東方キャラとウフフにイチャつくまとめ

「……お嬢様、本当に私でよろしいのですか?」

「何度も言わせないで。私は、貴方に初めてを捧げたいの」


お転婆で、我侭で――――従者が知る令嬢は、いつも強引に彼を振り回していた。
けれども、今の彼女は紛れも無く一人の男に恋をする“おんな”そのもの。
普段の彼女とは余りに違いすぎるギャップが、逆に従者の心をかき乱す。


「私は、あなただけのものだから――――」


未だ理性で己を押さえつける従者に焦れたのか、令嬢は従者の頬に掌を添えながら告げる。


「あなたが、どうしても身分の差が気になると言うのなら――――私のところまで手を引いてあげるから」


鋼の自制心も、そこまでが限界で――――
従者は、はにかみながら誘う令嬢をベッドに押し倒した。


――――スプラウト=ヴァイオレット著『ある世界の従者と令嬢』より抜粋









とある館の一室――――


「さて、今日のお勉強はここまでですね」


椅子に座った青年が、対面している少女にそう告げた。
けれど、少女は反応を見せない。


「妹様?」

「…………」


青年は少女の眼の前で、掌を広げて振る。
……けれども、少女の反応には変化がない。
どこかぽーっと赤く上気した頬のまま、青年を見つめ続けていた。

青年は、落ち着いた物腰が特徴の男だった。
年は、二十代前半あたりだろうか。
スーツのような長めの上着に、スラックス、革靴。
それらの衣服は、全て黒で統一されてある。
その姿は、執事という言葉が最も似合うだろう。

一方、少女は異人なのだろうか――――?
年は、十代にも満たないように見える。
紅色を基調とした服に身を包んだ、人形のように愛らしい少女だった。
けれども、彼女はどこか形容しがたい雰囲気を醸し出している。

薄い金色のショートヘアは、それに触れずとも ふわふわとした柔らかい感触が見て取れる。
真紅の瞳はまるで磨き上げたルビーのようであり、彼女の可愛らしい姿とはうらはらに妖しさを醸し出している。
そして背についている――――それは翼なのだろうか?―――― 一つ一つがまったく別の色に輝く宝石がいくつもついた二対の“翼”。
それが、彼女が“人間”では無いことを如実に示していた。


「フランドール様!」

「……え? ひゃぁっ!?」


反応のない少女に焦れたのか、青年は大声を出して少女を現実に引き戻した。
フランドールと呼ばれた少女は、驚きで素っ頓狂な悲鳴を上げる。


「ど、どうかしたの? え……と、今日はもう終わり……だよね?」


今しがた現実に戻ってきたフランドールに、青年は呆れてしまう。
そして、『どうかしたの?』と聞きたいのはこちらの台詞だと言わんばかりに大きなため息をついた。


「……どうしたんです? なんだか、授業中も集中してないみたいでしたし――――」


青年が見る限り、今日の彼女は完全に上の空。
今日の授業も、彼女の耳をただ漠然と通り過ぎていただけに違いなかった。
青年も、それがわかっていたから少し早めに終わらせたのだが――――


「身体の調子でも悪いんですか?」

「う、ううん……大丈夫」


そうして、再び沈黙。

彼女の頬は、どことなく赤く染まっている――――少し熱があるのかもしれない。
風邪なのか、病気なのか……大丈夫と言うのも、どこまで信じていいものか。
いっそのこと、屋敷の全てを取り仕切っているメイド長に相談し、薬を持ってきてもらったほうがよいか――――そこまで考えたとき


