは今まで黙って静観していただけに留まっていた第三者の加入により阻止された。

「すみません高橋さん。れいなってほんと周り見ずにすぐ暴走するから・・・」
「・・・は、はい」

俺の声は震えていないだろうか。
腹パン1発であっけなく意識を失った田中れいなを、紐で足を縛った兎を肩に担ぐ熊のように軽々と連行していく亀井さん。
鬼の顔が浮かび上がってそうな逞しい背中を見せたままポツリと、

「新垣さん・・・ごめんね」


 **********


夕陽が川面にくっきりと映っている。
俺とガキさんはホームセンターを出た後、飯に行かずに2人であてもなく街をぷらぷら歩いた。
足が疲れたのでこうして川べりで2人して高校生カップルのように体育座りで並んで川を見ている。
これといって会話はない。
俺が気を遣って話しかけてやっても「ふぅん」「はぁ」と魂を抜かれた人形のように上の空で返されるのみ。
ガキさんはただ黙って川の中の魚やら夕陽を見ているだけで・・・俺はせっかくの休日にいったい何してるんだろう?

「ガキさん、そろそろ帰ろうぜ。陽も落ちそうだし腹も減ったし車の駐車料金無駄に取られるし」
「・・・」
「いい加減反応しろよアホスケ」
「・・・」

これじゃただの独り言である。

「ケッ。なーんだってんだよみんなしてよ。そんなにあのバカヤンキーがいいかよ。俺にはわからんね」
「・・・」
「絵里さんはなぁ・・・俺のかつての恋人だったんだ。ま、正確に言うと友達以上恋人未満な関係だったんだが・・・
 いつか結婚しようとまで言ってたんだぜ?それがあんなのにかっさらわれてよぉ。
 いただきまーすって時に「れいなれいな」って言われた俺の気持ちがわかるか?
 フられた挙句、ヤツからは殴られて歯は折れるし・・・ほんとあの時は散々だったぜ。
 買った指輪の借金まだ返済してる惨めな俺を笑ってくれよガキさん」
「・・・」

例によってガキさんの反応はないがもうそんなの知るか。
なんか愚痴ってたら本当にムカついてきた。

「聞いてくれよガキさん。これは後から聞いたことなんだが、俺と絵里さんが公園でデートした時の話なんだけどよ?
 絵里さんに弁当作ってもらって恋人らしく"あーん"なんてものをやっちゃってたのよ。
 したら突然、後頭部にガツーン!って缶が当たったんやって。しかも中身が入ったままのスチール缶が!
 偶然じゃなくて故意にやったことさ。犯人誰かわかる?わかるよな。そう。あいつだよあのバカ!あの茶髪ロンゲ!
 信じられるか?中身入りやよ中身入り!しかも頭に!下手したら死んでたっての!マジで許せねえあのクソッタレ!」
「・・・」
「あー・・・チクショウ。まだ愚痴は山ほどあるが・・・まぁ、こんなのはまだ、マシな方さ・・・」
「・・・」

ガキさんは全く反応しない。うんともすんとも言わない。
都合がいい。いつものノリだったらこんなこと絶対に言えないからな。
俺はハハっと乾いた笑いを零してから自嘲気味に語り始める。

「絵里さんと別れてドン底にいた俺を地獄から掬い上げてくれた女の子がいたんだ・・・
 バカだけど明るくて笑った顔が可愛い子でさ。俺はすぐその子に惚れた。だが、
 あろうことかその子は俺の大っ嫌いな田中れいなにホの字だったのさ!これが一番こたえたね」
「・・・」
「フッ・・・。誰かわかるか・・・?」
「・・・」
「おまえだよ・・・」

ようやっとガキさんが反応した。
こげ茶色の水晶のように澄んだ瞳をクリクリさせながら俺の顔を毛穴の中まで覗くように凝視している。
頬に触れ、その小さい頭を胸にかき抱いた。

