タグ検索で非エロ71件見つかりました。

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寄居蟹

――あるところに、一頭の子竜がいました。 ――子竜は独りきりでしたが、とても幸せでした。 「うわ・・・、雨凄いな・・・。」 レイがそう言うと、サラが気の無い様子で「んー」と返事をした。 先刻から降りだした雨は止むこともなく、次第に窓を叩く力を強めていく。 レイは額と鼻の頭を窓から離し、後ろで足を組む竜人の方を向いた。 「・・・つらぬきとめぬ何とやら?」 「は?」 同居人の人間の言葉に、サラが本から顔を上げる。 「それ秋の歌でしょ?しかも露の話だし・・・。」 読んでいた本を栞も挟まずに閉じ、首を回しながら…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b4%f3%b5%ef%b3%a... - 2009年03月16日更新

とある竜のつぶやき

初めは『人間風情が』と感じていた 弱いくせに我と契約するだと? そんな者と契約するくらいなら我は死を選ぶ とまで感じていた事を覚えている だが、そいつは諦めなかった 何度断ろうとも『パートナーになってくれ』と 土下座をし、頼み込む・・・ ブレスを吐いたり、弾き飛ばしたり 脅したりしていたのにも関わらずだ そのうちに根負けし契約してやった ククク、その時のアイツの喜びようと言ったら無かったな その姿を見てから無性にソイツを護りたい庇護欲に駆られた だが、人間が屑なのは変わらぬ、 未だに思う、護るに値…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a4%c8%a4%a2%a4%e... - 2008年12月17日更新

とある竜騎士の憂鬱

君の身体の温かさ、温もりが僕に安らぎをくれる 君の逞しい鼓動が、リズムが僕を落ち着かせてくれる 君の包容力が、優しさが僕は大好きなんだ 今だけは、この感傷に浸っていたいから 何も言わないで、その翼で僕を包み込んで 何時か君に僕は愛想をつかされるかも知れない だって君は完全だから、不完全な僕は劣等感を感じてばかり だから僕は、君になら殺されても構わない でも、優しい君の事だから、ずっと一緒にいてくれる 無愛想で、居丈高で、人間を見下していても 一緒に寄り添って支えてくれる、 こんな事を言うと君は恥ずかし…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a4%c8%a4%a2%a4%e... - 2008年12月17日更新

山中の追跡

「また行方不明か・・・」 出かける前少しだけ広げてみた新聞の記事に、俺はつい目を奪われた。 といっても、別段珍しいニュースが載っていたわけではない。 極めてありふれた、とはいえ他人事と無視することもできない事実が、白黒の写真つきで紙面に躍っている。 山菜を採りに山へ入った老人が行方不明になったというものだ。 これが他の人であれば夜の寒さに凍えてしまったのだろうとか、道に迷ってしまったのだろうなどと勝手な憶測に終始してしまうのだが、俺にとっては割と身近な問題と言えた。 何しろその老人が消えた山というのは、俺…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bb%b3%c3%e6%a4%c... - 2008年08月12日更新

オロチ

「ふぅ・・・今日も暇ねぇ〜・・・」 大きく広がった真っ赤な耳をひらひらとはためかせながら、透き通るような黄色いドラゴンがふうっと溜息をついた。 眠気眼に涙を浮かべながら、退屈を紛らわすために真っ白なドラゴンの首にかぷりと噛みついてみる。 「あいた!や、やめてよいたたた・・・」 唐突に首筋に牙を突き立てられて、白いドラゴンが身をまかせながらも控えめな抵抗を試みる。 首を捻ってみるが、黄色いドラゴンはなかなか口を離そうとしない。 「あら、面白そうなことしてるわね〜?あたしにも噛ませてよ」 紫色の綺麗な巻き角を…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%aa%a5%ed%a5%c... - 2008年08月12日更新

受け継がれた救い

「まあ予想はしていたけど・・・こりゃ相当古い建物だな・・・」 鬱蒼と木々の生い茂る森の中に建てられた、小さな木造の山小屋。 辛うじて家としての体裁は保っているものの今にも崩れ落ちてしまいそうなその様子を目の当たりにして、僕は別荘での一人暮らしを決めたことを既に後悔し始めていた。 家の玄関口にかけられている"アイザック"と書かれた古ぼけた表札が、この家が先祖代々受け継がれてきた遺産であることを物語っている。 アイザック・ヴァルアス・ウィリアム、それが僕の名前だ。 学者の家系の子として生まれはしたものの、僕は…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bc%f5%a4%b1%b7%d... - 2008年08月12日更新

禁断の意匠に抱かれて

カッ・・・カキッ・・・ガッ・・・ 町の片隅に佇む小さな小屋の前の広場に、断続的な金属音が響き渡っている。 岩肌に押し当てたノミにハンマーを叩きつける度に、砕けた細かな岩の破片がキラキラと辺りに飛び散った。 照りつける太陽の暑さに滲み出した玉のような汗を拭いながら、ハンマーを振るう手にさらに力を込める。 「はは・・・今日も精が出るじゃないか、ルイス」 不意に背後からかけられたその声に、俺は作業の手を止めると静かに後ろを振り向いた。 「何か用かい?グレッグ」 背後に立っていたのは、俺よりも3歳ほど年上の友人だ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b6%d8%c3%c7%a4%c... - 2008年08月12日更新