「ねぇ、○○……」


何の前触れもなく、フランドールが青年の名を呼んだ。


「はい、なんですか?」

「…………」

「フランドール様?」


胸の前で人差し指を弄りながら、再び沈黙。
何かを言わないのではなく、言えないように見える。


「フランドール様――――」


○○は、フランドールの両肩を掴み、腰を曲げて彼女と目線をあわせる。
そのまま、彼女の顔を覗き込んで優しく語り掛ける。


「悩みがあったり、苦しかったら言ってください。
してほしいことがあるなら、私もできる限り手を貸しますから――――」

「……うん」


心なしか、フランドールは少し落ち着いたように見える。
……だが、頬の赤みは濃度を増している。

フランドールは、肩に置かれた○○の右手に自分の両手を重ねた。


「あ、あのね……○○」

「はい」


○○は笑顔で答える。

そんな○○をじっと見つめ、フランドールは静かに深呼吸を一回。
そして、その言葉を口にした。









「……私は、あなただけのものだよ」









一瞬、○○は何を言われたのか理解できなかった。
そして数秒後――――


「…………は?」


○○はそんな間抜けな声を上げることしかできない。
色々と考えを巡らそうとした瞬間――――○○の視界がひっくり返った。


「うわっ!?」


いきなり世界が回転したと思ったら、腹の上に何やら重さを感じる。

一瞬の時間の後、○○は自分がベッドの上に仰向けになっていることに気づく。
彼の腹の上には、頬を紅く染めたフランドールが馬乗りになっていたのだ。


「えっと……その……」


一瞬、血を吸われるのかとも思ったのだが、当のフランドールは両手を口元に持ってきて うろたえている。
その姿はさながら、迷子の子供のようなのだが――――どこか悩ましげで、色っぽい。
幼げな雰囲気には似合わないものの、普段の彼女とのギャップに、○○は少しドキッとさせられる。


「ぁ……ぁぅぅ……」

「……えーと……お、落ち着いてください、フランドール様」

「お、落ち着いてるよぉ……!」


落ち着くどころか、フランドールは更に抜き差しならない様子になってきている。
彼女の頬の赤みは更に濃度を増しており、焦りは目に見えてひどくなってゆく。

端から見ると追い詰められているのは○○のように見えて
実は本当に追い詰められているのはフランドールのほうだった。


「フランドール様……せめて、何をしようとしているのか、どうしてこんなことをしようとしているのか教えてください。」

「う……」

「落ち着いて、ゆっくりでかまいませんから――――」


再び、沈黙――――
少女は俯き、口ごもる。
そして、少し間をおいて――――


「イケナイこと……しようと……」

「は?」


今度は、○○の耳にもはっきり聞こえた。
けれども、意味がわからないという意味では、先程のフランドールの発言と大して変わらなかった。


「イケナイ……こと?」


真っ先に○○の脳裏に浮かんだのは、性的なこと。
そんなことがあるはずないと、○○はその考えを即座に否定した。
未だにフランドールの思惑が掴めない○○の精神を置き去りにしたまま、フランドールはポツリポツリと呟くように語りだす。


「あのね……こないだ、パチュリーが小説を貸してくれたの……」

「小説……?(そういえば――――)」


そこまで聞いて、○○は授業が始まる前までに何かの本を読みふけっていた事を思い出す。
それこそ、○○が彼女の部屋に入るときにノックしても気づかない程に――――


「……その、小説の中ではね……」


そして、ぽつりぽつりと静かに語り出す。


「従者の男がね、主人公の令嬢の女の子を……優しく抱きしめて……エッチなことをしてね……」


小説の中の情景を思い出すように。
従者と令嬢の想いを思い出すように。
フランドールは二人の登場人物の逢瀬を語ってゆく。


「でも、二人ともすごく幸せそうで……」

「え、ええ……」


フランドールの艶のある表情に心を奪われ、○○は喉を鳴らし 生唾を飲み込む。


「だ、だからね……」


そして……
フランドールは○○の目を見つめて……ゆっくりと、はっきりと――――


「わ、私もね……あなたに、そんな風にされてみたいなぁ……って」


―――― その想いを口にした。


「…………え?」


○○の時間が止まった。
その時点になって、ようやく謎が完璧に判明するも、今度は焦り慌てるのは○○の番だった。


(い、いつの間にこんな!? まだまだ子供だと思っていたのに!? しかも相手は――――)