「好きだ・・・ガキさん」
「あ、愛ちゃ」
「俺じゃ駄目か・・・?」

抱く力を強めた。抵抗は無い。ただ戸惑うように微かに震えているだけ。

「大切にするから・・・ガキさん。あんなやつのことは忘れて俺にしろって・・・」
「・・・」
「ガキさん・・・」

その時、背中に羽毛でも落ちたかのような、ささやかな力が加えられた。
ガキさんの腕が、おそるおそると俺の背中に回っている。
これは・・・

「ガキさんっ!」

陽は落ちて外はすっかり真っ暗闇。
街頭のほのかな灯りだけが俺とガキさんを照らしていた。


 **********


「小春〜このデザイン案もういらないからシュレッダーかけといて」
「はぁ〜い」

吉澤さんから無造作に放り投げられたファイルを床に落とすすんでのところでなんとかキャッチ。
ホントこの人は適当な正確してるな〜。小春も他人のこと言えた義理じゃないけど。

「次の予約状況どうなってる?」
「えーっと、この後17時から足首のトライバルが田中さん指名で1つ・・・その後も田中さん指名の予約が2件入ってます」
「れいな指名の予約増えたねえ。私も暇ができて楽でいいわ」

ショートピースを取り出し、洒落たジッポライターでカチっと火をつけ、フーっと紫煙をくゆらせる吉澤さん。
うーん、様になってる。

「田中さん最近頑張ってますもんねぇ。欲しいものがあるんだとか」
「へえ。車でも買うの?」
「指輪ですよ〜。ゆ・び・わ」
「ふん?」

携帯灰皿に灰を落とした吉澤さんが、なんでまた指輪なんか欲しがるのよと目で質問していた。

「絵里さんにプロポーズする気みたいですよ。それで今貯金してるみたいです」
「え?マジ?」
「マジですよ〜。愛ですねぇ!」

聞いた話じゃ田中さんと絵里さんは中学の頃からの付き合いらしい。
それならスピード婚てわけでもないしあの様子じゃいつかはデキちゃうんだからそうなる前に結婚しといた方が周りから白い目で見られなくて済む。
本音を言うと結婚してあの部屋から引っ越してくれるのを願っているんだけど。

「・・・そっ、かー・・・」

吉澤さんが頭を抱えた。

「? 吉澤さんは田中さんと絵里さんの結婚に反対なんですか?」

腰に手を当て、面倒くさそうにはぁーと苦い煙の混じった息を吐き出す。
ま、まさか。

「吉澤さんも田中さんのことが好きとか!?」
「そんなわけあるかい。そうじゃなくて・・・はー。ますます言い辛くなっちゃったじゃんかよー面倒だな」
「言い辛い?なんの話ですかぁ?」

吉澤さんは窓の外を眺め、おまえみたいなガキには関係のない話だよと吐き捨てた。

「ビジネスの話さ・・・」


*****


「ただいま絵里〜」
「おかえりれいな〜」

帰宅早々、絵里の情欲を誘うぷるぷるとした紅唇にかぶりつく。
残業をこなして疲労困憊だというのに性欲は人並み以上にあった。飯や風呂の前にまずは絵里だ。
下半身はすでに半勃ち状態で、ズボンがキツイ。

「絵里〜絵里〜。絵里、食べたかぁ」
「うん、いいよぉ」

お許しを貰えたという事で、絵里をお姫様抱っこでベッドまで運ぶ。
身体を下に組み敷いた弾みでギシッとスプリングの音が鳴った。
首筋に舌を這わせ、ちゅっと痕を付ける。

「ん・・・」

服の上から胸を回すようにゆっくりと捏ね、真ん中のポッチがある部分に指を沈めた。
舌は首筋から耳、唇へと移動していき、口内へと潜り込む。
頬の内側をゾロリと舐めあげ、絵里の舌と絡まり合った。