ドラゴンステーキ

もうそろそろ、この商売にも飽きてきた。 初めはスリルと興奮のある職業だと思っていたが、今では事が思い通りに運びすぎる程つまらない事はないって痛感している。 俺の仕事っていうのはそう、ドラゴンの捕獲だ。毎日毎日、依頼がある度に俺は巨大なドラゴンの巣の中に忍び込む。そして予め大量の眠り薬を仕込んだ餌を置いておき、巣に戻ってきたドラゴンに盛って眠らせる。後は急いで依頼者に知らせて一軒落着というわけだ。 まあ、全くスリルがないと言えば嘘になる。 でもそれは凶悪なドラゴンと殺るか殺られるかっていうような殺伐としたス…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%c9%a5%e9%a5%b... - 2008年08月12日更新

空からきた少年

興奮にときめく胸を押さえながら、僕は見上げるような巨大な飛行機に乗り込んだ。 生まれて初めての海外旅行。 チケットの半券を握り締めながら自分の席を探して、広い通路を早足で歩く。 「あった!」 23Aの席・・・その席のすぐ横には、遥かな世界を見渡すことのできる小さな四角い窓がついていた。 そして飛び乗るように自分の席に座り、慣れない手つきでシートベルトをはめる。 ペロンと伸びたベルトの片側を力一杯引っ張ると、体が座席にギュッと固定された。 ちょっときつく締めすぎた気もしたが、そんなことはどうでもいい。 だが…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b6%f5%a4%ab%a4%e... - 2008年08月12日更新

結竜の儀式

多くのドラゴン達が平和に暮らす世界。 雲1つない快晴の空の下を番いのドラゴン達が陽気に飛び回り、その様子を周囲の岩山や樹上に腰掛けたドラゴン達が持て囃していた。 新たに結ばれた1対のドラゴン達を祝う、結竜の儀式。 幸せそうに翼をはためかせながら笑うその2匹のドラゴン達を、僕は少し離れたところから羨ましそうに眺めていた。 「あーあ・・・僕もあんな風にうまく飛べたらなぁ・・・」 背中から生えた大きめの翼をパタパタと動かしながら、僕は力なく呟いた。 数日前、僕は数匹のドラゴン達にからかわれて泣きべそをかいてい…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b7%eb%ce%b5%a4%c... - 2008年08月12日更新

正体不明のキノコ 1話

64名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ投稿日:2005/08/08(月)08:51:26ID:Fc8sajpb     正体不明のキノコを食べたらドラゴンになっていました ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -1話-  丁度、いわゆる「竜伝説」の残る土地へ旅行に行ってきた友人から箱が届いた。 中には現地の装飾品やら加工食品やら人形やらが入っていた。正直いらない。 ・・・で、ちょっと気になるものがあった。キノコだ。見た目は普通のキノコだ。  だが、図鑑を見ても類似…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%b5%c2%ce%c9%d... - 2008年08月12日更新

正体不明のキノコ 2〜7話

64名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ投稿日:2005/08/08(月)08:51:26ID:Fc8sajpb     正体不明のキノコを食べたらドラゴンになっていました ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -2話- とりあえず俺は俺は今まで会ったことをアイツに話しながら食事を取った。 こんな姿になってしまったからには、やっぱり竜語見たいなのになってしまってるかも、と少し不安だったがアイツとは普通に会話することができた。少し安心した。 犬サイズになってしまったが…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%b5%c2%ce%c9%d... - 2008年08月12日更新

トカゲ竜は寒いのさ

     *トカゲ竜は寒いのさ*      /こんにちは、をお持ち帰り/  師走。すでに風の冷たさは本格的だ。 「これ、カッチンおきんかね。」 必死で布団にしがみつく少年、その掛け布団を奪いとる老婆。 「あ〜、ばあちゃん後ちょっとだ。」 そんな時間はないからすぐに支度をせよ、と言い放たれる。 「じいちゃんの葬式だって、ばあちゃんは哀しくないのかよ。」 そう、ぶつくさ言いながら少年は着替えた。  カッチンはまだ9才。怖さとか哀しさとか、あんまりよく知らない。 楽しさだけを求めていてよく何かを見つ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%c8%a5%ab%a5%b... - 2008年08月12日更新