「だからね、○○。私に……イケナイこと、して……」


動転する○○に、フランドールは畳み掛けるように囁く。


「あ、あの……」

「ね、お願い……」


少女のそんな姿に、○○の鼓動はどんどんと早くなってゆく。
フランドールの上気した“おんな”の表情は、それほどまでに強烈な破壊力を持っていた。


「えっと、その……フランドール様――――ちょっと、待ってくださ――――」


けれど、残り僅かな理性が警鐘を鳴らしていた。
彼女に手を出したらただでは済まないということが、容易に予測できるからだ。
館の主――――フランドールの姉でもある、レミリアに何をされるかわかったものではない。
下手をすれば、処刑されても然るべきと言えるだろう。
けれども――――






「貴方だけのモノになりたいの……」





潤んだ瞳。
上気した頬。
そして、切なそうな表情。

それは、青年のちっぽけな理性すらも。
愛の告白も済んでいない今、明らかに順番が逆だという、くだらない道理も全て破壊してゆく。
○○の理性も、そこまでが限界で――――


「――――失礼します……」


○○は小さな声でそう呟いた。
まるで、スイッチを入れると言わんばかりに。


「ひゃぁっ!?」


ぽふっ!


今度は、フランドールの視界がひっくり返る。
○○がフランドールをベッドに押し倒したのだ。


「○○……?」


恐る恐るフランドールは○○に声をかける。
突然豹変したかのような、彼の行為に少し怯えてしまったのだ。


「……男は獣なんですよ?
好きな人からそんな事言われたら、押さえがきかなくなってしまいます」


そんなフランドールを安心させるべく、青年は彼女に優しく告げた。


「え、あの……それって――――」


察しの悪い少女に苦笑しながら、青年は自らの想いを告げる。
そう、かねてより思いを寄せていた少女に――――


「――――私も、あなたをお慕いしてます」


フランドールの動きが、止まった。
眼をパチクリさせながら、呆けたような表情。
次に、呆けたような表情が次第に次第に紅く染まり――――


「あ、ぁぅぅ……」

「……どうしました?」

「は、恥ずかしくて……嬉しくて……どうかなっちゃいそうなの……」


羞恥と、歓喜がないまぜになった表情を両手で顔を隠しながら
○○の視線から逃げるように身をよじる。

そして彼女の可愛らしい言葉に、青年は ガツン! と殴られたような衝撃を食らっていた。

押さえきれないほどの異常な情動が全身を包み、今すぐに襲いかかってしまいそうになるも――――かろうじて抑える。

狂ったように暴れ、欲望を果たそうと望む“欲望”を抑えきれた理由はただ一つ――――
初めてを怯えさせてはならないという、フランドールへの強い想いだった。


「ぁぅぅ〜……」

「かわいいですよ、フランドール様」


バクバクと自分の耳にも聞こえてきそうな己の心臓音をBGMにしながら
○○は、フランドールの肩に手をかけた――――






「ゆっくりと、教えていってあげますから――――」


そう言いながら、○○はもどかしげに上着を脱ぎ捨てる。
無論、気が急いているようなそんなそぶりはフランドールに見せない。

けれども、傍目からは落ち着いて見える彼の心は、激しい情動の最中にあった。
ともすれば縺れそうになる指を、必死で滑らかに動かし、上着の下に着けていたベスト――――
最後にワイシャツの一番上のボタンを外した。

そして、○○がフランドールの身体を抱きしめようとした そのとき


「あ、あの、○○……」

「……はい、何でしょう?」


ここまで来て 怖気づいてしまったのだろうかと、○○の心に嫌な汗が流れる。


「わ、私……初めてなの」


さすがに これまでの反応から、○○もフランドールにそういった経験がないということはわかっていた。
それでも、改めて口にされると方も少し照れてしまう。


「え、ええ……」

「だからね、その……できれば……や、優しく……」


フランドールの声は、どんどんと小さくなっていき、最後には聞こえなくなってしまった。
けれども、頬を染め俯きがちになり、なおかつ羞恥で視線を○○と合わせられずにいるフランドールの姿は
○○の意識――――もとい理性を一瞬で吹っ飛ばしかけた程度で――――
彼が 辛うじて獣のごとく襲い掛かるのを留まったのは、やはり見事と言わざるを得ないだろう。


「ええ、もちろんです」


湧き上がる獣欲を無理やり押さえ込み、○○は上気したフランドールの頬に手を添える。
そして、そのまま目を閉じながら自分自身の唇をフランドールの唇に近づけ――――優しく重ねた。


