眠りの女神の愛撫に身を委ね、揺り篭にゆられながら私は夢を見る
心の最下層に沈殿された微かな感情が、夢という無責任な舞台で主演を気取って踊ろうとする
その劇はいつも辛辣なる言葉と悲劇的な最後で幕を閉じる
もしかしたら、私は心のどこかで滅びを望んでいるのかもしれない
滅亡を求めているのかもしれない
あの、甘美なる果実が腐りきり、鈍い音を立てて枝から落ちる瞬間を
私は望んでいるのかもしれない……
その里の名前は妖狩(あやしがり)の里。
二つの月に照らされた幻想的なその里は、「巫女」と呼ばれる者が統治していた。
妖狩の巫女一族 式神を使役し、妖き者を狩る一族
鬼守衆 鬼を守護神とし、魔を狩る一族
哭門の朱竜族 生存の為、人間を狩る一族
数多くの種族、集落が入り乱れる世界、それぞれの運命を辿っていた一族
しかし、邂逅という名の物語は螺旋の様に絡み合い
巫女達を、鬼守衆を、妖者を、次々と一つの物語へと導いていった……
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