常世の寝室

「ハァ・・・ハァ・・・」 山裾に広がる小さな町の中を、輝くような黄色い毛を靡かせた小柄なドラゴンが懸命に走っていた。 「いたぞ!あっちだ!」 武器を持った数人の男達が、あちらこちらで怒号を上げる。 私はほんの少し、ほんの少しの家畜を奪って逃げるだけのつもりだったのだ。 ここ数年の異常気象のせいで、すでに私の住む山の食料は枯渇していた。 空腹に喘ぎながら人間の街へ忍び込み、放し飼いにされていた鶏を襲ったまではよかった。 そこを運悪く人間に見つからなければ、こんなことにはならなかったというのに・・・ 必死で…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%be%ef%c0%a4%a4%c... - 2008年08月12日更新

プレクルソリス

堆い城壁に囲まれた広場は深い沈黙に包まれていた。 唯一、金属のきしむ音だけが淡々と風を揺らし続けている。 豊穣の季節の終わりを告げる冷ややかな空気に抱かれたそれは、言い知れない虚無感を帯びていた。 「罪人、前へ」 静寂を破る、地を這うような低い声。 その主たる男は厳粛な表情で唇をかみ締めていた。 掲げた手のひらが微かに震えているようにも見える。 男は静かに手を下ろすと、まぶたを閉じてゆっくりと息を吸い込み、再び両目を見開いた。 彼の声によって広場の内周を囲う兵士が円陣を整え始める。 やがて、奇妙なほどに美…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%d7%a5%ec%a5%a... - 2008年08月12日更新

ヴォリー

「ンモオオォォォオオ!」 さんさんと陽光降り注ぐ穏やかな昼下がりの牧草地で突如として上がった牛の悲鳴。 泥棒か、狼か。考えられる原因はそんなところだが、何せこんな真っ昼間である。 人にしろ獣にしろ、白昼堂々と牛を掻っ攫うような真似はしないだろう。 そういう輩は夜を待つものだ。 つまりそれは、招かれざる客がそのどちらでもないことを示唆しているに違いなかった。 芝生に身を放り投げていた農夫は牛の悲鳴にようやく重い腰を上げて、喧騒の中心に視線を投げた。 そして、仰天した。 「ド、ドラゴン…!誰か!誰か助けてくれ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%f4%a5%a9%a5%e... - 2008年08月12日更新

竜と人と

「ローレンス、ドラゴンと結婚した人間はいないのかな?」 ローレンスは音読の途中だった小難しい天文力学の本を閉じ、驚いたそぶりを隠すことなくテメレアに視線を向けた。 この唐突な質問自体が驚きに値するものだったが、 普段は自分の朗読にじっと耳を傾けているテメレアが急に話題を切り出したことに、ローレンスは面食らった。 雲ひとつない穏やかな星空の下、ランプの灯りにゆらめくテメレアの表情がどこか寂しげに見える。 「どうしてそんなことを聞くんだい?」 驚倒の表情を取り繕い、あたかも平静にローレンスが言った。 質問を質…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ce%b5%a4%c8%bf%c... - 2008年08月12日更新

レヴィタス

違う。ぼくのキャプテンじゃない。 近づく足音の方向をちらりと見遣り、小さな竜は深いため息をついた。 途端、その腹部から赤黒い血が溢れ出す。 「レヴィタス、しっかり!」 竜を腕に抱いた青年が声を上げた。 こぼれた涙が幾度も竜の頬を叩くが、反応は薄い。 足音が止んだ。 竜はまぶたを閉じる瞬間、怒りに身を震わせる足音の主を見た。 ──ローレンス。 あなたの怒りは、ぼくのキャプテンに向けられているんですね。 でも、違うんです。キャプテンは悪くないんです。 飛行士の多くは、戦闘能力に秀でたリーガル種や、ロングウ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%ec%a5%f4%a5%a... - 2008年08月12日更新

発情期

ローレンスは困惑していた。 テメレアは初めての発情期を迎えた。雌雄の区別を持つ生き物であれば珍しくもない成長過程のひとつだ。 だが、ドラゴンはただのけだものではない。人間と同等、いや、それ以上に賢いのだ。 ドラゴンは発情期の衝動を自制できる、そのケレリタスの言葉に疑いはない。 彼は上官であると同時に数百年を生きたドラゴンでもある。説得力は相当なものだ。 しかし、自身のテメレアに対する接し方 ──特に日常的な世話のあり方が他の担い手と比べて特殊であることをローレンスは自覚していた。 ロック・ラガン基地に赴…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c8%af%be%f0%b4%f... - 2008年08月12日更新

エルアール

空を飛んでいるドラゴンを、人は、神の使いとして憧れと尊敬の目で見つめる。 中には、悪の根源のようにドラゴンを憎んでにらみあげている者もいたが、 どちらにも共通していえることは、何故神の使いなのか、何故悪の根源なのか、 確固たる証拠を持っていないことだった。 二匹のドラゴンは、少々平和ボケしていたのかもしれない。 相変わらずのどかな空を滑空する二匹のドラゴンは、 人間たちが打ち出した鋼鉄の網にまんまと引っかかった。 互いに動転して、思い思いの方向に逃げようとしたため、 網が複雑に絡まって、二匹は地面へと落…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%a8%a5%eb%a5%a... - 2008年08月12日更新

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