「んっ……はぁ……」


しばらくの間、○○はそのままフランドールの唇の感触を味わい続けた。
そのうち、息が苦しくなったのか、フランドールが○○からわずかに唇を離し、その唇から熱い吐息を漏らす。

○○は、フランドールを決して逃がすまいと、再び口づける。
既に、フランドールの唇は唾液によってサクランボのように瑞々しくなっており
○○は唇と舌先で、フランドールの唇を弄ぶかのように舐めしゃぶり、弄り回す。

フランドールも、おずおずと舌を○○に絡めさせる。
初めての行為に、戸惑いながらも○○を求めようとしていた。
その緊張した動きも、○○によってゆっくりと解きほぐされてゆく。


「ん……」


どちらからともなく、互いの両腕が互いの背に回される。


「はぁ……っ」


そうして、長く長い抱擁と口付けの後
銀色のアーチが二人の唇をつなぎ、程なくして消えた。
抱き合ったまま、二人は見つめあい、互いに囁きあう。


「○○の身体……暖かいね……」


フランドールは、彼女のほんの少し冷たい体を青年が暖かく包み込んでくれることに、この上ない充足感を感じていた。
冷たい身体が青年から熱を奪うとともに、心までもが微熱を帯びてきている。


「妹様の体も……冷たいけれど、すごく心地良いです」


一方、○○もフランドールの身体の感触を十二分に堪能していた。
ほのかに香る女性特有の甘い香りが、麻薬の様に脳髄を痺れさせ
冷やされる身体とは裏腹に、心は燃え滾るような愛欲に飲まれてゆく。


「脱がしますよ?」

「…………うん」


そして、○○はフランドールの服を優しく脱がしていく。
まずは、両腕を背後に回しブラウスのボタンを、外してゆく。


「……っ!」


ブラウスを完全に脱がそうとした瞬間、フランドールの体が強く強張った。


「…………」


おそらくは、まだ恥ずかしいのだろう。
このまま無理やり脱がしてもフランドールはさほど抵抗はしないだろうとは考えたが
初めての娘にそんなにするのも少し可哀そうだ。
何より、このままの服の方がより興奮するではないか――――


「大丈夫ですよ」


○○が指先をフランドールの肩口に滑らせると、彼女はぴくんと体を反応させる。


「……んっ」


彼女の悩ましげな声を皮切りとし、○○はフランドールの身体を
撫でるように、擽るように、するり、するりと撫で上げる。


「はぁ、ぁぁっ……」


○○の目にもはっきりとわかるほど、フランドールの身体がゾクゾクと震えているのがわかる。
初めてにしては意外な敏感さに、少し驚かされるものの
これまでに幾度と無く想像の中で犯してきた肢体を
自分だけのものにできるという興奮は無上のものだった。
興奮を抑えきれずに、○○はフランドールの胸の頂に指を滑らせる。


「ひゃっ!」


明らかに、今までよりも強い反応。
さすがにやりすぎたか、と○○は慄く。
けれど、フランドールは顔を背けたまま抵抗はしなかった。

緊張はしているけれど、嫌がってはいない――――
だから、○○はフランドールに頬に口付けて
そのままその唇をフランドールの首筋、肩、胸元に押しつけてゆく。


「どうですか?」

「なんだか、ふわふわして、少し熱いよぉ……」


フランドールのスカートは肌蹴られ、まだ幼く細い太腿が見える。
○○はそれを目にしながら――――


「そろそろ、ココか――――」

「やぁっ、恥ずかしいよぉ……」


――――フランドールのスカートに手を差し入れた。
○○の手がフランドールの太腿やお尻を擦りながら、ゆっくりと移動してゆく。
そして、ドロワーズの上から、股を優しく擦りあげた。


「んっ、あぁ……だめぇっ……!」


刺激が強すぎるのだろうか、フランドールの喘ぎ声が大きくなった。


「……や、やぁっ、あんっ」


○○の舌がフランドールの胸の上を這う。
乳首と、首筋……ゆっくりと、フランドールの感じる箇所を探り当てていく。
そして、性感帯がわかると、的確にそこを舌で舐めしゃぶった。