「はぁ、れい・・・な、ん、ちゅっ・・・んむ・・・」

手を胸から秘所へと滑らせ、布地を巻き込みながら縦筋に沿って指をスライドさせると、
気持ち少しだけ水気を帯びたものが絵里の奥から───

ピンポーン

「・・・・・・・・・」

無視だ無視。

ピンポーン

「・・・・・・・・・・・・」

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポンピンポンピンポロパンポロ

「ああああああああああ!!うるっさかぁああああああ!!!!!!」
「れいな〜・・・出た方がいいよぉ・・・?」
「ドちくしょぉぉおおおおおおおおお!目の前にローストビーフがあるってのによぉ!!」
「誰がローストビーフよバカァ!」
「ぶへっ!」

もういきり勃ったモノを隠すつもりもない。
股間にテントを張ったままの格好で空気の読めない最悪の客人を最悪の対応で出迎えてやった。

「どこのどいつと!?れいなのお楽しみを邪魔しくさりやがった馬鹿は!」

勢いよくドアを開けるとそこには、

「よぅ」

本当に最悪の客人がいた。
確認してから1秒も経たず、巻き戻し再生のように即行でドアを閉める。

「おい閉めんな!客だぞ俺は!田中!テメーに用があんだよ出て来い!」

無視。
さて、今度こそ絵里ちゃんマンを頂きに戻るか。

「真剣な話なんやって!田中れいな!おい!!」

ドンドンドン!
うるさいな。
警察に通報しよう。騒音被害でパクられればいい。

「・・・俺に付き合ってくれたら超高級料理奢るぞ」

携帯を開こうとした手が止まる。
高級料理・・・しかも奢りだと・・・?

「・・・・・・神戸牛?黒毛和牛?もしや・・・松坂牛・・・?」
「それよりもっと良いものだ」

ま、まさか・・・!
幻の・・・大田原牛・・・!?

「・・・どうするんだ。田中れいな」
「・・・くっ」

絵里・・・ごめんっ・・・!
扉を開く。

「フン。最初からそうすればよかったんだよ」

見ているだけでストレスが蓄積されていくムカつくツラしたスーツ男を玄関に招きいれた。
言うまでもない、最悪の客人とはれいなの天敵、高橋愛その人だった。


*****


話があるという高橋に無理矢理連れて来させられた高級料理店は夜のネオンが煌く繁華街にあった。
"胸牛"という外の看板で気付くべきだった。店内に入り、愕然とする。

「いらっしゃいませ高橋様。ようこそお越しくださいました。2名様ですか?お席はどうしましょう?」
「2人一緒で。女の子はいつもの子と・・・んー、じゃあまぁあと3人くらい適当に見繕って」
「かしこまりました」

慣れた風にボーイに指示する高橋。

「なにおまえ・・・まさか常連なん?」
「常連っつーかVIP客だよ。仕事の付き合いでよく来る店だ」
「よく来るって・・・ここ、おっパブっちゃろ・・・」

風俗店にしてはなかなか高級そうな作りをした店内にはたくさんのボトルが並んでいた。
酒を好まないれいなには全く縁の無い店である。おっぱいも絵里π以外はつついたことすらない。
初めて来る店の雰囲気に田舎者よろしくオロオロするだけで、早くも?まれそうになっていた。

「つか高級料理ってこれぇ!?おっぱい!?大田原牛は!?」
「大田原牛より遥かに高級だろ。おっぱいだぞおっぱい。傷心の時はやっぱこういう店に限るわ・・・」
「れいなは絵里のタオパイパイ以外興味ないっちゃん・・・・・・帰る」
「お、おい」

こんなエロ野朗に付き合って損した。
今から戻ってさぁエッチしようなんて言ってもすっかり拗ねて不貞寝した絵里は聞いてくれないだろう。
帰って土下座か・・・

「・・・ん?」

ネグリジェ姿の女がれいなが店から出るのを妨害するように入り口に突っ立っていた。
真っ白な肌と艶やかな黒髪、なによりも目を惹くその豊満な胸が特徴的ななかなかの美人だ。
この店で働いている女の子なんだろうが・・・そんなところに立ってられると邪魔なんだが。