「あっ、ぁぁっ!」


そうして、○○の指がドロワーズのクロッチを撫で上げた瞬間――――


「ひゃあっ!?」


ビクン! と、身体を激しく痙攣させ、フランドールは素っ頓狂な声を上げた。
その反応と、指先に残る感触から、○○は自分が彼女の最も敏感な部分を撫で上げたことを悟る。


「ふふ、ココが気持ち良いのですか?」


先ほどから響き渡るフランドールの嬌声に、○○は完全に狂わされていた。
もっと彼女の艶かしい嬌声を聞いていたいという欲望のままに、○○はドロワーズ越しに何度も秘部を擦りあげる。


「やっ、あんっ、いいっ、気持ち、良いよぉ!」


いつしか、フランドールのそこは潤み、溢れ出した蜜がドロワーズを濡らしていた。


(……初めての娘がココまで感じるものなのか?)


しかし、○○はこれまでのフランドールの反応に内心首を傾げていた。
○○にはそういう経験はこれまでに無い。
けれど、初めてで此処まで感じるという話は彼自身も聞いたことが無い。


(もしかして――――)


ふと、○○はフランドールの感度が高い理由を思いついた。
それを、フランドールに聞くべきか聞かざるべきか、酷く迷う。
けれど、尋ねた後の反応が知りたくて……とうとう、好奇心に勝てずに尋ねてしまう。


「妹様……御一人のときに、ココを弄られたことがあるでしょう? それも、何度も」

「――――っ!!」


フランドールの瞳が驚愕に見開かれる。
蕩け切っていたはずの意識が、驚きによって完全に羞恥に引き戻されたようだ。
その、あまりにもわかりやすい反応は、YESと言っているようなものだった。


「あ……ぅ……」


絶句という言葉を体現したかのように、フランドールは押し黙ってしまう。
頬が……いや、全身が羞恥の色に染まる。


「な、なんの……こと……?」


遅すぎる誤魔化しの言葉に、○○は唇を歪めながらフランドールの背後に回る。
そして、その背後から股と胸に手を伸ばした。


「ひゃっ!?」

「何のことですって? もちろん――――」


くちゅ――――


「ひゃん!」


クリトリスを擽り、ドロワーズの上からグリグリと抉るように秘部に指を立てて――――


「フランドール様が、お一人のときに――――」

「はぁっ、あ、やぁ、やんっ!」


硬くなりつつある小さな乳首を、指の腹で擦り――――


「胸やココをこんなふうに弄り回して――――」

「んっ、んああっ、ああああっ!」


首筋に舌を這わせ――――


「ぐちゃぐちゃになっても、止めずに――――」

「あっ、あっ、あんっ、ひぁぁっ!」


ねっとりとした口調で耳元で囁き、その赤く染まりぬいた耳たぶを食んだ。


「――――淫らによがり狂っていたことです。
……答えられないのであれば、今日はこれで終わりにしますよ?」


○○はそう告げて、フランドールの身体から手を放した。


「や、やあっ……!」


既に、後戻りできないほどに昂揚させられた身体の疼きが、フランドールから羞恥という衣を奪い取ってゆく。
快楽に対し、さほど耐性の無い彼女が、耐えられるはずも無く
わずかな時間 躊躇った後、あっさりと陥落した。


「ごめん……なさい。私、イケナイこと、してた……」

「どんなふうに、されていたのですか?」

「……し、知りたいの?」

「もちろん。可愛い可愛いフランドール様がどんな風にイケナイ行為に及んでいたのか……知りたくない訳がないでしょう?」

「ぁぅぅ……」


羞恥にまみれるフランドールを目にしながら、○○はゾクゾクするような感覚が全身を包むのを抑え切れない。
フランドールがどういう風に自慰をしていたのか。
その様を想像するだけで、今すぐにも射精してしまいそうだった。
そして、それをネタにフランドールを更に羞恥の底へ――――そんな嗜虐心がムクムクと頭をもたげる。


「あの……椅子の、肘掛のところにね……その……あそこを擦り付けて、ね……」

「……ふふっ、それで?」

「でもね、何度もやっているうちに……それだけじゃ物足りなくなって」

「…………」

「だ、だからね、自分の指が○○のだったらって……想像しながら……
今みたいにされることを想像しながら……その……」

「――――……」


一瞬、○○は絶句する。
続いて、歓喜と情欲がない交ぜになった激しい衝動が襲った。
今度は、理性ですらも自身を抑えることはできず、自然に呼吸も荒くなる。


「え、○○? ひゃぁっ!!」


ぽふっ!


フランドールを再びベッドに押し倒し、その唇を強く吸った。
そして、片手でドロワーズ越しにクリトリスを強く擦る。


「んっ、うっ、んむぅぅっ! ぷは、あ、ああんっ! やっ!」


フランドールは、○○に吸われていた唇を振りもぎって喘ぎ声をあげる。
○○は、獣が獲物を襲うかのように胸を舐めしゃぶり、欲望のままにフランドールを激しく求め続けた。


「や、やぁっ! ○○っ! あんっ、ひゃああっ!!」


その強い刺激に、フランドールはあっという間に絶頂の寸前まで追い込まれる。
けれど、その乱暴な行動に、フランドールの心には別の感情が芽生えてきていた。


「やだ、ぁ! やめてぇ……! 怖い、よぉ……!」

「――――っ」


“怖い”という言葉に、○○は我に返る。
気づくと、フランドールは身体を震わせながら、怯えた表情で○○を見上げていた。
そうして冷静になったとたん、○○の胸に生じるのは激しい罪悪感。


「も、申し訳ございません、フランドール様!」


少し間をおいて、フランドールは○○に告げる。


「……いいよ、大丈夫。でも、やさしく……してね」


そして、「もっと愛して」と言わんばかりに○○の首に腕を回した。









あれから、どれほどの時間が経っただろうか――――


「んっ……はぅっ、はぁ、っぁ、はぁぅっ」


くちゅくちゅとイヤらしい音を立てる秘部を、○○は時に強く、時に弱く
緩急をつけながら、ねぶりまわしていた。


「やっ、おっぱい、だめぇ……! 感じすぎちゃ――――ひゃんっ!」


○○の唇はフランドールの乳首を挟み、舌が嬲り回す。
時々、歯で甘噛みするとビクンと、激しく身体を震わせる。
指や舌の強弱緩急により、面白いほどに反応と嬌声が変わる様を
○○は心の底から楽しんでいた。


「やっ……んあああっ! あああっ!!」


既に、フランドールは一糸纏わぬ姿となっており、シーツを握りながら襲い繰る快楽を貪っている。
そのシーツも、フランドールの愛液でぐっしょりと濡れてしまっていた。


「やっ、やぁっ、ダメ、ダメっ、ダメぇ! もうっ、もう――――」


フランドールの身体が小刻みに震え――――


「ふ――――ああああああぁぁぁっ!」


体を、弓なりに仰け反らせて、もう何回目かもわからない性的絶頂を迎えた。


「はぁ、はぁっ……」


荒い息をつきながら、絶頂の余韻にフランドールはどっぷりと浸かる。
次第にその荒い息が収まり、すー、すーという息が○○の耳に届く。


「妹様……?」


○○はフランドールに声をかけるが、返事は無い。
フランドールの顔を覗き込むと、すやすやと穏やかな寝息を立てて眠ってしまっていた。
幾度と無い絶頂に、性も根も尽き果てたのだろう。


「……まあ、まずはここまでかな」


性についてまともな知識もない彼女に、いきなりしてしまったら苦痛で泣かせてしまうだけ。
ゆっくりと身体を慣れさせて、出来る限り破瓜の痛みを和らげたほうが良い。
――――だから、今はまだお預け。

○○はそう考え、フランドールに毛布をかぶせる。
そして、汚れてしまったフランドールの服の替えを用意しようと立ち上がろうとした。
しかし――――


「?」


身体を後ろに引っ張られ、思わずベッドに尻餅をついてしまう。
何かと思い、見ると――――フランドールが、○○のYシャツを握っていた。
相も変わらず、安らかな寝息を立てている。