「ちょっとすいません。そこどいてもら」
「聖を指名しといて帰るなんて許しません」
「はぁ?」

自分のことを"みずき"と呼んだ女の子はそう言うとこちらに詰め寄り、あろうことかれいなの頭を掴み、
そのバスケットボールのような胸を押し付けてきた。

「むぷっ!」
「駄目ですよお客さん。まだなんにも楽しんでいない内から帰るだなんて。そんなこと許しません」
「・・・!・・・!」

2つ並んだ脂肪の塊に圧迫され、息も身動きも取れないまま店の奥へと連行される。

「よぅ。また戻ってきたのか田中。やっぱりおまえもスキモノじゃないか」
「・・・!・・・!」
「その子はこの店ナンバー1の女の子だぞ?名前は"聖"と書いて"みずき"。胸のサイズはなんとFだ!」
「よろしくお願いします」

人をバストロックしておきながら慇懃な挨拶をする聖。
いいとこのお嬢さんのような言葉使いと清楚な顔立ちがこの卑猥な胸と淫らな格好とのギャップもあって店にあまり合っていない。
聖が席に座ったところでれいなの頭を押さえる力が緩んだ。すぐさま拘束から抜け出す。

「ぷはっ!・・・はぁっはぁっ!・・・なにするとこの牛乳女!死ぬかと思ったっちゃろ!」
「いい夢見れたでしょ?」
「見れるかっ!お花畑で昔飼ってたレオと再会したわ!おっぱいで圧死なんて世間の笑いものになるとこだったっちゃろーが!」
「あはは。おもしろいこと言いますね〜」

と、笑いながられいなの胸をとんっと押し、ソファーに座らせる聖。
そのまま対面座位の格好でれいなの膝の上にまたがってきた。

「な、な、なん、」
「そんな怖がらなくていいんですよ?ほら、リラックスして・・・ん」
「!?」

胸と同じくらい柔らかくて暖かい唇が押し付けられた。
ざらついた舌がれいなのソレを掴む。
そのまま口内で緩やかなダンスをした後、唾液を吸引された。
抵抗しようにも両手でガッチリと側頭部を捕まれていて、れいなはこの女のされるがままだ。

「んちゅ・・・ちゅっ・・・んん・・・じゅっ・・・ちゅる」
「んむむむ・・・」

右腕を振り上げる。
この女の頭を横からガツンと殴ったらこの行為は止まるだろう。

「んっ・・・ん、ちゅく、ちゅっ、ちゅぅ・・・」
「・・・」

だが、そんなことできるはずがない。
女の子なんだ。酷いことはできない。
上げた右腕を下ろし、もうどうにでもしてくれと脱力した。
大切な話があると言った高橋に付き合った結果がこれだ。こんなところ絵里に見られたら・・・。
ごめん絵里・・・。

「・・・ぷは」
「・・・」
「お客さん・・・なんで勃たないんですか?もしかしてインポ?」
「違うし・・・」
「・・・変なお客さん。普通、聖にキスされたらみんなギンギンになっちゃうのに・・・テンション低いし、もしかしてホモ?」
「違うわー!」

手近に置いてあったグラスを掴み、中に入っていた液体を一息に飲み干した。

「マズ・・・」
「本当に変な人・・・。名前はなんですか?」
「金五郎助座衛門太郎花子」
「・・・うそつき」
「・・・田中れいなだよ・・・」

ローテンションのれいなを余所にエロ橋は一人で三人の半裸の女性をはべらし、盛り上がっていた。
おい、真剣な話があるんじゃなかったのか変態。

「田中さん・・・変な人。こんな店に来といて、サービスしても嫌がるし帰ろうとするし・・・聖、どうすればいいんですか」
「黙って座ってればいいっちゃん。あとれいなはそこのエロに無理矢理付き合わされただけやし」
「・・・変なの」

聖は不満そうに変なの変なのと小さく呟いていたが黙ってしおらしくれいなの隣にちょこんと座ってくれた。
さっさと帰りたいっちゃけど光線を飛ばしても全く気が付かない高橋。
今夜は長そうだ・・・。





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