「……まいったな、さすがにコレは拷問に近い」


実際に、本日はフランドールを絶頂させてばかりで○○は一度も射精しておらず
この状態では、自分を慰めることもできそうに無い。


(ココでやってもいいけれど、下手するとフランドール様に襲いかかってしまいそうなんだよなぁ……寝顔、かわいいし)

「…………ん?」


ふと、○○の目の端に一冊の本が目に入った。
それは、フランドールが読みふけっていた小説。


「『ある世界の従者と令嬢』スプラウト=ヴァイオレット著……?」


手持ち無沙汰ということもあり、○○はその文字の羅列に目を走らせ始めた。



















おまけ


翌日――――紅魔館 大図書館にて――――


「パチュリー様。リトルさん、御三時のお茶をお持ちいたしました」

「ありがとう、そこに置いておいてちょうだい」


2カップの紅茶と砂糖が載せられた盆を手に、○○は図書館の机の傍に姿を現した。
まず、一カップをパチュリーの傍に置き、続いてリトルの分を置こうとして周囲を見回す。
けれど、普段からパチュリーの傍にいる小悪魔の姿が見えない。


「パチュリー様。リトルさんは、どちらに?」

「ああ、彼女なら今アリスのところよ。借りた本を返しに行ってもらっているの。
ついさっき出たばかりだから、しばらくは戻らないわ」

「左様でございますか……」

「せっかく淹れた紅茶を無駄にすることはないじゃない。たまには一緒に飲んでいきなさいな」

「そうですね。では、失礼いたします」


ちょうど、○○も この後 小休止を入れようとしていたところだった。
ゆっくりと机の上に座り、砂糖を一匙コップの中に入れる。
そして、紅茶を一口啜ったところで、唐突にパチュリーが口を開いた。


「昨日は、お楽しみだったようね」

「……!」


パチュリーの顔には、悪戯っぽい表情が浮かんでいた。


「あら、驚かないのね」


○○にとって、この発言は完全に予想外だったわけではない。
フランドールに悪戯したことがバレているのは、うすうす感づいていたからだ。

○○が驚かなかったことに対し、やや意外そうに首をかしげるものの
主導権は自分が握っていると言わんばかりに、相変わらずニヤつきを崩さない。


「……どうやって――――」


知ったのか、と○○はパチュリーに尋ねた。


「昨日、妹様がめかしこんでいるのを、咲夜が見つけてね。
きっと○○に迫るつもりだと思ったのよ。だから――――」


ドンッ! とパチュリーは直径20cm程度の水晶玉を机の上に置いた。


「この水晶玉で見ていたのよ。ここで、レミィと咲夜も呼んでね」

「…………」

「それにしても、あなた意外にSっ気があるのねぇ、ふふふ……」

「……悪趣味ですね」


ニヤニヤと笑みを浮かべるパチュリー。
さすがに、リアルタイムで情事を覗き見されていたのは予想外であり
苦い表情を浮かべながら、○○はその行為を咎める。


「レミィったらそういう経験がないものだから、顔真っ赤にしちゃって。
とても楽しかったわ。ありがとう」


パチュリーは○○とフランドールの情事を楽しむだけではなく
レミリアがあたふたしながらもその情事から目を放せずにいた光景を楽しんでいたようだ。
詰まる所、今回は彼女の一人勝ちとも言える。


「私も祝福するわよ、貴方達のこと。レミィもなんだかんだで止めなかったし、ね」


ただ、あなたが乱暴にしそうになったときは、止めに行こうとはしていたけれどね――――そう付け加える。
パチュリーはそう言って、紅茶を一口、口にする。

○○は祝福されたことに対し、多少の悪戯心も加えて言った――――


「ありがとうございます。“スプラウト=ヴァイオレット”様」

「ぶふぅぅぅぅぅ――――ッッッ!!!」


パチュリーはこれ以上ない程に、壮絶に紅茶を吹き散らした。


まるで信じられないものでも見たかのように、パチュリーの双眸が見開かれる。
その表情には、これまでの笑みも余裕も、微塵も見受けられない。


「な、あ、あな、あなた……どうして――――」

「簡単なことですよ……ご自分の字だとバレないように、タイプライターで書かれてあるようですけれど
この文字の形はパチュリー様がたまに使われているモノと同じ機種のようですから」


あまりのことに、どもりながら焦るパチュリーを、○○は冷静に追いつめてゆく。


「さらに、そのタイプライターに、この切れ端が挟まっておりました。
ほら、この本の95ページ目……ここの破れた部分とぴったり合います」

「あ……う……」

「この館には貴女様以外にタイプライターを使われる方はおりません。
以上より、これはパチュリー様が描かれた作品だと考えたのですよ」


○○をからかって楽しんでいたパチュリーも、さすがにこの流れは予測できなかった。
追い詰めていたはずが、いつの間にか追い詰められ――――
それは自分の作品でないという嘘を吐こうとするも、焦る頭では全く適切な嘘を考え付くことができない


「あ、あのね、それは違うのよ……それは――――その――――」

「おそらくは、遠い昔に恋愛に憧れて描かれた作品なのでしょう?」

「――――ッ!!」


これは、○○の全くの当てずっぽうだったが、どうやら図星のようだった。
しかも、これほどの焦り様から見るに、この本はどうやらパチュリーの黒歴史であることは語るに及ばず。


「ふ、ふふふふふ……」


唐突に、パチュリーが笑みを浮かべた。
それは、先程まで浮かべていた笑みとは比較にならない、邪悪そのものな笑み。


「パチュリー様?」

「貴方には、好奇心は猫を殺すという言葉を贈ってあげる……冥土の土産にね」

「やはり、この『ある世界の従者と令嬢』という物語は、貴女が描かれた作品だったのですね」

「……そうよ、昔、まだ恋愛のイロハも知らなかった頃に色々と妄想して書いたの」


知ってしまったから始末しようと――――パチュリーの指先に魔力が宿る。
戦闘能力は皆無の○○が、その魔力の直撃を受ければ死は免れない。
けれど、○○は焦ることなくパチュリーに告げる。


「残念ですが、パチュリー様には私を殺すことはできません」

「あら、ただの人間である貴方が、どうやって逃げるのかしら?
それとも、私を倒すとでもいうの?」

「逃げる必要も、倒す必要もありませんよ」


○○はそう言って、本棚に向かって叫んだ――――


「フランドール様! もういいですよ!!」

「はーい」

「……は?」


本棚からフランドールが姿を現す。
その小さな手には、パチュリーの預かり知らぬ機械があった。


「ちゃんと撮れました?」

「うん、バッチリだよ」


○○はパチュリーのほうに向き直った。


「河童謹製のビデオカメラです。まあ、音声と光景の記録装置のようなものですよ。
無論、今の場面を この機械で記録しておりました」

「な……」

「……さて、これでもまだ私を殺せると?」


パチュリーの力では、ビデオカメラをフランドールから取り返すことはできない。
そして、○○を殺そうにも、フランドールがさせないだろう。
ここから逃げても、ビデオカメラという証拠が残っている。

がくり……

今度こそ、パチュリーは完全な敗北を悟り、その場に膝をついた。


「何が……目的なの……?」


震える声で、空ろな瞳で、パチュリーは言葉を搾り出す。
昨日のフランドールと○○のやり取りから、パチュリーは○○が間違いなくドSであるということを理解していた。
それだけに、想像するだけで恐ろしい末路が待ち構えていることは容易に想像ができる。
このまま二人の性奴隷にされるのか、それとも紅魔館を乗っ取る手伝いをさせられるのか――――


「パチュリー様に教えて欲しいことがあるのですよ」


身をすくめ、恐怖に全身を小刻みに振るわせるパチュリーに、○○は告げた。






「この本、2巻目はありますか?」







「……は?」




唖然とするパチュリーに、フランドールが目を輝かせながら笑顔で言った。


「私も、○○も続きが読みたいの!」




To Be Continued……?



1スレ>>536 ロダicyanecyo_0065.txt、icyanecyo_0085.txt

SS : フランドール・スカーレットへ戻る

このページへのコメント

フラン可愛い!

4
Posted by G級名無し 2017年10月02日(月) 06:04:29 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

管理人/副管理人のみ編集できます